記憶力を高める10の方法-年齢に関係なく脳細胞は増えている!

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shutterstock_794735215物忘れが多くなったり、人の名前がなかなか覚えられなくなると、心配になりますよね?

「歳のせいだ」とあきらめて現実を受け入れる人もいれば、なんとか記憶力を取り戻そうと努力する人もいるでしょう。
たしかに人間は誰でも老化しますから、現実を受け入れることは大事ですが、こと記憶力にかんしては「歳のせいだ」とあきらめる必要はありません。

脳科学の分野は日々進歩しており、近年も、今までの常識を覆すような発見がいくつか発表されています。
そのひとつに、「人間は年齢にかかわらず、生涯ずっと脳の神経細胞を増やしている」という事実があります。

それなのに、なぜ年齢を重ねてくると忘れっぽくなるのかというと、脳の神経細胞は増えているものの、年齢の高い人の方が、神経細胞の新しいネットワークを作る力や、神経細胞に酸素を運ぶ能力が衰えているからだといいます。

ということは、こうした問題を解決すれば、高齢でも記憶力を高めることが可能なのです。

ここでは、最新の脳科学を取り入れて、日頃から習慣化することで記憶力を高める方法をわかりやすく解説します。

目次

1. 記憶力を高めるトレーニング
① 語呂合わせで意味記憶をエピソード化
② 飛び石検索トレーニング

2. 記憶力を高める食べ物
③ 夜の糖質制限を習慣化
④ アミノ酸で神経伝達物質を活性化

3. 記憶力を高める睡眠
⑤ 深い眠りで記憶を定着
⑥ セロトニンとメラトニンを増やす

4. 記憶力を高める運動
⑦ ストレッチで脳をリフレッシュ
⑧ 軽いウォーキングで海馬を刺激

5. 記憶力を高めるストレスケア
⑨ 「快」の刺激でストレスホルモンを緩和
⑩ プチ瞑想で脳内を整理

まとめ

1. 記憶力を高めるトレーニング

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記憶とは、五感で受けた刺激が電気信号として脳に伝わり、情報として残されたもの。
記憶は情報が残される長さによって、「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3つに分類されます。

目や耳に入った情報が、その器官で瞬間的に保持されるのが感覚記憶で、長くても1~4秒程度で消えてしまいます。
感覚記憶を意識することはありませんが、この中から意識したものが情報が脳の海馬という部位に送られて数秒から数日間、記憶として残るのが短期記憶。

さらに短期記憶から選ばれた情報だけが、大脳皮質に送られて長期記憶となるのです。
長期記憶は年単位で保存され、一生忘れないものもあります。

記憶力を高めるということは、効率よく短期記憶を長期記憶として保存すること。
最近は記憶力を高めるアプリなどで人気の脳トレも、短期記憶を長期記憶として残しやすい脳にするためのものなのです。

簡単にできる2つの脳トレを紹介しましょう。 

① 語呂合わせで意味記憶をエピソード化

長期記憶は、言葉や文字で説明できる「陳述記憶」と、それでは説明できない「非陳述記憶」に分かれ、陳述記憶には覚えやすい「エピソード記憶」と覚えにくい「意味記憶」があります。

エピソード記憶は自分の経験に基づく記憶、意味記憶は数字や文字列を覚えるような記憶で、エピソード記憶は意味記憶よりも、脳内で情報のネットワークづくりが簡単だというのが特徴。

覚えにくい「人の名前」や「数字」などは、イメージと結びつけることでエピソード記憶となって長期記憶として定着しやすくなり、情報検索でもすぐ引き出せるようになるのです。

学生時代に、歴史の年代を覚えるためにやったことがありますよね?
「鳴くよ(794)うぐいす 平安京」
これは、794という数字と「うぐいす」や「平安京」のイメージを関連付けるもので、さらに大きなポイントは日本人が覚えやすい七五調になっていることです。

楽しみながら、何でも七五調や、五七五の俳句形式にしてしまう訓練は、意味記憶を定着しやすくする大きな効果があります。

② 飛び石検索トレーニング

記憶の情報は、脳の膨大な神経細胞と、そのネットワークに蓄えられると考えられています。
単純な情報がいくつもつながってネットワークをつくることによって、検索しやすくなるのです。

