集中力が続かないときに使う14のスイッチ-脳の力を活かすコツ

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集中力を維持できたら、仕事はもっとうまくいくはずですよね?

多くの人は、ゲームや好きなことには集中できるはずです。
それなのに、仕事になると集中力が続かないのはなぜなのでしょう?

それは仕事に対して、脳の力を効果的に使っていないからです。
集中力は、生まれつきの才能や特殊な能力ではなく、誰もが同じようにもっている力です。

ですから、自分の脳がもっている力を活かすコツさえつかめば、今まで仕事では30%しか発揮できなかった力を100%に近づけることが可能になります。

ここでは、集中力を持続できるようにする14のスイッチを紹介します。
脳を活性化させることによって、本来もっている力を引き出せるようにするものです。

目次

■ 集中力が続かないときに使う14のスイッチ
① 脳へのご褒美を用意してドーパミンを増やす
② とにかく手近な作業からはじめる
③ 全体の中の自分を考える
④ 深呼吸をしてセロトニンを増やす
⑤ 25分以上のウォーキングで脳内物質を活性化する
⑥ シングルタスクでワーキングメモリーの負担を減らす
⑦ 優先順位を設定してワーキングメモリーを回復させる
⑧ 必要ないものを視界から外す
⑨ あえてプレッシャーを与えてノルアドレナリンを刺激する
⑩ 緊張と休憩でノルアドレナリンを小出しにする
⑪ 作業はキリが悪いところで中断する
⑫ プチ瞑想でアセチルコリンを増やす
⑬ 集中力のある人を視界に入れる
⑭ 20分昼寝で脳の疲労を回復する
まとめ

■ 集中力が続かないときに使う14のスイッチ

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よく、「人間の脳は数%程度しか使われていない」というような話を聞くことと思いますが、実は、脳科学的には根拠のない俗説です。

しかし、多くの人間が自分の脳を活かしきれていないことは、間違いありません。
脳の使い方を工夫することによって、誰でも潜在的にもっている脳の力を引き出すことは可能です。

集中力を持続させるためには、「ドーパミン」「セロトニン」「ノルアドレナリン」「アセチルコリン」「βエンドルフィン」といった脳内物質を効率よく分泌させることが、1つのカギとなります。

脳内物質の特性や、分泌を増やすスイッチは、それぞれの項目で解説しましょう、

① 脳へのご褒美を用意してドーパミンを増やす

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ドーパミンは、欲求が満たされると分泌されて、強い快感をもたらす脳内物質です。
目標が達成されたときや、仕事が成功したときにも分泌されて、満足感や幸福感をもたらすので、目標や欲求へ人を駆り立てる力があります。

ドーパミンは、欲求が満たされた状態や、目標を達成した状態を想像するだけでも分泌されます。
ですから、ドーパミンの分泌を増やそうと思ったら、「達成したらどんなに気持ちいいだろう」といったワクワク感を、意識的につくり出してやればいいのです。

もっとも簡単な方法は、脳が喜ぶ「ご褒美」を前もって用意しておくことです。
「この仕事が終わったら、美味しいものを食べる」「金曜日までにこの仕事を終わらせて週末は温泉に行く」というように、ご褒美を用意するのです。

政界やスポーツ界の成功者には、こうしたドーパミンの「報酬系回路」と呼ばれる機能をうまく利用している人が多いといわれます。

② とにかく手近な作業からはじめる

集中力が途切れたときは、デスクに座ってパソコンモニターの前にいても、メールのチェックをしてみたり、デスクの上を片付けてみたりして、なかなか作業を再開できないものです。

こんなときは、とにかく目の前にある手近な作業をはじめてみるのが効果的です。
嫌々でもゆっくりでもいいので、スタートさせるのです。
すると、最初は嫌々はじめた作業がだんだん面白くなってきて、集中力を回復できます。

