3つのステップで不安を取り除く方法-強くなろうとしないコツ

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shutterstock_1051317908不安のない毎日を過ごしたいと思っていても、自分で不安な気持ちを取り除くというのは難しいことですよね。

不安な気持ちを消そうとすると、不安の要因から離れられないのでますます不安になり、悪循環にはまってしまうのです。

この「不安のスパイラル」に陥ると、うつ病やパニック障害といった病気へと悪化するケースも珍しくありません。
ですから、その前段階におけるケアが重要。

日常生活において、何かが心配になることは誰にでもあります。
これが頻繁になるのが「心配性」。
不安の入り口はここにあります。

ここでは、心の症状を「心配性」「不安とうつ」「パニック障害」という3つのステップに分けて、自分でできる不安な気持ちを取り除く方法を解説します。

英語では、「anxiety(将来起こりそうなことに対して心配すること)」「fear(悪いことが起きるのではないかと恐れること)」「panic(突然襲う恐怖)」という3ステップになります。

目次

1. 心配症
1-1. 性格を変えようとせずに考え方を変える
1-2. 没頭できることを見つけて目の前の今を生きる
1-3. 質の良い睡眠でストレスを減らす
1-4. 食生活で心配性を軽減する
2. 不安と「うつ」
2-1. 不安の裏にある願望を見つける
2-2. 願望を満たす方法があるか考えてみる
2-3. 何のための願望か考えてみる 
2-4. 今できる方法に目を向ける
3. パニック障害
3-1. 自分に原因があると思わない
3-2. パニック発作を怖がらない
3-3. 安心できる相手を大切にする
3-4. プラス刺激でプラス思考
まとめ

1. 心配症

shutterstock_504503152日本人には心配性の人が多いといいます。
この要因のひとつに、不安遺伝子の存在があげられています。

うつ病やパニック障害の原因は、脳細胞間で情報を伝える神経伝達物質の働きが正常でなくなること。
神経伝達物質の中でも、精神に安定をもたらし、感情をコントロールする役割をするセロトニンはもっとも関係が深い物質です。

脳細胞と脳細胞とのすき間にセロトニンが放出されて情報が伝わるのですが、その量を調節しているのはセロトニントランスポーターというタンパク質で、量を少なくしろという命令を出すのが不安遺伝子です。

日本人は、この不安遺伝子をもつ人が世界で一番多いといわれているのです。
ですから、脳内のセロトニンを積極的に増やして、心配性の段階で、脳内の問題を解消していくことが大事なのです。

1-1. 性格を変えようとせずに考え方を変える

「なんで私はこんなに心配症なのだろう」
そう考えることが、また心配の種になります。

性格の問題だから、心配する性格を変えようとするのは間違い。
人間の性格は、簡単に変わるようなものではありませんし、そもそも性格の問題ではないのです。

いろいろなことを心配するのは、自分がやさしさや繊細さをもっている人間だから仕方のないことだと考えてみませんか。
自分は心配しやすい人間だという現実を受け入れてしまうのです。

そして、心配して疲れやすい人間なのだから、そうでない人よりも自分を癒すことが必要とされるのだと考えましょう。
ついマイナスの方向へと向かいがちな思考を、少しでもプラスの方向へ向けることで、脳の負担が軽くなっていくはずです。

1-2. 没頭できることを見つけて目の前の今を生きる

意識的にセロトニンを増やす方法には、リラックスすることや、心地よいことをする、好きなことをして楽しむといったものがあります。

心地よいことや楽しいことに没頭すると、脳はストレスを忘れてしまうのです。
そういわれると、心配の種を忘れてしまうことが、また心配になるかもしれません。
この悪循環を断ち切ることが、過度な心配を取り除く最善の方法なのです。

どんなに考えても変わらないことを心配しても、時間と労力のムダ。
だから、忘れようとがんばるのではなくて、自分でも気づかないうちに忘れてしまう方法を考えましょう。

何が心地よいことか、何に没頭できるのかということは個人差がありますが、そういうものを多くもっている人の方が、心配もストレスも減らすことができるのです。

1-3. 質の良い睡眠でストレスを減らす

脳内のセロトニンを増やすためには、生活習慣の見直しが効果的で、その中でも睡眠の質を上げることは様々な面でメンタルヘルスに好影響を及ぼします。

質の良い睡眠は、1回目2回目のレム睡眠では目覚めずに、起床するときはレム睡眠のタイミングで起きるのが大事なポイント。
人間の睡眠は眠ってから90分後くらいに、脳が起きているレム睡眠という状態が起こります。
「レム」とは眼球がグルグル動く現象のことで、脳も休んでいる状態を「ノンレム睡眠」と呼びます。

90分程度がワンサイクルとなって、ノンレム睡眠の合間にレム睡眠が訪れるのですが、1回目や2回目のレム睡眠で目覚めてしまうと、睡眠が深くなりません。
深い眠りの後で、4回目か5回目のレム睡眠で起きるとスッキリ目覚めることができます。

