ビジネスシーンの会議に使われることの多いアジェンダ。「会議の善し悪しはアジェンダの質によって決まる」とも言われています。
しかしながら、
- そもそもアジェンダは何がそんなに大事なの?
- アジェンダの本当の使い方がよくわからない
といったように、なんとなくアジェンダという言葉を使っている方も多いと思います。
そこで本記事では、仕事をかしこく・たのしくするビジネスメディアを運営する「Smarf」が、会議の質・進行を左右するアジェンダについて解説していきます。
- 先輩や上司から会議のアジェンダを頼まれて困った経験のある若手社員
- 社内の会議をより生産性高いものにしたいと考えているビジネスパーソン
といった方は、ぜひ最後までご覧ください。
アジェンダとは?
アジェンダ(Agenda)とは「会議の議題や進行計画」といった意味で使われます。
アジェンダがあることで、
- 参加メンバー全員が会議の議題や内容を意識統一できる
- より短時間で質の高い会議を行うことが可能になる
逆にアジェンダがない会議の場合は、開始してから「今日の議題はなにか?」と確認することになるため、
- 時間がかかる割に話がまとまらない
- 発言力が強い人だけが話す場になる
といった、生産性が低い場になってしまいがちです。
そもそも会議は情報を共有する場ではなく、意思決定し次のアクションに繋げる場です。そのため、数字報告や連絡事項などは事前にアジェンダと併せて共有しておくことで、会議の場は議論に集中できます。
アジェンダ(Agenda)の語源・由来は?
agendaは英語で「議題」を意味する言葉です。
元々はラテン語の「agendum」=「実行に移すこと、なされるべきこと」が由来となっています。
アジェンダとは、アジェンダの意味
アジェンダとは、ビジネスで会議を行うための議題のことを指しており、英語の「agenda」の意味と同じである。わかりやすくいうと、話し合う内容を通達するためのものである。また、アジェンダと対に捉えられるものに「議事録」がある。議事録は、会議の進行内容などを表すものがアジェンダであるならば、議事録は実際に話し合った内容について書かれているものである。
引用:新語時事用語辞典
海外では一般的であるアジェンダは、日本では元々風習はありませんでした。
日本で広まったきっかけは、
- 1992年に行われた地球サミットで「アジェンダ21」が発表されたことで、政府機関も使うようになったこと
- 外資系企業の国内進出が増え、IT企業を中心にアジェンダの考えが浸透してきたこと
といったことが挙げられます。
注釈:アジェンダ21とは、1992年に開催された地球サミットにおいて、参加国政府が採択した、「持続可能な開発のあらゆる領域におけるグローバルな行動のための包括的な計画」のこと(参考:国際連合広報センター)
会議でアジェンダが重要な理由
会議において重要な役割を果たすアジェンダ。効率よくスムーズな会議を進行する上で重要な役割を持ちます。
アジェンダの主なメリットとしては、
- 検討事項を事前に共有することで、会議出席者の目線が合った状態で会議をスタートできる
- 会議の生産性を向上させる(短時間でより多くの検討事項を決定する)
- 事前に必要資料やデータを共有しておくことで、会議は本題から入ることができる
- 進行スケジュールを明確にすることで会議進行をしやすくなる(ひとつの議題だけで時間を使い過ぎない)
といったことが挙げられます。
このように、アジェンダがあることで、
- 会議の質・効率を向上させる
- 会議時間を大幅に短縮する
ことが可能です。
反対に、アジェンダがない会議の場合、
- 会議が間延びしてしまい結局何も決まらなない
- 本来議論すべき事項まで時間が足りず進行出来ない
ということが起こり得るので注意が必要です。
アジェンダとレジュメの違い
アジェンダとよく混同されがちな言葉として「レジュメ」があります。
レジュメとは、会議・講演会・発表会の要点をまとめた資料のことです。
対して、アジェンダは会議・講演会・発表会の全体の流れや、進行表としての役割を持ちます。
一言でいうと
- アジェンダ・・・・議事日程・予定表
- レジュメ・・・発表内容の要約
といった違いがあります。
アジェンダの具体的な利用シーン
アジェンダはビジネスシーンでよく使われます。
具体的には、
- チーム内で業務の進捗状況を確認する定例会
- 参加人数が複数におよぶ大規模なプロジェクト
など、会議の規模・内容問わず用いられます。
アジェンダがあることで、参加者全員の意識統一を図ることができ、会議の時間配分や司会進行が効率的になります。
そのため会議にはアジェンダの用意は必須といえます。
アジェンダを用いた例文5選
アジェンダという言葉は日常生活では聞き慣れない言葉であるため、使いどころを迷う方もいると思います。
具体的には、次のように使います。
- 来週のチームミーティングのアジェンダを明後日までに作っておいてね。
- 参加者のみなさま、本日の会議のアジェンダはこのようになっております。
- クライアントに、明日の打ち合わせのアジェンダを事前に共有する必要がある。
- 営業部門における次期営業計画はアジェンダの通りとなっています。
- ◯◯プロジェクトの具体的な動きについてアジェンダにまとめています。
このように、アジェンダという言葉を聞いたら、「会議の議題・進行予定のことだな」と感じられれば問題ありません。
上司も納得するアジェンダの作り方
会議の善し悪しを決めるといっても過言ではないアジェンダですが、上司にアジェンダ作成を頼まれて慌てた経験のある方も多いはずです。
アジェンダを作成する際は次のステップで作成します。
- 会議の目的・ゴールを設定する
- 会議開催の場所・日時・参加者を書く
- 検討する議題・時間配分を決める
- 各議題に関する共有事項(資料・データなど)を確認する
まずはじめに、会議の目的・ゴールが示されていると、参加者同士の意識統一ができます。
- 状況・進捗報告なのか?