この情報のネットワークを強化する、簡単なトレーニングがあります。
夜、寝る前やのんびりできる時間に、1日前、3日前、1週間前にそれぞれどのようなことがあったか、細かいことでもいいので、ひとつでも多くのことを思い出します

思い出が出尽くしたと感じたら、今度は1カ月前、3カ月前、6カ月前にそれぞれどのようなことがあったか、ひとつでも多くのことを思い出すのです。

コツは、ひとつひとつの思い出をビジュアル化すること。
脳内で離れている領域にある情報が、エピソード記憶として関連付けられます。

短期記憶が長期記憶として定着する条件は、「強烈な印象」「重要だという認識」「反復」という3つだといわれています。
このトレーニングも反復することで、過去のいろいろな思い出の印象が強くなり、重要だと認識されて長期記憶として定着します。

2. 記憶力を高める食べ物

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記憶は脳で保持されるものですから、脳に十分な栄養がいかなければ記憶力は低下します。
生命維持に必要な栄養を摂るために行う食事の内容は、脳の活動にも大きな影響を与えます。

健康な食事の基本は、「低カロリー高タンパク」といわれますが、これは記憶力を高める上でも同様で、全身の細胞の材料となる十分な量のタンパク質がなければ、脳細胞も新しくつくることができません。
細胞膜の材料になる脂質も同様に必要で、さらに三大栄養素の働きを助けるビタミンやミネラルも記憶力に欠かせない栄養素です。

何歳になっても脳細胞は増やせるのですが、必要とされる栄養素がなければムリ。
この基本を踏まえて、ここでは食生活における2つのポイントを紹介します。

③ 夜の糖質制限を習慣化

脳のエネルギーは唯一ブドウ糖だけなので、朝食は糖質をしっかり摂るべきだといわれていましたよね。
かつては、糖質が不足すると、脳機能が低下すると考えられていました。

しかし、体内で糖質が不足すると、肝臓で中性脂肪と乳酸からブドウ糖を生成する「糖新生」というシステムがあること、さらにそれでも糖質が不足したときには、アミノ酸から「ケトン体」という物質が生成されて、これが脳や筋肉のエネルギーになることがわかったのです。

糖質制限がここまで普及したのは、脳科学や医学で実証された結果があるからです。
とくに白米を主食としてきた日本人の食生活は、糖質過多になりやすいもの。
余ると中性脂肪になり、体脂肪を増やす主な原因である糖質の過剰摂取は、脳にもいろいろな悪影響を与えます。

朝食や昼食でご飯、麺類、パン類などの糖質を摂ったら、夜は肉類や魚類と野菜だけにする習慣をつくりましょう。

④ アミノ酸で神経伝達物質を活性化

脳内で、神経細胞(ニューロン)と神経細胞をつなぐネットワークが記憶のカギ。
神経細胞と神経細胞の間にはシナプスと呼ばれるすき間があり、神経伝達物質と呼ばれる物質がそのすき間を渡ることによって、電気信号が伝わっていきます。

ですから、神経伝達物質がうまく働くことは、すべての脳機能にとって重要であり、それは全身の身体機能にも直接影響します。
この神経伝達物質は、体内でタンパク質が分解されてできるアミノ酸をベースに合成され、アミノ酸自体が神経伝達物質になるものも存在します。

神経伝達物質を活性化させるためには、十分なタンパク質を毎日摂取することが欠かせません。
記憶力を高めるサプリとして人気の「アミノ酸サプリ」は、タンパク質が体内で分解される手間を省くもので、消化器官の負担を減らす効果も注目されています。
脳の健康=全身の健康なのですから、試してみる価値はありますよ。

3. 記憶力を高める睡眠

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生活習慣病の予防には、食生活とともに睡眠や運動といった生活習慣の見直しが欠かせませんが、これらの要素は脳の活性化にも必要です。

