老後の資金を活かす生活術-人生の後半を楽しむための11のヒント

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老後に不安を感じている人は多いですよね?

超高齢化社会に突入しようとしている日本では、年金、健康、介護、家族など、不安のタネはつきません。
そこで安心のために、貯蓄、いわゆる「老後の蓄え」が必要ということになります。

2017年現在、世帯主が60歳以上である高齢者世帯の貯蓄は、400万円未満の世帯が18.6%、400万円以上2500万円未満の世帯が47.6%、2500万円以上の世帯が33.8%で、「貯金がない」と答えた世帯も16.8%あります。

現在、70歳になろうとしている団塊世代は、30年前のバブル期に働き盛りの年齢で、貯蓄が多い世代です。
日本の貯蓄の6割が60歳以上の世帯に集中しているといわれています。

その下の世代が高齢者となっていく今後の日本では、高齢者世帯の貯蓄も年金額も減少していくと考えられるのです。

ここでは、そうしてますます厳しくなる現実の中で、少額年金を活かしながら第二の人生を楽しむために必要とされる「発想の転換」や「工夫」のヒントを紹介します。

目次

1. 国費を考える
① 税金を削る
② 健康保険料を削る

2. 「衣・食・住」を考える
③ レンタル衣装を活用する
④ 大学や役所のランチを利用する
⑤ 持ち家より賃貸住宅

3. 趣味・娯楽を考える
⑥ クルマの必要性を見なおす
⑦ 図書館の活用法

4. 人づきあいを見直す
⑧ 冠婚葬祭にお金を使わない
⑨ 中元・歳暮、年賀状をやめる

5. 葬儀を考える
⑩ 寺を儲けさせる必要はない
⑪ 0円で葬儀を済ませる方法

まとめ

1. 国費を考える

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老齢年金には、「公的年金」と「個人年金」があります。

公的年金には、次の3種類があります。

・20歳以上の国民全員が加入する国民年金
・民間企業で働く会社員を対象とした厚生年金
・国家公務員や地方公務員、私立学校の教職員を対象とした共済年金

個人年金とは、民間の保険に加入し、保険料を積み立てて受け取る年金です。

遺族年金や障害年金は無税ですが、これらの老齢年金は、「雑所得」に分類されて課税されます。
受け取った年金の額に応じて「課税所得」が算出され、年金受給額が一定の額以上になると、所得税が源泉徴収(いわゆる天引き)されることになります。

年金による収入額が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下の場合は確定申告をしなくていいので、年金生活者の多くは確定申告をする必要がありません。

① 税金を削る

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老齢年金には所得税と住民税が課税されます。
課税方法は、必要経費にあたる公的年金等控除額、基礎控除、配偶者控除などの所得控除を差し引いた「課税所得」に、税率を掛けて算出します。

公的年金等控除は、サラリーマンの給与から差し引かれる「給与所得控除」と同じ性格のもので、年金受給額と65歳を境とした年齢に応じて計算されます。

一般的な所得控除額は次のとおりです。
・65歳未満の人
公的年金控除額  70万円
基礎控除 38万円
配偶者控除 38万円
合計 146万円

・65歳以上の人
公的年金控除額  120万円
基礎控除 38万円
配偶者控除 38万円
合計 196万円

夫婦の年収がこの合計額を超えなければ無税になります。
住民税の基礎控除は33万なので、課税基準は所得税よりも5万円低くなります。

年金生活者が節税する方法は、可能なかぎり所得控除を増やすことしかありません。
毎年11月頃に郵送されてくる扶養親族等申請書を社会保険庁に返送するのを忘れないようにしましょう。

さらに、社会保険料控除や医療費控除などがあれば、この年収より多くても無税になる可能性があります。 
  
収入額が多くて確定申告をする人は、控除額が増えれば課税所得が下がって税金が戻ってくるので、やはり所得控除はもれなく申告するようにしましょう。

② 健康保険料を削る

子どもが加入している健康保険の被扶養者になれば、保険料はかかりません。
そのことによって、子どもの保険料が上がることはありません。

被扶養者として認定される条件は、年収が130万円未満(60歳以上または障碍者は180万円未満)で、同居の場合は被保険者の年収の2分の1未満であること、別居の場合は被保険者からの援助額より少額であることです。

被扶養者になれない場合は国民健康保険に加入することになります。

保険料を算出する要素には、住民税の額で決まる「所得割り」、資産に応じて算出される「資産割り」、加入者ひとりひとりに算定される「均等割り」、一世帯あたりに算定される「平等割り」があり、これらの組み合わせ方や算出割合は各市区町村によって異なります。

