やる気が出ない脳をだます10の方法-自分をその気にさせる技術

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何をするのもめんどくさくなって、やる気が出ないときがありますよね?

こんなときに、やる気を出せる手段があったら、悩みが減ると思いませんか?

やる気が出ないときは、気持ちや行動をなんとか変えようと思っても、なかなかできるものではありません。

しかし、人間のすべての行動は、脳からなんらかの指示が出されて、体が反応することでつくられています。
ですから、脳に入る情報が変われば、感情や行動は違うものになります。

ここでは、この脳と体との関係に注目し、意識的に脳に入る情報を変えることによって、「やる気が出ない脳」をだまして、やる気にさせる方法をピックアップしました。

「脳をだます」と聞くと、特別な知識やテクニックが必要になるのではないかと思われるかもしれませんが、心配はいりません。
誰にでも簡単にできる方法ばかりを具体的にわかりやすく解説していきます。

目次

■ やる気が出ない脳をだます10の方法

1. 体を動かして脳の淡蒼球を活性化させる
2. ご褒美でドーパミンの分泌を高める
3. プレッシャーを与えてノルアドレナリンを利用する
4. 食事や運動でセロトニンを活性化させる
5. 優先順位でワーキングメモリを回復させる
6. 妄想のパワーで行動力を高める
7. 「区切り」でマンネリを解消する
8. 「すぐやる人」を視界に入れて真似をさせる
9. 経験的な言葉で動作を起こしやすくする
10. 手を汚して触覚を豊かにする

まとめ

■ やる気が出ない脳をだます10の方法

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「プラセボ効果」という概念があります。
薬効のないニセの薬を本物の薬だと偽って患者に投与すると、症状が快方に向かう効果のことです。

信頼している医師に「これはとてもよく効く睡眠薬ですよ」と、単なるビタミン剤をもらった人が、それを飲んでよく眠れるようになったという話も同様のものです。

人間の脳は、偽りの情報を与えられることで、錯覚を起こすのです。
現実よりも、表面的な情報に影響を受けやすいのです。

この習性を心理状態に応用してやれば、やる気が出ないのに、やる気が出るように感じさせてしまうことも可能だということです。

実は誰もが、知らず知らずのうちに、この習性を利用しています。
「この仕事が終わったら美味しいものを食べよう」
というように、自分に報酬を与える行為もその1つ。

このように、自分の脳の特性を逆手に取って「やる気を出す」方法を解説していきましょう。

1. 体を動かして脳の淡蒼球を活性化させる

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「大脳基底核」は、大脳の大部分を占める「大脳皮質」と、大脳の幹にあたる「脳幹」や、匂い以外の感覚を大脳に伝える中継点である「視床」を結びつけている神経細胞の集合体です。

大脳の中心部である大脳基底核の一部に、やる気をつかさどっている「淡蒼球(たんそうきゅう)」と呼ばれる部位があります。

大脳基底核には、意識的に行う運動をスムーズにする役割があり、運動をすることによって淡蒼球の活動を活性化させることができるのです。

淡蒼球の働きを活性化させるためには、脳内の内部的な変化を考えるよりも、自分の体を動かすことが効果的なのです。
「体を動かすとやる気が出る」ということ。
体を動かすことの習慣化が、やる気の維持には必要だということです。

頭であれこれ考えている間は、やる気を取り戻すことが難しいのです。
やる気が出ないと悩んでいるのであれば、なんでもよいからすぐにできる範囲で、体を使って動くことが効果的。

まずはちょっと歩く。
とにかく行動する。
それから考えるようにしましょう。

2. ご褒美でドーパミンの分泌を高める

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人間の脳には「報酬系」と呼ばれる回路があります。
何かをやり遂げて報酬を得られることがわかると、脳内で「ドーパミン」という物質が活性化され、そのドーパミンが伝達する回路のことです。

ドーパミンは、人間の行動をつかさどっている脳の中枢神経系に存在する脳内ホルモン(神経伝達物質)で、意欲や快楽、喜びなどに大きく影響するために「快楽ホルモン」などと呼ばれます。

意欲ややる気に作用するドーパミンの分泌を増やせば、やる気を取り戻すことができます。
そして、報酬系を活性化するのに効果的なのが「ご褒美」なのです。

ご褒美には、目に見えるものと見えないものの2種類があります。
目に見えるものには、「美味しいもの食べる」「洋服を買う」「旅行に行く」というような具体的な行動があり、目に見えないものには、「他人からほめられること」があります。

他人から認証されることは、相手が必要になりますし、自分でコントロールできないことですから、目に見えるご褒美を効果的に使いましょう。

「なんとなく自分にご褒美」というのではなく、どの仕事を終えたらこのご褒美ということを厳格に設定するのです。
小刻みな目標をつくってマイレージのようなポイント制にし、具体的な積み重ねが目に見えるようにするといった工夫も、モチベーションのアップには効果的です。

3. プレッシャーを与えてノルアドレナリンを利用する

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あえて自分にプレッシャーを与えて、やる気が出ない状態から脱する方法もあります。

