ストレスと上手につきあう8つの秘訣-不快を快に変える心理術

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ストレスに勝てる人間になりたいと思いますよね?
現代社会では、多くの人が仕事や人間関係のストレスで悩んでいます。

しかし、ストレスに勝ちたいと考えている限り、その悩みが消えることはありません。
なぜかといえば、ストレスは勝てるものではないからです。

ストレスに勝とうとして力を入れて生きれば、かえってストレスを溜めることになり、いつかは心が折れて大きなダメージを受けしまいます。

ストレスに強い人とは、毎日次々と襲ってくるストレスと闘って勝っている人でなく、ストレスを受け流して、上手につきあうことができる人なのです。

どんなに「不快」なストレスに遭遇しようが、自分にとっての「快」へとコントロールすることができる人です。

ここでは、ストレスと上手につきあうための秘訣を紹介します。
ストレスは、受ける人によって快にも不快にもなる場合がありますから、これらのヒントから自分なりのコントロール方法を見つけましょう。

目次

1. ストレスを理解する
1-1. ストレスはストレッサーが引き起こす脳の反応
1-2. プラス刺激とマイナス刺激
1-3. 善玉ストレスと悪玉ストレス
1-4. 老化を加速させるストレス
1-5. 脳をコントロールして不快を快に変える

2. ストレスと上手につきあう8つの秘訣
2-1. ストレスを受けとめられる体をつくる
2-2. アルコールは「まあいいか」まで
2-3. 生活のリズムとメリハリを意識する
2-4. 人と触れ合う
2-5. テンションの維持を意識する
2-6. 複数のモードをもつ
2-7. 非日常で脳をリセットする
2-8. 涙と笑いで脳をリセットする

まとめ

1. ストレスを理解する

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ストレスと上手につきあうためには、まず、ストレスのメカニズムやコントロール方法を知る必要があります。

「ストレス」にかんする研究がはじまったのは、1970年代にベトナム戦争の帰還兵が患った「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」がきっかけだといわれています。

現代では大きな社会問題の1つとなっているストレスですが、注目されはじめたのは意外と最近のことなのです。

1-1. ストレスはストレッサーが引き起こす脳の反応

人間は、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」の五感で外部からのあらゆる刺激を受け入れます。
1日に五感で受ける刺激の数は、膨大な数にのぼります。

ストレスを引き起こす刺激を「ストレッサー」と呼びますが、五感から受けた刺激がすべてストレッサーということではありません。
脳がストレス反応を起こす刺激は、個人の経験や知識、体質などによって変わってきます。               

脳が刺激と認知したときに、そうした個人差や社会的背景などが影響することになるので、ストレス反応が生じる過程は、とても複雑なものです。

その認知によって何らかの感情が起こり、脳にストレス反応が生じると、筋肉系、血管系、内分泌系、神経系、自律神経系などのターゲット組織に反応が伝達されます。

ターゲットに伝達された反応が過剰なものであると、各組織がストレス性の疾患を発症することになるのです。 

1-2. プラス刺激とマイナス刺激

プラス刺激とマイナス刺激とは、心地よい刺激と不快な刺激のことです。
通常、日々の生活には、この2つの刺激が混在しています。

プラス刺激は、食欲、性欲、睡眠欲、行動欲、生命欲という5つの「欲動」や、達成感、満足感、充実感、幸福感などの感情を獲得しようとする行動によってもたらされる刺激です。
ですから、プラス刺激の多くは、自分が行動することによって得られる能動的な刺激です。

いっぽうのマイナス刺激は、勝手に降り注ぐ受動的な刺激です。

ストレス反応とは、基本的にマイナス刺激に対する脳の反応です。
強いマイナス刺激が繰り返されると、不快感が募ってあらゆる刺激をシャットアウトしようとすることがあり、そうなるとプラス刺激を得ることもできなくなるので、ストレス障害が発生します。

