怒りを抑える方法15選-感情とストレスのしくみを理解するケア

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人間の感情を「喜怒哀楽」という言葉で表しますよね。
「喜び」「怒り」「哀しみ」「楽しみ」という感情ということですが、いうまでもなく「喜び」や「楽しみ」はプラスの感情であり、「怒り」や「哀しみ」はマイナスの感情です。

何をもってプラスかマイナスかという分類をするかといえば、それはストレスの原因になるかどうかということ。
マイナスの感情がわくと、脳は自分に迫るであろう危機から身を守ろうとして、筋肉を緊張させ、心拍や呼吸を早めて酸素を多く体内に取り込み、瞳孔を開いて遠くまで見通せるようにするなど、臨戦態勢や防御態勢をとるのです。

これがストレス反応と呼ばれるもの。
この状態が続くと疲労し、心と身体に悪影響を及ぼします。
ストレスがどれほど人体に悪影響を及ぼすものかは、誰もが知るところでしょう。

ストレスの原因となる感情の中でも「怒り」はもっとも興奮状態をつくりだします。
それほど心身に悪影響を及ぼす感情ですから、いろいろな対処法が考えられてきました。
その代表的なものが、アメリカで開発されて、多くのストレスケア本で解説されている「アンガーマネジメント」というプログラムです。

ここでは、怒りを抑える方法15選として、前半はアンガーマネジメントのプログラムから簡単にできるものをピックアップ、後半はストレスと深い関係にある自律神経の乱れを整えるケアを紹介します。

目次

怒りを抑える方法15選
① その場を離れる
② 頭の中でカウントダウン
③ 怒りを評価する
④ おまじないを唱える
⑤ 思考を停止させる
⑥ 怒りの状況を紙に書き出す
⑦ 身体を動かす
⑧ 深呼吸
⑨ マッサージ
⑩ 緑の匂いをかぐ
⑪ 美味しいものを食べる
⑫ 音楽を聴いてリラックスする
⑬ 笑顔をつくる
⑭ 趣味に没頭する
⑮ プチ瞑想でクールダウン
まとめ

怒りを抑える方法15選

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① その場を離れる

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アンガーマネジメントは、怒りの感情をコントロールすることが目的です。
そのベースとなっているのは、怒りの感情がピークとなる6秒間をやり過ごすこと。

ストレス反応が起こると、体内でホルモンが放出されていろいろな部位で変化が起こるのですが、その反応のピークが6秒後なのです。
ですから、ムカッとして怒りの感情がわいたら、なんとかしてその6秒間をやりすごせば、怒りは収まる方向に向かいます。

アンガーマネジメントでは、この6秒間をやり過ごす手段をいろいろと提案しており、もっとも簡単なものが「タイムアウト」と呼ばれるプログラム。

例えばムカッとして夫婦喧嘩になりそうになったり、仕事中に上司のひと言でイラっときたら、とにかくその場を離れるのです。
どのような状況にあっても、とりあえずその場から離れて少し歩くだけでも、6秒は経ってしまいますよね。

② 頭の中でカウントダウン

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これは、「カウントバック」と呼ばれるプログラム。
ムカッとしたら、頭の中で数字をカウントダウンするのです。

10、9、8、7と、ただカウントダウンするよりも、100から4ずつマイナスする、6ずつマイナスするというカウントダウンにすると、よりそちらに意識を傾けることになるので効果的。

「100、96、92、88、84、80」ここまでゆっくりカウントダウンしただけでも6秒は立ちますから、もう少し続けていれば、怒りの感情は次第に軽くなっていきます。

③ 怒りを評価する

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これは、「スケールテクニック」と呼ばれるプログラムです。

ムカッとしたら、今自分が感じている怒りの感情に点数をつけるのです。
怒りの原因や状況を考え、10点満点でもいいですし、より細かく精査して100点満点で評価するのもいいでしょう。