1-4. 食生活で心配性を軽減する  

「心配や不安を取り除く食べ物」などという魔法の食べ物はありません。
しかし、心配がストレスとなることを防ぐ身体づくりに効果的な食べ物があります。

食べ物のポイントは2つ。
心拍、呼吸、血圧といった生命維持に欠かせない身体機能をコントロールしている自律神経のバランスを整えることと、セロトニンの材料になるトリプトファンという成分を意識的に摂取することです。

自律神経を整える栄養素には、タンパク質全般、亜鉛、ビタミンB6、ナイアシン(ビタミンB3)などが知られ、女性には鉄分も大切な栄養素。
トリプトファンが多く含まれる食材には、豆腐、納豆、味噌、醤油といった大豆製品、牛乳、チーズ、ヨーグルトといった乳製品、ナッツ類、卵などがあります。

新しい細胞をつくるのに欠かせない十分なタンパク質、善玉コレステロールを増やす良質な脂質を摂り、糖質の摂取に気をつけなければいけないことは、健全な精神が宿る健康な身体づくりの基本です。

2. 不安と「うつ」

shutterstock_255590680心配性という段階では、精神的な影響がまだそれほど大きくありません。
リラックスしたり楽しみを見つけたりすることで、マインドの改善もできますし、生活習慣の見直しでストレスを軽減することも可能です。

しかし、「心配」な状態が続き、さらに深くなって「不安」が続くようになると、精神的な影響だけでなく、身体的な悪影響も現れます。

不安が続き、日常的に憂うつな気分になるのが「うつ」という状態で、日常生活や人との接触に大きな影響が出るようになると、「うつ病」と診断されるのです。

不安が続くようになったら、不安の要因と向き合わなければいけません。
重度であればカウンセリングなどを受けて、重荷になっている要因を調べてもらうことも大事ですが、軽度のうちは自分と向き合って解決していくことも可能です。

2-1. 不安の裏にある願望を見つける

不安になる背景には、必ずなんらかの願望があります。
その隠れた願望を見つけるためには、自分と向き合う必要があるのです。

「何かをどうにかしたい」「誰かにこうなってもらいたい」「こうなりたい」「目標を達成したい」といった願望があって、それが理想の形に届かないために不安を抱くのです。

願望や目標は人間が成長するために必要なものですが、いつまで経っても理想像に近づけなかったり、実現不可能なものを追い続けたりしていれば、自分を責めることに。
だから、願望や目標は実現可能なものであることが大事だといわれるのです。

不安を抱く要因となっている願望がわかれば、解決の糸口を見つけることができるでしょう。

2-2. 願望を満たす方法があるか考えてみる

願望が何かわかったら、達成する方法はあるのか、冷静に考えてみましょう。
不安の原因だからと逃げず、自分を変えずに願望を満たす方法を考えてみるのです。

ここで、「どうせ自分にはできないこと」「できなくてもかまわない」と諦めてしまうのは、願望を放棄しているだけ。
これは、願望から目を背けている状態で、いつまでも願望を意識してしまいます。
これでは根本的な解決にはなりません。

今のままでは実現不可能でも、目標値を下げて達成できるものであったら、実現可能な範囲に願望を修正すればいいのです。

そこで達成できる「自分」は、以前より低いものになったとしても、実現できなければそれはゼロで、しかも不安の種。
小分けであっても、目標値が落ちても、願望が達成できれは喜びに変わるのです。

2-3. 何のための願望か考えてみる

不安の裏に隠れていた願望が実現不可能なものであったら、それはいったい何のための願望なのか考えてみましょう。
人間のあらゆる願望のほとんどは、突き詰めていくと、「幸せになるため」の願望であるといわれます。

「一流企業で働きたい」という願望があったとしましょう。
一流企業で働けないことが不安の種になっているのです。
なぜ、一流企業で働きたいのでしょうか。
「年収1000万円を目指したいから」
なぜ、高収入を得たいのでしょうか。
「タワーマンション住みたいから」
なぜ、タワーマンション住みたいのでしょうか。
というように、その上位にある願望を突き詰めていくと、最後は「幸せになりたいから」という願望に行きつくのです。

2-4. 今できる方法に目を向ける

「できそうもないこと」を追い求めるのではなくて、「自分にできること」に目を向けて、小さくても願望を達成するように生きることが、不安を取り除く秘訣です。

幸せになる方法はひとつではありません。
タワーマンションに住まなくても幸せな生活ができるかもしれませんし、年収が1000万円なくてもマンションに住む方法はあるかもしれません。
世間で一流企業と呼ばれてはいなくても、働くことが可能で自分を活かせるのだったら、そちらの方が幸せに近づくことができるかもしれませんよね。

