最近実施されたある調査によると、日頃から節約を意識している人の割合は何と9割を超えたそうです。
この背景にあるのは、先行きの見えない将来を不安に思い、無駄な出費は出来るだけ避けて貯金に回そうという意識の高まりだと考えられます。節約というと「格好悪い」とか「苦しい」のようにネガティブな印象を持っている人も多いことと思います。
そうした前時代的な価値観を吹き飛ばし、スマートに節約してしっかりと貯金する方法をご紹介します。
目次
1 節約と貯金方法 | 固定費を減らす
節約と貯金方法1 住宅費を削る(賃貸派の場合)
節約と貯金方法2 住宅費を削る(購入派の場合)
節約と貯金方法3 保険を見直す
節約と貯金方法4 マイカーを手放す
節約と貯金方法5 携帯代を見直す
2 節約と貯金方法 | 「見栄出費」を減らす
節約と貯金方法6 SNS消費をしない
節約と貯金方法7 店員に乗せられて消費をしない
節約と貯金方法8 誰彼構わず奢らない
節約と貯金方法9 ステータスのために出費をしない
3 節約と貯金方法 | お金をしっかりと管理する
節約と貯金方法10 家計簿をつける
節約と貯金方法11 お財布をシンプルに保つ
節約と貯金方法12 ATMの時間外手数料は払わない
節約と貯金方法13 現金払いを徹底する
節約と貯金方法14.ポイントに拘らない
4 節約と貯金方法 | 行動を変える
節約と貯金方法15 朝型人間になる
節約と貯金方法16 ダラダラ時間を減らす
節約と貯金方法17 収入の範囲内で生活をする
節約と貯金方法18 2次会は行かない
節約と貯金方法19 自炊派になる
5 まとめ
1 節約と貯金方法 | 固定費を減らす
節約というと、「スーパーでは半額に値引きされたものを買う」とか「ペットボトルのお茶を買わずに、自宅からお茶を持っていく」というように、日々の生活で出来る「変動費を減らす」節約法を実践している人が多いと思います。
ですが変動費を減らす前に、まずは住宅や自動車などの固定費から出来る節約術に着手することが何よりも大切です。固定費を節約すると節約の絶対額が大きいので成功しやすいのです。
節約と貯金方法1 住宅費を削る(賃貸派の場合)
固定費の中で一番節約の効果がで出やすいのが住宅費です。
まずは賃貸派の場合から見てみましょう。「収入の3分の1くらいの家賃のマンションに住んでいる」だとか「将来いっぱいお金を稼ぐために、ちょっと背伸びして高級マンションに住んでいる」という人はいませんか?
節約して貯金をしたいのであれば、このような世の中のスタンダードは無視して、今の収入のランクよりもちょっと下の家賃のところに引っ越しをしましょう。月の家賃が5万下がると1年で60万円の節約になります。
節約と貯金方法2 住宅費を削る(購入派の場合)
賃貸派ではなく購入派の場合、多くの人はローンを組むことになりますが、その場合はできるだけ低金利のものを選ぶようにしましょう。
そして、子育て世帯の場合は子供の大学進学など教育費のピークと住宅ローンが重なって家計が苦しくなることも予め想定して、できるだけ繰上げ返済を進めることが大切です。
家計が苦しくなった時は、ローンの借り換えなども検討しましょう。
ローンの借り換えには50万から100万程度の諸費用が掛かりますが、総返済額を百万単位で抑えることもできます。また、無理して新築に拘らずに、格安の中古物件を現金一括で購入して、リノベーションをして暮らすというのも節約する上で一つの選択肢です。
節約と貯金方法3 保険を見直す
保険は住宅に次ぐ、人生で大きな買い物と言われています。多くの人は、もしもの時に備えて保険に加入するのですが、そのために今の生活が圧迫されて貯金も出来ていないようであれば本末転倒。
多くの人は保険に入ったら入りっぱなしにしているので、本来は必要でない保証以上のものに入り続けて無駄な支払いを増やしてしまっているので、定期的に見直すことが節約につながります。
保険は、更新タイミングだけではなく、家計が苦しくなった時、結婚したり子供が生まれたりなどのライフステージが変わった時、ある程度まとまった額の貯金ができた時、住宅を購入したり起業したりした時などに見直しをして無駄な出費を減らしましょう。