点数をつけることによって、自分にとってその怒りがどのような位置づけなのか決めることになり、冷静さを取り戻すことができます。
このように、ほんの一瞬でも怒りの感情から意識をそらすことが意味をもちます。

④ おまじないを唱える

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日本でいわれる「おまじない」は、アンガーマネジメントでも「コーピングマントラ」というれっきとしたプログラムになっています。
「コーピング」はストレスの緩和を意味するメンタルヘルス用語、「マントラ」は古代インドのサンスクリット語で「呪文」を意味する言葉です。

怒りの感情がわいたら、「大丈夫、大丈夫」「たいしたことじゃない」「気にしない気にしない」など、自分にいい聞かせるおまじないを用意しておくのです。
自分が癒される言葉だったら、愛する人やペットの名前、好きな場所の地名や景色など、何でもかまいません。

マントラで自分を落ち着かせることによって、口に出そうになった怒りの言葉を1回飲み込むことができるでしょう。

⑤ 思考を停止させる

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これは「ストップシンキング」と呼ばれるプログラム。
ロボットの電源が切れる、エヴァンゲリオンであったら活動限界を迎えるというような感じで、ストンと思考停止状態になるのです。

頭の中で「ストップ!」と唱えるようにすると、コーピングマントラの効果も望めます。
頭の中に白紙のA4用紙をイメージして、心を落ち着かせましょう。
自分が置かれた状況を客観的に受けられるようになり、次第に落ち着きを取り戻していきます。

⑥ 怒りの状況を紙に書き出す

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ムカッときたら、日時、場所、自分に起こって怒りの原因になったことなどを紙に書き出していくのが、「アンガーログ」というプログラム。
スマートフォンでテキストのメモとして残してもいいでしょう。

これも、客観的に自分の置かれた状況を見ることができるようになる手段です。
点数をつけるスケールテクニックを同時に行うのも効果的。

ログが溜まったら、冷静なときに読み返してみましょう。
例えば、自分が彼氏のどのようなところに怒りを感じているかということなどが分析できて、ストレスケアばかりでなく、人間関係にも役立てることができます。

⑦ 身体を動かす

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「身体リラクゼーション」というプログラムは、ストレッチや軽い有酸素運動をして怒りの感情をコントロールするもの。

とくに効果的なのが、首や肩のコリをとるストレッチ。
首や肩のコリで筋肉が硬く収縮してしまうと、頭部への血流が悪化します。
頭に血がのぼるといいますけども、頭にのぼった血液も下に降りづらくなってしまいます。

血流が悪化して脳細胞に酸素や栄養がしっかり届けられなくなると、脳機能が低下して怒りのコントロールもうまくできなくなってしまうのです。

ただ歩くだけでも、心身をリラックスさせて怒りを抑えることができます。
ただし、身体の負担が大きくなるような運動は逆効果になることも。
効果的な運動の目安は、息が切れない程度、汗を大量にかかない程度の軽い有酸素運動です。

⑧ 深呼吸

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深呼吸は、血流改善やストレスケアばかりでなく、いろいろな効果が望める健康法。
アンガーマネジメントでも「呼吸リラクゼーション」として取り上げられています。

怒りを感じたら、ゆっくり腹式呼吸をして気持ちを落ち着かせます。
まず、口からフーっと8カウントしながらお腹をへこませて息を吐き切り、次に鼻から4カウントしながらお腹に息を吸い込み、4カウントのポーズ。
この深呼吸を気持ちが落ち着くまで繰り返します。

腹式呼吸は、自律神経を整える効果があります。
自律神経は、心拍、呼吸、血圧、体温、消化吸収といった生命維持に欠かせない身体機能をコントロールするシステムで、活動モードをつくる交感神経と、リラックスモードをつくる副交感神経が常に6:4程度の割合で働き、どちらかが優位になっています。

