さみしい心を和らげる10の方法-孤独感と上手く付き合うために

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「さみしいきもち」が収まらなくてつらかった経験は、誰にでもありますよね?

最近は、孤独を好む人が増えています。
高齢化社会になって、一人暮らしの高齢者が増え、孤独にさいなまれている人が多いのかと思いきや、自ら進んで自由気ままな一人暮らしを続ける人が多いのです。

フランスの詩人シャルル・ボードレールは、「群衆の中の孤独」を愛したといわれていますが、今も孤独を好む人の多くは、人とかかわることが面倒に感じるのだけど、まわりに人がいないとさみしくなるのです。

まことに勝手な考え方だと思えるかもしれませんが、さみしいきもちを辛く感じる一方で、ひとりになりたいという欲望をもっていることは、人間の本能のようなものだという学者もいます。

ですから、孤独をどうとらえるか、辛い孤独感とどう付き合って生きるかということは、健全な生活を送るために重要なポイントなのです。
ここでは、さみしい心を和らげて、孤独感とうまく付き合っていく方法を紹介します。

目次

1. さみしさの正体
1-1. 満たされない本能
1-2. さみしさを増幅させる自己愛
1-3. ネット空間がもたらす孤独
1-4. 「いい子」が陥る悪循環
1-5. 愛されているのに孤独

2. さみしい心を和らげる10の方法
① 直接的なコンタクトを実践する
② 自分をほめる
③ 深呼吸で自律神経を整える
④ 涙を流して心を掃除する
⑤ 手を動かす
⑥ 適度な運動をする
⑦ 自分の存在を認めてくれる場所をもつ
⑧ ペットと暮らす
⑨ 幸福ホルモンの分泌を増やす
⑩ 誰かにとって必要な存在になる

まとめ

1. さみしさの正体

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「さみしさ」とは、孤独感と言い換えることができますが、イコールではありません。
辛くない孤独感もあるからです。

辛い孤独感とは、どのようなものなのでしょう。
「さみしいな」と感じるとき、心の中はどのような状態になっているのでしょうか。
対処法を紹介する前に、さみしさが何によってもたらされ、どのような傾向があるのか少し分析してみましょう。

1-1. 満たされない本能

いじめの中で一番つらいのは、「無視されること」だといいます。
それは、「さみしい僕を見てほしい」「僕の存在に気づいてほしい」という本能が、否定されるからなんですね。

人間は本能を消すことはできません。
本能から解放されることもないのです。

誰の中にもある、「面倒なかかわりはいやだけど、見てほしい、認めてほしい、愛してほしい」という感情は本能です。
ですから、「食欲」「睡眠欲」「性欲」などと同じで、こうした欲求を自分でコントロールできれば、心の安定を得られるのです。

まずは、心を痛めている原因が本能だということに気づき、その感情と向き合って上手く手なずけていく手段を身につけましょう。

1-2. さみしさを増幅させる自己愛

さみしい感情が強い人は、自己愛が強い傾向があるといわれます。
自己愛は、人間が生きていくためのエネルギーになりますが、面倒な人間関係やいさかいのもとにもなるので、コントロールが重要です。

SNSに氾濫している自撮り写真は、典型的な自己愛の現れです。
頻繁に自撮り写真をアップする人は、「見てほしい」「認めてほしい」という本能が満たされていません。

人間は自分の目線だけでは自己の確認ができません。
他人の視線が介在することによって、自己を確認します。
ですから、SNSなどが他人から承認されるほど、自己愛は満たされて心が安定します。

「リア充」の人は自撮りをしない傾向にあります。
それは、家族、兄弟、友人など周りの人たちとの接触によって、自己愛が満たされているから。
人と会話し、触れ合うことによって、意識しないうちに自己承認欲求を満たしているのです。

