楽しむ人と楽しめない人の違い-老後の生活に差がつく12の知恵

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老後は自分の好きなように生きたいと思いますよね?

男性は80歳、女性は85歳くらいまで平均寿命が延びた現代、仕事をリタイアした後も15~20年という時間が残っていることになります。

かつては老後といえば、穏やかに余生を送ることが幸せと考えられていましたが、現在は、子育てや仕事という肩の荷を下ろして第二の人生を謳歌するものと考えられています。

しかし、なんの準備もなしに雪崩れ込むようにして第二の人生をスタートさせても、老後の生活を充実させることはできません。

ここでは、老後を楽しめるか楽しめないかを分ける知恵や心構えを、「お金」「人間関係」「家庭」「生きがい」「好かれる方法」という5つのジャンルに分けて解説します。
これから定年を迎える人、老後生活の計画を立てようと考えている人は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. お金にかんする知恵
① 年下の奥さんの国民年金保険料
② 年金生活1年目の住民税
③ 健康保険の任意継続

2. 人間関係にかんする知恵
④ 看板や肩書きは通用しなくなる
⑤ 人間関係を縮小してラクになる
⑥ 孤立しない独居を楽しむ

3. 家庭にかんする知恵
⑦ 男は下宿人への転落を理解する
⑧ 夫婦の距離感を大切にする

4. 生きがいにかんする知恵
⑨ 仕事がある人は幸せ
⑩ 生きがいに必要な3つの条件

5. 好かれる老人になる知恵
⑪ 謙虚になって損はない
⑫ 外見を気にしなくなったら終わり

まとめ

1. お金にかんする知恵

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老後の生活に必要な金額や収入には、人それぞれの個別事情があります。

もっとも大事なことは、夫婦の年金受給開始時期と受給額をしっかり把握することです。

終身雇用制度が崩壊した今、定年にともなって十分な退職金をもらえるという人は、半数にも満たない状況です。

国民年金だけの受給だけだと、満額でも年間約78万円ですから、夫婦合わせても月額にすれば13万円ほどです。
これだけで生活していくのは、とても難しいのが現実です。

今後はさらに、受給年齢が上がり、受給額が下がるという方向に向かうと思われていますから、老後の不安が「お金」に集中するという傾向がますます強くなっていくでしょう。

そうした厳しい現実の中で、定年直後にお金でつまずかないために知っておかなければいけないことがいくつかあります。

① 年下の奥さんの国民年金保険料

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夫が定年退職したとき、妻の年齢が60歳未満であると、60歳になるまでは国民年金の保険料を払わなければいけません。

夫が会社務めをして厚生年金に加入している場合、妻は「国民年金の第3号被保険者」という扱いになって保険料が免除されます。(妻が独自に厚生年金に加入している、公務員で共済年金に加入していている場合を除く)

このため、多くのサラリーマン家庭では、妻が国民年金に加入していながら保険料を払わずに済んでいます。
しかし、夫が定年退職になると、妻はサラリーマンの配偶者ではなくなります。

ですから、妻がまだ60代になっていない場合には、「国民年金の第3号被保険者」から「第1号被保険者」となって、保険料を納めなければいけなくなります。

平成29年度の保険料は月々16490円ですから、年金生活においては大きな出費です。
年下の若い奥さんと結婚している人は覚悟しておきましょう。

② 年金生活1年目の住民税

例えば定年退職が12月だとすると、「住民税の残りを最後の給料から一括して払いますか?」ということを労務課などから聞かれます。
あなたが「そうしてください」と同意すれば、その年度の住民税の残額は一括納付できます。

しかし問題は、翌年の住民税です。
住民税は毎年1月から12月までの収入に対して算出され、翌年の6月から翌々年の5月にかけて給料から徴収されます。

ですから、最後に働いた年の住民税は、退職した年の6月から納付しなければいけなくなるのです。
収入が年金だけになったところに、サラリーマン最後の年の高い収入に対する税金がドーンとかかることになります。

この「後から追いかけてくる」住民税のシステムを理解していないと、大きなショックを受けることになります。

③ 健康保険の任意継続

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健康保険は退社して20日以内に、「2年間の任意継続」という手続きを忘れないようにしなければいけません。

会社に所属している間は、健康保険料の半額を会社が負担していましたが、退社後は全額負担になるので、倍額になります。
保険料の額は住んでいる市区町村によって異なりますが、平成29年度の最高額は東京23区の場合、基礎分に高齢者支援分と介護分を足して年額89万円です。