非課税世帯は、市区町村から低所得者としての補助があるので、夫婦ともに非課税である場合には、介護保険料も含めて概ね月額2500円程度で収まります。
また、65歳から医療機関の窓口負担が3割から1割になる、公営住宅に優先的に入れるといった優遇措置もあります。

収入額が非課税の範囲内にある世帯では、いたずらに所得を増やさない方がいい場合もあることを覚えておきましょう。

節税についてはこちらの記事もどうぞ→「確定拠出年金とは|節税しながら老後のお金を貯める方法

2. 「衣・食・住」を考える

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衣食住は生活の基本ですから、一般的な年金生活の世帯では毎月の支出額の半分以上を占めることになります。

それだけに思い切った発想の転換で生活の規模を縮小すれば、老後の資金を大きく活かすことも可能になります。

「断捨離」という言葉が流行してから、モノをもたない身軽な生活がクローズアップされています。
とくに衣料は、ほとんど着ないものや、まったく着る可能性のないものまで溜め込んでいる人が多いものです。

第二の人生を始めるにあたっては、本当に必要なものだけに絞って整理してしまいましょう。

かつては、どこの家庭にも箪笥があったものですが、高齢になったら生活するスペースを縮小して箪笥など整理してしまいましょう。
夫婦の衣料も小さなクローゼットひとつくらいに収めた方が楽だし、無駄な出費も抑えられます。

③ レンタル衣装を活用する

生活の規模を縮小するということには、人間関係も含みますので、おしゃれをして会合に出席するという機会も少なくなります。

冠婚葬祭に出席する機会も積極的に減らすことになりますが、礼服はもっていないとまずいと考える人が多いと思います。

男性の場合、略礼服と呼ばれる、いわゆるブラックスーツは喪服としても使われるので1着はあったほうがいいでしょう。

しかし、昼の礼服とされるモーニングや、夜の礼服とされるタキシードはレンタル衣装がお勧めです。

普通の生活を送っている人がモーニングを着る機会はあまりないでしょうし、タキシードには流行があるので、高いお金を払って購入しても古くなると着なくなってしまうケースが多いのです。

現在はレンタル衣装店や、ホテルのレンタル衣装部が充実していますから、安価で靴まで全身をコーディネイトしてもらえます。
礼服だけに限らず祝いの席に出席する際には、積極的に活用して所有物を減らしましょう。

④ 大学や役所のランチを利用する

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自炊中心の食事にして買い物はスーパーの特売品を買いだめする、というのが老後の食費を節約する基本です。

しかし、都市部に住んでいれば外食の誘惑に逆らえないこともありますし、「食べる」という人生の楽しみを抑圧しては、つまらない人生になってしまいます。

テレビで見た話題のレストランや、気になるシェフの料理も楽しみたいものです。
そこでお勧めなのが、ランチタイム。
夜は高価なレストランでも、ランチタイムであればリーズナブルなメニューが用意されています。

高齢になったら、夜は軽い食事にしたほうがいいので、食べたいものはランチで楽しむというのが健康にもよいのです。

大学や市役所などのランチは、一般にも開放しているところが多いので重宝しましょう。

中でも私立大学の食堂には、有名ホテルが経営しているところもあって、コストパフォーマンスに優れているところが多いので、狙い目です。

⑤ 持ち家より賃貸住宅

高齢になって子どもたちが独立して出ていき、夫婦だけの生活になったら、広い居住スペースは必要ありません。

家を持っていれば多額の維持費や固定資産税がかかりますし、掃除をする労力もだんだんつらくなってきます。

持ち家に住んでいる人は、思い切って、ほど良い広さのマンションなどへの転居を考えてみたらどうでしょうか。
高齢になったらお勧めなのは、分譲よりも賃貸です。

賃貸であれば、飽きたらまた引っ越すことができます。
住環境を変えるというのは、脳の活性化にとてもいいのです。

今までは、高齢者が賃貸住宅を借りることは難しいとされてきましたが、高齢者が増えた現在は空き部屋をうめるために、柔軟化されています。

住みたい環境を選んで、間取りやデザインが好みのマンションを探し、好きなモノに囲まれた空間で生活すれば、ストレスも軽減されて健康的な暮らしが望めます。

不動産をもっていても、死んでしまえば残された者が維持できるとは限りません。
どうしても維持しなければいけない家でなければ、後半の人生を楽しむために、思い切ってライフスタイルの転換を図ってみましょう。

