ストレスが原因の過食を治す10のルール-悪循環を断ち切る方法

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ストレスが溜まると、食べることで気持ちが楽になるという人は多いですよね?

ストレスは五感で受けた刺激に対する脳の反応です。
つらい、痛いといった不快な刺激に対しては、脳でストレス反応が起こるのです。
いっぽう、心地よい刺激には、ストレス反応を軽減させる効果があります。

食欲を満たすことは、心地よい刺激の中でも、やりたいときに手軽にできる方法ですから、正しいストレス解消法の1つです。

「思いっきり食べて元気を出そう」「今日はヤケ食いで嫌なことを忘れよう」という食行動をしても、その後、1日3食の規則正しい食生活に戻れれば問題はありません。

しかし、過食を繰り返すうちに元の食生活に戻れなくなると、摂食障害を起こしてしまいます。
ストレスを解消しようとして大量にものを食べ、「また食べてしまった」という自己嫌悪に陥ってストレスを溜めるという悪循環から抜け出せなくなり、心身に異常をきたすのです。

ここでは、ストレスが原因の過食に悩んでいる人に向けて、摂食障害の正しい知識を身につけて過食を改善する方法を解説します。
重度の摂食障害へと悪化する前に、過食の悪循環を断ち切りましょう。

目次

1. 摂食障害は心の病気
1-1. 過食症と拒食症は同じ病気
1-2. 摂食障害の症状
1-3. 摂食障害を発症する3つの要因
1-4. 摂食障害は治る

2. 過食につながるストレスを軽減する方法

2-1. 問題解決法でストレスを減らす
2-2. 食欲以外の心地よい刺激を増やす
2-3. ボディイメージを修正する
2-4. 自分を受け入れて小さな達成を喜ぶ
2-5. 完全主義をすてる

3. 過食を治す10のルール

3-1. 目標を決めて記録をつける
3-2. 1日3回の食事で主食をとる
3-3. 過食タイムを減らしていく
3-4. 空腹状態で買い物にいかない
3-5. 調理の量を減らす
3-6. 食事の30分前にコップ1杯の水を飲む
3-7. よく噛んで時間をかけて食べる
3-8. 嘔吐や下剤の使用をがまんする
3-9. 体重を測るのは週1回にする
3-10. 応急処置で乗り切る

まとめ

1. 摂食障害は心の病気

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ストレスによる過食が危険なのは、摂食障害という病気を引き起こすからです。

摂食障害は合併症を併発することも多く、生命にかかわることもある重大な病気なのに、体重や体形など外見から判断できないので、周囲の人間が気づきにくいという特徴があります。

しかも、自分の現状を客観的に見ることができなくなるので、自分でも摂食障害を認知しないまま症状が悪化してしまうケースが多いのです。

過食の対策を考える前に、摂食障害の正しい知識を身につけておきましょう。

1-1. 過食症と拒食症は同じ病気

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一般的に過食症と呼ばれる「神経性過食症」は、食欲を抑えきれなくなり、短時間に大量のものを食べたり、1日中何かを食べ続けたりし、その後に吐くか下剤を使うなどして、体重が増えるのを防ごうとする病気です。

拒食症と呼ばれる「神経性無食欲症」は、食べることを拒否して極端にやせますが、自分ではやせていると思わず、体重が増えることに不安や恐怖を感じる病気です。

一見するとまったく逆の症状に思えるこのふたつの病気は、「肥満に対する恐怖」や「やせ願望」といった共通点があり、拒食症から過食症への移行や、逆の移行をすることから、健全な食行動をとることができない「摂食障害」という同じ病気の、違う段階ととらえられています。

1-2. 摂食障害の症状

摂食障害は心因性の病気ですが、精神的な症状だけでなく、偏った食生活によって低体重、栄養障害など様々な身体症状や、行動の変化が現れます。

身体的症状は、病的にやせて低栄養になってしまい、女性の場合は月経異常が現れます。
病気が長引くと、血液の異常、ホルモンバランスの乱れ、腎臓や肝臓のトラブル、皮膚や髪のトラブルなど、全身に不調が広がります。