節約と貯金方法4 マイカーを手放す
持っているだけで、駐車場代や税金に車検など維持費がかなり掛かるのが自動車です。通勤や生活にどうしても車が必要である場合を除けば、車は持つことよりも持たないことの方がメリットが大きいものです。
思い切ってマイカーを手放し、車の維持に掛かる費用を節約して貯金にまわしましょう。休日のレジャーはレンタカーを活用して日々の生活の中ではタクシーを活用すれば、車が必要なシーンはほぼカバーできますし、多くの人の場合、車を保有するよりもコストが掛かりません。
節約と貯金方法5 携帯代を見直す
今や生活に欠かせないものと言えば携帯です。毎月の携帯代をいくら払っているか把握出来ていますか?多くの人は毎月の携帯代に1万5千円から2万円くらいを払っていて、それを仕方がないことと思ってしまっています。
携帯代を見直してみましょう。格安SIMを活用すれば、毎月の携帯代を5000円以内に収めることも可能です。毎月1万5千円掛かっていた携帯代を5000円に収めることができると、年間で12万円もの節約になります。
2 節約と貯金方法 | 「見栄出費」を減らす
固定費のメスを入れたら、次に節約効果が高い項目を減らしましょう。それは、「羽振りの良い自分を見せたい」という心理から来る「見栄出費」です。
食事を奢る必然性もないのに無駄に奢ったり、必要もないのに高級ブランド品を買ったりしていませんか?「他者からこう思われたい」という自己顕示欲をなくすと無駄な出費もなくなるだけではなく精神的にも楽になりますよ。
節約と貯金方法6 SNS消費をしない
facebookやInstagramなどSNSの人気が定着してきましたが、「これ、SNSに載せよう」という気持ちで消費行動をしていませんか?
時々であれば問題ないのですが、全ての行動がSNSに縛られていたり、SNSのための出費が増えてきているようであれば要注意です。SNSは中毒性があるので、しっかりと自制心を持つことが大切です。
SNSに載せようと思っての消費行動は、1回につき2000円までとか、1ヶ月に3万円までとか予算を確保してその範囲で楽しむようにしましょう。
節約と貯金方法7 店員に乗せられて消費をしない
人は買い物する時に店員さんに軽んじた対応を取られると、その気がなくてもつい消費をしてしまう傾向があるそうです。
これは高級ブランドであれば更にその傾向が高まるのですが、軽んじられたことで「自分は軽んじられるべきではない。お金を持っているんだぞ。」と行動で示したくなるのだそうです。
逆に、買い物をする時に店員さんと長時間喋りこんだり、褒められて良い気分になった時も、つい消費をしてしまう傾向があるそうです。
これは、「店員さんの時間を奪って申し訳ない」とか「褒められて嬉しい」という気持ちの表れから来るものです。両極端な事例2つをご紹介しましたが、こうした人の心理を知って、店員に乗せられてつい消費をしてしまわないように気をつけましょう。
節約と貯金方法8 誰彼構わず奢らない
「割り勘が嫌いだから」とか「会計でモタモタするのが嫌だから」という理由で、誰彼構わず食事やお茶代を奢ったりしていませんか?面倒だったとしても奢る必然性がない場合は割り勘にするなどして、無駄な出費を節約しましょう。
奢って良い場面とは、「自分が誘った」「自分の方が年長」「相手が女性」「相手が取引先」「お祝いの席」「家族や部下などの関係性構築のため」というような場面です。
食事代というのは交際費なのでケチるのは駄目ですが、誰彼構わず大盤振る舞いして良い訳ではありません。自分の立場や自分のメリットなどをシビアに計算して奢る場面をしっかりとマネージメントすることが節約のためには重要です。
節約と貯金方法9 ステータスのために出費をしない
お金持ちほど、派手に着飾ったりせずに質素にしているものです。お金持ちは自分が「お金持ちである」ことをアピールする必要がないからです。
必要もないのに、ステータスのためだけに外車を無理して買ったり、高価なブランド品で身の回りを固めたり、年会費の高いクレジットカードを保有したりしていませんか?
