孤独感を楽しむ16のヒント-ネガティブイメージからの脱出方法

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孤独を恐れて、これからの自分に不安を感じることは誰にでもありますよね?

孤独感は一般的に英語で”loneliness”と訳されますが”solitude”という言葉が使われることもあります。

20世紀前半に活躍したドイツの神学者ポール・ティリッヒの名言に次のようなものがあります。

Language has created the word “loneliness” to express the pain of being alone. And it has created the word “solitude” to express the glory of being alone. 

「言語は1人でいることのさびしさを表すために”loneliness”という言葉をつくった。一方、1人でいることの喜びを表すために”solitude”という言葉をつくった」

孤独には、「孤独死」や「ひとりぼっち」といったネガティブなイメージが定着しているために、孤独感を恐れる人が多いのですが、1人でいることにはいろいろな喜びもあります。

もし孤独感が不安を生んでいるとしても、考え方ひとつで楽しみに変えてしまうことも可能なのです。

近年は「孤独」をテーマとした書籍が何冊も話題になりましたが、ここではそれらの本の中から、孤独感のネガティブなイメージを解消して、1人でいることを楽しむためのヒントとなる考え方を紹介しましょう。

目次

孤独感を楽しむ16のヒント

① 孤独のストレスは楽しむことで消える
② 孤独と孤立の違いを理解する
③ 絆を失わず孤独を楽しむ高齢層
④ 孤立が怖い若年層
⑤ 他人に期待しなければいい
⑥ 人は人、自分は自分でいい
⑦ 孤独は自分を磨く時間
⑧ 最初と最後は誰でもひとり
⑨ 実は誰もが孤独にあこがれている
⑩ たまには行方不明になってみる
⑪ 自分との対話が人生を面白くする
⑫ 二面性があっていい
⑬ さびしいときはさびしいといえばいい
⑭ 日常に見つける小さな幸せが重要
⑮ つくり笑顔こそ人間関係の潤滑油
⑯ 大勢の中にいても自分を失わない

まとめ

孤独感を楽しむ16のヒント

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① 孤独のストレスは楽しむことで消える

孤独感が、「怖い」「辛い」といったストレスになるしくみを知りましょう。

ストレスとは、五感で受けた刺激に対する脳の反応。
視覚や聴覚で自分はひとりだという情報を受け取り、その信号が脳に伝わって記憶と交差し、さびしいという感情を生み出すのです。

ストレスのもととなる刺激は、自分の意志とは関係なく降り注ぐものですから、なくしたり消したりすることはできません。
ですから、一度、怖いとか辛いという感情が生まれたら、消そうとしても逆効果。
ストレスは消そうとか忘れようと考えると、原因になっている刺激を思い出してしまうので、余計にストレスをためてしまうのです。

こういうときは、楽しいことや心地よいことをすれば、マイナスの感情を忘れることができます。
「そんな方法は一時しのぎだ」と思われるかもしれませんが、この一時しのぎが大事。
一瞬でも忘れることができれば、ストレスは大幅に軽減されます。

② 孤独と孤立の違いを理解する

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「孤立」は「孤独」の類語のように思われている人も多いのですが、まったく意味が違います。

「孤立」とは、ほかの人たちと離れてつながりのない状態で、昨今は中年世代に増えていると話題の「ひきこもり」が孤立にあたります。

いっぽう「孤独」とは、あくまでも精神状態の話ですから、大勢の人の中にいても「孤独感」をもっている場合があります。
ひとりでいることを積極的に楽しもうとするのも「孤独」です。

孤立してしまうと社会性を失うので、ますます孤立を深めていくことに。
自らすべての人間関係を絶ってしまっては、社会で生きていくことはできません。
孤立せずに、孤独を楽しむことが重要なのです。

③ 絆を失わず孤独を楽しむ高齢層

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『孤独のすすめ』『孤独の力』など、人生後半の孤独をテーマとした著書がベストセラーになっている作家の五木寛之さんは、今の若者と高齢者の孤独は同じ尺度で測れないと語っています。

若者が求める孤独は、つながっていたいけど濃密な関係は避けたいという願望であるのに対し、高齢者の場合は、社会の絆の中で自由に生きたいという願望だといいます。

かつての日本には、会社では組合があったり、隣近所の付き合いがあったりして、どこにいても絆でつながりながら生きていたのですが、そういう社会で生きてきた高齢層が、もうこれからは自由気ままに生きたいという気持ちから孤独を選ぶのです。

実際に「独居老人」などといって一人暮らしの高齢者が増えているのは、社会性は失うことなく自由気ままに暮らしたいと考える人が増えているからで、若者よりも高齢層の方が孤独を楽しんでいるという現実があります。

④ 孤立が怖い若年層

つながっていたいけど濃密な関係は避けたいと考える風潮は、インターネットが後押しするような形で拡大しています。

若年層がもっとも恐れているのは、イジメ問題でもクローズアップされる「疎外感」。
孤立するのが怖くて周りの人たちとつながってはいたいけど、面倒な人間関係には巻き込まれたくないと考える人が多いのです。

