企画書フォーマットの作り方(基本)| ワンシートから6枚超えまで

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image企画書をまったくの白紙から作成するのは時間がかかりますよね?

本数をこなして慣れてくると、自分なりの作成手順やレイアウトがパターン化されるでしょう。しかし、そうなるまでは1本ごとに最適なスタイルを考えなければいけません。

そこで、基本フォーマットが威力を発揮します。ある程度パターン化した基本的な型を何種類か作って頭に入れておくのです。そうすれば、企画書を作成する前に基本方針を決めることができます。

ここでは、企画書の枚数によって分類した4パターンの基本フォーマットを解説します。この分類が頭に入っていれば、企画書作成が驚くほどスムーズに行えるようになるでしょう。

目次

1 企画書フォーマットの作り方(基本)
  1-1 企画書フォーマット1 ワンシート企画書
     1-1-1 基本レイアウト
     1-1-2 構成の3つのポイント
     1-1-3 読み手を引きつけるタイトルの決め方
     1-1-4 コンセプトを魅力的にする方法
     1-1-5 「現状認識」と「課題設定」を図表で示す
     1-1-6 「具体的方策」の魅力的な表現方法
     1-1-7 「予算」と「スケジュール」のイメージ化
  1-2 企画書フォーマット2 2~3枚の企画書
     1-2-1 基本レイアウト
     1-2-2 「現状認識」と「課題設定」を詳しくする
     1-2-3 「具体的方策」を充実させる3つのポイント
     1-2-4 「スケジュール」で相手の注意を引く
  1-3 企画書フォーマット3 5~6枚の企画書
     1-3-1 基本レイアウト
     1-3-2 1枚企画書で全体像をつかむ
     1-3-3 「要約」の有無を決める
     1-3-4 事実や図で「現状認識」を充実させる
     1-3-5 目標を掲げて「課題設定」を充実させる
     1-3-6 「具体的方策」を魅力的に展開する
     1-3-7 「予算」と「スケジュール」を明確にする
  1-4 企画書フォーマット4 6枚超の企画書
     1-4-1 追加される項目
     1-4-2 製本を活用する際の注意
2 企画書作成段階におけるポイント
  2-1 一般的な作成手順
  2-2 アプリケーションの決め方
     2-2-1 Wordでつくる企画書
     2-2-2 Power Pointでつくる企画書
まとめ

1 企画書フォーマットの作り方(基本)

ここで解説する4パターンの企画書の特性を理解し、自分なりのフォーマットを作成しておけば、どんな企画にも対応可能です。

用紙はすべてA4サイズです。かつてはビジュアルを前面に出すために、B4サイズの企画書も多く作成されましたが、現在はすべてのビジネス文書がA4サイズを標準としています。

1-1 企画書フォーマット1 ワンシート企画書

male「究極の企画書」といわれるワンシート(1枚)企画書は、読み手がひと目で全体像を把握できる一覧性が最大のメリットです。

テキストが中心となる企画書や提案書は、このスタイルがもっとも多くなります。基本中の基本となるフォーマットを作成しておき、読み手を考慮してその都度アレンジを加えていきましょう。

1-1-1 基本レイアウト

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1-1-2 構成の3つのポイント

ワンシート企画書は、コンパクトながら、最低限の情報で読み手を引きつけるインパクトが求められます。構成は次の3つのポイントに注意してフォーマット化しましょう。

1 3分間で説明できる内容にまとめる
2 重要な話を先にもってくる「アンチクライマックス法」で構成する
3 相手の興味や関心に応じて構成要素のバランスを考える

1-1-3 読み手を引きつけるタイトルの決め方

ワンシート企画書では、タイトル自体が重要な提案要素となります。相手の心をつかむタイトルを作るポイントは次の3つです。

・相手の考えや感性を正当化させる
・相手の想像を超える、裏切る
・語呂の良さ、響きの良さを追求する

ワンシート企画書は、十分なプレゼン時間をとれることが少ないので、「○○○○のご提案」といった抽象的なタイトルは向きません。瞬時に相手の興味を引き、企画内容を過不足なく伝えることが求められます。

大げさすぎてもいけません。タイトルの期待値が高くなりすぎて、内容がその期待を裏切るようでは逆効果です。

1-1-4 コンセプトを魅力的にする方法

femaleコンセプトは企画の要素である「現状分析」「課題設定」「基本方針の決定」「解決策の展開」を凝縮したものです。タイトル欄にサブタイトルとしてまとめたり、本文の前に記述したりするケースもあります。

