決算書ができるまでをわかりやすく解説 | 正しい読み方

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image起業をするとさまざまな書類を理解する必要が出てきます。知っていて当たり前とされるものが数多くあるのです。ビジネスがやりたくて起業したのに、数字なんて今さら…という経営者の方も多いのではないでしょうか。

しかし、経営者こそ、数字を理解していなければならないのです。苦手意識を持つ必要はありません。簿記の知識がなくても決算書の理解は難しくないのです。

今回は、決算書の基礎編ということで、決算書とは何か、決算書ができるまで、出来上がった決算書は誰に見られるのかなどを分かりやすく、説明していきます。

決算書は、「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3種類で構成されています。以下では、それぞれもっと詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ見てみてください。

▼損益計算書について知りたい方はこちら
『損益計算書とはー損益計算書の見方と読み方のポイント』
▼貸借対照表について知りたい方はこちら
『貸借対照表とは | 知っておくべき位置づけと基本の仕組み』
▼キャッシュフロー計算書について知りたい方はこちら
『キャッシュフロー計算書の基本的な読み方ーお金の流れを知る』

目次

1 決算書ができるまで
  1-1 経理のコツコツ作業
  1-2 決算は経理のメインイベント
  1-3 税金の申告
  1-4 決算で終わりではない!予算を作る
  1-5 毎日記録すること、毎月作成すること
  【コラム】意外と知らない「経理」と「財務」の違い
2 決算書の読み方
  2-1 決算書とは
  2-2 営業利益はとても重要
  2-3 経常利益が示すもの
  2-4 会社の利益と資金の関係性
3 決算書は誰が見る?
  3-1 決算書は3種類
  3-2 決算書は株式投資をする人の判断材料
まとめ

1 決算書ができるまで

「決算書」と聞くと、決算の時期に作成する書類という印象があると思います。理解としては間違いはないのですが、決算の時期にいきなり作るものではなく、日々の作業の積み重ねで出来上がる書類なのです。

決算書の存在は知っていても、誰がどのように作っているのか、起業して経営者になるまで意識したことがなかった、知らなかったという人も少なくないかもしれません。ここでは決算書ができるまでの流れを分かりやすく説明していきます。

1-1 経理のコツコツ作業

image決算書を作るためのベースとなるもの、その作業をしているのが「経理」になります。経理では、起業の日々の経済活動に関する事項をお金の面から記録していきます。

売上はいくらあるのか、仕入はいくらあるのかなどを中心に、日々のお金の出入り二関してのすべてを“正確に”記録すること、これが経理の仕事です。経理の仕事、その目的は、会社の儲けはいくらになるのか、会社の財政の状態は良好なのかどうなのかという点を“客観的”に示すことです。

会社の中でこれらの数字を把握しているだけではなく、外部に報告することも必要になります。外部に報告するために作成される書類が「決算書」になります。決算書は経理の日々の仕事の積み重ねで出来上がるというわけです。

1-2 決算は経理のメインイベント

image経理の仕事は決算を目がけて進んでいるといっても過言ではありません。決算のために、決算を中心に回っているのです。

決算とは何か。会社が設定した決算日。その日までの1年間の会社の売上、利益を計算すること。それが決算です。

決算の仕事はとても大切です。決算とは会社の通信簿と言われています。決算をすることで会社の成績発表をするわけです。少しドキドキしますよね。日々の集金業務や支払業務もとても大切です。しかし、それは社内用の仕事であり、外部に見せるものではありません。

ですが、「決算」は違います。会社はその年1年間の経営成績や財政状態を株主に報告する“義務”があります。決算が経理の仕事をする人にとって、その部署にとってどのような位置づけであるのか、お分かりいただけたでしょうか。

1-3 税金の申告

image決算作業のひとつとして税金の申告があります。会社は利益の中から税金を納める義務があります。会社が納める税金のひとつに「法人税」があります。法人税は、会社が1年間に得た利益に対して課せられるもの。つまり、税金を支払うためには、会社が1年間にどのくらい設けたのかを計算する必要があるのです。

