会社登記の申請の手順と押さえておくべきポイント

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image会社設立のための必要な書類の準備が整ったら、いよいよ「会社登記」の申請になります。会社登記には3つの申請方法があります。

(1) 法務局に行って申請をする
(2) 郵送で申請をする
(3) オンラインで申請をする

です。登記申請の方法を選ぶ際にはそれぞれのメリット・デメリットを知っておくことが大切です。会社登記の申請方法の手順をご紹介しながら、それぞれのメリット・デメリットについて見ていきましょう。

そのほか、会社登記において押さえておくべきポイントなどをお伝えします。ここでのお話は、会社登記に必要な書類は揃っていることが前提です。

目次

1 会社登記の注意事項
  1-1 会社登記の申請をするのは誰?
  1-2 会社登記の申請をするのはどこ?
  1-3 会社登記の申請書に記載すべき事項
  1-4 会社登記の申請日とは
  1-5 税金で得するための豆知識
  1-6 会社登記をするタイミングはいつ?
2 会社登記を法務局で行なう
  2-1 会社登記の申請書を提出する
  2-2 会社登記に不備があった場合
  2-3 会社登記に不備がない場合
3 会社登記を郵送で行なう
  3-1 会社登記の申請書を郵送する
  3-2 会社登記に不備があった場合
  3-3 会社登記に不備がない場合
4 オンラインで会社登記をする
  4-1 会社登記の申請者情報を登録する
  4−2 申請用総合ソフトをダウンロードする
  4−3 会社登記の申請をする
  4−4 補正の確認をする
  4−5 補正がない場合
5 会社登記の完了後にすること
  5-1 登記事項証明書を取得する
  5-2 印鑑証明書を取得する
     5-2-1 印鑑カードを取得する
     5-2-2 カードを使って印鑑証明書を取得する
まとめ

1 会社登記の注意事項

会社登記についての注意事項は次の6つになります。

1-1 会社登記の申請をするのは誰?

image会社設立の登記が完了するまでは、現在行なっている業務と並行しながら、申請に必要な書類の準備をしてと、とにかく時間がいくらあっても足りないと感じてしまうくらい忙しいものです。

そのような忙しい環境の中で、会社登記の申請は誰が行なうのでしょうか? 

会社設立登記の申請は原則として、代表取締役が行うことになっています。合同会社の場合には、代表社員が行います。原則に沿って行うことをおすすめします。

実際に会社設立の申請の手続きを自分で行うと、会社を作ることの実感も得られるので、少し忙しいかもしれませんが、会社設立の第一関門と受け止め、会社の代表となるのであれば自身で行うようにしましょう。

1-2 会社登記の申請をするのはどこ?

image実際に会社登記の申請を行なうのは、会社の本店所在地を管轄する法務局です。

万が一、申請先の法務局を間違った場合には、申請は却下という結果になってしまいます。せっかく作成した申請書も作り直すことになるので、事前に法務局のホームページで管轄となる法務局を調べるようにしましょう。

申請先を間違えるなんてないだろう、と思うかもしれませんが。準備でバタバタしていたり、手続きや書類の作成がたくさんあり、提出先が混乱してしまうということもあり得ますので、基本中の基本のことでも、しっかりとひとつひとつチェックして進めていくことをおすすめします。

1-3 会社登記の申請書に記載すべき事項

申請書に必ず記載すべき事項、それは電話番号です。提出した申請書に不備が合った場合には、登記官から電話で連絡が来ます。

補正をスムーズに進めるためにも、どの方法で申請するにしても必ず電話番号の記載を忘れないようにしましょう。

1-4 会社登記の申請日とは

image会社の設立日は縁起の良い日にしたいなど、こだわりがある人もいるでしょう。その際には、会社の設立日がどう決まるのかを知っておくことが大切です。

会社の設立日は、会社登記が完了した日でもなければ、指定するような記載欄もありません。会社の設立日を特定の日にしたい場合は、“その日”に法務局に行くだけです。

登記申請を行なった日(法務局で書類を受理した日)が、会社の設立日となります。ここで注意が必要です。土日や祝日など、法務局がお休みのときには、会社登記の申請ができません。