口頭では30秒で説明できるような凝縮感が重要です。コンセプトを魅力あるものにして、相手の判断に影響を与えるためには、次の4点を意識しましょう。

・あなた自身が気に入られる存在になり、好意をもたせる
・限定的な「お得感」を出して希少性をアピールする
・権威ある専門家のコメントを引用して、説得力を高める
・相手のポジティブな感情に訴えて、訴求力を高める

1-1-5 「現状認識」と「課題設定」を図表で示す

image「現状認識」と「課題設定」は企画の重要な要素ですが、ワンシート企画書では長い記述ができないので、図表2枚でわかりやすく表現するのが得策です。

現状や課題を数値データで示して、客観性と説得力を高めるのです。

課題や問題意識は、提案先と共有できていなければ的を射た企画にはなりません。すでに共有できている場合はいいのですが、相手の意表を突きたい場合には、図表だけではなく「現状認識」と「課題設定」を記述しなければいけません。

1-1-6 「具体的方策」の魅力的な表現方法

魅力的な「具体的方策」には、次のようなポイントがあることを理解しておきましょう。

・スペースが限られているワンシート企画書では、項目数を3~5本に集約する
・誰が見ても納得できる因果関係(原因と結果)を示して論理性を高める
・見た目の良さ、バランスの良さを追求する
・実現できる可能性のないものは絶対に書かない
・企画を実施した場合の効果を信頼性のある数字で示す

1-1-7 予算とスケジュールのイメージ化

ワンシート企画書の締めくくりは、「予算」と「スケジュール」になります。限られたスペースで、企画実施を左右する重要な要素を伝えなければいけません。大枠だけをうまくイメージ化して示す必要があります。

・予算は現実的な総費用を示して企画の規模をはっきりイメージさせる。
・スケジュールは「できること」と「できないこと」がはっきり判断できるものにする。

この2点で相手の興味や関心を得て、次のステップで詳細を詰めるためのものと考えます。

1-2 企画書フォーマット2 2~3枚の企画書

2~3枚の企画書は、基本的にワンシート企画書の拡大版と考えます。フォーマット作成の考え方も同じですが、2パターンの基本レイアウトを作っておきましょう。

1-2-1 基本レイアウト

拡張型

拡張型は、A3サイズの用紙にプリントして見開きにすると、ワンシートと同様にひと目で全体像をつかめます。相手の興味や関心に応じて、構成要素のどこを強調するか決めましょう。

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要約型

要約型は、最初に企画内容をまとめたものを記述します。とくに相手の時間があまりとれないようなケースでは、コンセプトを明確にした企画の要約内容をサッと説明する、このタイプが効果的です。

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1-2-2 「現状認識」と「課題設定」を詳しくする

image「現状認識」と「課題設定」を詳しく書いて説得力を高めるのであれば、3枚構成にしましょう。

ワンシート企画書で解説したように、課題や問題意識はすでに相手と共有できているものと、相手が気づいていない意外性を持つものがあります。

すでに共有できている事柄は、くどく説明する必要はありません。膨らませるとしたら、意外性を持つものの方です。企画書の内容で相手の共感を得ることができれば、採用に一歩近づくことができますから、この部分の説得力は重要です。

1-2-3 「具体的方策」を充実させる3つのポイント

企画書を1枚スタイルから2~3枚スタイルに拡大する理由は、具体的方策を充実させることにあります。しかし、ただ分量を増やしてダラダラ書いても、説得力を高めることはできません。フォーマットを考える際には、次の3つのポイントを理解しておきましょう。

・図やチャートを挿入して、より具体性を増す
・実例をあげてわかりやすく説明する
・具体的方策を構成するプランごとの細かい予算やスケジュールを示す

1-2-4 「スケジュール」で相手の注意を引く

スケジュールにスペースを割くケースも想定しておきましょう。2~3枚の企画書では、基本的に詳細なスケジュールプランを書くことはありませんが、通常より詳しくスケジュールプランを示すのも効果的です。

・企画の実施期日が決まっている場合には、実施までのスケジュールを示して安心感を与える
・具体的方策で、実施前に準備が必要な場合、
相手に何らかの行動を起こしてもらう必要がある場合には、期限を示してプレッシャーをかける