電話で会話するのはプレッシャーがあるけど、メールだったら気持ちを表せる。
実際に会わなくてもSNSでつながっているほうが、楽な関係でいられる。

こうした風潮は、孤独感を楽しんでいるように見えても、人間関係や社会性を拒否しているので、孤立へと移行することがあります。
孤立したくなかったら、自ら積極的に人と接することはしなくても、心の扉は開いておく必要があるのです。

⑤ 他人に期待しなければいい

つながっていたいけど濃密な関係は避けたいと考える人ほど、他人から評価されたいという「自己承認の欲求」が強いといいます。
SNSの「イイネ」は、そうした現代的な孤独を好む人たちが、お互いに慰め合っているようには見えないでしょうか。

『極上の孤独』『家族という病』などの著書で、高齢者は孤独を楽しむべきと提言する下重暁子さんは、他人に期待せず、自分に期待しているといっています。

他人に期待しすぎたら裏切られるのは当たり前。
家族だって他人だといいます。

人生は何があっても自分の責任なのですから、自分に対する期待はどんなに大きくてもいいのです。

⑥ 人は人、自分は自分でいい

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『島耕作』シリーズや『黄昏流星群』で活躍を続ける漫画家の弘兼憲史さんは、多くの著書で孤独を肯定しています。

人間は生まれたときからそれぞれの人生があり、向き不向きといった特性があるのは、違う環境に生まれているのだから当然で、決して世の中は平等ではありません。
だからこそ、個性を伸ばすことが大事。

幸せの形もみな違うのだから、他人からどう思われようが「人は人、自分は自分」でいい。

弘兼さんは、孤独な時間や空間を大切にすることが、個性を伸ばすことになり、しいては人生を楽しむことにつながるといって、群れることを否定しています。

⑦ 孤独は自分を磨く時間

『孤独を楽しむ本』を出版されているイラストレーターの田村セツコさんは、「孤独は自分を磨く時間」だといっています。

孤独感を感じているときにどう過ごすかという問題に対して、この世の中にあふれる素晴らしい物事をキャッチするアンテナをくもらせないために、ピカピカに磨いておく時間だと提案しています。

自分のアンテナを磨くもっともよい方法は「気分転換」で、旅に出るのもよければ、そんな時間のないときには椅子から立って動作を変えるだけでもいいし、ドアを1歩出るだけでもアンテナを磨くことができます。

⑧ 最初と最後は誰でもひとり

五木寛之さんをはじめとして、孤独を肯定する多くの著者がいっていることに、「人間はひとりで生まれて、ひとりで死んでいく」、最初と最期は誰でもひとりなのだという言葉があります。

双子で生まれてきたとしても、兄弟は別の人間ですからお互いにひとり。
死ぬときは周りに人が大勢いたとしても、誰もが孤独の中で死んでいくのですから、孤独を恐れる必要はどこにもありません。

人間は本来が孤独な生き物なのです。
孤独とは、「個」を求めるということ。
群れる群れないという問題ではなくて、集団の中にいても「個」を確立したい生き物だということです。

⑨ 実は誰もが孤独にあこがれている

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孤立を恐れる一方で、孤独にあこがれているのが、現代人の特徴です。
疎外感を恐れる風潮が広まっていますが、いつも誰かと一緒にいたら自分を知ることができません。

孤独になることによって、自分を知ることができて「個」を確立できるのです。

だから、ひとりになれる時間があったら、それは自分にとって大事な時間。
少々さびしい感情はあったとしても、有効に使わなければもったいないと思いませんか?

「一度きりの人生なのだから、楽しまなければもったいない」というのは、弘兼憲史さんの著書によく出てくるフレーズですが、孤独感だって楽しまなければもったいないのです。

どうしてもさびしくなったら、SNSではなくてリアルに誰かと会えばいい。
誰も会える人がいなかったら、つくればいいのです。
会って言葉を交わすことによって、お互いに孤立していないという存在確認ができます。

⑩ たまには行方不明になってみる

孤独感を楽しむためには、たまに社会から外れてみることも大きな意味があります。

過去に「放浪」や「蒸発」が流行した時代がありました。
すべてのしがらみから自由になって生きてみたいという願望は、誰の心の奥にも潜んでいるものでしょう。

家族を悲しませるとか、事件になってしまってはいけませんから、本格的なものではなくて「プチ家出」や「プチ蒸発」で、自分と向き合う時間をつくるのがいいですね。

子どもの頃に、親に叱られて家を飛び出したものの行く所もなくて、家出した気持ちで近所で時間を過ごしただけなのに、やけに気持ちがスッキリした思い出はありませんか。

「今日はあてのない旅をしてくるよ」と家族に行って、行先を告げずに日帰りひとり旅をするだけでも孤独感を楽しめる1日になるはずです。

⑪ 自分との対話が人生を面白くする

子どもの頃の「プチ家出」で気分がスッキリしたのは、自分と向き合う時間をもてたからです。
人間にとって、自分を知ることがいかに大事なことかは、大人になってわかります。