1-3. ネット空間がもたらす孤独

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リア充の人に比べて、SNSなどネット空間を重視している人は、心の安定性に欠けます。
インターネットでつながった無数の人たちから「いいね!」で自分のことを承認されると安心しますが、この「いいね!」が減るというだけで、強い不安に襲われることもあるのです。

ネット空間には、自己承認欲求や自己愛を覚醒させたり、際限なく大きくしてしまうという面があります。
自己承認欲求が満たされないと、自己表現がエスカレートしていき、過激なことに走る人が出てきます。

最近、大きな問題になった不適切動画の炎上事件は、その典型的な例。
「見てほしい」「認めてほしい」という自己承認欲求を満たすために、あのようなことまでしてしまったのです。

ネット空間では、どれほどそうした欲求が満たされたとしても、基盤がとても不安定ですから、リア充の安定した満たされ方とは比べるべくもありません。

1-4. 「いい子」が陥る悪循環

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さみしさをコントロールできない人は、生い立ちや家庭環境に問題を抱えていることが多いといいます。
子どもの頃に、「優しい子」「いい子」というのは、「見てほしい」「認めてほしい」という感情を自己嫌悪の対象としてしまうのです。

「いたずらっ子」や「きかん坊」は、そうした感情を上手く発散したり、表現したりするので、知らず知らずのうちにコントロールする方法を身につけていきます。

「いい子」の感性のまま大人になってしまった人は、自己承認欲求を表に出す人のことが許せなくなり、さらに自己嫌悪にハマっていくという悪循環に陥るケースがよくあります。

自分の感情を表に出すことが悪いことだと思い込んでいますから、ネット空間においても感情を表す顔文字ひとつで気分を悪くすることも。
そういうタイプの人が本能を満たすためには、「我慢しないこと」「思い込まないこと」が大事です。

1-5. 愛されているのに孤独

人間は本能が満たされない状態が続くと、現実から逃避して楽になろうとします。

さみしいきもちから逃れられないと、ネット空間や夢の中にある仮想現実に逃避するのが良い例です。

夢想家やロマンチストには、自己承認欲求が満たされていない人が多いといわれますが、過大な夢を見るという状態を、精神医学では「過剰な報酬予測への期待」といいます。

人間が何か行動を起こそうとする気持ちは、予想される報酬の量で左右されます。
大きな報酬が得られそうだったら「やる気」が強くなり、報酬が小さそうだったらあまり「やる気」が起こらないもの。

さみしいきもちをコントロールできていない人は、過剰な報酬予測をする傾向が強いといわれます。
本能が満たされないために、家族や恋人に過剰な期待をして、愛されているのに孤独だと感じてしまう傾向があるのです。

 

2. さみしい心を和らげる10の方法

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ここからは、「見てほしい」「認めてほしい」「愛してほしい」という欲求をコントロールして、さみしさと上手く付き合っていくために効果的な方法を紹介します。

① 直接的なコンタクトを実践する

愛情をともなった直接的なコンタクトは、心の痛みを和らげ、心を安定させる強い力をもっています。

とても興味深い実験結果があります。
被験者に「痛い」と感じる強い刺激を与える場合、被験者の配偶者や恋人が手を握っていると、単独で同じ刺激を受けた場合よりも明らかに脳の反応が和らいだといいます。

2015年にリリースされたDAOKOのメジャー移籍第1弾『さみしいかみさま』は、現代に生きる女の子の孤独感を歌った等身大の歌詞が、10代20代の女の子から絶大な支持を得ました。

他人とのかかわりを避けて生きている女の子が、さみしくて仕方がないのですけど、つらくなるからさみしいと考えないようにする。
でも、それではいつまでも「愛」が満たされることはない。
「触れたら崩壊」すると思っていた彼女ですが、自分が求めているものは「触れあい」だということに気づく。

