ボクシング式2ステップ減量法と低糖質ダイエット-どう違う?

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あなたの周囲にも、ダイエットのためにボクシングをはじめた人がいませんか?

1990年代に「ボクササイズ」が流行して、ボクシングやキックボクシングのジムに通う女性も増えました。
脂肪を燃焼させると同時に、気もちよく汗をかいてストレスも解消できる運動として、現在も人気があるエクササイズのひとつです。

今、人気となっているのは、ジムに通わなくても自宅でできる「ボクシング式ダイエット」や「ボクシング式減量法」。
ボクシングの減量といえば、試合前にボクサーが苦しむ厳しい減量法というイメージがあるかもしれませんが、そのノウハウをムリなく応用して、短期間に体重を落とそうというメソッドです。

一方で、新しいダイエット法として注目されているのが、「糖質オフダイエット」ですね。
糖質オフダイエットは、「糖尿病の人は気をつけなければいけない」ものであった、三大栄養素のひとつである「糖質」をカットしてしまうという、大胆なメソッドに賛否両論があがりました。

ここでは、ともに人気のダイエット法である、この2つのメソッドの違いはどこにあるのか、要点をつまんで解説します。
自分の目的に合ったダイエット法をみつける際の参考にしてください。

 

目次

1. ボクシング式2ステップ減量法
1-1. 目的は20日間で一時的に減量すること
1-2. 太るメカニズムを知る
1-3. 脂肪を燃やして体重を落とす
1-4. 18日間のダイエット期
1-4-1. 1日に1000~1500kcalを摂取
1-4-2. 脂肪を燃焼させる運動
1-5. 2日間の減量期
1-5-1. 負荷が軽い運動
1-5-2. タンパク質とカリウムを摂取
1-5-3. 塩分控えめで水分を体外に出す

2. 2ステップの低糖質ダイエット
2-1. 目的は体質を変えて太らないようにすること
2-2. 糖質は摂取しなくても体内で合成できる
2-3. 十分なタンパク質と良質な脂質を摂る
2-4. 糖質と血糖値の関係
2-5. 糖質オフの代表的な2ステップ

まとめ

1. ボクシング式2ステップ減量法

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2019年6月19日の勝利でWBO女子世界スーパーフライ級王座を獲得した「シングルマザーチャンピオン」吉田実代選手は、ボクシング、キックボクシングなどのパーソナルトレーナーとしても活動し、ストレッチや食事、減量法などの指導にも定評があるアスリートです。

吉田選手が提言する「誰でも使える!ボクシング式減量法」は、女性だけでなく多くの男女から支持されている減量法です。

今まで、ボクシングで行う減量をもとに、多くのボクサーがダイエット法を紹介してきましたが、吉田選手が教える方法は「ちょっと頑張ればできる」なじみやすさが特徴。
ここでは、「誰でも使える!ボクシング式減量法」の要点だけを紹介しましょう。

1-1. 目的は20日間で一時的に減量すること

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「減量」と「ダイエット」は、違う意味で使われる言葉です。

「減量」とは、水分や内容物を体外に出して体重を落とすこと。
「ダイエット」は、食事制限や運動によって体脂肪を減らして体重を落とすこと。

ボクシング式減量法は、18日間のダイエットと最長2日間の減量によって、体重を落とします。
ボクシング式減量法の目的は、20日間で、女性だったら3キロ前後、男性だったら5キロ前後の体重を落とすことにあります。
ボクシングの選手が試合までに体重を落とすのと同じですね。

ですから、減量は一時的に体重を落とすメソッドで、元の食生活に戻せば体重もリバウンドしやすくなります。
ボクシング式減量法は、20日後に結婚式がある、面接がある、撮影があるといったときに、確実に体重を落とす方法として有効なものだということを覚えておきましょう。

1-2. 太るメカニズムを知る

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「太る」とは、どういうことなのでしょう。

体内に入った糖質や脂質はエネルギー燃焼に使われ、余ったものは中性脂肪になり、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。
この「体脂肪」が過剰になると太るのです。
もうひとつの三大栄養素であるタンパク質もエネルギー源にはなりますが、本来の役目は全身の細胞やホルモン、酵素などをつくることです。

