ヨガがもたらす5つの感覚と5つの効果-心身を強くしなやかに

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ヨガには興味があるけど、難しいのではないかと思っている人は多いですよね?

修行のようなものなの?
ストレッチとどこが違うの?
どういう効果があるの?

こうした疑問をもちながら、ヨガを遠巻きに見ているだけという人も少なくありません。

まず、厳しい修行のようなものであったら簡単にはじめることはできませんし、気持ちいいものでなかったら続けることはできません。
続けても効果なしというケースが多ければ、世界中でこれだけの人たちが支持するはずはありません。

多くの人が続けて、心身の健康や精神の集中に役立てているという事実は、ヨガがそういうものではないことを証明しています。

ここでは、ヨガの基礎知識にはじまり、5つの感覚がもたらす5つの効果をわかりやすく解説します。
ヨガの概要を知りたい人はもちろん、これからはじめてみたいという人も、事前知識として役立ててください。

目次

1. ヨガの基礎知識
1-1. ヨガの起源
1-2. 日本におけるヨガ
1-3. ヨガの種類

2. ヨガで養う5つの感覚
2-1. 「根」の感覚
2-2. 「幹」の感覚
2-3. 「花」の感覚
2-4. 「枝」の感覚
2-5. 「葉」の感覚

3. ヨガがもたらす5つの効果
3-1. ストレス軽減
3-2. 体幹を鍛える
3-3. 柔軟性を高める
3-4. 集中力を高める
3-5. 病気や体調不良の予防

まとめ

1. ヨガの基礎知識

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ヨガはインドではじまったものだということは、誰もが知っているでしょう。

昔からあるヨガのイメージといえば、普通ではできないような難しいポーズをして、瞑想をするといったところじゃないでしょうか。

ところが、現在はオシャレなウェアやマットを使って、ダイエットやデトックスの効果を狙うヨガ教室などもあり、ずいぶんと変貌しています。

まずはヨガの起源や、種類と変遷の概要を解説しましょう。

1-1. ヨガの起源

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英語では“yoga”と表記する「ヨガ」は、「ヨーガ」とも呼ばれ、その語源はインドの古語であるサンスクリット語の「yuj(ユジュ)」に由来します。
牛や馬などを牛車や馬車につなぐ木製の器具「くびき」を指し、「つなぐ、結合」を意味する言葉でもあります。

古代インドで誕生したヨガの歴史は、およそ4000年にも及び、輪廻転生から解脱する手段として、心を鍛錬するために行われたのが起源とされます。

長きにわたってヨガを行うのは男性のみに限られ、女性がヨガを許可されるようになったのは、ここ100年ほどのことであるといわれます。

1-2. 日本におけるヨガ

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日本にヨガが伝わったのは、大同元年(806年)に空海が唐から帰国したときだといわれています。
その後は、生命、自然、真理をつなぎ、人間として正しい生き方を会得する修行法として、ごく一部の人だけに行われる時代が続きました。

1980年代には健康法のひとつとして広く知られるところとなり、ヨガ教室やヨガスタジオが流行しました。
しかし1990年代になると、テロ事件を起こした宗教団体が信者の修行としてヨガを行っていたことから、ヨガのイメージが悪くなり、衰退してしまいます。

再ブームとなったのは、ニューヨークやハリウッドでヨガブームが起こった2004年あたりのことでした。
ダイエットや美容を目的とするエクササイズとして女性に流行し、新感覚スタイルのヨガスタジオがたくさんできて、ウェアやマットなどがファッショナブルなものへと変わったのです。

現在は、内面から美しくなる美容、健康法として定着し、ネット上にもヨガに関連するサイトやブログがたくさん存在しています。

1-3. ヨガの種類

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深い歴史をもつヨガは、様々な流派や種類が存在します。
肉体的なポーズをともなうものばかりではなく、72の方向から入る種類があるといわれています。