健全な心身の維持には、プラス刺激とマイナス刺激のバランスが大切なのです。

1-3. 善玉ストレスと悪玉ストレス

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ある刺激の強さが適度であれば、いい結果を引き起こすのに、強さが度を超すと弊害になることがあります。

例えば、筋トレは一定の負荷を筋肉にかけることによって増強を狙うものですが、負荷をかけすぎれば筋肉や関節を傷めてしまいます。

仕事のノルマは、プレッシャーという感情がストレス反応を生みますが、適度な範囲であればプレッシャーがプラスに働いて、成績を上げることもできます。

この適度な範囲にある刺激によるストレス反応を「善玉ストレス」、過剰になった刺激によるストレス反応を「悪玉ストレス」と呼びます。

ストレス反応は、人間がもっている本能的な防御反応で、生きていくためには必要なものでもあるのです。
健全な心身に適度なストレスが必要だといわれるゆえんは、ここにあります。      

ストレスと上手につきあうためには、善玉ストレスと悪玉ストレスの境界を知ることが大事です。

1-4. 老化を加速させるストレス

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恐怖によるストレスから、一晩で髪が真白になってしまう話があります。
一晩ではないにしても、ストレス障害によって短期間で髪が真白になってしまうケースは、そう珍しいものではありません。

ストレス障害は脳の反応ですから、いろいろな組織や臓器がターゲットになります。

通常、ストレス反応は一過性のもので、時間が経てば解消されますが、ハイリスクストレッサーと呼ばれる、生命の危機を感じるような強力な刺激がPTSDになったり、ローリスクストレッサーと呼ばれる日常的なストレス反応が数カ月間続いたりすると、元に戻らなくなってストレス障害を発症します。

若い頃に苦労を繰り返した人は、認知症になる確率が高いという研究報告があります。
これは、長い間ストレス反応が続いた結果、ストレス障害が残り、脳細胞が破壊されたということを表しています。

「若いうちは苦労をしたほうがいい」という教訓もありますが、ストレスという見地から考えると、苦労は続けないほうがいいのです。

長期間にわたってストレス反応が続くと、脳のダメージが大きくなって、体の老化が進行します。
若さを保つためには、苦労ばかりを続けずに、プラス刺激をいかにして得るかということを考えたほうがいいのです。

1-5. 脳をコントロールして不快を快に変える

ストレスに対処する方法として、リラックスすることや、ポジティブな考え方をすることが、よくあげられます。

しかし、ストレス障害を起こしているときや、ストレス反応の負荷が強く感じられるようなときは、現実問題としてリラックスすることは難しい場合が多く、ネガティブな思考から抜け出せなくて苦しんでいるのです。

ストレッサー(マイナス刺激)を軽減できればいいのですが、そのストレッサーから逃げられない場合も多いのです。

ですから、ストレス反応への現実的な対処法としては、「脳が過剰に反応することを防ぐ」「過剰反応してしまっている脳を鎮静する」ことをすべきです。
そのためには、自分の脳をコントロールする手段が必要となるのです。

2. ストレスと上手につきあう8つの秘訣

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脳をコントロールしてストレスと上手につきあうためには、次の4点が欠かせません。

・プラス刺激までシャットアウトしてしまっている、刺激を避けようとする感情を取り去ること。

・プラス刺激を取り込むこと。

・マイナス刺激と闘ったり逃げたりせずに、受け流すこと。

・脳を活性化させること。

これらの項目を実現する、具体的な手段を解説していきましょう。

2-1. ストレスを受けとめられる体をつくる

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ストレスは、精神だけではなく、身体にも悪影響を及ぼします。
とくに、体の中の弱い部分を攻撃するので、消化器系が弱い人であれば胃潰瘍や下痢といった症状を起こしやすく、様々な病気を悪化させてしまいます。

ですから、ストレスと上手につきあおうと思えば、できるだけ弱点のない身体、要するに健康な身体と体力が必要になります。

とくに食事はストレスとの関係が深く、中国では「医食同源」として古来、食事が重視されてきました。

人間は食べなければ生きていけませんから、食欲は物欲などと違って生きるために必要な欲求であり、その欲求を満たすことは何にも勝るプラス刺激なのです。
ですから、食事は簡単にすまそうとせずに、ゆっくり楽しむべきです。