こうしたケースでは、スケジュールのプランが企画採用の判断基準になります。また、最初から細かいスケジュールプランを求められるケースもあるので、それぞれ対応しましょう。

1-3 企画書フォーマット3 5~6枚の企画書

5~6枚の企画書は、1ページに1テーマを基本とします。

スペースに余裕はありますが、読み手に「内容が薄い」というイメージを持たれないように注意しなければいけません。ビジュアルデータも積極的に活用できるので、Power Point で作成するケースも多くなります。

1-3-1 基本レイアウト

image

1-3-2 1枚企画書で全体像をつかむ

まず、1枚企画書を書いて、全体像をつかむことが重要になります。本企画書をPower Pointで作成する場合でも、フォーマットには1枚ものの「概要」「ラフ企画書」なども用意しておきましょう。

これは出来上がりのイメージをつかむためのものですから、きっちり書く必要はありません。フォーマットには「現状認識」「課題設定」「具体的方策」「予算・スケジュール」の概要と、タイトル候補があればいいでしょう。

1-3-3 「要約」の有無を決める

imageWordで作成する5~6枚の企画書には、冒頭に「要約」を盛り込んでおきます。

Power Pointで作成する5~6枚の企画書は、文字量がWordで作る2~3枚企画書と同等になります。スクリーンを使うデジタルプレゼンでは、文字サイズを上げなければならず、レイアウトにも余裕が必要になるからです。

ですからPower Pointで作成する場合は、「要約」を盛り込まないほうがいいケースが多いです。

1-3-4 事実や図で「現状認識」を充実させる

5~6枚の企画書では、図表を効果的に使うことができます。

「現状認識」を読み手と共有するためには、「事実=数字」がもっとも説得力を持ちます。事実を伝える図表の活用は、作成ステップのひとつとして考慮しておきましょう。

1-3-5 目標を掲げて「課題設定」を充実させる

male5~6枚の企画書では、「課題設定」に、その企画で実現したい目標や理念を掲げることができます。

2~3枚までの企画書では「簡潔にわかりやすく」を目指しますが、1ページを「課題設定」に割けるスタイルでは、その企画にかける思いや情熱を書くスペースも考慮しておきましょう。

目標、理念、思いなどは、相手の心からの共感を得ることができます。反面、相手の価値観と相反するものである場合には逆効果になりますから、相手の情報収集が不可欠です。

1-3-6 「具体的方策」を魅力的に展開する

2~3枚企画書で充実させた「具体的方策」をさらに魅力的に見せることができます。その方法は主に2つあります。

・柱となる項目の数や、より具体的な展開を増やす
・企画が実現できたときの効果を説明する

「効果予想」は、読み手の大きな魅力となる部分ですから、1ページを充当してもいいでしょう。

1-3-7 「予算」と「スケジュール」を明確にする

female2~3枚までの企画書では、大枠の総予算のみでしたが、5~6枚になるとある程度の項目を立てた見積もりにすることができます。

スケジュールも、せいぜい箱矢印で示す程度であったものが、項目ごとに矢印を引いた線表にすることが可能になります。この手のデータは、Excelで作成したデータを貼り付けるケースも多くなります。

1-4 企画書フォーマット4 6枚超の企画書

近年の主流となっている企画書は、枚数を減らして簡潔にわかりやすくしたスタイルですが、次のようなケースではページ数が6枚を超えることもあります。

・ワンシート企画書が受け入れられて詳細企画を求められたとき。
・企画書に盛り込む要素が多い場合。

ページ数が多くなったときには、読みやすくする工夫が求められます。ページ番号も忘れずに入れておきましょう。

1-4-1 追加される項目

ページ数が多くなった企画書では、読みやすくために項目を増やします。

●目次
ひと目で全体像がつかめるようにするためです。
●まえがき
本文に入る前に、自分の思い感情を伝えるところです。
その前に「あいさつ」を入れるケースもあります。
●課題
企画を実施するにあたっての懸案事項を別項目として抽出することで、問題の共有ができます。
●おわりに
提案させてもらえたことへの感謝の気持ちを表すところです。