インドにおける伝統的なヨガは、大きく分けて4つに分類されます。

・ラージャヨガ

ヨガの「ラージャ(王様)」と伝えられるヨガで、瞑想によって精神の集中力を高めることを目的とし、他のすべてのヨガの基本とされます。

・カルマヨガ

日常を修行の場としてとらえ、奉仕の精神や献身を大切にする行動的なヨガ。

・ギャーナヨガ

学ぶことで真理を追究する知識のヨガ。

・バクティヨガ

自我を捨て、祈りをささげて神聖なるものと一体化する絶対的な愛のヨガ。

「アーサナ」と呼れる肉体的なポーズを練習したり、身体を動かしたりするヨガは、すべてラージャヨガとされ、その中に現代のヨガのベースとなった「ハタヨガ」があります。

アーサナをゆっくりとしたペースで行うハタヨガは、エクササイズ効果や集中力を高める効果があります。

現在行われているヨガは細分化されており、ポーズの順番やフィニッシュが決まっている「アシュタンガヨガ」、ひとつのポーズを入念に行う「アイアンガーヨガ」、呼吸法や12の基本ポーズ、瞑想などをバランスよく行う「シヴァナンダヨガ」、流れるようにポーズを行う「ヴィンヤサヨガ」などが代表的なものです。

さらに、沖ヨガ、ホットヨガ、顔ヨガ、骨盤調整ヨガ、親子ヨガなどが、ハタヨガをベースとして考案されています。

 

2. ヨガで養う5つの感覚

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ヨガの経典のひとつ『ヨーガスートラ』には、ヨガの実践には8つの段階があると書かれています。

① ヤーマ(日常でやってはいけない行い)
② ニヤーマ(日常でやった方がいい行い)

最初の2つは日常生活の心構えです。

③ アーサナ(座法)
④ プラーナーヤーマ(呼吸法)
⑤ プラティヤハーラ(感覚の制御)

この3つは現代のヨガで注目されている部分です。

⑥ ダーラナ(集中)
⑦ ディアーナ(瞑想)
⑧ サマーディ(三昧、超意識状態)

この3つは瞑想状態の深さを表しています。

この「八支則」と呼ばれる段階では、最終的にはサマーディを目指すことが目標とされますが、現在、一般的に行われているヨガでは、「ポーズ(アーサナ))と「呼吸法」と「感覚の制御」によって、集中することを目指します。

ポーズや呼吸法は、目で見て、耳で聞いてまねることができますが、感覚の制御は、自分の感覚を内側に向けなければいけないので、初心者にとってはここが、「効果がないヨガ」と「効果あるヨガ」を分けるひとつのポイントとなります。

そこで、ヨーガ日本瞑想協会会長の綿本彰さんが、初心者にもわかりやすく、自分の内面に必要なヨガの感覚を表したものが、全身を1本の木に例えて説明する「5つの感覚」です。
その概要を紹介しましょう。

2-1. 「根」の感覚

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下半身は、木の根のように大地に力強く根差して揺るがない感覚が求められます。
この感覚が養われると、下半身がしっかりと床を踏みしめられるので身体が安定します。

2-2. 「幹」の感覚

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腰から背骨にかけては、根から養分を吸収してまっすぐに伸びる木の幹のように、軽やかにイキイキと伸びる感覚が求められます。
この感覚が養われると、腰、ウェスト、背骨が丸くならず、自然に伸びるようになります。

2-3. 「花」の感覚

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胸は、自由に、開放的に開いていく花の感覚が求められます。
胸を開くだけでなく、胸の奥にある呼吸筋や肺などの呼吸器官も開放する感覚です。
この感覚を育むと、束縛から解放されるように気持ちよく胸が開きます。

2-4. 「枝」の感覚

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首は、風に吹かれて揺れ、雨に降られて垂れる枝のように、自然に抗わず、完全にリラックスした状態が求められます。
首まわりは、ボウリングのボールほども重さがある頭部を支え続けているために緊張しやすいところ。
この感覚を育むと、首まわりの緊張から解放されます。