過食で嘔吐を繰り返すと、逆流した胃酸で虫歯になったり、下剤を乱用すれば低カリウム血症などの電解質異常を起こします。

多くの身体的症状は、体重が増えれば回復しますが、摂食障害が長引くほど完全に回復する確率は低くなっていき、生命維持にかかわる危機的状況を招くケースもあります。

精神的症状でもっとも大きいのは、「肥満に対する恐怖心」で、体重が100グラム増えただけで絶望することもあります。
「自分はダメな人間だ」という自己嫌悪が強くなって、現実を客観的にみることができなくなり、異常にやせていても自分ではやせたと認めません。

さらに、低栄養状態が脳の活動を低下させて心のダメージを大きくし、集中力が低下してイライラしやすくなり、無気力になったり衝動的になったりと、精神不安定な状態に陥ります。

食べることを自制する拒食症と、食べ過ぎてしまう過食症には、共通の行動症状が多くみられます。
拒食症でも過食して嘔吐をしたり、隠れて食べたりする行動がみられますし、リストカットなどの自傷行為や自殺願望も共通した行動症状です。

1-3. 摂食障害を発症する3つの要因

摂食障害の発症には、「心理的要因」「社会的要因」「生物学的要因」の3つが関係していると考えられています。

ストレスは摂食障害の代表的な心理的要因です。
健全な食行動は脳がコントロールするものですが、偏った食生活が続いて脳が低栄養の状態に慣れてしまうと、摂食中枢や満腹中枢が本来の機能をしなくなってしまいます。

また、ダイエットは摂食障害を誘引する要因の1つとして見逃せません。
栄養のバランスが乱れるばかりでなく、体重が減る達成感にのめり込んで、現実の重大な問題から目を背けるようになってしまうケースも多く、摂食障害の入り口になりやすいのです。

やせているほうがいいという風潮や極端なダイエットという社会的要因が、低栄養という生物学的要因を招き、ストレスという心理的要因と悪影響を与えあって、拒食症や過食症を悪化させていきます。

1-4. 摂食障害は治る

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心因性である摂食障害は内臓の病気やケガと違い、経過や治り方が人によって様々です。
ただし、ある程度の長時間を必要としますが、必ず治すことができる病気です。

発症すると、人によって長さの違うトンネルに入っている状態にたとえられます。
トンネルが短い場合には、1~2年の間に自力で抜け出すことができるケースが多く、それ以上の長さになると、多くは慢性的な経過をたどるので、医師やカウンセラーの助けを受けながら治すケースが多くなります。

拒食症は、体重や食べ物のカロリーに左右されない生活が送れるようになること、過食症は1カ月以上過食しないで過ごせ、過食をしても翌日からは過食をしない生活に戻れることが治ったといえる条件です。

2. 過食につながるストレスを軽減する方法

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ストレスによって過食をしてしまう人には、考え方にクセがあるといわれます。

真面目で几帳面な性格や、がまん強さ、完全主義などから、窮屈な考え方をして自分を追い詰めてしまう傾向がみられます。

過食につながるストレスを軽減するためには、こうした窮屈な考え方に気づいて、少しでも気楽で自由な考え方に自分を変えていくことが必要です。

2-1. 問題解決法でストレスを減らす

ストレスで過食をしてしまったときに、何が引き金になったのか冷静に考えて、根本的な問題を解決する方策です。

ストレスの原因は、不快な刺激によって感情がわき、脳が反応することですが、「悲しい」「やりたくない」「我慢できない」といった感情を客観的にとらえて、現実的な解決策を考えてみます。

問題や解決策はいくつあってもいいので書き出していくと、自分では気づいていなかったストレスの要因を見つけられることがあります。

何回もこうした訓練をすることによって、だんだんと自分を客観的にみることができるようになっていきます。

2-2. 食欲以外の心地よい刺激を増やす

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ストレスの要因になっているマイナスの刺激は、多くの場合、勝手に降りかかってくるものですからなくすことはできませんが、心地よいプラスの刺激を意図的に増やすことで軽減することができます。