決算を行わなければ税金の計算ができません。また会社が納めるべき税金がわからないと、会社としては最終的に1年間に得た利益を計算することができないのです。決算と税金の関係はこのような形で成り立っています。税金の計算は大切な決算作業のひとつになります。その後、申告書を税務署に提出するのも決算における重要な作業のひとつです。

1-4 決算で終わりではない!予算を作る

image決算は会社の1年間の営業活動を終了したあとに行う作業です。会社には決算の他に予算という大切なキーワードがあります。会社は1年間の営業活動をスタートする前に、予算を策定する必要があります。

予算で必要なのは、1年間の売上、それを目指すために必要な経費がいくらになるのかを予め算出することです。売上の予算とは、営業部門における目標金額になります。経費の予算とは、会社が1年間に使用可能な支出の“上限額”になります。

営業部門が目標を達成し、予定通りの売上を計上、さらに経費の上限の範囲内で抑えることができていれば、1年間の営業終了時の決算で予め定めた利益の計上が可能になります。

しかし、売上目標が達成できなかったり、経費を上限オーバーして使用してしまった場合には、予め定めた利益を下回る数字を計上することになります。創業時まだまだ会社が軌道に乗るまではそれほど重要ではありません。しかしある程度会社の規模が大きくなってくると、予算は決算同様に欠かせない重要事項になります。

経費の支出には限度があることを知っていれば、経費の無駄遣いを防ぐことができます。反対に、十分な営業活動をするための経費を設定することも可能なわけです。売上目標に合わせた予算の設定は会社の営業活動をスムーズに進めるための大切なポイントになります。

1-5 毎日記録すること、毎月作成すること

image経理の毎日の仕事と言えばルーチンワークともなっている現金に関する経理処理になります。現金の出入りが発生した場合には、素早く正確に帳簿に記録を残すことが必須です。

管理方法としては、紙ベースのものもありますが、最近ではほとんどがコンピュータにデータを入れる方法で入力し、管理しています。

1-5-1 基本的な経理処理

会社の現金が動く取引にはさまざまなものがあります。売上代金の入金、仕入代金の支払、営業のための出張経費や飲食代、交通費経費など。小口の経費は現金で支払われるケースが多くあります。

経理の仕事を行う経理部門(経理部)では、それらすべての現金の出入りをデータ入力もしくは随時記帳して記録しています。基本的には毎日残高チェックをしています。現金の出入りが発生しない日はないと言っても過言ではないので、地道に毎日コツコツ行う作業なのです。それが経理の基本でもあります。

1-5-2 月次決算

image決算は年に1度、年度末に行うだけのものではありません。年に1度行うのは「本決算」、月ごとに行うのが「月次決算」です。

決算についての設定は会社によって違ってきます。株主などの外部に対して報告するための決算は基本的には年に1回です。中間決算がある場合には年に2回になります。

株主や税務署に対してはこの報告頻度でまったく問題はありません。しかし会社の経営者としてはどうでしょうか?1年に1回、半年に1回だけの報告では会社の実情を知るにははっきり言って情報不足です。経理の仕事でも分かるように、会社の中のお金には常に“動き”があります。日々変化があるのです。

的確な経営診断を下すためには、最低でも付きに1回の決算情報を知ることが大切になるのです。経理のしごとには、会社内部で毎月の営業成績を把握するための簡易的な決算を行います。これが月次決算です。

月次決算は、「経営者が会社の財政状態や儲けについて知るために行う」というその目的からも分かるように、基本的には外部に公表をすることはありません。なので、株主や税務署に報告する本決算とは少し仕様が変わってきます。厳密な数字や形式張った形である必要はないのです。形式よりも素早い計算、素早い報告が求められます。本音を言えば、会社の中の財政状況は毎日でも知りたいというのが経営者というものなのです。

月次決算においては、作業や計算に時間を要するものに関しては、概算計上、見込み計上という方法をとるケースもあります。毎月の月次決算は、月末から10日間以内に出来上がるようにできている会社はシステム的にも整備されていると言えます。決算期以外に、月末月初に経理がバタバタ忙しそうにしているのは、こういった理由があるからです。