2-5. 「葉」の感覚

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頭の中は、明るい陽射しやそよ風をただ静かに受け止める葉のように、すべての物事をただただ受け入れる、おだやかで静かな感覚が求められます。
この感覚が養われると、頭の中が平静な状態になって集中力が高まります。

この5つの感覚をすべて感じながらヨガを行うと、効果がはっきりとわかるようになります。
しかし、経験を積んだ人間でも5つの感覚を同時に意識するのは簡単ではないので、初心者はひとつの感覚に意識を集中することからはじめるようにします。

 

3. ヨガがもたらす5つの効果

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美容やダイエットが目的でヨガをはじめたら、いつのまにか、痩せることよりも精神の安定を得られることがうれしくなって続けている、というような人が実は大勢います。

ヨガの歴史や変遷を考えれば、こうした現象は納得できるものです。

ヨガが、現代人にもたらしている効果は、大きく分けて5つに分類されます。
それらの効果をひとつずつ分析してみましょう。

3-1. ストレス軽減

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ヨガによってストレスを軽減することができます。
よく、「ストレス解消」という言葉が使われますが、ストレスを消すことはできません。

ストレスとは、身体の五感で受けた刺激に対する脳の反応です。
刺激には、辛い、悲しい、痛いといった感情を生む不快なマイナスの刺激と、楽しい、美味しい、うれしいといった感情を生む、心地よいプラスの刺激があります。

ストレスを生むマイナスの刺激は、自分の意思とは関係なく降り注ぐものですから、なくすことはできないのです。
そうかといってストレスに打ち勝とうとしたり、忘れようとしたりすれば、マイナスの刺激による感情を思い出すことになるので、よけいにストレスを溜めてしまうことになってしまいます。

ストレスは、打ち負かすようなものではありません。
では、ストレスを軽減するためにはどうすればいいのかといえば、現実を受け止めるおだやかな心をもつことと、プラスの刺激を得ることが必要なのです。

プラスの刺激は、積極的に増やすことが可能です。
簡単にいうと、心地よいことをすればいいわけです。
また、物事の受け止め方は、考え方ひとつでプラスにもマイナスにもなるもの。

ヨガを行うことによって、物事を受け止める心と体が養われ、身体に心地よい刺激を与えることができるので、ストレスを軽減できるのです。

3-2. 体幹を鍛える

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ヨガで、前項で解説した5つの感覚を養うと、体幹を鍛えることができます。
体幹とは、腕と脚を除いた体の軸となる部分を指します。

ハタヨガの「ハタ」とは「太陽(ハ)」と「月(タ)」を意味しており、陽と陰の結合を目指すので、上下、左右、前後のいずれの動きもバランスよく行えるようになります。
この動きに必要なのが、安定した体幹なのです。

ヨガには、身体がよい状態でなければ心の集中はできない、という考え方が基本にあります。
「アーサナ」と呼ぶヨガのポーズは、そうした理由から行うものなのですが、自然な呼吸を連動させながら体幹の筋肉を働かせるので、自然に体幹を鍛えることができるのです。

体幹が強くなると姿勢がよくなり、背骨が健康な状態にあると、脊髄と神経系の働きが良好になるので、呼吸や心拍、血液循環が促されて、内臓の働きも活性化します。

背骨が安定すると、正しい姿勢が維持できるようになり、外見が人に与えるイメージも明るく変わります。

3-3. 柔軟性を高める

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体幹が安定すると、身体の柔軟性も高めることができます。
柔軟な身体とは、筋肉が柔らかいということではありません。
関節の可動範囲が狭くなっていないということなのです。

身体が硬くなるということは、筋肉が緊張して収縮することにより血行不良を起こし、老廃物が溜まって縦に伸びなくなり、関節の可動範囲が狭くなっている状態。
ですから、筋肉の血行を改善して、縦に伸びるようにしてやる必要があります。