食欲も心地よい刺激の1つですが、摂食障害という危険をはらんでいるので、ほかの心地よい刺激を探してみましょう。

食欲以外の、性欲や睡眠欲、行動欲などを満たしてはどうでしょう。
また、達成感、満足感、充実感、幸福感などの感情を得る行動をとるのも有効です。

2-3. ボディイメージを修正する

自分の体形へのこだわりが間違っていることに気づいていないために、ストレスを溜めてしまっている人は大勢います。

やせていることが美しいという価値観が浸透したのは、20世紀の中盤以降だといわれます。
実は、やせているより、ふくよかなほうが美しいとされていた時代のほうがずっと長いのです。

最近は、こうした「やせ礼賛」を修正する風潮が世界中でみうけられます。
フランスやイタリアでは、ファッションモデルのやせ過ぎを規制しはじめました。
健康的なボディイメージは、変化しつつあるのです。

自分がもっているボディイメージを見直しましょう。

2-4. 自分を受け入れて小さな達成を喜ぶ

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ストレスから過食に走る人は、自尊心や自己評価が低いという傾向があります。

自尊心は、ありのままの自分を受け入れて肯定することから生まれます。
人と違ってもいい、どこかが劣っていてもいいと考え、今の自分のすべてを許して丸ごと受け入れましょう。

完璧な人間などいませんし、劣っている部分があれば優れている部分もあるのが「個性」というものです。

自分を許したら、実現可能な小さな目標を定め、そこに向かって生きてみます。
小さな達成を重ねることで、自尊心が高まり、自信が生まれます。

2-5. 完全主義をすてる

高い目標を掲げて達成できないことが繰り返されると、ストレスが蓄積していきます。
過食に走る人は、食生活に対しても完全主義になり、過激なダイエットをしたり、食材にこだわったりして、摂食障害を起こすケースが多いのです。

常に結果を出し続けようとは考えずに、自分がこだわっていることが小さく見えるくらい、大きな視野に立ってみるのです。

失敗しても、必ずそこから学べるものがあります。
「~すべき」から「~したい」というゆるやかな考え方に変えて、自分を追い込むことは避け、結果よりもプロセスを大事にしましょう。

3. 過食を治す10のルール

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習慣化してしまった過食は、自分で治そうという意志がないかぎり治りません。

「ストレスで過食してしまう」ことをなんとかしたいと思ったときが、スタートライン。
今のままではダメだと気づいた自分に自信をもち、少しずつ回復の道を歩んでいきましょう。

3-1. 目標を決めて記録をつける

1年後、3年後の自分のために食生活を変えたいと思っても、どうすればいいのか悩むかもしれません。

まず、目標とする体重を決めましょう。
一般的には、「身長(m)×身長(m)×22」が健康的な体重とされます。

それから、すべての食事を記録するようにします。
食べたものや嘔吐の有無、過食のきっかけなどを食事日誌のようなものに記録すれば改善点がみつかりやすくなります。

書くのが面倒だと感じる人は、毎食後にコメントつきの動画をスマートフォンで記録してもいいでしょう。
写真を残すだけでも、自分が食べたものや量を客観的に見るきっかけになります。                

3-2. 1日3回の食事で主食をとる

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過食をしてしまう人は、食事の量が少なく、栄養が偏っている場合がほとんどです。
1日に3回の食事をして、必ずパンや米などの主食をしっかりとるようにしましょう。

糖質制限や脂質制限のことは一度忘れ、最初はひと口からでもご飯を食べるようにして、少しずつ増やしていきます。
主食以外のものは、好きな順位を書き出しておき、好きなものから食べるようにして、これも少しずつ苦手なものもとり入れていきます。

1日に1回しか食事をしないという人は、まず2回に増やし、そのペースに慣れてから3回に増やしましょう。

3-3. 過食タイムを減らしていく

過食を減らすのも、小さな目標を立てて、小さな達成を重ねていく方法が有効です。

1日に何度も過食をしてしまう人は、まず1日1回に減らし、過食してもいい「過食タイム」を1~2時間設定します。

過食を1日1回にできたら、過食タイムを減らしていきます。
10分ずつでも15分ずつでもかまいません。

過食タイムが30分以内に抑えられるようになったら、1週間に1日、過食しない日を設定します。

たとえ1年かかっても、2年かかってもいいのです。
こうして焦らずに、少しずつ過食しない日をムリせず増やしていきましょう。

3-4. 空腹状態で買い物にいかない

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空腹状態で買い物にいけば、あれもこれもと、必要以上に食料品を買い込んでしまいます。
非常食は別として、家庭には、必要以上の食料品を常備しないことです。