【コラム】意外と知らない「経理」と「財務」の違い

ここまで「決算書」のベースを作っている経理という仕事についてスポットを充ててきました。少し補足ということで、「財務」についてもふれておきたいとおもいます。

「経理」と「財務」の違いってご存知ですか? 似たような意味として使われるケースも多い単語ですが、経理部門、財務部門ときちんと分けている会社であれば、その意味をしっかり理解しておく必要があります。

経理…日々の取引を記帳、管理。決算書等の報告資料を作成すること
財務…日々のお金の流れを「管理」し、資金繰りがスムーズに行われるように調整、必要があればお金を調達してくる(銀行から借りて来る)仕事

小さな会社であれば経理部長、財務部長がどちらも担当するような形をとっています。財務とは資金面に関する仕事。しかし財務にとって経理の仕事は欠かせません。銀行でお金を借りる際には「決算書」が必要になります。その決算書の内容で資金調達の内容が変わります。

経理の日々の仕事の積み重ねで出来上がった決算書で、会社に必要な資金調達が可能になるというわけです。経理と財務の関係性はこのようになっているのです。

 決算書の読み方

決算書ができるまでの流れを確認したところで、今度は、決算書の読み方について簡単に見ていきたいと思います。

2-1 決算書とは

ここからは、仮に3月31日を決算日として考えていきましょう。決算書は大きく2つに分かれます。

(1) 3月31日時点の財産の状況を示す「貸借対照表」
(2) 4月1日から3月31日までの期間内の営業活動でいくら儲けを出したのかを示す「損益計算書」

損益計算書には5つの区分に分けて利益を表示します。

「売上総利益」
「営業利益」
「経常利益」
「税引前当期純利益」
「当期純利益」

それぞれについては『損益計算書とはー損益計算書の見方と読み方のポイント』で別途説明していますので、ご覧ください。

2-2 営業利益はとても重要

image損益計算書の中で示される利益。その中でも経営者が一番注意してチェックすべき利益があります。それが「営業利益」です。資金繰りを考える上で、営業利益のプラスマイナスを見ることはとても大切です。

営業利益とは、本業の商売で儲かっているのかどうかを示した利益であり、会社として商売が成り立っているのか、商売でお金をきちんと生み出されているのかがチェックできる利益なのです。

営業利益がマイナスのとき。それは、商売はしているけれどもお金が十分に足りていない状態を示しています。営業利益のマイナスが続いてしまうと、お金を借りてきても返済ができないことになるので、放置せずに対策を考える必要があります。

営業利益がマイナスの状態では、まずやるべきことは、プラスにすること。当たり前のことなのですが、営業利益のマイナス→資金繰りを考える→悩む→とりあえず借りる→返せない→マイナスの状態が続き、マイナス値が大きくなるといった流れに陥ってしまいます。悩んでしまったり、考えすぎてしまい、ここを見落としがちな経営者が意外と多いのです。

営業利益がマイナスなのであれば、早急にプラスになるような解決案、改善計画を検討していきましょう。

2-3 経常利益が示すもの

male営業利益がプラスなのに経常利益はマイナス、このこと示す意味について考えていきましょう。利益と呼ばれるものがプラスなのであれば、すべてプラスになるのでは? と単純に考えてしまうものです。

しかし、それぞれの利益は計算方法が違います。経常利益とは、営業利益から支払利息を引いたものなので、状況としては、借入金の利息を負担するだけの資金は生み出されていない、さらに借入金の元本返済原資も生み出されていない、これが現状となるわけです。

営業利益がマイナスのとき、経常利益がマイナスのとき、借入金の返済条件について見直す必要が出てきます。借入金の返済条件については、経営者だけで決めることはできません。借入をしている金融機関にまずは相談が基本です。経営改善計画書の作成をし、確実に返済が行えるような対策を立てることが必要なのです。

2-4 会社の利益と資金の関係性

損益計算書の利益と手元にあるお金が一致していない場合があります(それがほとんどです)。一致していない理由としては、

(1)売上の回収がすべて行われていない
(2)仕入の支払がすべて行われていない
(3)在庫の増減がある
(4)設備投資がある
(5)減価償却費がある
(6)未払計上している費用がある

などがあります。これらの動き、損益計算書の利益を資産残高に修正するという一連の過程を表したものが「資金収支計算書」や「キャッシュフロー計算書」になります。資金収支計算書では、事業でどのような資金が生み出されて、その結果資金残高がどのようになったのかを見ることができます。

3 決算書は誰が見る?