怒りの感情などがわいてストレス反応が起きると交感神経が優位になるので、意識的にリラックスすることで副交感神経を優位にさせて、ストレスを緩和するわけです。
お腹の横隔膜の周囲には、自律神経が集中しており、へこませることで副交感神経を高められるため、深呼吸は吐くことからはじめるのが効果的です。

⑨ マッサージ

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アンガーマネジメントでも取り上げられている深呼吸に続き、ここからは、ストレスと関係の深い自律神経を整えて、怒りを抑える方法を紹介していきましょう。

怒りの感情はストレスを生み出すマイナスの感情ですが、マイナスの感情を忘れさせてくれるのは、「心地よい」「楽しい」「美味しい」といったプラスの感情です。
副交感神経を高めてストレスを緩和するためには、積極的にプラスの感情がわくことをして、自分をリラックスさせることがカギとなります。

心地よいことの代表としてあげられるのが、筋肉をほぐして血流を改善するマッサージやツボ刺激。
ムカッときたら、肩や首をマッサージしたり、手や顔にある精神を安定させるツボを刺激したり怒りの感情を抑えることができます。

自分に合った、マッサージやツボ刺激のグッズを準備しておくのも効果的ですね。

⑩ 緑の匂いをかぐ

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木々の緑や草の葉には、青葉アルデヒドや青葉アルコールといった「フィトンチッド」と呼ばれる香りの成分があり、これが精神の安定に大きな効果をもたらすことがわかっています。

怒りの感情がわいたら、草や木の葉をちぎってクシャクシャと揉み、匂いをかいでみましょう。
どこかなつかしいような、安心する香りがするはずです。
アロマオイルにもフィトンチッドの香るものがありますから、小瓶を携帯していて、イラっときたときに、香りをかぐのもいいでしょう。

さらに効果的なのは、近くに公園や並木など緑の多い場所があったら、歩いてそこへ行き、しばし休憩することです。
緑の香りの中で気もちを落ち着ければ、心は次第に冷静さを取り戻すことでしょう。

⑪ 美味しいものを食べる

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好きなもの、美味しいものを食べるという行為には、マイナスの感情を吹き飛ばすパワーがあります。
ムカッときたときに食事に行けるタイミングであったら、すぐに行きましょう。

職場のデスクにチョコレートやアメなどの好きなお菓子を準備しておいて、怒りの感情がわいたら口にするのも効果的です。
甘さには、ほかのことを忘れさせる魅力を感じる人が多いものです。

ガムも怒りを抑えるのに効果があります。
味覚も影響しますが、ガムの場合は咀嚼することがポイント。
咀嚼という行為には、自律神経を整える効果があるのです。

⑫ 音楽を聴いてリラックスする

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好きなことや楽しいことをして、怒りの感情を忘れる手段は、人によっていろいろな方法があるはずです。
気分をリフレッシュできることであったら、何でもOK。
それをすることによって、怒りから気をそらすことがポイントとなります。

音楽を聴いて精神を落ち着かせるのは、多くのスポーツ選手も取り入れているリラックス法です。
ムカッときたら、イヤホンをして好きな音楽に浸ってみましょう。

音楽で怒りを抑える際は、興奮状態の脳に合うようなアップテンポであるとか、賑やかな曲から聴きはじめ、だんだんとテンポやボルテージを落とした曲に変えていくのが効果的。
いきなりスローテンポの曲を聴くよりも、流れをつくったほうが自然にクールダウンできます。

日頃から、クールダウン用に、3曲構成のアルバムや5曲構成のアルバムなどをつくっておき、スマートフォンにデータを入れておくといいですね。

⑬ 笑顔をつくる

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笑顔は深呼吸と並び、多種多様な効果をもたらす健康法として知られていますよね。
怒りの感情がわいたときに笑顔になるのは難しいと感じるかもしれませんが、心から笑顔になる必要はありません。
口角を上げる「つくり笑顔」でいいのです。

