部下をやる気にさせる魔法の説得術「コーチング」でビジネスを成功させる方法

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male「部下がやる気を起こしてくれない」
「部下がこちらの意図を理解してくれない」
「部下が勝手な判断で行動する」
「ミスばかりする部下が一向に改善されない」

会社で人の上に立ち1人でも部下がいる方なら、こんな悩みを抱えている方は少なくないはず。それにしても、なぜ上司の言うことを聞いてくれない部下がいるのでしょうか?

その原因は、ほとんどの場合、上司であるあなたの「話し方」「接し方」に問題があるからです。できる上司は、部下をただ叱ったり怒ったりするのではなく、優れた「コーチ」として彼らを自然と成功へと導いていきます。そうすることで、自分自身の管理職としての評価も上がっていくのです。

ここでは、上司としてどう接したら、部下にやる気を起こさせてパフォーマンスを上げられるのか、部下をコーチングする際に是非とも知っておいていただきたいいくつかの方法をご紹介します。

目次

1 部下とよい人間関係を作るには
  1-1 リーダーに求められる「モケジフォの法則」
  1-2 もう「おいコラ!」式では部下はついてこない
  1-3 部下は感情の生き物である
2 部下に気持ちよく仕事をさせるための基礎知識
  2-1 重要感を与える
  2-2 ザイアンスの法則
  2-3 ピグマリオン効果
  2-4 サンドイッチ・テクニック
3 部下をやる気にさせるための説得術
  3-1 部下の話をよく聞き、否定しない
  3-2 サンドイッチ・テクニック
  3-3 自己開示で親近感を持たせる
  3-4 80対20の法則
4 おわりに
 

1 部下とよい人間関係を作るには

1-1 リーダーに求められる「モケジフォの法則」

imageそもそも、組織におけるリーダーの役割とはどのようなものなのでしょうか?まずは、そこをきちんと把握しておかないと、部下とよい人間関係を作ることはできません。

一般に、企業をはじめとする全ての組織のリーダーは「モケジフォ」の法則に従って仕事をしています。モケジフォとは、「目標」「計画」「実行」「フォロー」の4つの頭文字を取った言葉です。

まず1つ目の「目標」は、その組織が進もうとしている方向、またはゴールと言い換えてもいいでしょう。せっかく人材や資本金などのリソースがふんだんにあったとしても、この先どちらに進んでいいかわからないというのでは、その企業はたいした業績をあげられません。

組織の最上層にいるリーダーが目標を定めた後は、部長・課長クラスのリーダーが今度はそのゴールに到達するための「計画」を練ります。そして、計画が練り上がったら、ようやく部下たちがその計画を「実行」に移すわけです。

仮に素晴らしいビジネスプランを立てることができたとしても、それを実行する部下たちのモチベーションが低ければ、その計画自体が水の泡になることもあります。

そこで求められるのが、モケジフォの最後の段階である「フォロー」。部下と一口に言っても、「やる気に満ちあふれている人間」もいれば、「明日にも会社を辞めようかと悩んでいる人間」、「同僚と反りが合わないと悩んでいる人間」など、実にさまざまです。

そんな色んな感情と、色んな事情を抱えた部下たちを、常に気遣いながら、上手に指導教育し、計画を滞りなく実行させる行為、それが「フォロー」なのです。言い換えれば、「部下にやる気になってもらうための日常的な努力」ともいえます。

そして、実は、このフォローこそが、リーダーがしなければならない仕事のうちでも最も重要な仕事といっても過言ではないのです。

1-2 もう「おいコラ!」式では部下はついてこない

male企業が設定した「目標」を実現するために立てた「計画」を「実行」するのが部下である以上、その部下たちのやる気が損なわれてしまっては、思ったような業績を上げられないのは当たり前です。

リーダーたる者、部下のやる気を常に維持するだけでなく、さらに高めていけるような工夫と努力を日々怠らないようにしなければいけません。とはいえ、こちらの言うことを素直に聞いてくれる部下ばかりではありません。

「指示したこととやることが全く違う」
「思考そのものが社会人として間違っていて迷惑ばかりかける」
「学歴や事務処理能力は高いのに、話の理解力が全くない」

こんな不満を抱えている上司の方は多いのではないでしょうか。こういった問題に加え、「女性社員」や「年上の部下」との接し方まで絡んでくると、「いったい自分はどうしたらいいんだ!」と叫び出したくなる方もいるかもしれません。