人間は、食事で栄養を補給して、活動することによってエネルギーを消費します。
補給するエネルギーよりも消費するエネルギーが少なければ、蓄えられる脂肪が増えるということ。

基礎代謝といって、人間は生きているだけでも無意識のうちにエネルギーを消費しています。
心臓の鼓動も呼吸も筋肉を動かして行うからで、これが体内で消費する全エネルギーの約70%を占めています。
運動で消費できるエネルギーは30%程度ですが、意識して消費量を増やせるのはここなのです。

1-3. 脂肪を燃やして体重を落とす

糖質も脂質も過剰摂取すれば余る量が多くなって太ることになりますが、体内での働き方に違いがあります。

通常時の主なエネルギー源である脂質は、体内の貯蔵量が多く、燃えるときに酸素を必要とし、なかなか火がつかずに燃えにくいという特徴があります。
糖質は燃えるときに酸素を必要としないので燃えやすく、即効性のあるエネルギーとなりますが、糖は体内での貯蔵量がとても少ないので、短時間の非常用としてしか使えません。

ですから、普通の運動には脂質が使われ、瞬発力を必要とするような筋トレなどの「無酸素運動」には糖質が使われます。
ウォーキングやジョギングなどの「有酸素運動」は、体内で貯蔵されている脂質や中性脂肪をエネルギー源とするので、短時間で痩せるためには有効なのです。

1-4. 18日間のダイエット期

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それでは、ボクシング式減量法を具体的に解説していきましょう。

ボクシング式減量法の1ステップ目は、18日間のダイエット。
カロリーを制限しながら、息が切れるような負荷の高い運動を行います。

1-4-1. 1日に1000~1500kcalを摂取

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カロリー摂取量を、男性は1500kcal前後、女性は1000kcal前後を目安にして食事制限を行います。

農林水産省が推奨する1日の食事で摂取すべきエネルギー量は、活動量が特別に多くない通常の生活で、20代から60代の男性が2200kcal前後、女性が1400~2000kcalとされますから、概ね通常の3分の2程度の摂取量に抑えるということですね。

1キロの脂肪を減らそうと思ったら、約7700kcalのエネルギーを消費しなければいけないといわれています。
ジョギングを15分やって消費するエネルギーは約100 kcalですから、計算上では19時間のジョギングが必要とされるということ。

運動でカロリーを消費するのは大変なことなのです。
だからこそ、18日間のダイエット期には摂取量を抑えて多く消費し、余らせないようにするわけです。

1-4-2. 脂肪を燃焼させる運動

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ダイエット期には、毎日エネルギー消費量の多い運動をして脂肪を燃焼させます。
運動の強さの目安は「息があがる運動」。
ウォーキングよりはランニングや水泳、ラジオ体操よりは、負荷の高い腹筋運動などの筋トレが適しています。

強い運動とされるものの、カロリー消費の目安を載せておきましょう。
体重が75キロの人と45キロの人が、1時間続けた場合の消費量で、単位はkcalです。

・サイクリング(時速10キロ)  312 / 200
・ジョギング(120メートル/分) 491 / 316
・ジョギング(160メートル/分) 663 / 424
・水泳(平泳ぎ)        768 / 491
・水泳(クロール)       1459 / 932
・腹筋運動           601 / 386

1-5. 2日間の減量期

ステップ2となる減量期は、仕上げの2日間になります。
体内の水分を排出させるので、1日か2日が限界であることを忘れないでください。

塩分をカットしながら、負荷の軽い運動で汗を絞り出します。

1-5-1. 負荷が軽い運動

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負荷が軽い運動の代表は、ゆっくりとしたウォーキングや入浴です。
サウナスーツを着て汗をかきやすくするのも効果的。
サウナや岩盤浴なども有効です。
半身浴をする場合には、浴室の温度を上げておくようにしましょう。

体重が75キロの人と45キロの人が、1時間続けた場合のカロリー消費量、単位はkcalです。
・ゆっくりとしたウォーキング 179 / 116
・通常の入浴         238 / 151
・掃除機を使って掃除     195 / 124