普通のサラリーマンが定年退職のときは、だいたいこの程度になるといわれています。

この保険料の緩和策としてあるのが任意継続という制度です。
任意継続を申請すると2年間の保険料の最高額が、65歳未満は月額3万2732円、年額39万2784円に、65歳以上は月額2万7916円、年額33万4992円になります。

健保組合のある会社では健保組合に、健保組合のない中小企業などは社会保険事務所に申請します。

 

2. 人間関係にかんする知恵

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定年退職をしたら、会社がメインとなっていた生活の場が、住んでいる地域や、あらたな仕事に根差した環境に変わります。
当然、人間関係もガラッと変わることになります。

第二の人生を歩み始めると、会社にいた頃の友人知人とはどうしても疎遠になっていきます。

最初は人間関係が希薄になったような気がして、さみしい思いをしますが、高齢になってからの友人関係は、たまに連絡を取り合って気が合えば会うくらいの関係がお互いにラクでいいのです。

老後の生活にとって重要な人間関係とは、適度な距離を保って一緒に行動できるような人たちとの交流、言わば社会との接点です。

④ 看板や肩書きは通用しなくなる

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新たな環境で第二の人生を歩み始めたのに、会社にいた頃の地位や肩書きを忘れられない人は嫌われます。

例えば、大企業の元役員の人が、退職後に初めて参加した地域の町会やボランティアで、自分では何もできないのに、他の参加者を部下のように扱ったらどうなるでしょうか。
他の参加者を不愉快にさせるはずです。

第二の人生で問われるのは、過去に何をしてきたかではなく、これから何ができるかということなのです。

肩書きや名刺でつながっていた人間関係も消滅します。
自分に人望があると思っていた人が、退社したとたんに周りから人が離れていき、はじめて自分の肩書きに人が集まっていたことを実感するというも少なくありません。

過去の地位や肩書は、封印してしまいましょう。
地位の高かった人ほど難しいことだと思いますが、周囲の人たちから嫌われてしまっては楽しい老後など望めるはずがありません。

⑤ 人間関係を縮小してラクになる

老後は、支出、住居、行動範囲といった生活の要素を縮小していくことになります。
決して消極的な発想ではなくて、そのほうがラクになって積極的に人生を楽しむことができるからです。

人間関係も同様に縮小して楽になったほうがいいのです。
会社にいた頃の人間関係を引きずっていても、ムダやお互いの負担が増えるだけです。
普通は、自然と疎遠になっていくものですから、あえて関係を維持しようとする必要はありません。

お中元やお歳暮といった習慣は、定年を機会にやめてしまいましょう。
「この度、定年を迎えましたので、今後はお互いに盆暮れのやり取りはやめましょうよ」と話せばいいだけです。
先方も同じ気持ちでいることが多いものです。

新たな環境で友人ができても、あえて深い関係になる親友を増やそうとする必要はありません。

人生は出会いと別れをくりかえすもの。
何年か付き合いが続いて自然に親しくなるうちに、だんだんと深い付き合いになっていけばいいのです。

⑥ 孤立しない独居を楽しむ

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配偶者に先立たれた高齢者には、余計な人間関係を排除してひとり暮らしを楽しみたいと考える人が多くなっています。

ひとり暮らしをしている高齢者は、家族と同居している老齢者よりも生活の満足度が高くて、悩みも少ないという調査結果があります。
楽に暮らすということは、長生きにもつながります。

ただし、高齢者の一人暮らしで心配なのは、急に動けなくなるようなケガや病気です。
突然死も覚悟しておかなければいけません。

2007年に『おひとりさまの老後』を出版した上野千鶴子さんは、2015年に出版した『おひとりさまの最期』で、一人暮らしをする高齢者の「在宅ひとり死」を提唱しています。
独居=孤立と考えず、孤立せずに独居していて亡くなることを「孤独死」ではなく「在宅ひとり死」と呼んでいるのです。

上野さんは、今後はエンディング・マネージャーや看取り士といった人材の養成が進み、安心して「在宅ひとり死」をまっとうできるようになるでしょうと語っています。

社会との接点を維持できれば、老後のひとり暮らしを楽しむという選択肢もあるのです。

 