これから、部下にやる気を起こさせ、気持ちよく仕事をしてもらうための方法についてご説明していきますが、まず、ここで1つはっきりさせておきたいことがあります。それは、どんなに部下が分からず屋であったとしても昔ながらの「おいコラ!」式では、残念な部下を思い通りに動かすことはできない、ということです。

アメリカの経営学者ケネス・ブランチャードは、「よい気分で働いている部下はよい成果を生み出す」と言いました。これは、まさに的を射ている至言です。上司も部下も、イヤな気分で働いていては、そのポテンシャルが十全に発揮されるわけがありません。部下を思い通りに動かしたいならば、お互いによい気分で仕事ができる道を模索するべきなのです。

1-3 部下は感情の生き物である

female当たり前のことですが、部下は感情によって動く生き物です。もちろん、上司であるあなたも感情によって動いています。

ある人の調査によれば、人間が「喜び」や「悲しみ」などの感情を覚える回数は、1日平均で2万2000回だということです。ということは、あなたの部下への接し方によって、より多くの「よい気分」を与えることが可能になります。もちろん、逆により多くの「イヤな気分」を与えてしまうことにもなります。

よい職場とは、「よい感情をいっぱい味わわせてくれる職場」のことだといっても過言ではありません。もちろん、大多数の社員がイヤな気分で働いている職場がよい業績を上げることもあるでしょう。

しかし、それは、大多数の社員の「忍耐」という多大な非生産的な犠牲の上に築かれた業績である場合がほとんどであり、とても将来にわたってコンスタントに上げられる業績であるとは言えないものです。

日産のカルロス・ゴーン社長は、「経営管理者にとって最も大切なことは部下をやる気にさせることである。やる気こそ価値創造の源泉である」と述べました。ゴーン氏は、この理念を実践し、倒産の瀬戸際まで追い詰められてやる気を失っていた日産の社員をやる気にさせることに成功、見事に日産の業績を立て直すことができたのです。

部下にやる気を出してもらいたいのなら、まずはその部下の上に立つリーダーが「よい気分」や「やる気」が秘めているパワーを認識する必要があります。次の章では、部下がいい気分で仕事に取り組めるようにする具体的な方法をご紹介します。

2 部下に気持ちよく仕事をさせるための基礎知識

2-1 重要感を与える

groupロングセラー『人を動かす』や『道は開ける』の著者で、世界的に有名な自己啓発家のデール・カーネギーは、人間には4つの基本的欲望があると言いました。それは、「生存欲」「物欲」「愛欲」と「重要感」です。

重要感とは、「自分は重要な存在だ」「人から認められたい」「人からバカにされたくない」という感情のことです。カーネギーは、万人がこの重要感を感じたいという欲求を持っており、しかも人間の持つ欲求のなかでも最も強いのだと言いました。

自分が誰かに対して腹を立てたときのことを思い出してみてください。ほとんどのケースで、その相手からあなたの重要感が傷つけられていたのではないでしょうか。人間は、自分は重要でないと感じさせられる局面に遭遇すると、憤慨してしまうものなのです。

逆に人と接していて嬉しかったときのことを思い出してみると、ほとんどのケースで相手が自分の重要感を満たしてくれていたことに気づくはずです。部下によい気分で仕事をしてもらうためには、ぜひ部下の重要感を満たしてあげましょう。気をつけるべきポイントは「丁賞感微」。

丁・・・部下といえども、丁寧、丁重に接する
賞・・・小さなことでも取り上げて、自然な形で褒める
感・・・相手の仕事に対して心から感謝の意を表わす
微・・・ニコニコしてスマイルを絶やさない

この4点を守るだけで、あなたの部下は重要感が満たされるようになります。逆にこの4点を守らないと、あなたの部下は「自分は重要ではないのだ」とプライドを傷つけられてしまうのです。ぜひ、試してみてください。

2-2 ザイアンスの法則

アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが唱えた単純接触効果という仮説も、部下に気持ちよく仕事をしてもらうのに効果があります。ザイアンスは、

1 人は知らない人に対して攻撃的・批判的・冷淡になる
2 人はその人を知れば知るほど好意を持つ
3 人はその人の人間的側面を知った時、好きになる

という仮説を立てました。つまり、人間という生き物は相手のことを知れば知るほど好きになる、つまり単純に会う回数・接触する回数を増やせば、それだけ好意的な感情を持って貰えるチャンスが増えるということです。ですから、部下にはなるべくこまめに声を掛けてあげるようにしましょう。