睡眠は身体を休める時間ですが、脳にとっては情報の整理と老廃物を排出させる時間。
記憶の定着は眠っている間に行われるのです。

健康法では、必ずといってよいほど「睡眠の質」を上げる方法が紹介されていますよね。
いくら十分な睡眠時間をとっていても、睡眠の質が悪ければ、疲労回復や脳の活性化がうまくできません。

ここでは、脳機能を活性化させる「質の良い睡眠」のポイントを2つ紹介しましょう。

⑤ 深い眠りで記憶を定着

学生時代の試験勉強では、朝まで歴史や英語の勉強をした「一夜漬け」の経験がありませんか。
睡眠中に脳が情報の整理を行っていることがわかってからは、試験前日は眠ったほうがよいといわれるようになりましたよね。

最近の脳科学では、人間は睡眠中に短期記憶から長期記憶にする情報を選ぶと同時に、不要だと判断した情報は消しているということもいわれています。
そうした脳の活動を活性化させるのは「深い眠り」で、脳は忘れることによって、新たな記憶を増やしていくのだといいます。

ですから、質の良い睡眠で大事なのは、いかにして深い眠りにつくかということ。
人間の睡眠は、脳が起きて睡眠が浅くなっているレム睡眠と、脳も休んで深く眠っているノンレム睡眠がセットになり、約90分間のサイクルを繰り返します。

健康によいとされる7時間半の睡眠は、このサイクルを5回繰り繰り返すものですが、1サイクル目や2サイクル目のレム睡眠で目を覚まさないことと、レム睡眠のときに起床することが深い眠りのポイントです。

⑥ セロトニンとメラトニンを増やす

神経伝達物質のひとつであるセロトニンは、精神を安定させてリラックスさせる働きがあり、不足すると脳の機能低下を招きます。
また、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンは、起床後14時間くらいで分泌がはじまるよう体内時計にセットされていて、朝まで分泌を続けて睡眠を深くします。

メラトニンの分泌は加齢とともに減るので、高齢になるとなかなか寝付けなくなるのです。
メラトニンの材料となるのがセロトニン。
ですから、深い眠りをとるためには、昼間にセロトニンを増やしておくことが大事なのです。

セロトニンを増やす方法は、まず起床して朝陽を浴びること。
これで、脳はメラトニンの分泌を止めてセロトニンの分泌を開始させ、さらに、24時間より10分から15分長いとされる体内時計のリセットを行います。

リラックスして副交感神経を高めることでセロトニンは増えますから、昼休みには緑の中へ行く、プチ昼寝をするといったリラックス法が有効。
夜になったら交感神経を活性化させないように、LEDや液晶モニターなどの強い光を目に入れないことも重要です。

4. 記憶力を高める運動

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言葉やイメージで説明できない非陳述記憶には、スポーツのフォームや、自転車の乗り方、楽器の演奏方法などがあり、身体で覚える記憶で、一度覚えたら意識しないところで機能し続けるのが特徴です。

記憶喪失になった人が陳述記憶を失っても、身体で覚えた非陳述記憶を忘れていないケースはよくありますよね。

非陳述記憶は運動を司る小脳がネットワークにかかわっているので、身体を動かすことが長期記憶を定着させるカギ。
もちろん、反復も大事な要素です。

陳述記憶の定着にも、運動が効果を発揮します。

⑦ ストレッチで脳をリフレッシュ

ストレッチは、緊張して硬くなり、血流が悪化した筋肉を伸ばすことによって血流を改善し、筋肉に溜まった二酸化炭素や老廃物を排出して、酸素や栄養素を取り込む運動です。

脳に筋肉はありませんが、脳細胞においても血流の改善は同様の効果を生み出します。
脳細胞に酸素や栄養素を届けているのは血液。
脳への血流でポイントになるのが、首や肩まわりの筋肉です。

首や肩がこってしまって筋肉が収縮すると、脳への血流が阻害されて脳機能が低下、だるさや頭痛を引き起こします。
全身の血流やリンパの流れをよくすることは大事なことですが、とくに首や肩まわりのストレッチは脳機能の改善に大きな効果があります。