- ディスカッションが必要なのか?
- 採択の決議をとるのか?
といったように、それぞれの目的やゴールを明確にすることで、参加者も当事者意識を持った状態で会議に臨むことができます。
また業績進捗など、見ればわかるような数字報告などは先に資料を配布しておくようにしましょう。
そうすることで、数字(結果)を踏まえてどのような対策をとっていくべきか、参加者同士で意見を出し合うことに時間を使うことができます。
慣れないうちはひとりでアジェンダを作成しようにも、会議のイメージが湧かないかもれません。
もし上司や先輩からアジェンダ作成を依頼された際には、ひと通り作成したあとに上司に確認してもらうとよいでしょう。
すぐに使えるアジェンダのテンプレート
- アジェンダ作成を頼まれたけど、どのように作成したらよいかわらかない
- 急ぎでアジェンダを共有しなければならないけど作成する時間がない
といったお困りの方に向けてテンプレートをご用意しました。
特にはじめてアジェンダを作成する若手社員の方などは参考にしてみてください。
- 会議名
- 日時
- 場所
- 参加者
- 会議の目的
- 配布資料
時間 | 内容 | 発表者 |
◯◯:◯◯〜◯◯:◯◯ | ||
◯◯:◯◯〜◯◯:◯◯ | ||
◯◯:◯◯〜◯◯:◯◯ |
アジェンダのテンプレートを使った実際の記入例
- 会議名 4月度◯◯プロジェクト進捗共有会
- 日時 令和3年◯月◯日 10:00〜11:00
- 場所 大会議室
- 参加者 鈴木部長、佐藤課長、伊藤リーダー、高橋、吉田、齋藤
- 会議の目的
- プロジェクトの進捗共有および問題点の共有
- 進捗遅れが発生している場合のボトルネックの解消
- 問題が発生している場合の原因の特定および改善策の検討
- 配布資料 進捗管理表
時間 | 内容 | 発表者 |
10:00~10:10 | 全体進捗共有 | 佐藤課長 |
10:10~10:20 | 問題点の共有 | 伊藤リーダー |
10:20~10:50 | 改善策の議論 | 全員 |
10:50~10:55 | 次回までの目標、アクションプラン | 佐藤課長 |
10:55~11:00 | 部長より | 鈴木部長 |
アジェンダのテンプレートのWordファイル
まとめ|アジェンダを作成することで会議の生産性を向上させることが可能!
今回はアジェンダの意味について解説してきました。
アジェンダを作成し会議の進行手順を事前に共有することで、深い議論が可能になります。
逆にいえば、アジェンダがない会議は、
- 当日まで何を話すかがだれにもわからない
- 目的が不明確のため無駄に時間を消費してしまう
といったことになりかねません。
会議は、開催すること自体や時間を掛けることに意味はありません。
大切なことは、「短い時間でより多くのことを決定し、各担当者がアクションプランを明確にすること」です。
もし会社でアジェンダが存在しない会議がある場合は、「アジェンダを作成してもよろしいでしょうか?」と提案してみましょう。
そこで率先してアジェンダを作成し、今までよりも濃密な会議が行われれば、
「〇〇が作ってくれたアジェンダのおかげで今日の会議はすごく良かったよ!」
と評価されること間違いなしです。
ぜひ、今回ご紹介した内容を踏まえてアジェンダを作成してみてください。