また、3に書いてあるように、あなたの人間的な側面、つまり仕事以外での顔をたまには見せたり語ったりするようにもしましょう。そうすることで、部下にとっては、あなたが「ただの上司」ではなく、魅力的な人間として目に映るようになるのです。

2-3 ピグマリオン効果

coupleピグマリオン効果という心理学の理論をご存じでしょうか。

ピグマリオンとは、ギリシャ神話に登場するキプロス島の王のこと。彼は、自分の理想とする女性の彫像を作ったのですが、あろうことかその彫像に恋をしてしまい、来る日も来る日も褒めちぎっていたところ、愛の女神アフロディーテがその願いを聞きいれて彫像を生身の人間に変えてくれたといいます。

ドイツ生まれのカリフォルニア州立大学心理学教授、ロバート・ローゼンタール博士は、「人を動かすためには、相手をホメて期待することが大切だ」という説にたどりつき、その理論をピグマリオン効果と名づけたのです。

逆に、部下に対して「お前はまたミスをするに違いない」などと褒めるのではなくけなし、相手の成功を期待しないでいると、その期待通りにミスをしてしまうことが多々あります。つまり、「人は期待された通りのことをしてしまう」ものだとも言えます。

部下にパフォーマンスを発揮して欲しいのなら、相手を褒めて期待してあげましょう。

3 部下をやる気にさせるための説得術

3-1 部下の話をよく聞き、否定しない

maleさて、前章では部下によい気分になってもらい、やる気を引き出すための基本を学びましたが、ここではより実践的なテクニックをご紹介していきます。

繰り返しになりますが、部下は感情を持った生き物であり、人間ですから「重要感」の欲求を持っています。ですから、部下は自分の考えを持っていて、それを上司に聞いてもらいたいと思っているのです。

にもかかわらず、部下が話したことについて、上司が頭ごなしに「それはダメだ」などと否定してしまうと人間関係はとたんにギクシャクしてしまいます(自分がされたらどうかと考えてみればお分かりになると思います)。それどころか、次第にその部下はあなたに「何を言っても聞いてくれない人」というレッテルを貼って、敬遠するようになるでしょう。

そうならないためには、こちらから部下に話をさせるのを習慣にしてしまうことです。事あるごとに、「●●君、君はこの件についてどう思う?」と質問を投げかけ、相手がどう答えようとも、「なるほど、そういう意見もあるんだな、ありがとう」と返すのです。

最後に肯定的な返事をするというところがコツです。ここで否定してしまうとこれまでの努力が水の泡になってしまいますから注意してください。部下に意見を聞くことに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、何も部下の意見を全て採用しなければいけないわけではありません。ただ「聞く」だけなのです。

しかし、この「意見を聞く」という行為が、人間関係を劇的に改善してくれます。意見を聞かれた部下は、重要感も満たされて、あなたのことを肯定的に見てくれるようになるからです。

3-2 サンドイッチ・テクニック

group部下によい気分で仕事をしてもらうためには、「重要感」を与えることと、「褒めて期待する」ことが大切だということはおわかりいただけたかと思います。

とはいえ、ビジネスの現場ではどうしても「叱らなければいけないこと」や「間違いを直してもらわなければならない」局面が出てきます。そんな時は、叱っても構いません。ただし、コツがいります。

それが、「サンドイッチ・テクニック」です。例えば、部下がレポートを提出してきましたが、誤字が多かったとします。そんな時、「君、このレポートは誤字だらけじゃないか!」といきなり注意するのは最も避けなければならないやり方です。これでは、元も子もありません。

それでは、どうしたらいいかというと、まず褒めるのです。そのあとで注意をして、そして最後にまた褒める。つまり、「注意」を「褒める」という行為でサンドイッチにするのです。具体的にはこのように行います。

「いやぁ、このレポートは本当によく書けているね。要点もしっかりまとまっているし、何よりも導入がいい。最初の1ページ目を読んだだけで思わず引き込まれたよ。これを書くのにどれだけかかったのかな?たったの1日で?ほう、それは、すごいな。ところで、このレポートの内容は素晴らしいのだけど、ところどころに誤字があるね。そこさえ直してくれれば完璧だよ、どこに出しても恥ずかしくないレポートになるね。そうそう、君のレポートにはいつも感心させられているから、今度新入社員の●●君にレポートの書き方を教えてやってくれないかな?君なら適任だと思うんだ」