たとえば、「仕事をできるだけ早く終わらせる」という姿勢をやめて、仕事の終了時間を設定するのです。
具体的な終了時間を設定することにより、プレッシャーが高まります。
これが「タイムプレッシャー」です。

また、終了時間や締め切りなどが決定している場合に、誰かにその状態を宣言することによって、同僚や仲間からプレッシャーを受けるのが「ピアプレッシャー」と呼ばれるものです。

こうしたプレッシャーによって仕事がはかどるのは、「ノルアドレナリン」という脳内ホルモンが影響しているからだと考えられています。

ノルアドレナリンは、注意や意識が覚醒したとき、不安や緊張を感じたときに分泌が増えます。
また、ノルアドレナリンが、ドーパミンの働きを活性化することがわかっているのです。

過度な緊張の連続は心身によい影響を与えません。
プレッシャーが強すぎると、ノルアドレナリンの影響が大きくなってストレスが強くなり、注意力散漫、意欲低下という状態になってしまいます。

ですから、「適度なプレッシャー」という点が重要です。
日頃から適度なプレッシャーと適度なストレスがある生活は、やる気維持に効果的なのです。

4. 食事や運動でセロトニンを活性化させる

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イライラや不安といったうつ病の代表的な症状は、「セロトニン」という脳内の神経伝達物質が不足していることが大きな原因となっています。

意欲の元であるドーパミンや、興奮の元であるノルアドレナリンとともに、「三大神経伝達物質」と呼ばれるセロトニンには、脳を覚醒状態にする、心のバランスを整える、自律神経のバランスを整える、鎮痛作用といった働きがあります。

ですから、セロトニンの分泌を増やして活性化させれば、やる気を回復してモチベーションを高めることができるのです。

食事や運動などの生活習慣を見直すことで、脳内のセロトニンを活性化させることが可能です。

食事で大切なのは、セロトニンの材料となるトリプトファンという必須アミノ酸を摂取することです。
バランスのよい食生活の中で、トリプトファンが多く含まれるタンパク質、チーズ、ナッツ、バナナ、納豆などの大豆食品をしっかり摂取します。

運動は、呼吸法、ウォーキング、サイクリングなどのリズム運動が、セロトニンの活性化には最適です。
5分間だけでも効果があり、長くても30分以内、疲労しない程度で終えることがポイントです。

5. 優先順位でワーキングメモリを回復させる

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「ワーキングメモリ」とは、仕事や学習などにおいて、情報を一時的に保存しつつ、ほかの情報処理も行える脳内のシステムです。

日常業務をこなしていると、クレームの電話が入って対応したり、上司から急ぎの仕事を頼まれて処理したりと、実社会においてはいくつものことが同時に進行しています。
こうして、同時にいくつものことをこなすためには、ワーキングメモリが必要になります。

ところが、あまりにも仕事が重なってしまうとワーキングメモリの機能が低下してしまい、さらに過剰な負荷がかかり続けると、ワーキングメモリはパンクしてしまうのです。
そうなると、頭が混乱して、何から手をつければよいのかわからなくなってしまいます。

ワーキングメモリがパンクしてやる気を失ったときは、今抱えている仕事を書き出して優先順位をつけていきます。
そして、今すぐにやらなければいけないことだけをやるのです。
好きなことからはじめるのも、よい方法です。

1つ終えると小さな充実感を得ることができますから、その喜びがドーパミンを少しだけ刺激します。
この少しの刺激の積み重ねが、やる気を復活させていきます。

6. 妄想のパワーで行動力を高める

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脳の前頭葉にある「前頭前野」という部位は、思考や創造をつかさどる「脳の最高司令部」といわれ、生きるための意欲ややる気と密接な関係をもっています。

この前頭前野に妄想で働きかけることによって、やる気を回復させることが可能です。

「となりの住人が自分を監視している」という妄想を抱いた人がとなりの家に怒鳴り込んだり、「尾行されている」という妄想をもった人が警察の保護を願い出るといった、「被害妄想」は悪い例ですが、こうした例でもわかるように妄想には人を動かすパワーがあります。

ただの憧れや夢とは違い、実現の可能性が少しでもある目標をリアルに妄想することは、その妄想を行動に移すことで、やる気を生みだします。

大発明やノーベル賞を受賞するような研究は、妄想からスタートしていることが多いもの。
それは、発明者や研究者が失敗をおそれなかったからです。

妄想が実現すれば評価を受けますが、実現しなければ笑い者で終わるかもしれません。
しかし、失敗を恐れていては、そもそも妄想が成り立ちません。
やる気が出ない状態の人は、失敗など気にせずにとにかく少しでも行動した方が、やる気を取り戻すことにつながるのです。

7. 「区切り」でマンネリを解消する

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やる気を失う原因の1つに「マンネリ」があります。
仕事は慣れることによって効率が上がり、スキルアップも実現できますが、慣れとマンネリは紙一重でもあります。