会社の設立日としたい日が土日に当たる場合には、次の候補などを検討するようにしましょう。

1-5 税金で得するための豆知識

image会社設立日にも絡んで来るお話です。会社の設立日を1日にした場合と、1日以外にした場合では、税金に6,000円程の差が出てきます。

1日はキリが良いので、会社の設立日に選ぶという人も少なくありません。と同時に、会社設立の際の初期費用は、削減できるところは削減したいというのが正直なところではないでしょうか。となると、この6,000円の違い、気になりますよね。

なぜ、会社の設立日で税金に差が出るのでしょうか。

会社を設立した場合には、「法人住民税の均等割」という必ず支払わなければいけない税金が発生します。資本金1,000万円以下の会社の場合には、法人住民税の均等割として12ヶ月で70,000円の支払が発生します。例えば、会社の設立を7月1日、期末を6月30日に設定した場合には、まるまる12ヶ月分の支払が発生します。

しかし、会社設立日を翌日の7月2日にした場合には、第1期は12ヶ月ではなく、12ヶ月から1日マイナスすることになるので、対象月は11ヶ月とされるのです。

となると、「70,000円×11/12ヶ月=64,100円」、これが支払うべき税金額になります。70,000円から64,100円を引いた差額5,900円、そうです、約6,000円を浮かせることができるのです。1日にこだわりがある人も多いかもしれませんが、お得を選ぶなら、会社設立日を別の意味でこだわってみるのも良いかもしれません。

1-6 会社登記をするタイミングはいつ?

image書類が整ったら会社登記をするという流れで、テンポ良く進めていきたいところですが、やるべきことがたくさんあると、準備は整っても実際に次のステップにいくことを後回しにしてしまいがちです。

しかし、会社にとって登記は義務です。会社登記の申請は、設立登記申請書の登記の事由に記載している日から2週間以内に行なう必要があります。通常は払込証明書の作成日がそれに当たります。もし、この期間内に申請を行なわなかった場合には、登記申請後に過料の徴収をされることもあります。金額は100万円以下となっています。

せっかくいろいろ工夫して、コストの削減をしてきたのに、ここで本来支払わなくても良いものを払うことになるのはバカバカしいですよね。忙しくても、登記をすべき期間内に行うようにしましょう。

2 会社登記を法務局で行なう

まずは会社登記を、法務局に直接行って申請をする際の流れを見ていきましょう。流れは下記のようになります。

1. 「商業登記」窓口に設立登記申請書を提出する
2. 登記官による登記申請書の審査開始
3. 書類に不備があった場合には、訂正、取下げをする
4. 書類に不備がない場合は登記完了

ポイントは、書類に不備があった場合になります。流れをしっかり押さえれば、不備があっても直ぐに訂正対応して登記完了になるので安心してください。

2-1 会社登記の申請書を提出する

image設立登記申請書を提出するのは、管轄法務局の「商業登記(法人登記、会社登記)」窓口です。窓口には申請書を入れるためのボックスが設置されているので、そこに申請書を入れるだけです。

しかし、少しでも不安があるのであれば、職員の方に書類のチェックをしてもらい、間違いがないかを見てもらえば、その後の申請の流れがスムーズになります。登記完了予定日がいつ頃になるのかの確認も含めて、職員の方に質問しておくと安心です。

2-2 会社登記に不備があった場合

申請後、登記官により申請書のチェックが始まります。これは、登記申請を行なった日に行なわれるのではなく、後日開始となります。

書類に不備があれば、電話による連絡があり、補正の支持が出ます。補正が必要になった場合には、指定された期間内に窓口に行く必要があります。その際には、代表印の持参を忘れないようにしましょう。

補正内容で多いのが、印鑑の押し忘れ、住所の記載方法などです。このために忙しい中で法務局に足を運ぶのは時間がもったいないですよね。提出前には、捺印のチェック、住所の記載方法を再度チェックするようにしましょう。

修正箇所が多いときには、再度書類を作成した方が早い場合があります。その際には登記の申請を取り下げが可能です。取り下げをする際の注意点は、申請日が変わる点です。申請日が変わる=会社設立日が変わることになります。会社設立日の年月日にこだわりがある場合は、注意しましょう。