3. 家庭にかんする知恵

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定年退職をした夫が、家で毎日テレビを見ながらゴロゴロしていたのでは、奥さんが不機嫌になるのも無理はありません。

夫婦ふたりの家庭では、環境が変わったことを理解する夫の心がまえが、老後を楽しむことができるかどうかの重要なカギとります。

⑦ 男は下宿人への転落を理解する

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夫婦にはいろいろな形態がありますが、もっとも多いのは、男性が外に出て働き、女性が子育てをしながら家庭を守るという、原始時代から変わらない形態でしょう。

もっとも、近年では女性も働きに出る「共働き家庭」が圧倒的に多いので、女性の負担が大きくなっていると言えます。
男性が子育てに協力する、いわゆる「イクメン」はまだまだ若い世代の話であり、企業側にも体制が整っていないのが現状です。

ですから、とくに50歳以上の一般的な家庭では、男性が定年退職になるまで妻が家庭を切り盛りしているケースが大多数です。

妻にとって夫は、家庭に収入をもたらす存在ですから、多少わがままを言っても子どもを育てるためにがまんをしてきたわけです。

しかし、子どもが独立して夫婦二人の家庭になったら、もうがまんする必要はありません。
妻のほうも、これからは好きなことをして人生を楽しみたいと思っています。

定年退職をした夫は、自分が仕事をしていた30~40年の間に、妻が作り上げた「家庭」という空間にお邪魔させてもらう存在、いわば下宿人に転落するのです。

そういう妻の気持ちを理解せずに、「オレの家だから好きにする」「誰のおかげで生きてこられたんだ」などと横暴な態度をとれば、いよいよ我慢していた妻の気持ちが爆発して、熟年離婚ということにもなりかねません。

定年退職と同時に離婚届を突きつけられる男性は、だいたいこのパターンです。
高齢者になったとたんに妻から捨てられて、孤独な老後を送る男の末路は悲惨です。
まず、家庭においては妻の気持ちを理解することから始めなければいけません。

⑧ 夫婦の距離感を大切にする

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定年退職後の家庭では、夫婦は「同居人」の関係ですから、お互いの人生を尊重しないと楽しい老後はすごせません。

よくあるのは、定年退職した男性が「これからは妻とふたりで人生を楽しみたい」と考えて、失敗するケースです。

多くの場合、奥さんの方は夫婦の二人旅など望んでいません。
温泉に行くにしても、夫と行くより仲の良い友人と行ったほうが楽しいのです。
そういう場合に男性は、「友達と楽しんでおいで」と言って奥さんを気持ちよく送り出してあげ、自分は趣味の時間などを楽しみましょう。

なんでも一緒にしたいというのは、子どもが親に甘えているのと同じです。
ごくたまに、お互いに楽しめるようなことがあったら一緒に楽しんでみる、というくらいの距離感が、良い夫婦関係を維持する秘訣です。

さらに、同居人の関係であれば、家事も半分ずつ負担すべきです。
すべての事を半分ずつということではなく、お互いの得意な分野を活かして、男性は今までひとりで家事をしてきた奥さんの負担を軽くしてあげなくてはいけません。

 

4. 生きがいにかんする知恵

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老後の生活を楽しむためにもっとも必要なことは、「生きがい」を感じることです。

仕事一筋に生きてきて、仕事が趣味のようなものだった人が会社を離れると、いきなり空虚な人生になって老け込んでしまうケースが少なくありません。

家が生活の中心となって行動範囲が狭くなると、生きがいをもたらす要素である、「好奇心」「探求心」「感動」といった心のエネルギーが不足してきます。

まず外に出ましょう。
そして、これまで手を出せなかった趣味に色々チャレンジし、好きなことや楽しいことを見つけ出し、それに時間を費やすのです。

⑨ 仕事がある人は幸せ

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今の時代は、60歳か65歳で定年になっても、なんらかの形で仕事を続けなければ老後の生活が成り立たないという人が増えています。

「悠々自適な第二の人生を想像していたのに、まだ仕事を続けなければいけないのか」
そう思ってしまう人は、「仕事ができて幸せだ」というプラス思考に転換しましょう。

実際に、仕事をやめてしまって短期間に老け込んでしまう高齢者は多く、仕事を続けている人のほうが、老化を感じさせないケースが多いのです。

ストレスというと悪いイメージが先行しますが、実は人間にとって適度なストレスは必要なもの。
収入額が現役時代より半減しても、考え、行動することが脳にも体にもいい影響を与えます。