仕事や作業に変化をもたせるために有効なのが、環境を変えることです。
環境が変わると、誰もが頑張ろうという気持ちになるものです。

しかし、一般的な会社員であったら、そう簡単に部署の異動や転職はできませんから、仕事の環境を変えるというのは、なかなか難しいものです。

そういう場合には、自分の中に「区切り」をつくることで、マンネリを解消しましょう。
数カ月から1~2年単位で、ゴールを設定するのです。
区切りの前と後では環境が変わっていることが重要で、職場の環境が何も変えられない状況だったら、プライベートに変化をつくりましょう。

引っ越しまでしなくても、部屋の模様替えや趣味のアイテムを新調するなど、環境の変化にご褒美をプラスするのも効果的です。

8. 「すぐやる人」を視界に入れて真似をさせる

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脳は、他人の行動を見ただけで、自分がその行動をしているのと同じような状態になる性質があります。
無意識のうちに、「他人のしぐさ」を真似するのです。

やる気が出ない人は、ダラダラ仕事をしているとか、先延ばしばかりしているような人が、周りにいませんか?
あなたが、「この人はひどい人だ」と心では思っていても、脳は勝手にその人の行動を真似てしまいます。
ですから、やる気が出ない症状は、部署内に伝染していくのです。

脳のこの性質を逆手にとって、やる気を取り戻す方法があります。
「やる気の見られない人」が目に入らないようにして、「行動力のある人」や「すぐ動く人」が視界に入るように心がけるのです。

その人の言動に注意を払って、気にかけると、脳が真似をしやすくなります。
真似をしたい相手と同じ方向を向いて横並びの状態になると、さらに効果的です。

9. 経験的な言葉で動作を起こしやすくする

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目から入る情報だけでなく、耳から入る情報も、やる気の喪失や回復に影響を与えます。
耳から入る情報の中でも「自分が発する言葉」は、もっとも脳に影響を与えます。
自分の言葉によって、脳はその気になるのです。
これは、しゃべることと体を動かすことを、脳の「ブローカ野」という同じ部位がつかさどっているためです。

言葉を3つに分類して、応用します。
脳が損傷して右手が上がらない人の治療を例にあげましょう。

医師が「右手を上げてみてください」と言うと、患者さんは努力しますが右肩が多少上がる程度しか動きません。
医師は、患者との会話を掘り下げていきます。

患者の言葉は、「力が入らない」という主観的な言葉や、「これ以上動かない」という客観的な言葉から、医師の「どのように?」という質問に対して、「重りがぶら下がっているみたい」という経験的な言葉に変わっていきます。

そこで医師は、「その重りが少し軽くなったら腕を動かせますか?」と語りかけると、患者から無駄な力が少し抜けて、腕が動きそうな様子を見せるといいます。

これは「仮想現実」をつくり出して、脳に認識させているのです。
この仮想現実をつくるのに効果的なのが、「どう感じているのか」や「体の状態」を表す「経験的な言葉」なのです。

ただ「頑張ろう」「自分にはできる」といった励ましの言葉を並べるだけではなく、自分が「どう感じているのか」や「体の状態」を言葉にすることによって、動作を起こしやすくすることができるのです。

10. 手を汚して触覚を豊かにする

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視覚や聴覚からやる気を引き出す方法を解説してきましたが、実は五感の中でもっとも脳を活性化させるパワーをもっているのは「触覚」です。

触覚は、目を閉じる、耳をふさぐ、鼻をつまむというように遮断できないので、触覚から得られる情報をコントロールすることは難しく、それだけに脳は比重の高い情報として無条件に信じてしまう傾向があるのです。

体の一部が触れていなくても、風や温度を感じます。
触覚を豊かにすることによって、脳が正しく指令を出して体を動かしやすくなります。

ところが、現代の生活では、触覚を養う機会が少なくなってしまっているのです。
とても大事なのが、「手を汚す作業」です。

おにぎりを握る、土に触って植物を育てる、洗車をする、靴をみがく、雑巾で拭き掃除をするといった、手を汚す作業をして、行動力のある脳と体の関係を養ってください。

まとめ

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やる気が出ない脳に不可欠なのが、「休み」です。
脳にいろいろと働きかける前に、積極的に休むことを考えましょう。

最近は「アクティブレスト」という言葉がよく使われます。
休日に家でゴロゴロ寝ていると、疲れがとれなくて週明けは余計に疲れた状態になるので、休日は軽い運動をして過ごそうという概念です。

家で体を休めていたのに疲れが抜けないのは、「よい休日を過ごせた」という充実感のある記憶を残せていないからです。
休み方で大事なのは、心身ともに疲れが癒せたというイメージを脳に残すことなのです。

週末にやる気の回復を図るときは、この点を忘れないようにしましょう。

【参考資料】
・『めんどくさくて「なんだかやる気が出ない」がなくなる本』 SBクリエイティブ 西多昌規 2016年
・『すぐやる! 行動力を高める“科学的”な方法』 文響社 菅原洋平 2016年

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