これは、脳の「作業興奮」というメカニズムで、作業をはじめることによってドーパミンが分泌され、脳がやる気になるのです。

作業興奮にはタイムラグがあります。
作業をはじめてからドーパミンが作用するまでには少し時間がかかるので、嫌々でもとにかく進めることが大事です。

また、作業興奮は残念ながらそれほど長続きしないので、脳が疲労すれば集中力はまた低下します。
ですから、小刻みな目標や、脳の疲労を回復する休憩の取り方が大切になるのです。

③ 全体の中の自分を考える

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集中力を維持すれば、必ず仕事の成果が上がるというものではありません。
周囲の状況が見えていなかったり、自分のポジションがわかっていなかったりすると、空回りをして、集中力をムダにしてしまいます。

集中力を成果につなげていくためには、「全体の中の自分」を常に意識する必要があります。
脳科学や心理学では、「もうひとりの自分」が、自分のことをモニタリングしているような考え方を「メタ認知力」と呼びます。

メタ認知力が高い人は、「会社という組織の中で、今自分は何をすべきか」「自分は今、目標達成までの道のりのどの辺にいるのか」といったことを冷静にモニタリングしているので、集中力をムダにしません。

普段から、客観的に自分のことをとらえるクセをつけるようにしましょう。

④ 深呼吸をしてセロトニンを増やす

脳内物質のセロトニンは、脳をシャキッと覚醒させて、癒しや落ち着きをもたらします。
脳を安定させてコンスタントに力を発揮できるようにするためには、セロトニンの分泌を高めるだけでなく、安定して分泌させることも必要になります。

セロトニンの分泌を高める代表的な方法は3つあります。

・朝起きたら太陽の光を浴びる
・リズム運動を行う
・深呼吸をする

「集中力が途切れてきたな」と感じたときに、すぐにできるのは深呼吸でしょう。
大きく深呼吸を繰り返すことで、セロトニンが安定して分泌されるようになります。
深呼吸は副交感神経を刺激するので、脳と体をリラックスモードにする作用もあります。

リズム運動には、ウォーキングやジョギング、音楽に合わせた体操などがあります。

⑤ 25分以上のウォーキングで脳内物質を活性化する

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時間が取れるときは、25分~30分間のウォーキングが集中力の回復に有効です。

リズミカルに歩くウォーキングは、セロトニンの分泌を高めるだけでなく、15分以上続けることでβエンドルフィンの分泌が高まります。

βエンドルフィンは、高揚感をもたらす「脳内麻薬」とも呼ばれる脳内物質で、脳の神経回路に働いて集中力、思考力、記憶力など、脳の全体的な機能を高めます。

そして25分~30分間続けると、ドーパミンの分泌も高まるのです。
休憩時間に、緑に囲まれた公園などを30分ほど歩けば、仕事に対する集中力を高めることができます。

ただし、疲れてしまっては逆効果になりますから、自分の体力やコンディションを考える必要があります。

⑥ シングルタスクでワーキングメモリーの負担を減らす

脳の前頭葉には、一時的に作業内容を記憶しておく「ワーキングメモリー」というメモ機能があります。
このワーキングメモリーがあるおかげで、人間は複数の作業を同時進行させたり、中断させた作業を再開させたりすることができるのです。

しかし、このメモ機能は容量がそれほどありません。
人間の脳はマルチタスクが苦手で、同時進行で処理できる作業はせいぜい3つくらい。
しかも、2つのことを同時に処理すると、効率がガクンと落ちてしまうのです。

ですから、「今、何をすべきか」ということを明確にして、シングルタスクで脳を使うことで、ワーキングメモリーの負担を抑えましょう。

また、脳は内蔵メモリーを増設できないのですから、付箋やメモ帳といった外部メモリーを使う工夫も効果的です。

⑦ 優先順位を設定してワーキングメモリーを回復させる

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脳のワーキングメモリーは、マルチタスクで機能が低下してしまいますが、過剰な負荷が続くとパンクしてしまうこともあります。