仕事をしながらでもできるストレッチを覚えて、重症にならないうちに血行不良を改善しましょう。

⑧ 軽いウォーキングで海馬を刺激

軽い有酸素運動が、短期記憶を保持している海馬を刺激して、記憶力アップに効果があるという研究結果が発表されています。

生活習慣病の予防やダイエットに最適だといわれてきた有酸素運動ですが、最近はやりすぎると逆効果になるといわれています。
有酸素運動は酸素を使って脂肪を燃焼させる運動なので、どうしても活性酸素が発生することになり、やりすぎれば大量の活性酸素を体内に発生させてしまうからです。

活性酸素は強力な酸化作用でウイルスや細菌だけでなく、全身の細胞や組織まで酸化させてしまい、老化や病気の原因として注目されている物質。

活性酸素を過剰発生させない有酸素運動に最適なのが、息が切れない程度のウォーキング。
週に5日、軽いウォーキングをすることで、海馬によい刺激を与えることができるという研究結果もあります。

5. 記憶力を高めるストレスケア

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ストレスは、脳機能にも大きな悪影響を与えます。
今、社会で注目されているストレスケアは、脳機能の改善にも欠かせません。

ストレスは、五感で受けた刺激が脳に伝わり、不快な感情が生まれたときに脳が身体を守ろうとする防御反応です。
ストレス反応が起こると、筋肉を緊張させて心拍や呼吸を早くし、臨戦態勢をとるので心身ともに疲労します。

ストレスの元となる刺激はストレッサーと呼ばれ、自分の意思とは関係なく降り注ぐもので、意識的に消そうとしたり忘れようとしたりすれば、ストレッサーを思い出すことになって、さらにストレスを重くしてしまいます。

ここではとくに脳の活性化に効果があるストレスケアを2つ紹介します。

⑨ 「快」の刺激でストレスホルモンを緩和

ストレス反応が起こると、身体を活動モードにする交感神経を刺激するので、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールなどの分泌を増やします。

コルチゾールは、インスリンと逆の効果をもち、インスリンが血糖値を下げる働きをするのに対して、糖新生を行うなど血糖値を上げる働きをします。
過剰になると、海馬の神経細胞を減らしてしまうことが知られており、記憶力の低下を招きます。

ストレスケアの基本は、脳が「快」と判断する刺激を自分に与えること。
簡単にいうと、心地よいことや楽しいことをする、美味しいものを食べるといったうれしいことをすればよいのです。

快の感情は脳が没頭しますから、無意識のうちに不快な感情を忘れることになり、ストレスホルモンの分泌を抑えることができるのです。

⑩ プチ瞑想で脳内を整理

ストレスケアで大事なポイントが、副交感神経を高めること。
リラックスモードをつくる副交感神経を高めて自律神経を整えることは、心拍、呼吸、血圧といった生命維持に必要な身体機能を安定させて、脳機能を活性化させます。

副交感神経を高める方法は、いろいろなところで紹介されていますから、自分に合う方法を探していただきたいのですが、深呼吸とともにおすすめなのが「プチ瞑想」。
最近は、「マインドフルネス」として世界的な流行となった瞑想ですが、難しく考えなくても集中力を高めて脳を活性化させることが可能です。

気もちを鎮めて1分から3分ほど、意識を呼吸に集中させて「無」になります。
眠ってしまうのではなく、意識は覚醒しているのがポイント。
プチ瞑想で気持ちが楽になることを実感できたら、さらに深い瞑想へとステップアップするのもいいのではないでしょうか。

まとめ

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記憶力を高める方法として、最新の脳科学や医学を網羅した10の事柄を紹介してきました。

このほかにも最近は、咀嚼することで脳機能をアップするという「記憶力を高めるガム」、副交感神経を活性化する「記憶力を高める音楽」、視覚と記憶定着から考えられた「記憶力を高める色」なども注目を集めています。

いずれにしても習慣化して、継続することが記憶力アップのコツ。
義務感や完璧主義はストレスになりますから、楽にできること、楽しみながらできることからはじめましょう。

【参考資料】
・『60代から頭がよくなる本』 高島徹治 著  興陽館 2019年
・『最新科学で解き明かす 最強の記憶術』 澤田誠 他 洋泉社 2017年

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