要約するとそういう内容の歌なのですが、「触れあう」という直接的なコンタクトがもつ大きな力に目覚めたということなのではないでしょうか。

② 自分をほめる

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さみしさをコントロールできない人は、自己評価が極端に低いという傾向があります。
「見てほしい」「認めてほしい」という欲求の強さと、自分に対する注目度の低さに大きなギャップを感じて、自己否定に走ってしまうのです。

近年の脳科学で、自己否定の改善に非常に有効な手段とされたのが、「ほめる」こと。
ほめられることは、人間にとって大きな快感となり、しかもその快感は長期記憶として脳に保存されるので忘れないのです。

他人をほめてあげることは、人間関係の構築でとても効果的とされますが、自分で自分をほめることも快感につながることがわかっています。
自分をほめることによって、脳の報酬系と呼ばれる部分が活性し、快感を覚えるのです。

自分を否定せずに肯定する、自己肯定感を強めること。
こうして得られる快感を知ってください。

③ 深呼吸で自律神経を整える

深呼吸の効能は、いろいろな分野で話題になっています。
腹式呼吸をすると、自律神経が集中している横隔膜が動くので、自律神経を整えて心身を安定させることができるのです。

自律神経は、心拍、血流、体温、消化機能など、生命維持に必要な機能をコントロールするシステム。
活動モードになる交感神経と、リラックスモードになる副交感神経が、それぞれ60%:40%程度の割合で働き、どちらかが優位になるようにして、バランスを保っています。

「見てほしい」「認めてほしい」という欲求が満たされないと、大きなストレスを抱えることになり、ストレスが自律神経のバランスを崩していきます。
そして、そのストレスを消そうとか改善しようとすれば、ストレスの原因である欲求を思い出すことになるので、悪循環にハマります。

ストレスになっている欲求から自分を解放するためには、気持ちよいことや楽しいことをして、マイナスの要素を忘れるしかありません。
いつでもどこでもできる深呼吸は、とても手軽で効果的な快楽なのです。

④ 涙を流して心を掃除する

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さみしさのコントロールがうまくできない人は、我慢強い性格であることが多いといいます。
「見てほしい」「認めてほしい」という本能が満たされない状態をひたすら我慢して、心を傷つけてしまうのです。

こういうタイプの人は、泣くことをしないので、一見強く見えることが多いもの。
「泣くこと」も、ストレスを軽減するとても有効な手段だということがわかっています。
涙の中には、ストレスを緩和させ、自律神経を安定させる物質が含まれているのです。

泣きたくなったら我慢せず、大声を出して泣いてみましょう。
大泣きした後のすっきり感や充実感は、心の安定をもたらします。

⑤ 手を動かす

さみしいきもちを文字にして書いてみましょう。
これは、一種のショック療法のようなものです。

孤独感や満たされない欲求を心の奥に溜めておかずに、排出してしまうのです。
言葉にして口から出すと、どうしても感情がたかぶってしまいますが、白い紙に走り書きすることによって、客観的になることができます。

頭で考えて手で書くという作業は多くの脳の部位を連携させることになり、これが心の安定をもたらすのです。

この作業を続けることによって、客観的にものごとを見て、分析するというクセをつけることができるので、さみしさの原因を理解して対処ができるようになります。

⑥ 適度な運動をする

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体を動かすことで、手を動かす以上に心も体も安定させることができます。
生活習慣を取り上げた記事や本では、よく「適度な運動」という言葉が使われますね。
心を安定させるための「適度な運動」というものがあります。

ストレスを軽減すること、自律神経を整えること、気持ちよいことなどが目的ですから、体を鍛えるための筋トレなどとは違います。

効果的とされるのは、ウォーキングを入り口とする有酸素運動と、筋肉を伸ばして血流を改善するストレッチ。
こうした運動を体が辛くならない範囲で習慣化するのがもっとも効果的ではありますが、もっと簡単なことでも心を安定させることはできます。

たとえば、テレビを観ながら、家事をしながらの「ながら運動」や、いつも自転車に乗っている買い物を歩きに変えるといった生活の中のちょっとした工夫が、さみしさのコントロールに十分役立ちます。