同じページに提案者の連絡先を表記するケース、連絡先を別に1枚作るケース、さらに裏表紙を付けるケースもあります。

1-4-2 製本を活用する際の注意

image企画書を製本する場合は、とじしろや、余白の取り方を考慮してフォーマットを作っておきましょう。

社外に提出する多ページの企画書は、見栄えを考慮して簡易製本を利用するケースもあります。文房具店で販売している簡易製本キットを利用するほか、出力サービスを利用すると、いろいろなタイプの簡易製本で仕上げることができます。

2 企画書作成段階におけるポイント

企画の立案は紙面展開する前に、通常は次のような手順を踏んで構成を練ります。

「情報収集」→「現状分析」→「課題設定」→「基本方針の決定」→「解決策の展開」→「費用・効果」

こうした全体の構成やコンセプトが決定したら、いよいよ企画書の作成に入ります。

1-1 一般的な作成手順

企画書の作成は、以下の手順で行います。

●手順1
全体量を把握し、構成項目ごとの枚数やレイアウトを決定する。
●手順2 
文章中心の企画書にするか、ビジュアルデータ中心の企画書にするか決定し、アプリケーションを選択する。
●手順3 
文字のフォント、サイズ、カラーや、使用する写真、イラスト、図表などを選定し、ビジュアルを決定する。
●手順4 
考え方や実施の手順などチャート化して整理し、わかりやすく読みやすい文章を書く。
●手順5 
全体の一貫性や論理性、誤字脱字、用語や表現の統一を確認する。
●手順6 
完成したら何度も読み直して推敲を重ね、「簡潔に」「易しく」「読みやすく」整理する。

通常はこうした手順を追って企画書を作成しますが、前もっていくつかのフォーマットがあれば、圧倒的に作業が早くなります。さらに、フォーマットを念頭に置くことで、全体の構成を考えることもできるようになります。

1-2 アプリケーションの決め方

image企画書を作成するアプリケーションは、文字情報が中心であればビジネス文書の標準ワープロソフトである「Microsoft Word」、ビジアルデータが中心であれば同社のプレゼンテーションツール「Microsoft Power Point」が使うケースがほとんどです。

フォーマットを作成する場合でも、この2つのアプリケーションを使い分けます。両アプリの特徴をよく知っておきましょう。

1-2-1 Wordでつくる企画書

短時間で読みやすいテキスト中心のワンシート企画書や、それを発展させた2~3枚程度の企画書に向いています。官公庁や大手企業では、Wordでの作成を指定するところが多くなっています。

●メリット
・なんといってもワープロソフトなので、テキスト主体の企画書を作りやすい
・アウトライン(箇条書き)機能を活用すれば、簡潔な文書になり、企画立案の段階でも考えをまとめるのに役立つ
・細かい設定をしなくてもすぐに書き出すことができる
●デメリット
・使い方に慣れないとビジュアルデータや罫線、表組みなどが扱いづらい。
・テキスト主体になるので、文章力がないとまとめづらい。
・スクリーンやスライドには不向き。

1-2-2 Power Pointでつくる企画書

Power Pointは、企画書作成に特化したソフトです。ただし、アニメーションなどで多彩な演出が可能である反面、無駄な演出で時間を取るという理由で、Power Pointによるデジタルプレゼンを禁止する企業も増えています。

●メリット
・スクリーンに投影するデジタルプレゼンでも、紙の企画書による提案でも対応できる
・ページの入れ替えや挿入が容易
・「Smart Artグラフィック」機能を活用すると、見栄えの良い図解を簡単に作成できる
●デメリット
・デザインのテーマは充実しているが、フォーマットを作っておかないと設定が多少面倒
・デジタルプレゼンは準備に手間がかかる
・ビジュアルデータを優先させるあまり、企画の主旨が不明瞭になることがある

まとめ

ここで解説したフォーマットの作り方は、どれも基本的なことばかりです。自分の仕事や環境にあったフォーマットを工夫してください。

ワンシートの企画書や提案書は、使う機会が多くなる人もいるでしょう。その場合には、報告書などと同じように、フォーマットを一歩進めてテンプレートの形にしておくと、さらにスピードアップが図れます。

テンプレートは、枠内に必要事項を書き込んでいけば文書を完成する「ひな型」です。企画書に限らずビジネス文書は、フォーマットやテンプレートを工夫して、時間の負担を減らしましょう。

【参考資料】
『企画書の作り方と見せ方がよ~くわかる本』(藤木俊明・秀和システム・2011年)
『企画書・提案書の上手な作り方』(アクト経営問題研究グループ編・中経出版・2008年)

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