3つの効果で実践する体脂肪の落とし方-脂肪を抑制する栄養素

ヘルス

ダイエットをしたいと思っている人に質問です。
「体脂肪」とは何か、理解していますか?

ぷっくり出てしまったお腹や、身体中を太らせている皮下脂肪が体脂肪だということはわかっていても、「血液中の脂肪」や「脂質と脂肪の違い」を理解している人は少ないでしょう。

「脂質」とは栄養素の呼び方で、体内に入って蓄えられると「脂肪」という呼び方に変わります。
「体脂肪」とは一般的に、脂質が体内で蓄えられた「皮下脂肪」「内臓脂肪」「血中脂肪」をさす言葉。
こうした体脂肪が多く蓄積すると、太ってしまうだけでなく、高血糖、高血圧など健康面でもいろいろな問題を生じることになります。

体脂肪を増やさない第一の基本は、摂取カロリーが消費カロリーを上まわらないこと。
しかし、それだけでは体脂肪を減らすことがなかなかできません。

ここでは効果的な体脂肪の落とし方として、「脂肪の燃焼を活性化する」「脂肪の分解を促進する」「脂質の吸収を抑える」という3つの効果をもつ成分の摂り方を紹介します。

体脂肪を落とす3つのヒント

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脂肪の「摂取と消費」という基本を実践に落とし込むと、「食事と運動」ということになります。

まず、体脂肪の落とし方を理解するヒントとして、「体脂肪を落とす食事の摂り方」、「体脂肪を落とす運動の方法」、さらに「女性と男性における体脂肪の傾向」という3点を解説します。

効果的な体脂肪の落とし方は、この3点を理解していなければ実践できません。
なぜ三大栄養素の摂り方が大切なのか、なぜ運動の中で筋トレが重要なのか、しっかりと把握しておきましょう。

食事における三大栄養素の摂り方

三大栄養素と呼ばれる「糖質」「脂質」「タンパク質」は、すべて体内でエネルギー源になります。

簡単に体内での役割を説明すると、炭水化物から食物繊維を除いた「糖質」はすぐに使える燃えやすいエネルギー、脂質は熱効率の高いメインエネルギーであり、細胞膜やホルモンの材料になる物質。

タンパク質は体内でアミノ酸に分解され、細胞やホルモンの材料となって身体をつくるという重要な役割があるので、糖質がなくなったときの非常用エネルギーや、糖質や脂質が吸収される小腸での限られたエネルギー源となります。

糖質はエネルギーになる以外に主な働きはありません。
糖質が肝臓で合成されるエネルギー源「グリコーゲン」の貯蔵量は肝臓で500キロカロリー程度、全身の筋肉の蓄えられる量が2000キロカロリー程度であり、脂質が体内で蓄えられる体脂肪の量が13万キロカロリー以上であることを考えると、とても少ないのです。

ですから貯蔵できない糖質は中性脂肪となり、体脂肪として蓄積されてしまいます。
糖質の過剰摂取が問題視されるのは、ここに理由があります。

体脂肪の落とし方で重要な三大栄養素の摂り方は、十分なタンパク質と、余分なコレステロールを回収する「HDLコレステロール」を増やす良質な脂質を毎日摂取することと、糖質の過剰摂取を抑えること。

体内のエネルギー源として糖質が足りなくなっても筋肉でできる乳酸とアミノ酸からブドウ糖が合成される「糖新生」というシステムや、中性脂肪が肝臓で分解されてつくられる「ケトン体」と呼ばれる物質が脳や筋肉のエネルギー源となるので、糖質の摂取は必要ないとする学者もいますが、筋肉を減らしてしまうと逆効果になるので、気をつけなければいけません。

筋トレで新陳代謝を上げる

体脂肪の落とし方であげられる代表的な運動には、「有酸素運動」と「筋トレ」があります。

両者の決定的な違いは、有酸素運動は酸素を使って脂肪を燃焼させることが主な目的であるのに対し、筋トレの目的は酸素を使わずに糖質を燃焼させること。
糖質がエネルギー源になるときは酸素が必要ないので、無酸素運動とも呼ばれます。

近年、息が切れない程度の軽い有酸素運動を1日に2~3回行う運動法が、活性酸素を増やしすぎずに脂肪を燃焼させ、自律神経も安定させるので健康によいといわれるようになりました。
一方の筋トレは、糖質を効果的に燃焼させる以外にも、新陳代謝を上げる手段として注目されています。

アスリートの体脂肪率が低いのは、筋トレをすることで中性脂肪を増やす大きな原因となる糖質を燃やしていることだけが要因ではありません。
身体中の筋肉を増やすことによって、新陳代謝を活性化することの意味が大きいのです。

生命維持に欠かせない心拍や呼吸などは意識せずに行っていますが、これらはすべて筋肉が動くことで成立。
しかも、こうした無意識に行われている新陳代謝によるエネルギー消費は、運動を含めた全活動において、なんと総エネルギー消費量の約70%にも達するのです。
ですから、筋トレで効果的に筋肉を増強すれば、無意識のうちに大量のエネルギー消費ができるということなのです。