3. 趣味・娯楽を考える

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「生きがい」や「生きる張り合い」ということを考えると、趣味や娯楽は老後の人生において大きな意味をもちます。
自分の好きなことに没頭できる人は、幸せな人生を送っているといえるでしょう。

しかし、生活の規模やスタイルが変わるのであれば、人生の楽しみ方も見直す必要があります。

自分の趣味や娯楽にお金をかけることは、お金の使い方としてはとてもいい方法ですが、もっと安く済ませる手段はないか、無駄な出費ではないのか、あらためて見直すことによって老後の資金を活かすことができます。

⑥ クルマの必要性を見なおす

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現代は若者のクルマ離れが顕著になっていますが、高齢層は自動車の発展とともに生きてきた世代ですから、「クルマが趣味」という人が多いのです。

会社員として現役の時代には、何台もクルマを買い替えた人が多いでしょう。
とくに趣味とは考えていなかった人でも、子どもができてから家族のためにクルマを所持してきたという人が多かったかと思います。

しかし、高齢者となった今、自分の生活にクルマが本当に必要でしょうか。
都市部に住んでいれば、駐車場代が3万円以上ということも普通ですし、クルマはメンテナンスや保険料などの維持費もかかります。

昨今は高齢者の交通事故が多発していて、五感や運動能力の衰えにはもっと敏感になるべきだとする社会の風潮もあります。
実際に運転の適性がないと感じたら、もちろん運転はやめなければいけません。

自分はまだ大丈夫だと思っていても、その準備段階にあると考えて、クルマの必要性を見直しましょう。
冷静になって考えると、年に何回か好きな車種のレンタカーを借りれば済んでしまうというケースが多いのです。

⑦ 図書館の活用法

今、図書館には高齢者があふれています。
冷暖房完備で、ソファもあり、きれいなトイレもあるので、無料で過ごせる休憩所と考えている人が多いのです。

朝から何をするでもなく、ボーっと時間を過ごしている高齢者は、傍から見ていてもあまりいいイメージではありません。

図書館は、もっと積極的に活用すべきです。
単行本や雑誌はもちろん、音楽CDや映画のDVDも借りることができます。

趣味の分野の月刊誌などは、毎月購入するとけっこう大きな出費になるばかりでなく、置き場所も必要になりますし、捨てる労力だってバカになりません。
所有欲を満たしたいという人は、図書館が自分の本棚だと考えればいいのです。

必要なときだけ手元にあればいいと考えれば、本棚を置くスペースがいらなくなり、お金を使う必要もなくなります。
欲しい本があったら図書館に購入依頼書を出せば、手続きの後に市区町村が購入してくれます。

映画は映画館に行かなくてもDVDで十分楽しむことができます。
映画評論家だった故淀川長治氏は、「映画は映画館でというの、あれ、ウソ。私なんかちいちゃなちいちゃなテレビ画面で見ています」と映画の楽しみ方を語っていました。

4. 人づきあいを見直す

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会社で仕事をしている間は、どれだけの人脈をもっているかということが自慢のネタになりました。
アドレス帳に登録している人数の多さや、毎年正月にもらう年賀状の多さが、自分のステータスのように感じたという人も多いことでしょう。

しかし、年金生活を始めたら、人間関係も見直す必要があります。
第二の人生は、あらたなコミュニティの中に自分を置くことになるのですから、もう見栄のアドレス帳などは必要ないのです。

アドレス帳は本当に交流のある親しい人だけにしておいたほうが、いざというときに役に立ちます。
自分にもしもの事があったときでも、家族が誰に連絡をすればよいのか判断する材料になるのです。

生活の規模を縮小するのですから、人間関係も縮小して無意味な負担を減らすべきです。

⑧ 冠婚葬祭にお金を使わない

人づきあいの中でも冠婚葬祭の出費は大きなものとなります。
近い親戚の結婚式や葬儀は出席せざるを得ないでしょうが、友人知人関係の冠婚葬祭にはできるだけ出席せずに負担を減らしましょう。

「あの時、いくら包んでもらったから、今度はこっちが同じ額を包まなければいけない」という義理のやり取りは、年金生活になったらお互いの負担を大きくするだけです。

不義理だと思われても、とくに遠方の知人や遠い関係の冠婚葬祭には出ないのです。
その際は、「もう年金生活の身なので、伺うことができません」とウソのない状況を伝えて、お祝いやお悔やみの言葉を送りましょう。