ワーキングメモリーが機能しない状態の脳は、目の前の事柄を何から手をつければいいのか判断できなくなってしまいます。
うつ病の患者には、ワーキングメモリーが正常に機能していない人が多いといわれます。

マルチタスクで集中力が途切れてしまい、何から手をつけていいのかわからなくなっている状況は、ワーキングメモリーがパンクしている可能性があります。

ワーキングメモリーを回復させるためには、あまり深く考えずに、とりあえず簡単なものから作業に優先順位をつけてしまい、手近な作業からはじめるのが有効です。

⑧ 必要ないものを視界から外す

脳がよそ見をしない作業環境をセッティングすることは、集中力の維持に有効です。
気にしないつもりでいても、気を引くものが視界にあると、ついつい気が散ってしまうものです。

脳の処理能力を高めるためには、今とりかかっている作業だけに集中できる環境をつくることが重要なのです。

デスクの上にスマホがあったり、作業しているパソコンの通知機能がONになっていると影響を受けやすいので、スマホはバッグにしまい、パソコンの通知機能などは仕事に支障ない範囲でOFFにしましょう。

デスクの上には、外部メモリーとして使えるメモだけを用意し、文房具などは引き出しに収納してしまうのがおすすめです。
どういう環境が集中に適しているかということは、個人差がありますから、自分に合った作業環境を把握しましょう。

⑨ あえてプレッシャーを与えてノルアドレナリンを刺激する

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ノルアドレナリンは、「闘う」や「逃げる」といった緊急事態が発生したときに分泌が増えて、心身を戦闘モードや集中モードに引き上げる働きのある脳内物質。
ピンチのときに、「ここ一番の集中力」をもたらしてくれる重要な物質です。

「背水の陣」は、退路を断って自分にプレッシャーをかけることにより、ノルアドレナリンを分泌させ、集中力を上げる戦法ですが、この戦法は、普段の仕事にも応用することができます。

適度なプレッシャーを自分にかけて、仕事に集中する状況をつくり出すのです。
作業の終了時間を設定するだけでも、タイムプレッシャーになります。

あえて仕事の達成を周囲に宣言してしまう「ピアプレッシャー」という方法で、やるしかない状況に自分を追い込むのも、まさに退路を断った背水の陣といえるでしょう。
過度なプレッシャーは緊張を高めてしまいますから、自分にとっての適度なプレッシャーを見つけましょう。

⑩ 緊張と休憩でノルアドレナリンを小出しにする

ノルアドレナリンがもたらす「ここ一番の集中力」も、残念ながらあまり長続きしません。
短期集中を目的とした脳内物質なのです。

ですから、緊張する状態や、プレッシャーを与える状態を続けて、ノルアドレナリンを出しっぱなしにしても集中は長続きせず、脳と体が極度に疲労することになります。

ノルアドレナリンはあくまで「ここ一番」で効果を発揮する物質。
脳が環境に慣れてしまうと緊張感が薄れるので、ここぞというときに利用するようにしましょう。

⑪ 作業はキリが悪いところで中断する

作業を中断するときは、あえてキリが悪いところで終わらせたほうが、再開したときに集中モードに入りやすくなります。

脳には、「達成できたことよりも、達成できなかったことや、中断したことのほうが覚えている」という性質があり、「ツァイガルニク効果」と呼ばれます。

中途半端で中断したことは頭の中に残り、「次の展開はどうしようか」ということが頭の片隅にあり続けるので、再開したときにすぐに集中することができるのです。

ですから、いくつかの要素がある作業は、あえてパート1の終盤近くやパート2の序盤といったところで中断します。
できれは、次の要素の序盤、やり始めのところで中断すると、頭の中にはその作業の内容が残りますから、より効果的です。

⑫ プチ瞑想でアセチルコリンを増やす

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アセチルコリンは、学習や発想力と関係が深く、脳神経ネットワークのつながりをよくする脳内物質です。