申請を取り下げた場合には、申請書と添付書類の一式を返却してもらえます。特許免許税150,000円分の印紙も、「再使用証明」をもらうことで、再度使えるようになるので安心してください。申請取下書、再使用証明申出書について、記載の方法、ひな形などは、法務省のサイトで商業・法人登記の申請書様式をチェックしましょう。

取下げの場合には、取下げの手続きが完了してから、補正した申請書類を準備して再度、会社登記申請という流れになります。

2-3 会社登記の不備がない場合

登記申請後、1週間から10日の間に電話連絡がない場合は、登記が完了ということになります。

3 会社登記を郵送で行なう

会社登記は郵送で行うことも可能です。登記の流れは法務局で直接行なう場合とほとんど同じです。

注意点は、会社設立日です。郵送で登記申請を行なった場合、会社設立日は、申請書類が法務局で受付された日となります。会社設立日を決めている場合、特定の日にしたい場合には、はっきりとその日が確認できる、法務局に足を運ぶという形で行う方が確実です。

では、郵送での会社登記の流れを確認していきましょう。

3-1 会社登記の申請書を郵送する

image準備する申請書は郵送でも、直接窓口に行く場合でも同じです。郵送の場合には、封筒に「登記申請書在中」と記載して、本店所在地の管轄する法務局宛に送ります。郵送ならどこに提出しても同じ!というわけではありません。

必ず、会社の本店所在地の管轄法務局宛で郵送しましょう。普通郵便でも問題はありませんが、郵便物の所在の確認がきちんととれる書留などでの送付をおすすめします。

3-2 会社登記の不備があった場合

申請書に不備が合った場合には、窓口での会社登記の申請と同様に、登記官から電話で補正箇所の連絡がきます。登記官の指示通りに補正を進めます。

ここで注意点です。申請書の補正を郵送で行う場合には、「どの部分を補正したのか」が分かるようにしなければいけません。そのために必要になるのが補正書です。郵送申請に関連するひな形、記載例、などは、法務省のサイトでチェックしましょう。

補正書には補正内容をひとつひとつ丁寧に記載する必要があります。これ、結構手間と感じる人も少なくないかもしれません。面倒だと感じたら、法務局窓口で、確認をしてもらいながら、補正を完了させるのもスムーズに、スピーディーに手続きを完了させるひとつの方法です。

補正書の郵送ももちろん可能です。あわせて、取下書、収入印紙の再使用申出書も郵送が可能です。

3-3 会社登記の不備がない場合

法務局の窓口での申請と同じように、登記申請後(郵送後)、1週間〜10日程経過しても連絡が来ない場合には登記完了となります。

4 オンラインで会社登記をする

会社登記申請は、法務局の窓口か郵送がメインでしたが、今ではもうひとつ申請の方法があります。

それがオンライン申請です。窓口、郵送、オンラインと来たら、今どきは迷わず「オンライン」を選びそうですが、実はあまり楽な方法ではありません。専用のソフトを使用しなければいけないこと、操作に慣れる必要があるからです。

では、オンラインでの会社登記の流れを見ていきましょう。

4-1 会社登記の申請者情報を登録する

maleオンラインで登記申請を行う際には、「登記・供託オンライン申請システム」を利用します。

最初に行うことは、サイトにアクセスをして、申請者情報の登録です。具体的な登録方法などが記載された「申請者操作手引書(導入編)を見ながら、必要事項を登録していきましょう。

手引書がある時点で、もう面倒!と感じてしまう人も少なくないかもしれませんが、窓口に行く手間を省きたいという方は、ここは必須なので、ダウンロードで内容チェックに進みましょう。

4-2 申請用総合ソフトをダウンロードする

申請者情報登録が完了したら、今度はソフトのインストールです。「申請者用総合ソフト」をダウンロードしてインストールしていきましょう。ここはそれほど手間ではありません。

インストールが完了したら、「スタートメニュー」から「すべてのプログラム」を選択し、「法務省」、そして「申請者総合ソフト」の順番でメニューを開いていき起動するだけです。