男性ホルモンと女性ホルモンの影響

男性と女性では身体の構造が違うために、体脂肪のつき方も異なります。
男性は、内臓脂肪過剰による「リンゴ型肥満」が多く、女性は皮下脂肪過剰による「洋ナシ形肥満」が多い傾向にあります。

内臓脂肪肥満では、糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病を引き起こすリスクが高まるのに対して、皮下脂肪肥満では動脈硬化や糖尿病を引き起こすリスクは低くなるものの、やはり血液中に放出される中性脂肪の量は多くなり、関節痛や睡眠時無呼吸症候群、女性の月経異常や不妊につながります。

月経サイクルを正常化する「プロゲステロン」という女性ホルモンや、骨や筋肉を強くしたり、生殖機能や集中力を高める「テストステロン」という男性ホルモンは、体脂肪と切り離して考えることはできません。

女性の排卵から月経までの2週間は栄養や水分を体内に溜め込むプロゲステロンが多くなり、体脂肪を落としにくい時期。
逆に月経の中盤から排卵までの2~3週間は女性ホルモンの影響を受けにくいので、体脂肪を落とすのに適した時期です。

肥満になるとテストステロンが少なくなることがわかっており、筋肉を減らしてしまうので体脂肪を増やす悪循環に陥ってしまいます。

体脂肪の増加を抑制する栄養素

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体脂肪の落とし方で4つ目のヒントともいえるのが、体脂肪の増加を抑制する成分をサプリメントなどで摂取する手段。

ドラッグストアには、ダイエットを目的とするサプリメントが何種類も並んでいます。
体脂肪を減らすという目的は同じでも、その成分には「脂肪の燃焼を活性化する」「脂肪の分解を促進する」「脂肪の吸収を抑える」という3つの効果があるのです。

自分の体脂肪はどのように過剰なのか、自分の体質に合うのはどのアプローチなのかということをよく考えてから選びたいもの。
とはいえ、どの製品の相性がいいかということは、実際に飲んでみて判断するしかありません。

最近は異なる効果の成分を混合しているものも増えていますから、3つのヒントを理解した上で自分に合うものを見つけてください。

脂肪の燃焼を活性化する効果

① カルニチン

カルニチンは体内ではつくることができない必須アミノ酸の一種で、中でも「L-カルニチン」と呼ばれる成分は、脂質がエネルギー源として代謝されるときに必要とされ、運動時に摂取すると脂肪燃焼効果が上がるという特徴があります。

カルニチンが多く含まれる食材は、牛の赤身肉、魚肉、鶏肉、牛乳などの動物性食品で、肉の色が赤ければ赤いほど含有量が多くなります。
ラム肉やマトン肉も、カルニチンが多く含まれる食材です。

サプリメントを選ぶ際には、α-リポ酸と一緒に摂ると相乗効果で脂肪燃焼はさらに活性化されることを覚えておきましょう。

② コエンザイムQ10

活性酸素を除去する抗酸化物質として知られるコエンザイムQ10は、細胞内のミトコンドリアに存在して、脂肪酸のエネルギー代謝に必要な酵素を助ける働きがあります。

コエンザイムQ10は加齢とともに減少してしまうことがわかっており、年齢を重ねていくと脂肪燃焼の活性が落ちる原因になっています。
そこで、積極的に摂取して衰えをカバーすることが目的。

食材では、青背の魚、豚肉、牛肉、ピーナッツ、アーモンド、ゴマ、大豆などに含まれていますが、吸収効率が低いのでサプリメントで摂取する人が増えています。

③ α-リポ酸

α-リポ酸は、カルニチンと同様、細胞内のミトコンドリアに存在する補酵素のひとつで、とくに糖質のエネルギー代謝に強く働く性質をもっており、糖質と脂質の両方の燃焼効率を高めるのが特徴。
最近は、コエンザイムQ10を混合したサプリが増えています。

α-リポ酸は体内でも合成されますが、これも加齢とともに減少していきます。
食材では牛や豚のレバー、ニンジン、ホウレンソウ、ブロッコリー、トマトなどに含まれているものの微量なので、サプリメントによる摂取が効果的な成分です。

④ 茶カテキン

抗酸化成分として知られるポリフェノールの一種である茶カテキンは、緑茶や抹茶に多く含まれています。

近年では、高濃度の茶カテキンに脂肪燃焼を活性化させる働きがあることもわかり、「トクホ(特定保健用食品)」として飲料が販売されているので、知名度が上がりました。

茶カテキンは、体内で吸収されると血液中に混ざって肝臓に運ばれ、肝細胞の脂肪代謝を活性化させます。

⑤ HCA(ガルシニア)

HCAとは、ハイドロキシクエン酸の略で、細胞内のミトコンドリアで生成されるクエン酸と似た構造をもち、細胞内に入ると、クエン酸に代わってATPクエン酸リアーゼという酵素と結合します。