自分が本当に必要としているのであれば問題はありませんが、周囲から良く見られたいという見栄だけのために出費をすることは無駄でしかありません。節約して貯金をしたいのであれば、ステータスのための出費は一切止めましょう。
3 節約と貯金方法 | お金をしっかりと管理する
「お金がない」と言っている人ほど、何にどれだけお金を使っているのかを把握できていないものです。
節約して貯金をするためには、お金をどれだけ持っているのか、そしてお金をどれだけ使っているのかを把握することが大切です。どんぶり勘定のままでは、いつまで経ってもお金を貯めることはできません。お金をしっかりと管理する癖をつけましょう。
節約と貯金方法10 家計簿をつける
まずは、お金を管理する方法の基本中の基本である、家計簿をつけることから始めましょう。アナログに手書きでも良いですし、PCやアプリを活用してデジタルで管理するのも良いですね。
家計簿をつけることで、自分の収入と支出が「見える化」出来るので、お金をどれだけ持っていてお金を何にどれだけ遣っているのかが把握できるようになります。
家計簿を見て、「カフェ代が多すぎる」とか「コンビニでの買い物が多すぎる」とか「洋服代が多すぎる」のように、自分の無駄遣いについて「気づき」を得ることが節約につながります。
節約と貯金方法11 お財布をシンプルに保つ
お金持ちのお財布はシンプルでスッキリとしていて、逆にお金で苦労している人のお財布はレシートや領収書などでパンパンになっている傾向があります。
1日の終わりにはお財布の中からレシートや領収書を取り出し、お財布を整理する癖をつけましょう。そして、多くのお金持ちの人が実践しているお財布術を真似することも有効です。
例えば、お財布は定期的に新調する、お財布は長財布を選ぶ、お財布に入れる時にお札の向きを揃える、お財布の中に入れるカード類は最小限に留めるなどのように、金運を呼び込むお財布の管理術を実践することで実際に貯金が貯まるようになっていきます。
節約と貯金方法12 ATMの時間外手数料は払わない
ATMを時間外に使うと、108円から216円ほど掛かります。小さな出費ですが無駄は無駄。節約してお金を貯めると決心したら、「今後一切、ATMの時間外手数料は払わない」くらいに徹底するようにしましょう。
そうすることで、無駄なATMの時間外手数料を払わずに済むだけではなく、時間外手数料を払わないで済むように、手持ちのお金を把握したり、計画的にお金を下ろしたりするようになり、しっかりとお金を管理出来るようになるからです。
また、銀行によっては「月に●回まで手数料無料」とか「給料日は手数料無料」などの優遇サービスを用意しているので、優遇条件を把握しておくことも大切です。
節約と貯金方法13 現金払いを徹底する
クレジットカードはポイントが付いたりとお得な面もありますが、お金を遣っている感覚が無くなるので無駄な出費が増えるという負の側面もあります。
節約して貯金をしたいのであれば、クレジットカードは万が一の時にしか使わず、お金が管理しやすい現金払いを徹底することが重要です。
クレジットカードのポイント活用術は、お金の管理が出来るようになってから始めましょう。また、クレジットカードを何枚も持っていると、年会費などの出費が増えたり、お金の管理が複雑になったりします。クレジットカードは、メインのものを1枚、メインを補うサブのものを1枚か2枚にして、3枚程度に留めておくことが大切です。
節約と貯金方法14 ポイントに拘らない
お財布の中にポイントカードが何枚も入っていたりしませんか?