簡単そうなことですが、冷蔵庫から食料品が減ると、最初は不安になるかもしれません。

野菜も肉も魚も、その日に買ってきた新鮮なものを食べる習慣をつけましょう。
そのほうが美味しいものを食べることができて、満足感も高くなります。

3-5. 調理の量を減らす

できるだけ、食事のたびに必要な分だけ調理するようにします。
まとめてつくりおきをしたほうが時短にはなりますが、常に食べるものがそばにある環境をつくらないようにします。

調理は、いつもつくっている量で水や調味料の加減が決まっているでしょうから、多めに料理をつくる傾向がある人は、レシピを見直してみる必要があるでしょう。

カレーやシチューなどは、そのときに食べる分以外はすぐに冷凍保存してしまいましょう。

3-6. 食事の30分前にコップ1杯の水を飲む

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食事の前にコップ1杯の水をゆっくり飲むことで、空腹感をまぎらわせ、食事をしたときの満腹感を得やすくします。

あまり直前に水を飲むと、消化液が薄まって食べたものの消化を妨げてしまうので、30分前が効果的といわれます。

食べ過ぎを防ぐことができるので、ダイエット効果も期待できます。

3-7. よく噛んで時間をかけて食べる

よく噛んで食べることは、満腹感を得やすくなるので過食防止になります。

それだけではなく、よく噛むことは顔の筋肉を使うので、脳に流れる血液を増やし、顔のむくみをとる効果もあります。

ひと口30回を目安にしてよく噛み、食べたものを飲み物で流し込まないようにしましょう。
両側の歯を均等に使うようにするのが、顔の筋肉を健全に保つコツです。

3-8. 嘔吐や下剤の使用をがまんする

過食が増えて摂食障害に至る要因でもっとも大きいのは、嘔吐と下剤の使用です。
嘔吐や下剤の使用が習慣化してしまうと、摂食障害の悪循環に陥ります。

悪循環を断ち切るためには、吐くまでの時間を少しずつ延ばすようにします。
最初は5分くらいがまんしたら、時間を延ばしていって嘔吐しない日をつくるのです。
それから嘔吐しない日を少しずつ増やしていきましょう。

下剤の使用も急にやめないで、少しずつ減らしていきましょう。

3-9. 体重を測るのは週1回にする

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1日3回の食事をとるようになると、最初は急に体重が増えることがあります。
でもこれは一時的なもので、次第に急増した体重は落ちてきます。

体重が増えることに恐怖心を抱いていると、1日に何度も体重計に乗って一喜一憂するようになりますが、体重を測るのは、曜日と時間を決めて週に1回とします。

過食も拒食も、とにかく時間をかけてゆっくり治すものだということを理解して、少しずつでも目標に向かっていることに自信をもちましょう。

3-10. 応急処置で乗り切る

急に過食をやめようとしても、かえってストレスを溜めてしまうことになります。
しかし、目標に向かっている中で、ここだけはがまんしたいと思ったら、乗り切る応急処置があります。

氷、ガム、酸味があるもの、フルーツなどを口の中に入れて、ゆっくり時間を費やします。
ジュースを製氷皿で凍らせておくと、いい応急アイテムになるでしょう。

また、歯を磨く、近所を散歩する、ニュースを見る、メールをチェックするなど、数分でも気を紛らわせる方法をいくつか用意しておくことが有効です。

まとめ

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ストレスは脳の反応ですから、脳を健全な状態に保つことが過食の抑制につながることは、いうまでもありません。

脳を健全な状態に保つコツは、体の健康を維持することと、脳に心地よい刺激を増やすことです。
ですから、過食を治そうとする気持ちや行動が重荷になるようなときは、ムリにがんばろうとするのではなく、食欲以外の心地よい刺激を得て、過食のことは1回忘れましょう。

それでも過食が気になったら、また決心して小さな目標を定めればいいのです。

【参考資料】
・『過食症と拒食症の治し方』 講談社 2016年
・『最新版 拒食症・過食症の治し方がわかる本』 主婦と生活社 2011年

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