睡眠欲を満たすことや、運動による爽快感や達成感も、健全な心身をつくるプラス刺激です。

よくいわれることですが、健全な心身の維持に、生活習慣の見直しは欠かせない要素なのです。

2-2. アルコールは「まあいいか」まで

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アルコールでストレスを解消することに否定的な人もいますが、強いストレスを感じている人が適度なアルコールを摂取すると、マイナス刺激に対するストレス反応を受け流せるようになることは事実です。

アルコールは中枢神経に作用して興奮させますが、ほろ酔い状態の域に達すると鎮静作用が働くようになります。

また、お酒を飲むことによって、普段は無口な人でも自分の意見や愚痴などを人に話すことができて、それがマイナス刺激を軽くして、プラス刺激を入れることにつながります。

アルコールによるストレス解消を肯定する人たちの共通条件は、あくまでも「適量」ということです。

アルコールに対する反応は個人差がありますが、頭の中も体も少し軽くなって、いろいろな問題点を「まあいいか」と感じられるくらいの量を適量と考えましょう。
言語能力や運動能力に問題が出るような状態は、完全に過剰摂取です。

2-3. 生活のリズムとメリハリを意識する

1日のリズム、1週間のリズムといった生活のリズムを保つことは、健全な心身に欠かせない要素です。

睡眠と覚醒、仕事と休みなどのリズムが乱れた生活は、マイナス刺激に弱い身体をつくる原因になります。
こうしたリズムが保たれていると、不測の事態もある程度予測できるので、ストレス反応を受け止めることができるのです。

リズムを保つことと同時に、生活にメリハリをつけることも、ストレスと上手につきあうためには必要な要素です。
マンネリは、それだけでストレッサーになります。

生活の中にあえて変化を与えて、わずかなスリルや冒険を味わうことで、善玉ストレスを増やすことができます。

2-4. 人と触れ合う

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人と触れ合うことはストレス反応を生みますが、人と触れ合うことで、その不快を快に変えることもできます。

世の中にはいろいろなタイプの人間がいるのですから、一緒にいて不快な人や、面倒に感じる人がいるのはごく自然なことです。

しかし、マイナス刺激を受けるのが嫌だからと、人間関係をシャットアウトしてしまうと、人と触れ合うことによって得られるプラス刺激もなくなってしまいます。

嫌な相手のことをムリしてまで、好きになろうとする必要はありません。
マイナス刺激を受ける相手のことはできるだけサラッと受け流して、プラス刺激を与えてくれる相手と触れ合えばいいのです。

とくに女性は、おしゃべりで共感を得ることによってストレスを解消するといわれます。
共感を得る気持ち以外にも、相手のことを大切に思う気持ちや、逆にそう思われる気もちなど、人と触れ合うことでしか得られないプラス刺激は大切なものです。

うつ病や引きこもりは、まず家族、友人、そして周囲の人々というように触れ合える人を増やしていくことが、改善の糸口になるといわれます。
共感を得られる相手がたったひとりいることで、救われる人生はたくさんあります。

2-5. テンションの維持を意識する

何かに対して頑張ろうという気持ちを維持するのは、3カ月が限界といわれます。
長い間維持したテンションが一気に下がると、ストレス反応が急速に進行します。
いったん下がってしまったテンションを上げるのは、簡単なことではありません。

会社や学校で、ストレスが原因となって問題が起こるのは、3日後、3週間後、3カ月後が多いといわれます。

新しい環境に強い拒否反応が出てしまうとテンションは3日くらいで下がってしまい、5月病などと呼ばれる症状が現れるのは3週間後、そしてどんな人でも同じテンションを維持できなくなるのが3カ月後なのです。