人間の顔には数十種の筋肉があり、複雑に関連し合って様々な表情をつくり出しています。
これらの筋肉は表情筋と呼ばれるのですが、口角を上げてほほ笑むような笑顔をつくると、脳は表情筋の動きを感知して笑顔と判断してしまうのです。

そのために、脳内ではプラスの感情がわいたときと同じような状態がつくり出され、マイナスの感情が忘れられてしまい、ストレスが緩和されるのです。

日頃から、鏡を見ながら口角を上げる表情を練習をして、自然に笑顔がつくれるようになると、これはもう本物かつくり笑顔かということは問題ではなくなります。
常に笑顔に近い表情でいることができれば、自分の怒りを抑えるだけにとどまらず、周囲の人たちにも癒しを与える存在になることでしょう。

感情をコントロールできない子供が増えている昨今、小学生や中学生のいる家庭では、親が先頭に立って笑顔の練習を習慣化することをおススメします。

⑭ 趣味に没頭する

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怒りや哀しみといったマイナスの感情が原因となって起こるストレスは、なくそうとしてなくせるものではありませんし、忘れようとすれば原因になっている感情を思い出すことになるので逆効果になってしまいます。
ここに怒りを抑えるカギも隠されているのです。

意識的に忘れようとしてダメでも、ここまでに解説したきたとおり、プラスの感情がわけば脳は自然とマイナス感情を忘れてしまいます。
自分にプラス感情がわくようなことを積極的にすればよいわけで、もっとも効果が高いのは、没頭したり熱中したりすること。

没頭する趣味をもっている人がストレスに強い理由はここにあります。
趣味や遊びに限らず、仕事でも、運動でも、何かの単純な作業でも一時没頭できることなら効果があります。

スマートフォンですぐにできる単純なゲームなどを準備しておくのもいいですね。

⑮ プチ瞑想でクールダウン

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怒りを感じたら、目を閉じて呼吸を整え、意識は呼吸に集中して「プチ瞑想」に入ってみましょう。
瞑想という言葉を使うと難しい方法に感じられるかもしれませんが、未経験の人でもこの方法であったら、瞑想に近い状態を得ることが可能です。

「今、ここにいる自分に集中する」ことは、「マインドフルネス」と呼ばれる瞑想法で、アンガーマネジメントでも「グラウンディング」というプログラムになっています。

目を閉じて呼吸に集中する方法以外にも、デスクの上にある小物などを手に取って、色、形、デザイン、ロゴなどを徹底的に細かく観察する方法もあります。
手の上の小物に集中していると、いつの間にか意識が「今、ここにいる自分」に戻り、怒りの感情が薄れていることに気づくはずです。

まとめ

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怒りを抑える方法を整理してみると、ストレス反応がピークになる6秒間をやり過ごすことと、副交感神経を高めることが重要だといえますね。

ここで紹介したメソッド以外にも、この2つのことを効果的に実践する手段があったら、それはあなたにとって大切なこと。
趣味にしろ、仕事にしろ、単なる習慣にしろ、大事にすべき事柄です。

最後に血流のお話を。
カーっとなって脳に血液が上がると、元の状態に戻るのに30分から1時間もかかるといわれています。
この状態を時短するために、ストレッチやマッサージが効果的なのです。

6秒間をやり過ごしても、それは感情のピークを越えただけで、怒ったことの悪影響はまだ身体に残っているわけです。
ですから、しばらくはムカッとする相手には近づかない、イライラすることを思い出さないという状態をキープして、心身をリフレッシュするようにしましょう。

参考資料
・『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』 戸田久美 著 かんき出版 2015年
・『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』 高山恵子 監修 講談社 2016年
・『対人関係のイライラは医学的に9割解消できる』 松村浩道 著 マイナビ出版 2016年
・『「怒らない体」のつくり方』 小林弘幸 著 祥伝社 2014年

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