呼吸を連動させるアーサナは、体幹を中心とした筋肉を伸ばすことによって緊張をほぐし、体内に十分な酸素をいきわたらせます。
血流が改善されると筋肉内の老廃物が排出され、筋肉がしなやかさを取り戻し、関節の可動範囲も改善されるのです。

また、ヨガのレッスンで最後に行われることが多い「シャヴァアーサナ(屍のポーズ)」は、乱れた自律神経を整える作用があるといわれています。
一度、交感神経を活性化してからこのポーズでリラックスすることによって、副交感神経が活性化し、頭は冴えているのに体は柔軟な状態に緩むという効果を得ることができます。

3-4. 集中力を高める

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アーサナと呼吸を連動させて、5つ感覚を意識するのは、集中して瞑想に入りやすくするためです。

ヨガのポーズや呼吸、瞑想をすることによって、神経系のアミノ酸である「GABA(ガンマ-アミノ酪酸)」が増えることが、実験によってわかっています。

GABAには脳の緊張を緩和させる働きがあり、GABAの値が低い脳は、うつ病や不安障害を発症しやすいと考えられています。

肉体を柔軟にするだけでなく、心がおだやかに落ち着いてリラックスした状態になると、質の高い集中力を発揮することが可能となります。

また、ヨガには、右脳の働きを活性化する効果があることも、科学的に示唆されています。
右脳と左脳の働きには、いろいろな説がありますが、左右の脳をバランスよく働かせることが集中力にプラスになることは間違いありません。

とくに男性は女性よりも、左右の脳をつないでいる脳梁という神経の束が細いので、左右の脳を連動させることが苦手といわれます。
ヨガによって、左右の脳のバランスを整えることができれば、質の良い集中力を発揮できるようになるのです。

3-5. 病気や体調不良の予防

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ヨガには、病気の予防や健康維持を目的としたものが数多くあります。

肩こりや腰痛をはじめ、不眠症、頭痛、生理痛などに対するメディカルヨガやヨガセラピー、便秘解消や肝臓の機能強化を図るデトックスヨガなどの効果はよく知られるところです。

ヨガには治癒力を高める効果もありますが、一番大事なのは、大きな病気や不調が現れる前に未然に防ぐ効果です。

そのためには、ヨガをエクササイズの一環として毎日継続することが有効です。
ヨガスタジオやヨガ教室では、回数券の消化やマンスリーチケットを有効に使うために、1日に何本もレッスンを受ける人がいますが、長い時間行えば効果的というものではありません。

1日に5分でも10分でもいいので、ヨガでリラックスする時間をもち、それを続けることが「未病」につながります。

姿勢が悪いことが原因の肩こりや腰痛、生活習慣病が影響している内臓や血流の症状などには、ヨガの効果がとくに期待できますが、そのためには毎日継続して習慣化することが大切です。

 

まとめ

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ヨガは、心と身体を「強く、しなやか」にしてくれることが理解できましたか?
言い方を変えれば、安定性と柔軟性を兼ね備えた心と身体をつくるということです。

ヨガを実践している有名人は世界中に存在します。
実業界ではApple創業者の故スティーブ・ジョブズ氏、マイクロソフト元会長のビル・ゲイツ氏、スポーツ界ではテニスのノバク・ジョコビッチ選手やサッカーの長友佑都選手、音楽界ではスティングやマドンナもヨガの支持者として知られています。

彼らはみな、自分を変えるためのツールとしてヨガを利用したといわれます。
ヨガには、その人の人生を変えてしまうような魅力があるのです。

ぜひ、ヨガを実践して、ここで解説した感覚や効果を実感してください。

【参考資料】
・『デキる人は、ヨガしてる。』石垣英俊、及川彩 クロスメディア・パブリッシング 2017年
・『心と体に効かせる はじめてヨガ』 綿本彰 学研プラス 2017年
NPO法人 日本YOGA連盟 web site
ヨガジャーナル オンライン

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