未来には、まったくビジョンの違う幸せな人生だってあるかもしれないのです。
大事なことは、願望を達成すること。
達成可能な目標をもつことです。

3. パニック障害

shutterstock_1150971305パニック障害は、恐怖症などと同様に「不安障害」のひとつ。
不安は、やや漠然とした未来に向けられたものであるのに対し、恐怖はその対象がはっきりしているという違いがあります。
パニック障害は、不安に対して敏感過ぎることが原因で起こります。

突然に生じる「パニック発作」を繰り返すのが特徴で、自律神経の乱れで起こる、動悸が激しくなる、目まい、呼吸困難、胸が痛い、手足が震える、吐き気、しびれといった症状があります。

医療機関では、不安を取り除く薬として「セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)」などが処方されますが、自分で改善する方法も医療関係書籍や記事で紹介されています。

3-1. 自分に原因があると思わない

パニック障害は、脳内の神経伝達物質に異常を起こしていると思われる病気ですから、心の弱さに原因があるわけではないので、自分を責めてはいけません。

周囲から「しっかりしろ」とか「甘えるな」などと責められて自己嫌悪に陥る人が多いのですが、周囲の理解を得るためには、パニック障害であると思われる状態になったら精神科医の診断を受けて、自分がパニック障害を患っていることを公言した方がいいのです。
パニック障害と診断されるには次の3つが揃った場合です。

① 2回以上、まったく予期しないパニック発作があること
② 少なくても1カ月以上の間、発作が起こることへの持続的不安や心配、発作と関連した行動上の変化のどれかがあること
③ カフェインなどの物質や医薬品、身体の病気によらないこと

予期しない発作とは、何かストレスを感じる出来事によるものではなく、何のストレスも感じていないのに突然起こる発作です。
突然起こるので、自分ではどうすることもできないのです。

3-2. パニック発作を怖がらない

「発作が起ったらどうしよう」という不安が強くなって、外出などが制限されてしまうパニック障害は、「パニック」と「発作」で成立する病気。
突然の発作が起きても、パニックを起こさなければ「パニック障害」にはならないわけです。
これを理解して、発作を怖がらないことが大事。

突然の発作が起きると、「おかしくなってしまうのではないだろうか」「死ぬのではないだろうか」「変な人間だと思われるのではないだろうか」といった不安が大きくなって恐怖心となりパニックを起こすのですが、パニック障害の発作で死亡する人はまずいません。

短い発作を繰り返す人も入れば、発作が数十分間も続く人もいます。
怖がる気もちが、発作をさらに長引かせる悪循環を誘うのです。
「パニック」ということばを外して、単なる「発作」だと考えてみるようにしてみると、恐怖心がやわらぎます。

3-3. 安心できる相手を大切にする

パニック障害は、周囲の理解を得て協力してもらうことが改善への近道となります。
ストレスや不安を取り除くためには、家族や友人の協力がとても大事。

いつ起こるかわからない発作に恐怖心を抱くパニック障害は、安心できる人と一緒にいることや、安心できる人と話せることが、心の拠り所になります。

心を許し合える相手というものは、そう何人もできるものではありせん。
そういう人は、自分が協力できることはすべてやるくらいの気持ちで、大切にすべき。
家族が身近にいない、親しい友人もいないという人は、カウンセラーに相談しましょう。

3-4. プラス刺激でプラス思考    

不安を取り除く最善の方法は、忘れてしまうことですから、積極的にプラスの刺激を自分へ与えるようにしましょう。

不安を取り除くツボ、ストレッチ、マッサージといったリラクゼーション、不安を取り除く音楽や映画、本などに没頭する趣味、ウォーキング、水泳、自転車といった軽めの有酸素運動などから、自分が好きなもの、心地よいものを見つければいいのです。
病気を治すためだと、義務的になってはいけません。

考え方も、「できない」ことではなく「できる」ことに意識を向けるようにします。
「なりたくない自分にならないようにする」のではなくて、「なりたい自分になるようにする」、「なれたらいい」と考えましょう。

まとめ

shutterstock_331893401心配性の人も、不安になりがちな人も、さらにうつ病やパニック障害へと不安症が悪化してしまった人も、不安を取り除くためにキーワードは、「ストレス軽減」と「自律神経のバランス」という2つ。

そして、どちらにも共通するアクションが「リラックス」です。

ストレスを忘れてリラックスできる方法をひとつでも多くもつことが、不安を取り除いて心の健康を維持するためにも、生理機能のバランスを整えて身体の健康を維持するためにも非常に効果的。
自分は何が好きで、何が心地よいと感じるか、今一度考えてみてください。
世間で心地よいといわれているものを試してみるのもいいですね。

【参考資料】
・『電車に乗れない人たち 最新版』 松本桂樹 著  WAVE出版 2019年
・『「いつもの不安」を解消するためのお守りノート』 勝久寿 著  永岡書店 2017年
・『不安にならない技術』 和田秀樹 著  宝島社 2016年

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