4-3 会社登記の申請をする

申請用総合ソフトをインストールしたら、ソフトを使って会社登記の申請を行います。この作業の際にも手引書があります。「申請者操作手引書」の電子公証申請 申請用総合ソフト編を参照にしてください。こちらもダウンロードが必要です。

4-4 会社登記の補正の確認をする

オンライン申請の場合には、書類の不備のお知らせは電話ではなく、申請用総合ソフトに届きます。補正書、取下書の作成もこのソフトを使って行います。詳しい作成方法は、マニュアルの中に記載されているので、確認するようにしましょう。

4-5 会社登記の補正がない場合

窓口申請、郵送申請と同じように、登記申請後1週間〜10日ほど連絡がない場合には、登記完了となります。

5 会社登記の完了後にすること

image会社登記が完了したら、会社設立の手続きはすべて完了ではありません。まだまだやることは残っています。

会社名義の銀行口座の開設、税務署への届出や改行の届出が必要です。それらの手続きに必要になるのが、「登記事項証明書(登記簿謄本)」と「印鑑証明書」になります。

5-1 登記事項証明書を取得する

銀行口座の開設、税務署への各種届出の際に必要になるのが登記事項証明書です。登記が完了したら、まず3通取得することをおすすめします。登記事項証明書にも取得方法が3種類あります。

(1) 法務局窓口で取得する
(2) 郵送で取得する
(3) オンラインで取得する

こちらのオンライン取得は、操作に慣れてしまえば、簡単になるうえ、取得費用も安くなるのでおすすめです。法務局でもオンラインでの手続きをおすすめしているので、ぜひ活用しましょう。

(1)(2)の場合、登記事項証明書交付申請書を作成する必要があります。オンラインでも取得できますが、法務局窓口にも同じ用紙があるので、窓口で申請する場合には、交付申請書を事前に準備する必要はありません。ただ窓口で準備するのは面倒という人は、必要事項を記入した書類を持っていくことをおすすめします。

郵送の場合には、封筒に「登記事項証明書交付申請所在中」と記載して登記所に郵送します。その際に、封筒の中には下記の3つを同封します。

■申請書
■登記事項証明書取得のために必要な収入印紙(600円)
■切手を貼付した返信用封筒

(3)のオンラインで取得をする際には、登記ねっとのWEBサービス「かんたん証明書請求」を使用します。こちら、簡単便利なうえに、取得費用を安くすることが出来ます。

頻繁に登記事項証明書を取得するという人は、こちらのサービを使用することをおすすめします。オンラインで取得する場合、郵送で受け取る場合には570円、窓口受取には550円となります。

5-2 印鑑証明書を取得する

印鑑証明書は、それほど頻繁に使うことはありませんが、契約や担保の設定など、重要な場面で必要になるケースがあるので、取得方法を覚えておきましょう。

5-2-1 印鑑カードを作る

印鑑証明書を取得するときには、印鑑カードが必要になります。まずは法務局においてある「印鑑カード交付申請書」に必要事項を記入して、窓口に持ち込みましょう。その日の内に交付してもらえます。

5-2-2 カードを使って印鑑証明書を取得する

印鑑カードを取得したら、「印鑑証明書交付申請書」に必要事項を記入し、印鑑カードと一緒に申請書を提出するだけで、申請は完了です。申請書には収入印紙500円を貼ります。

印鑑カードを取り扱う上での注意点があります。それは、印鑑カードを持っていれば誰でも印鑑証明書の取得が可能ということです。なので、印鑑カードの保管は厳重に行うことが大切です。

まとめ

会社登記の流れについて、まとめてみました。やらなければいけないこと、作らなければいけない書類は、登記申請の段階でもいくつもあります。

会社登記申請は、会社設立完了までもう少しの段階なので、ここで気持ちを引き締めて、ミスやモレのないように進めていきましょう。

【参考図書】
「らくらく株式会社設立&経営のすべてがわかる本」(あさ出版)
「オールカラー 一番分かる会社設立と運営のしかた」(西東社)
「ダンゼン得する 知りたいことがパッとわかる 会社設立のしかたがわかる本」(ソーテック社)
「会社の変更登記のことならこの1冊 (はじめの一歩)」(自由国民社)
「自分でパパッとできるはじめての会社設立&運営 第2版」(翔泳社)

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