決算書が出来上がるまで、そして経営者としての決算書の見方をシンプルにまとめてきたところで、今度は、自分が株主となったときの立場から「決算書」を見ることを想定して見るべきポイントをチェックしていきましょう。株式投資の経験がある方であれば、より分かりやすいかもしれません。

3-1 決算書は3種類

決算書は「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3種類で構成されています。その3つについては、以下でもっと詳しく解説していますので、興味のある方はぜひ見てみてください。

3-2 株式投資をする人の判断材料

決算書は、企業の業績、そして企業そのものの評価が可能です。つまり、株式投資をする際の“銘柄選び”の重要な判断材料となるのです。

3-2-1 チェックすべきポイント

image決算書が銘柄選びの重要な判断材料になることは理解できても、ではどこを見て判断すべきなのかというチェックポイントが分からないと意味がないですよね。

決算書で最も注意すべき点は「業績の変化率」です。業績の変化は株価の変動に大きく影響します。重要なのは、その企業の将来の業績です。今までは業績はあまり良くなかったけど、これから良くなるような“兆し”が見えれば、投資家にとっては魅力的な投資対象となります。

3-2-2 結果を見るだけではNG

image決算書は1年の結果を表したものであるので、それだけ見ても将来性はなかなか見えてきません。株式投資を行っていれば分かりますが、決算と株価が連動するとは限らないからです。株価は決算が出る前に決算を予測して動く、これが基本なのです。

株式投資という観点から「決算書」を見るときには、現在の業績を見ることをベースに将来の業績を予測することが大切です。決算を見るということは株式投資をする上で、とても重要視されます。ただ見るだけでなく、読み解くことが求められます。大切なお金を投資するわけですから、知識のベース作りの重要性は言うまでもないことです。

3-2-3 正しい情報をもとに

male決算で株価を見越すと言いましたが、その逆もあります。つまり株価が決算を後追いするケースもあるのです。株価というのは常に正しい情報を元に動いているわけではありません。特別な情報に基づいて株価が動くというのはよくあることです。知らない銘柄なのに、株価に動きがあることで注目を集めることがあります。そして注目を集めることによりさらに、その先、投資をしてもらうという目的を達成することがあるのです。

株式投資をするのであれば、正当ではない情報をもとに株価が動くことがある! ということは頭に入れておいた方が良いかもしれません。しかし、その場合には、食い付くよりも疑ってかかることを忘れてはいけません。安心して株式投資をするためには、正当な情報に基づいて動く株価、会社に興味を持つことがポイントとなります。

ここで言う正当な情報とは、ここまでずっと見て来た「決算書」を指します。もちろんそれだけではありません。IR情報も正当な情報と呼ばれるものです。正当な情報ではないもので動いた株価については、それが正当ではない、事実と違っているとクリアになったときには、妥当な株価へと訂正されていきます。株式投資を行うときには、手堅い情報、正当な情報である、会社が出している決算書、IR情報をベースに投資の判断をすることが大切です。

まとめ

決算書は、経営者としてビジネスの状況や流れ、推移を把握する上でとても大切な指標となります。

起業して経営者になったからには、数字は苦手、簿記はノータッチといった苦手意識を全面に出すのではなく、まずは、簿記の知識がなくても分かる方法等を見つけて基礎からしっかり身につけていくことが求められます。会社を経営する上では、苦手とは言っていられないのです。

決算書としっかり向き合うことで、経営のヒントや新たなアイデアが浮かんで来るかもしれません。

【参考図書】
「ポケット図解 キャッシュフロー計算書がよ〜くわかる本」(秀和システム)
「実学入門 経営がみえる会計―目指せ! キャッシュフロー経営」(日本経済新聞社出版社)
「図解と設例で作成法を学ぶ これならわかるキャッシュ・フロー計算書」(日本実業出版社)
「マンガで入門! 会社の数字が面白いほどわかる本」(ダイヤモンド社)

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