相手を叱るときはいつでもこのようにサンドイッチにすることを心がけていれば、あなたに叱られてやる気を失ってしまうということはなくなります。

3-3 自己開示で親近感を抱かせる

group人の上に立っているリーダーのうち、それなりの割合の人々が「偉そうに振る舞ってしまう」というミスを犯しています。

何度言っても言うことを聞いてくれない部下や、自分の思ったようにやる気を出してくれない部下を目の前にすると、一部の人々はどうしたらいいのかがわからなくなり、とにもかくにも自分の上司としての「権威」を利用して、相手に言うことを聞かせてやろうとしてしまうのです。

そういう上司は、よく自慢話をします。「自分はこれだけのことをしてきたんだ」「こんなにすごい人物なんだ」ということを部下に知らせることによって自分の権威に箔を付け、「だから、自分の言うことを聞け」と言わんばかりです。

しかし、ここまでお読みの皆さんはもうお分かりのことと思いますが、こんな上司では部下はろくに言うことを聞いてくれなくなります。それでは、どうすればいいか。

アメリカの心理学者ロバート・B・チャルディーニは、「自分の弱点をさらけ出した時、相手はあなたを信頼する」と言っています。ですから、あなたも自慢話や成功談ではなく、自分の過去にしでかしてしまったヘマや失敗談について思い切って話してみることです。

これを、「自己開示(セルフ・ディスクロージャー)」と言います。失敗談なんて話したらバカにされるのではないか?と恐れる必要はありません。あなたのふだんの仕事ぶりがちゃんとしていれば、そんなことにはなりませんから、安心してください。

むしろ自己開示をすることによって、あなたは自分の人間的な側面を部下に見せることができ、部下はこれまで以上に親近感を抱いてくれるようになるのです。 

3-4 80対20の法則

imageあなたは、部下の言うことにどれだけ耳を傾け、部下が書いてきたレポートにどれだけの時間をかけて目を通しているでしょうか?

部下の自己重要感を高めるためには、これから紹介する「80対20の法則」を念頭に置いておくだけで、かなりの効果があります。80対20の法則とは、あなたと部下の会話を、

1 あなたが部下の話を聞く 80%
2 あなたが部下に話をする 20%

という割合で構成するようすると、部下との信頼関係がスムーズに築けるようになりますよ、というもの。上司であるあなたが言いたいことを言いたいだけペラペラ喋っていても、部下の重要感は満たされません。部下は感情で動く生き物ですから、彼らの話を聞いてあげることによって、「あなたは重要な存在なんだ」ということをわかってもらう必要があるのです。

また、話を聞く際には、相手の目を見て、時々うなずきや相づちを交えて話を聞いてあげましょう。「丁賞感微」のところでも述べましたが、ニコニコとした微笑みは相手の心を溶かす魔法の武器。

ミシガン大学のマッコーネル教授は、著書『微笑論』の中で、「微笑は無限の宝物である。あげてもあげても減らない宝だ」と述べているように、誰もが無料で相手にあげることのできる最高のプレゼントです。誰かから笑顔を向けられれば、「自分は微笑みを向けられるに値する人間なんだ」と思い、重要感が高まるからです。

ただし、相手が真剣な話題を振ってきたときに、こちらがヘラヘラ笑っていたら食い違いが生じてしまい、不信感を抱かれてしまいますので、そういう場合は、こちらも真剣な表情で応じることが大切です。大切なのは、部下の感情に寄り添ってあげること。あなたがして欲しいと思うことを部下にもしてあげましょう。

4 おわりに

上司も部下も感情で動いている生き物である、という観点に立てば、自ずと部下をどうコーチングすればよいかが見えてくるはずです。大リーグでも、オリンピック競技においても、優れた実績を上げる選手のコーチのほとんどは、ここに書かれている「褒めて伸ばす」やり方を実践しています。

相手のやる気を引き出す話し方・接し方を学び、部下との人間関係をより良いものへと変えることができれば、あなたの部署のパフォーマンスは大幅に向上することでしょう。

【参考資料】
『1人でも部下がいる リーダーのための「伝える」技術』(箱田忠昭著・フォレスト出版)

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