常にピーンと張った状態のワイヤーは切れやすいものです。
機能を向上させるためには、適度なたるみや遊びが役立つことが多いのです。

人間の気持ちも同様に、適度な遊びやたるみをつくって、定期的にテンションの維持をコントロールしたほうが、健全な状態を続けることができます。

2-6. 複数のモードをもつ

休日に家でゴロゴロしていたり、横になって休んでいたりすると、ストレスを解消することができません。
脳が仕事モードから脱却できないからです。

仕事を続けて疲労が溜まった心身で、連休になったからと何もせずに休んでいると、一気にテンションが下がり、ストレス反応の餌食になります。

テンションの維持をコントロールするのに必要なのが、1日の中や1週間のリズムの中でモードを切り替えることなのです。

自分のモードは、最低限、仕事モードとプライベートモードの2つは、はっきり分けてもつべきです。

仕事モードでストレス反応が蓄積してテンションが下がってきたら、プライベートモードにスパッと切り替えて、プラス刺激を楽しんでテンションを上げるのです。

プライベートモードにもいくつかのバリエーションをつくれば、それだけプラス刺激を取り入れる要素が多くなるということです。

2-7. 非日常で脳をリセットする

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ストレスの解消には遊ぶことが効果的といわれますが、「快」を得ることができる「遊び」とはどのようなものなのでしょうか。

まず、遊びは利益追求で行うものではなく、非生産的なものであるべきです。
意味をもたないことや、あえてムダなことでも、自己満足感を得られることが大事なのです。

そして、非日常的な刺激を得られるものであることが非常に重要です。
非日常的な刺激は、脳の機能を活性化させるのです。

毎日遊んでいると日常になってしまうので、遊びは間隔を開けなければ面白くありません。
たまに遊ぶことで、蓄積していたストレス反応をリセットすることができるわけです。

自分にとっては仕事が遊びだという人がいるかもしれませんが、それは間違いです。
通常、仕事は日常ですから、やはり非日常の遊びモードをもつことが大事なのです。

2-8. 涙と笑いで脳をリセットする

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脳をリセットする手段としてとても有効なのが、「涙」と「笑い」です。

人間の涙には、目を保護するために分泌される「基礎分泌の涙」、目にゴミが入ったときなどに出る「反射の涙」、悲しいときや感動したときに流れる「情動の涙」という3種類があります。

脳をリセットする効果が高いのは、情動の涙の中でも他者への共感がベースにある「感動の涙」ですが、情動の涙であればすべて副交感神経を興奮させるので、ストレス解消効果があります。

ストレス反応が多くなると交感神経の緊張が高まるので、副交感神経を優位にして交感神経を休ませてやるのです。

笑いには、幸福ホルモンなどと呼ばれ、脳内で鎮静作用があるセロトニンの分泌を高める効果があります。
口角を上げるだけのつくり笑顔でも、その効果はあるといわれています。

かつて48作という長期にわたって国民的な人気映画となった「男はつらいよ」シリーズは、泣きながら笑えるつくりに人気の理由がありました。
主人公の寅さんが繰り広げる非日常の世界に引き込まれた観客は、感動の涙と笑いによってストレスを洗い流し、スッキリした気分で映画館を出ることができたのです。

 

まとめ

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戦争体験によるPTSDまで深刻なストレス障害ではなくても、家族との死別やペットロスなどのハイリスクストレッサーは、多くの人が体験します。

ハイリスクストレッサーは、短期間に強力なマイナス刺激が集中しますから、すぐに脳をコントロールして脱出することは難しいものです。

こうしたハイリスクストレッサーの対処法は、無責任なようですが、勇気をもって現実を受け入れるしか方法はありません。

心の傷が少し癒えてきたら、現実を受け入れて、少しずつでもプラス刺激を増やしていくことが、唯一の解消法なのです。
そこからは、ここで解説したヒントが必ず役に立つことでしょう。

 

【参考資料】
・『ストレスのなはし』 中央公論新社 2017年
・『脳からストレスを消す技術』 サンマーク出版 2008年

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