減量期の運動は、カロリー消費が目的ではなく、塩分を体外に排出するために行います。

1-5-2. タンパク質とカリウムを摂取

減量期の食事は、タンパク質とカリウムを多めに摂取するようにします。

細胞の材料となって筋肉を増強するタンパク質は、ローカロリーのささみ、納豆、たまご、白身魚などをしっかり摂取しましょう。

体内の塩分を水分と一緒に排出する働きがあるカリウムには、血圧を下げる効果があります。
果物ではバナナやスイカ、野菜ではアボカドやキュウリ、コンブやヒジキなどの海藻類、大豆などもカリウムが豊富です。

カリウムは尿で排出されるので、通常の食事で過剰摂取になることはありませんが、腎機能が低下しているときは注意が必要。
そもそも、腎臓や肝臓をはじめ、内臓疾患がある人は、この減量法を行ってはいけません。

1-5-3. 塩分控えめで水分を体外に出す

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減量期の1~2日間は、塩分を体外に排出する期間ですから、摂りすぎは禁物です。

しかし、塩分(体内のナトリウム)が足りていないと血液循環が悪くなって低血圧、頭痛、倦怠感や疲労感を起こし、ナトリウムが急激に減少すれば筋肉が痙攣を起こし、最悪の場合には昏睡状態に至ることもあります。
塩分排出による水抜きを2日間までとするのは、こうした理由があるからです。

通常の食事をしていれば、カロリー制限をしていても塩分が不足することはありませんが、ボーっとする、疲労感が激しいといったときには、塩分不足を疑ってください。

塩分の摂取量は1日5グラムが世界基準ですが、日本人の平均摂取量は10グラム前後となっていて、塩分過多になりがちだということも覚えておきましょう。

2. 2ステップの低糖質ダイエット

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今、糖質カットは、ダイエットのもっとも有効な手段として定着しつつあります。
テレビのCMで芸能人のビフォー&アフターを見せて有名になった企業の影響ばかりでなく、低糖質ダイエットを提唱する医師やトレーナーも増えています。

最大の理由は、医学や栄養学、脳科学といった様々な分野で、糖質や代謝にかんする新たな事実がわかり、科学的な根拠がもたらされたことでしょう。
ここでは、代表的な抵糖質ダイエットの考え方と、2つのステップを紹介します。

2-1. 目的は体質を変えて太らないようにすること

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「ボクシング式減量法」の目的が、20日間で確実に3~5キロの体重を落とすことであるのに対し、低糖質ダイエットの目的は、糖質をエネルギー源としない体づくりをして中性脂肪の蓄積を防ぐことです。

白米を主食にして1日3食の食生活をしてきた日本人は、世界でも糖質過多になりやすい国民性をもっているのです。

体内に取り込まれた糖質は、主に小腸で吸収されてブドウ糖となり、グリコーゲンという糖に合成されて肝臓と筋肉に貯蔵されます。

肝臓に貯蔵されたグリコーゲンの多くは血液中にブドウ糖として放出され、残ったものは血糖(血液中のブドウ糖の量)の調節に使われますが、この貯蔵量は約500kcal。
筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは、瞬発的に筋肉を動かすときや、酸素を使わずにエネルギーをつくらなければいけないときに使われ、その貯蔵量は約2000kcal。

脂質が体内に貯蔵されるエネルギー量は約13万5000 kcalですから、糖質の貯蔵量がいかに少ないかわかりますよね。
これは、糖質が体内で余りやすく、中性脂肪になりやすいということです。

しかも、脂質は食物繊維などによって便で排出されるのに、糖質は排出されません。
摂りすぎれば、どんどん中性脂肪を増やし、皮下脂肪に蓄えられてしまうのです。

2-2. 糖質は摂取しなくても体内で合成できる

糖質制限を問題だとする人の多くは、脳のエネルギー源が唯一ブドウ糖だけなので、糖質を摂らないと頭が働かなくなるという理由を唱えていました。
無酸素運動には糖質が使われるので、糖質が不足すれば力が出なくなるという理由もありました。

しかし、この考え方は、2つの科学的根拠によって否定されています。
ひとつは、筋肉から肝臓に送られた乳酸やアミノ酸から、ブドウ糖を合成する「糖新生」というシステムがあることです。