自分が呼ぶほうの立場になったときには、結婚式は会費制のパーティーにする、葬儀は香典や献花を受け付けない旨を明確に伝えるといった工夫をし、その代わりお返しもしないというかたちにして、お互いの負担を軽くするのです。

現在はそういう形のセレモニーが増えてきています。
義理に縛られた無駄な出費は、もうやめましょう。

⑨ 中元・歳暮、年賀状をやめる

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会社で仕事をしている間は、何十件ものお中元やお歳暮を贈っていたという人も少なくないでしょう。

この習慣も、年金生活に入って第二の人生を始めたらやめましょう。
年に2回、3000円を10件としても年間6万円の出費です。

本当に仲のよい相手や、世話になった人2~3人に気持ちを贈るというのはいいでしょうが、「もらったから贈る」という惰性でやり取りするのは、これもお互いの負担を増やしているだけです。

こういった関係を断ち切るのは勇気がいることなのですが、思い切って「年金生活になったので、お互いに贈り合うのはもうやめにしましょう」と言うべきです。
だいたいは、相手のほうも同じように感じているはずなのです。

年賀状もいい機会ですからやめてしまいましょう。
毎年200~300枚も送っていたという人が少なくありません。
自然消滅は義理を欠くようで嫌だという人は、「もう今後は年賀状は送りません」と宣言してしまえばいいのです。

近年はプリントアウトした、自筆のないハガキも多くなっていますが、あんなものをもらってうれしい人はいないのです。

5. 葬儀を考える

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老後の資金を考えたときに、自分に介護が必要になった場合の費用は、家族に負担をかけないためにも用意しておいたほうがいいでしょう。

そして、最期の時を迎えた後の葬儀の費用も、残しておきたいと考える人が多いでしょう。
もう自分は死んでしまってこの世にいないわけですから、これは自分の意志を書き残しておく必要があります。

ただし、葬儀の費用を残しておきたいがために、生きている間に楽しむことにお金を使えないというのでは、活きたお金の使い方とはいえません。
あらためて自分の葬儀というものを考えてみましょう。

⑩ 寺を儲けさせる必要はない

人が死ぬと、お寺の出番になってお坊さんがお経をあげ、戒名をつけて、お墓に葬られるのが、今までの日本人の普通の考え方です。

しかし、なぜ人が死ぬとお経をあげなければいけないのか、なぜ戒名などというものが必要なのかということに対する明確な答えはありません。

ただ、お経をあげてもらうと、なぜかありがたがるという日本人の変な習慣が残っているだけの話なのです。
院号で値段が大きく変わる戒名に至っては、葬儀を商売にしているお寺のいいなりです。

亡くなったときに「戒名不要」と遺言を残し、俗名と呼ばれる本名が墓石に刻まれている有名人も多いですね。

お寺と特別な関係がないのだったら、葬儀にお金をかけてお寺を儲けさせることはないのです。

葬儀を見直す人が増えている現在は、ほとんどの葬儀屋で、僧侶なし、戒名なしの家族葬というパッケージが用意されています。

⑪ 0円で葬儀を済ませる方法

最後は社会の役に立ちたいと考えている人には、大学の医学部や歯学部で行われる人体解剖実習の教材として、自分の遺体を提供する方法があります。

「献体」と呼ばれるこのシステムは、無条件、無報酬で、遺体の移送費や火葬料などは、献体先の大学などがすべて負担し、火葬が終わって遺体が遺族のもとに戻ってくるのは1年後になります。

献体には日本篤志(とくし)献体協会か医科大学、歯科大学に申し込んで生前に登録しておく必要があります。

まとめ

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老後の資金を活かすためには、ここで挙げてきたような出費を抑える工夫と同時に、自分が楽しむため、夫婦が楽しむためにお金を使うことも大切です。

自分が何歳まで生きるかはわかりませんし、医療費や介護費用がどれだけかかるのかもわからないので、高齢者は貯蓄をもっていながら、なかなか消費に結びつかないのです。

しかし、一度きりの人生、限られた時間を楽しむために、思い切ってお金を使う勇気も必要です。

生活の規模を縮小してムダな出費を抑えることと、自分が悔いのない人生を送るための投資の両方があって、老後のお金は活きるのです。

安定した老後を送るためには「安心して定年後の生活を送る準備-50歳からはじめたい12の事柄」の記事もぜひ併せてお読みください。

【参考資料】
・『年金15万円のゴージャズ生活』 ぱる出版 2012年
・『一生お金に困らない老後の生活術』 PHP研究所 2016年
・『古希に乾杯! ヨレヨレ人生も、また楽し』 海竜社 2017年

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