少し哲学的な話になりますが、自分と対話して自分の心の声を大切にすることが、人生を豊かなものにする秘訣だといわれます。

なぜ自分はこうするのか、なぜ自分はこっちを選ぶのか、そうした自分の中の判断基準や好き嫌いを意識することによって、自分がどう生きたいのかという人生の展望が見えてきます。

⑫ 二面性があっていい

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修行をするのでもなければ、孤独をどう楽しもうと自由なのですから、あまり自分を追い込むような考え方はやめましょう。
かえってストレスを溜めることになってしまいます。

自分が置かれている環境の中で、できる範囲の孤独を楽しめばいい。
会社では組織の中の一員として生きる自分がいて、就業時間になって会社を1歩出たら孤独感を心ゆくまで味わう自分がいるという二面性があっていいのです。

外に向かう自分と、内に向かう自分。
五木寛之さんは、人間にはそうした二面性がとても大事だといっています。

⑬ さびしいときはさびしいといえばいい

孤独感のマイナス要素である「さびしい」という感情は、消そうとしてなくせるものではありませんから、楽しいことをして忘れしまえばいいと前項で書きました。
ですが、さびしいと感じている自分と向き合ってみるのも、孤独で自分を磨くひとつの方法です。

一番いいのは、「さびしい」といえる相手がいること。
相手に何かを求めるわけではなく、ただ聞いてもらえるだけでいいのです。
自分を解放することによって、ストレスから楽になることができます。

「さびしい」といえる相手がいなかったら、ただ声に出すだけでも自分を解放して少し楽になることが可能。
自分の気持ちを外に向けて発信するという点では、SNSが役に立つこともあります。

⑭ 日常に見つける小さな幸せが重要

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日常の孤独を楽しむ要素はたくさんありますが、感じ取ることができなければ楽しむことはできません。
無数にある小さな幸福に気づくか気づかないかで、人生の幸福度はまったく変わってくるのです。

弘兼憲史さんは、生活の中で当たり前にやっている事柄をほんの少し変えてみるだけで、発見や感動があり、それが人生を楽しむスパイスになると語っています。

いつも歩いている道を1本変えてみるだけで、見える景色が変わります。
朝起きてからはじまる毎日の行動をちょっと変えてみる、たとえば歯ブラシを変えてみるとか、コーヒーを紅茶に変えてみるとか、ひとりでやっていることをちょっと変えてみるのです。

無意識にやっていることをあらためて見直してみると、自分と向かい合うこともできて、小さな幸せを見つけることができるかもしれません。

⑮ つくり笑顔こそ人間関係の潤滑油

社会性を失わずに孤独を楽しもうとすれば、組織の中でうまくやっていきたいけど、重荷になるような人間関係は避けたいと考えるのは当然のことでしょう。

働き方改革が実施されて、職場の人間関係のあり方は大きく変わってきています。
組織の中でも「個」を大事にする、いいかえれば孤独の重要性を認めるように社会が変わっているのです。

そうした流れの中で良好な人間関係を築くためにもっとも大事なことは、誰からも不快感をもたれないようにすること。
すべての人と深い関係になる必要はまったくありませんが、集団の中で誰からも嫌われないようにすることは、対極にある孤独を楽しむアドバンテージになります。

何も難しいことではなく、日ごろから笑顔を意識するだけで、人間関係はスムーズになります。
口角を上げる「つくり笑顔」でOK。
表情筋という顔の筋肉が笑顔の形になることで、脳内では「幸福ホルモン」とも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンが分泌されるので、自らも幸福感を得ることができます。

⑯ 大勢の中にいても自分を失わない

shutterstock_675370507五木寛之さんは、「大勢の中にいても自分を失わないこと」が孤独を楽しむコツだといっています。

外に向かう自分と、内に向かう自分の両面を大切にして生きる。
そうすれば、孤独感をネガティブなものから楽しいものへと変えることができるのではないでしょうか。

社会から孤立して、孤独感に苛まれている人がいるいっぽうで、「ひとりメシ」「ひとり旅」など、孤独はブームにもなっています。
社会とのつながりを維持しながら、ひとりの時間や空間も大事にするという生き方で、孤独感を楽しみ、自分の個性を活かしましょう。

 

まとめ

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孤独感が、さびしさや疎外感といったマイナス要素だけでないことをイメージできましたか?

今、孤独が自分を磨き、人生を豊かなものにすることに気づき、ひとりの時間を大切にしている人が増えているのです。

ストレスを軽減するのも、孤独感をプラスに変えるのも、五感で受ける刺激がポイントになります。
その点、SNSやEメールなどインターネット上のつながりは刺激が弱いもの。
よりよく孤独を楽しもうとするのであれば、動いて、見て、聴いて、触って感じるというリアルな刺激が欠かせません。

こもるのではなく、行動して感じる孤独の楽しさが、幸福感をもたらすことでしょう。

【参考資料】
・『孤独のすすめ』 五木寛之 著  中央公論新社 2017年
・『続・孤独のすすめ』 五木寛之 著  中央公論新社 2019年
・『孤独をたのしむ本』 田村セツコ 著  興陽館 2018年
・『50歳からの時間の使い方』 弘兼憲史 著  興陽館 2018年

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