さらに糖新生でも間に合わなくなると、中性脂肪が肝臓で分解されて「ケトン体」という物質がつくられ、このケトン体が脳や筋肉のエネルギーになことがわかったのです。

最新の栄養学や脳科学では、糖質の摂取は人体にとって必須ではないという説が常識とされています。

2-3. 十分なタンパク質と良質な脂質を摂る

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低糖質ダイエットで重要なことは、三大栄養素のほかの2つであるタンパク質と脂質はしっかり摂らなければいけないということ。

体内に入ったタンパク質は小腸でアミノ酸に分解されて、血液によって全身に運ばれ、各部位で必要とされるタンパク質に再合成されます。
細胞の材料になり、ホルモンの原料となり、骨や皮膚、内臓など人体のすべてを構成しているのはアミノ酸だといってもいいでしょう。

人体には10万種類ものタンパク質があるといわれますが、そのもとになっているのは体内で合成されない「必須アミノ酸」9種と、体内でも合成されるので外部からの摂取が必須ではない「非必須アミノ酸」11種からすべて成り立っています。
そのアミノ酸は、食物のタンパク質が分解された物質なのです。

脂質は体にとってもっとも重要なエネルギー源であるため、小腸で吸収されると、肝臓を経由しないで全身の細胞に運ばれてダイレクトにエネルギー源となります。
脂質には、水に溶けにくい脂溶性のビタミンA、D、E、Kなどを働かせる役割や、細胞膜の材料になるという重要な役割もあります。

脂質は、常温で液体の「不飽和脂肪酸」の中でも、とくに「オメガ-3系」に分類される、青背魚に豊富に含まれるDHAやEPA、グレープシードオイルや亜麻仁油など、身体にとって良質な油からの摂取が望ましいとされています。
オレイン酸が含まれる「オメガ-9系」のオリーブオイルも良質な油ですね。

2-4. 糖質と血糖値の関係

糖質を摂取すると、ブドウ糖となって肝臓で分解され、多くは血液中に溶け込んで血糖となって全身へと送られます。

血糖の量は通常、ホルモンによって一定の範囲内に調整されています。
食事後に血糖量が多くなると、膵臓からインスリンが分泌されて、濃度を薄めることによって血糖値を下げようとし、逆に血糖の量が一定量よりも低くなると、コルチゾールというホルモンが作用して血液にブドウ糖を補給しようとするのです。

糖質過多の生活や急激な糖質摂取を繰り返すと、このシステムが壊れてしまい、糖尿病を発症します。
低糖質ダイエットには、体重を落とすということと同時に、体質を変えて血糖を安定させるという目的があるのです。

2-5. 糖質オフの代表的な2ステップ

低糖質ダイエットも、通常は2つのステップで行われます。
ボクシング式減量法とは違い、2~3カ月は続けなければダイエット効果が得られないことが多いので、焦らないことが大事。

① 徹底的に2週間ほど糖質をカットして、脂質が燃焼しやすい体をつくる。

② ストレスのない範囲で糖質をコントロールして、中性脂肪を増やさない食生活を身につける。

糖尿病でインスリン注射をしている人は、低血糖ショックを起こす可能性が高くなるので、医師と相談して進めてください。

まとめ

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「ボクシング式減量法」と「低糖質ダイエット」の違いがわかっていただけましたか?

この2つは目的が違うので、自分が何のためにどうやって体重を落としたいのかということを明確にして、実践してください。

2つのメソッドに共通しているのは、「食べずに体重を落とすのはダメ」ということ。
とくにタンパク質は、意識して摂るようにしなければいけません。

なお、こちらの記事でご紹介いたしましたWBO女子世界スーパーフライ級チャンピオン吉田実代選手のアドバイスをもっとお聞きになりたい方は、フォレスタのアプリコンテンツもぜひチェックしてみてください。

アプリコンテンツでは、ボクシングの減量法を利用したダイエットだけでなく、「逆境を跳ね返す人生の切り拓き方」なども解説する動画をご覧いただけます。

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【参考資料】

・『らくらく引き締め ボクシエット入門』 井岡弘樹 著  幻冬舎 2005年
・『ライザップごはん 決定版 おうちで簡単!』 RIZAP株式会社 著  講談社 2016年

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