アセチルコリンが不足すると集中力が低下し、記憶障害を発症します。
アルツハイマー型認知症を患った患者の脳は、アセチルコリンが減少しているため、アセチルコリンを増やす薬剤が用いられます。

アセチルコリンは、何もせずにぼんやりしているようなときに分泌され、意識的に増やす手段が瞑想やヨガなどです。

瞑想は、ドーパミン、βエンドルフィン、セロトニンなどとともにアセチルコリンも分泌させるスーパー集中術ですが、本格的な瞑想に入るためには訓練を必要とします。

しかし、1分間だけ目を閉じて心を無にするような「プチ瞑想」だったら、仕事の休憩時間や自宅ですぐにでも実践可能。
プチ瞑想でも、アセチルコリンをはじめとする脳内物質が活性化し、集中力を高めることができます。

⑬ 集中力のある人を視界に入れる

人間の脳にはミラーニューロンという細胞があります。
ミラーニューロンは、他人の行動や感情を自分のことにように写し取るので、「モノマネ細胞」などと呼ばれます。

映画の主人公に感情移入したり、スポーツ観戦で熱くなるのも、見たことを脳内で自分のこととして再現するミラーニューロンの働きなのです。

私たちは、ミラーニューロンのおかげで、自分で思っている以上に周囲の影響を受けています。
マネするつもりはなくても、脳は見ている人のマネをしようとします。

この働きを利用して、ダラダラしていてやる気のない人を視界から外し、集中して仕事をこなす人を視界に入れるようにすれば、自分も集中して仕事ができるような気になります。
意識して、集中している人のマネをすれば、さらにミラーニューロンの働きは活発になります。

⑭ 20分昼寝で脳の疲労を回復する

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昼寝は、「午後の仕事を効率アップする脳のリフレッシュ方法」として知られています。
脳を眠気から覚醒させて、集中力をよみがえらせるので、アメリカでは「パワーナップ」と呼ばれるビジネススキルとなっています。

疲れた脳をリフレッシュするための昼寝には、3つのポイントがあります。

まず、昼寝をするのは遅くても夕方までにすること。
それ以上遅くなると、夜の睡眠に影響します。

次に、昼寝の時間は長くても30分以内に抑えることです。
それ以上眠ると睡眠が深くなって、覚醒しづらくなります。
20分程度が、後の仕事に支障をきたさない長さでしょう。

最後に、20分で目覚める方法ですが、寝る前にコーヒーや緑茶などを飲むと、15分から20分後にカフェインの覚醒効果が出てくるので、寝過ごすことがありません。

まとめ

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集中力を持続する脳の状態をつくるためには、夜の睡眠も重要な要素です。
朝、太陽光などの強い光を浴びると、14~16時間後にメラトニンという脳内物質が分泌されはじめます。

メラトニンは、「眠りのホルモン」とも呼ばれ、自然な眠気を誘って快眠をもたらす物質で、昼間につくられたセロトニンから生成されます。
ですから、昼間にセロトニンの分泌を活性化すると、心地いい眠りにつけるようになるのです。

朝日を浴びることによって、脳はメラトニンの分泌をやめ、セロトニンの分泌を開始します。
毎日、朝日を浴びることは、体内時計をリセットして体の様々なリズムを整えるという大事な役目ももっています。

快眠して気持ちのいい朝日を浴びれば、セロトニンの分泌が活性化するのですから、好循環となって、集中力を十分に発揮する脳の状態がつくれるのです。

 

【参考資料】

・『いつもの仕事が倍速で進む活脳スイッチ』 永岡書店 西多昌規 2017年
・『ミス・ムダがゼロになる「集中力」』 明日香出版社 須崎恭彦 2017年
・ 『今すぐ! 集中力をつくる技術』 祥伝社 冨山真由 (著)、 石田淳 (監修) 2017年

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