老化防止をしながら収入を得ることができるのですから、仕事ができる間は喜んで仕事をするべきです。

⑩ 生きがいに必要な3つの条件

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次の3つの要素があれば、それは自分にとって本物の「生きがい」だといえるでしょう。

・お金を使っても惜しいと思わない
・時間を忘れて没頭できる
・20~30分は講釈ができる

趣味の楽しみ方は人それぞれですが、どうせ打ち込むのなら、素人ながらも20~30分間は蘊蓄(うんちく)を語れるくらいにはなったほうが、楽しみは深くなります。

没頭できるものに巡り合えた人は幸せです。
難しく考える必要はありません。
好奇心が沸く好きなこと、楽しいことを追求する探求心をなくさないことです。

バンド演奏、登山、モノ作り、オートバイなど、子どもの頃や若い頃に打ち込んだ趣味を再燃させる「リターン組」が増えています。
リターンした趣味は、当時と道具や状況が変わっていて、新たな楽しみをもたらしてくれることも多いのでお勧めです。

 

5. 好かれる老人になる知恵

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昭和以前の社会には、老人の存在意義というものがありました。

子どもに手作りおもちゃの遊び方を教えたり、時代を語り継いだりと、老人の役目があったのです。
しかし、どこにでも情報があふれている今では、そうした知識や知恵はまったく役にたちません。

社会の役に立ちたいのならば、地域のボランティア活動が最適です。
中には、日本を飛び出して開発途上国のために活躍する海外ボランティアもあります。

老後の生活を楽しいものとするためには、社会に受け入れられる存在となり、好かれる老人になることも大事です。

⑪ 謙虚になって損はない

偉そうな老人は嫌われます。
また、話が面白くない老人や自慢話が多い老人も同じです。

自分の話ならまだしも親戚が東大出身であるとか、偉い官僚だとか、誰もそんな話を聞きたいと思っていません。
いつも、周りが自分の話にどう反応しているかという空気を読むことが大切です。
それができない老人は嫌われます。

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
いつの時代に誰が読んだのかわからないこの俳句は、稲穂が実れば実るほど頭を垂れることから、学問や徳の高い人ほど謙虚になるものだということわざです。

高齢になるほど謙虚になることを目指しましょう。

⑫ 外見を気にしなくなったら終わり

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男性も女性も身だしなみや外見を気にしなくなると、一気に老け込んでしまいます。

相手の感情を読み取る能力に優れる女性は、人間関係を重視する傾向があるので、いつも周りから「見られている」という意識を持っています。
だから、歳をとっても着るものやメイクに気を使う人が多いのです。

男性も、毎日会社で仕事をしている間は周りの目を意識しますから、それなりに身だしなみを整えていたはずです。
大事な日に身につける「勝負スーツ」や「勝負ネクタイ」を常備していた人も多いことでしょう。

ところが、団塊世代よりやや下くらいまでの男性は、スーツを脱いだオフの日になると、何を着たらいいのかわからなくてゴルフウェア一辺倒という人がけっこういました。

そういうタイプの人が定年退職で会社の仕事を離れると、最初は気にしつつも、そのうちに着る物はどうでもよくなってしまうことが多いので、注意しましょう。
大事なのは、流行などより「清潔感のある老人像」です。

 

まとめ

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ここで解説したのは、「老後の正しい生き方」ではありません。
「老後の生活を楽しむためのヒント」です。

なにを幸せと感じるかは人それぞれ違うのですから、「これが正しい生き方」などというものはありません。

自分なりの方法で、自分なりの楽しみ方を見つければいいのです。

人生を楽しめる人と楽しめない人の違いは、楽しいことに気づけるかどうかにあります。
日頃から楽しむことばかりを考えている人は、なんでも自分にとっていいように解釈する傾向が強くなるので、ここで解説したようなことにも気づきやすくなります。

ですから、生きていれば毎日いろいろなことがありますが、楽しいことばかり考えて暮らせば、老後の生活にも大きな差が出るのです。

【参考資料】
・『頭がいい人、悪い人の老後習慣』 朝日新聞出版 2016年
・『定年後を楽しむ人・楽しめない人』 洋泉社 2009年
・『古希に乾杯! ヨレヨレ人生も、また楽し』 海竜社 2017年

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