クエン酸とATPクエン酸リアーゼが結合すると、脂肪燃焼を阻害する作用が生まれるので、この結合を阻止して脂肪燃焼を活性化させることができるのです。

HCAは、東南アジアなどでスパイスとしてよく使われるガルシニアという果実の皮に含まれている成分なので食材から摂ることが難しく、サプリメントによる摂取が一般的。

脂肪の分解を促進する効果

① フォルスコリン

フォルスコリン(またはフォースコリン)は、古代からインドで滋養強壮の伝統医薬として用いられてきたシソ科の多年草「コレウス・フォルスコリ」の根や葉に含まれる成分。

体内で吸収されると、細胞内にあるアデニル酸シクラーゼという酵素を活性化して、体脂肪を脂肪酸に分解する作用を促進します。
体脂肪が細胞酸になることによって、エネルギー代謝が行われるのです。

コレウス・フォルスコリンは、インドやネパールに自生している植物なので食材からフォルスコリンを摂ることは難しく、これもサプリメントによる摂取が一般的です。

② CLA(共役リノール酸)

リノール酸は、「オメガ-6系」と呼ばれる不飽和脂肪酸のひとつで、コレステロールを減らす働きで知られますが、摂り過ぎるとHDLまで減らしてしまうので摂取量に注意しなければいけない成分。

共役リノール酸は、リノール酸の異性体(炭素、酸素、水素の数は同じだが別の物質)で、発見されたときは「がん抑制物質」として注目されました。
健康への効能が研究されると、脂肪細胞の中にある脂肪分解酵素を助ける働きや、脂肪を溜め込む作用を抑制する働きがあることがわかったのです。

サプリメントも販売されていますが、牛乳やチーズなどの乳製品、牛肉などから摂取することが可能です。

③ カフェイン

コーヒー豆、カカオ豆、茶葉などに含まれるカフェインは、興奮作用や利尿作用で知られる成分。

このカフェインには、共役リノール酸と同じように脂肪細胞の中にある脂肪分解酵素を助ける働きがあります。
また、交感神経を刺激するので食欲抑制作用も望めます。
さらに、運動前に接収すると、軽い運動でも体脂肪の代謝が促進されることがわかっています。

コーヒーやチョコレートから手軽に摂取できる成分ですが、過剰摂取には気をつけなければいけません。

④ カプサイシン

韓国料理などで知られるカプサイシンは、唐辛子の辛味成分で、小腸で吸収されると脳まで運ばれてアドレナリンの分泌を促進します。

神経伝達物質やホルモンとして働くアドレナリンには、脂肪分解酵素の活性を高めて体脂肪の分解を高める働きがあり、カプサイシンを運動前に摂取すると、より体脂肪の分解効率を高めます。

辛い唐辛子ほど多く含まれるカプサイシンは体温を上げるので新陳代謝を高めますが、胃液の分泌を促して食欲増進効果があることも知っておきましょう。

脂質の吸収を抑える効果

① 難消化性デキストリン

ダイエットや腸活を目的とする成分として「おからパウダー」とともに注目された「難消化性デキストリン」は、デンプンに含まれている水溶性食物繊維の一種。

トウモロコシのデンプンを加水分解し、難消化性成分を抽出したもので、体内で消化されにくい性質をもち、低粘性・低甘味で水に溶けやすく、粘性をもった溶液はほぼ透明という特徴があります。

体内の水分で粘性をもち、糖質や脂質に吸着して取り込むので、消化吸収されずに排出させることができて、体脂肪の蓄積を防ぐことが可能。
難消化性デキストリンは様々な食品に利用され、その多くは消費者庁許可による特定保健用食品に認定されています。

② 烏龍茶ポリフェノール

烏龍茶特有の成分である烏龍茶ポリフェノールは、正式名を「烏龍茶重合ポリフェノール」と呼び、茶葉を半発酵させる過程でカテキン類が結合したもの。

抗酸化成分として知られるポリフェノールですが、烏龍茶ポリフェノールは小腸で脂肪を吸収しやすくする酵素の働きを阻害する作用があるため、脂質と一緒に摂取することによって脂質の吸収を抑え、体脂肪を落とす効果が望めるのです。

近年は、特定保健用食品として、烏龍茶ポリフェノールをとくに多く配合した飲料が販売されているので、ご存じの方も多いでしょう。

まとめ

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食事やサプリメントによって、手軽に実践できる体脂肪の落とし方を解説してきました。
冒頭で説明したように、効果的な筋トレを同時に行うことによって相乗効果が得られますが、効果的に体脂肪を落とす筋トレの方法は、ジムなどで専門家のアドバイスを仰ぐことをおすすめします。

最後に、毎日の食事で食べる順番を変えることだけでも体脂肪の蓄積が抑えられることを5つ目のヒントとして紹介しておきましょう。
そのポイントは、まず水溶性植物繊維が豊富な海藻類から食べること。
難消化性デキストリンで解説したように、水溶性食物繊維を先に摂取することによって糖質や脂質の吸収を抑えることができます。

【参考資料】
・『筋肉をつくる食事・栄養パーフェクト事典』 岡田隆、竹並恵里 監修  ナツメ社 2018年
・『オトナ女子のための食べ方図鑑』 森拓郎 著  ワニブックス 2016年
厚生労働省「eJIM」サイト

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