節約してお金を貯めたいのであれば、ポイントに執着することをやめましょう。ポイントを集めていると、ポイントが貯まるからとポイント欲しさに無駄にお金を遣ってしまう場面が多くなります。
一見するとポイントはお得ですが、ポイントは消費を誘発するものに過ぎません。ポイントカードは自分が頻繁に利用するお店のものの2~3枚に絞って、ポイントを貯めるための無駄な消費をコントロールすることが大切です。
4 節約と貯金方法 | 行動を変える
節約して貯金するためには、無意識に積み重ねてきた自分の行動を見直して、お金が貯まる人の行動に変えることが重要です。お金が貯まらない人の理由は人それぞれですが、お金が貯まる人の行動は共通しているものです。
お金が貯まる人が実践している行動を真似して、手っ取り早くお金が貯まる体質に生まれ変わりましょう。思い切って行動を変えると、しっかりと結果がついてきます。
節約と貯金方法15 朝型人間になる
夜型人間ほど、無駄な出費が多くなるものです。終電を逃してタクシーを使うとその分が無駄な出費ですし、さらにそのタクシーは深夜料金で割高です。外で朝食やランチを食べるよりも、当然ながらディナーの方が高くつきます。
節約してお金を貯めたいのであれば、夜型人間から卒業して朝型人間に生まれ変わりましょう。
早起きすれば、飲み物やお弁当を自作して節約になりますし、資格獲得のために勉強したり副業の時間に充てたりすれば年収アップにもつながります。基本的に、朝型人間になれば普通の人よりも活動の時間帯が大きく前倒しされます。そもそも世の中は夜の出費が多くなるように出来ているので、朝型人間は自然と出費から縁遠くなってお金が貯まるようになるのです。
節約と貯金方法16 ダラダラ時間を減らす
お金の管理が上手い人は、時間の管理も上手なものです。時間にコスト意識を持つようにしましょう。
「この仕事が終わるまでは頑張ろう」というのではなく「この仕事は1時間以内に終わらせよう」というように考え方を変えると、ダラダラと仕事をせずに効率良く仕事を終わらせることができます。
また、プライベートの時間でもダラダラとPCやスマホ、テレビを見る時間を減らして、その時間をお金に関する勉強や情報収集などに充てましょう。
1日の終わりにお財布の中身を整理したり家計簿をつけたりして1日の消費行動を振り返ると、お金に対する意識が高まります。また、投資の勉強をしたりして中長期的なお金を増やす行動を取るとお金に対する感度も高まります。
節約と貯金方法17 収入の範囲内で生活をする
節約してお金を貯めることが出来る人と出来ない人の大きな違いは、「収入の範囲内で生活が出来ているか出来ていないか」です。
多くの人が自分の収入を超えた生活をしています。これは、学歴や職歴、収入などが高いか低いかは関係がありません。どんなに収入が良くても収入の範囲を超えて生活をしている人はお金を貯めることができませんし、どんなに収入が悪くても収入の範囲内で生活をしている人はお金を貯めることができます。
お金に関する問題を抱えているのであれば、それは自分の収入を超えた生活をしてしまっている証拠。自分の収入から、使うお金と貯めるお金を決めて、それを確実に実行してみてください。
節約と貯金方法18 2次会は行かない
節約してお金を貯めると心に決めたのであれば、仕事でもプライベートでも2次会へは行かないようにしましょう。
人は1時間半を超えると会話が一巡し終わるという説があります。これは言い換えると、2次会は得るものがなく「惰性に過ぎない」ということです。2次会へ参加すると、ダラダラと時間が掛かるだけではなく2次会の飲食代、そして終電を逃した場合の深夜のタクシー代まで掛かってしまいます。
2次会参加は無駄と割り切って、飲み会は1次会のみ参加しましょう。ダラダラと2次会まで参加するよりも、1次会で颯爽と帰る人の方が周囲に好印象を残すこともできますよ。
節約と貯金方法19 自炊派になる
仕事をしている場合、毎日外で昼食を食べていると結構な額になります。また、仕事やプライベートで週に数回外食をしていると更にもっと高額になります。
この外食を自炊に変更するだけで、かなりの金額が節約できるようになるのでお金を貯めたいのであれば今すぐに自炊派に切り替えましょう。
仕事が忙しくて自炊なんて出来ないという人は、週末にまとめて食材を購入し、調理して作り置きしておくのも一つの手。節約のためではなく、料理を極めるために、もしくは自分の健康のために、という気持ちで楽しみながら自炊するのがお金を貯める秘訣です。
5 まとめ
先行きが不透明な現代だからこそ、それを不安に思って何もしないよりも、節約してお金を貯めて安心を手に入れましょう。
節約は格好悪いことでは決してありません。また、どんぶり勘定でお金を湯水のように使うことが格好良い訳ではありません。自分の収入の範囲内で生活を楽しむというのは、目指すべき理想的なライフスタイルの一つです。
ここでご紹介した節約術を一つでも多く実践して、節約できた分をしっかりと貯金にまわしましょう。お金が全てではありませんが、お金があることで解決できるものの方が多いものです。お金が貯まるとお金の悩みや心配ごとが減って、もっと人生を楽しめるようになるはずです。
【参考図書】
『ズボラでもお金がみるみる貯まる37の方法』(飯村久美)
『お金が貯まる「体質」のつくり方』(西山美紀)