⑦ 自分の存在を認めてくれる場所をもつ

リアルでもネット空間でもかまいませんから、自分のことを認めてくれる場所をひとつもちましょう。
SNSなどで「いいね!」を快感にするのではなく、同じ趣味の人が集まる同好会や掲示板などがいいでしょう。

自分が好きなこと、得意なことを自由にできる場があると、疲れた心を癒し、リフレッシュすることができます。
何よりも、好きなことに没頭できれば、ストレスとなっているいろいろなマイナスの要因を忘れることができるのです。

脳の構造から、男性の場合は、ひとりで何かを追求してそれを発表するような場が適しているといわれ、女性の場合は井戸端会議のようにワイワイガヤガヤするほうがストレスを忘れられるといわれます。

⑧ ペットと暮らす

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ペットを可愛がることが、孤独を癒すのは誰もが知っていますね。

ペットを愛することで、次項で解説する幸福ホルモンの分泌が高まることがわかっていますし、自分がいなければこの子は生きていけないという気持ちが自己肯定感につながります。
また、犬であれば毎日一緒に散歩することで、適度な運動にもなりますね。

ペット療法は、自己否定が強く、自殺願望があるような重症ケースでも、生きる証を感じる治療として行われます。

しかし、生き物ですから、いつかは「死」という別れのときがやってくることを忘れてはいけません。
ペットロスでさみしさの極致に落ち込む人も少なくないのです。
しかし、そうした命あるものの宿命を体験して乗り越えることによって、強い心が形成されていきます。

⑨ 幸福ホルモンの分泌を増やす

脳内で働く神経伝達物質である「セロトニン」と、脳内で分泌されるホルモンの「オキシトシン」は、幸福ホルモンと呼ばれ、近年は健康関連の記事でよく話題に上がりますね。

これらの幸福ホルモンが不足すると、心の安定を欠いて、さみしさをコントロールすることができなくなると考えられています。

「満ち足りた気持ちでいること」「幸福感を感じながら生きていること」のためには、セロトニンとオキシトシンが必要とされます。
セロトニンの分泌を増やすためには、毎日朝日を浴びる、適度な運動をする、1日に数回深呼吸の時間をつくるといったことが簡単な方法としてあげられます。

オキシトシンを増やすには、「家族の温もり」「配偶者や恋人との触れあい」「ペットとの触れあい」「良好な人間関係」などが重要とされます。

⑩ 誰かにとって必要な存在になる

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誰かに必要とされることは、自己肯定感を高める効果的な方法。
「見てほしい」「認めてほしい」という本能的な欲求を満たしてくれます。

恋愛や人間関係で必要とされる人間になればいいのですが、さみしさをコントロールできない人にとっては簡単なことではありません。

能動的に誰かに必要とされるようになる、もっとも手っ取り早くて確実な方法は、「ボランティア活動」です。

大災害や事件の解決に貢献するようなボランティアは、経験や知識が求められるものもありますが、地域や行政で取り仕切っている身近なボランティア活動もあります。
ご老人の遊び相手から、子どもを対象とする語学、スポーツなど幅広いので、自分の経験を活かせる場を探してみましょう。

 

まとめ

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「寂しいとき」は誰にでもあるもの。
ですから、その感情から逃れられない自分を否定する必要はまったくないのです。

でも、無理に忘れようとするのは、かえって逆効果。
泣きたくなったら泣く。
愛して欲しかったら愛する。
認めて欲しかったら、人を認めてみる。

そういう自然な生き方をしてみませんか。
自分なりの「さみしさのコントロール法」がきっと見つかります。

 

【参考資料】
・『読むだけでさみしい心が落ち着く本』 柿木隆介 日本実業出版社 2016年
・『孤独病 寂しい日本人の正体』 片田珠美 集英社新書 2015年

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