高タンパク低糖質が心と体にイイ7つの理由-栄養学の最新知識

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高タンパク低糖質の食生活が体にイイ理由、詳しく知りたいですよね?

「高タンパク抵糖質」が、健康食の基本であることは知っていても、「なぜ?」と聞かれたら困ってしまう人が多いのではないでしょうか。
なぜ体にイイのかわかっていなければ、自分の体や環境に合わせて実践することができません。

ここでは、近年、体の健康だけでなく心の健康面からも注目されている「高タンパク低糖質の食生活」をわかりやすく解説します。

高タンパク抵糖質を理解する基本となる栄養学の基礎知識は最新情報をまじえ、心と体にイイとされる7項目の根拠、さらに実践編として、日々の食生活におけるコツを紹介します。

目次

1. 三大栄養素の基礎知識
1-1. 栄養素の3つの働き
1-2. 糖質の代謝
1-3. 脂質の代謝
1-4. タンパク質の代謝
1-5. 糖質の摂取は必須ではない

2. 高タンパク低糖質が心と体にイイ7つの理由
2-1. 新陳代謝を高めて老化を予防する
2-2. 中性脂肪を減らす
2-3. 血糖値を安定させる
2-4. 乳酸を増やさない
2-5. 筋肉を維持する
2-6. 自律神経を安定させる
2-7. 脳と体を疲れにくくする

3. 高タンパク低糖質食のコツ
 3-1. タンパク質をバランスよく摂る
 3-2. 良質な脂質を摂る
 3-3. おかずを主食にする
 3-4. 単品メニューはやめて定食に
 3-5. おやつに甘いお菓子を食べない

まとめ

1. 三大栄養素の基礎知識

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「栄養」とは、生命維持のために必要な物質を外界から取り入れて、活動や成長に役立てることで、栄養となる個々の物質を「栄養素」といいます。

栄養学は医学と深く結びついており、医療や科学の進歩によって日々情報が更新されるので、ついこの間までは体にイイとされていたことが、実は悪い影響を与えていたというような現象が起こります。

糖質を制限しようとする動きもそのひとつ。
お米やパン、麺類などを主食として1日3回食べてきた日本人は、今や世界でも有数の糖質過剰国民となっています。

まず、糖質過剰の問題点を最新の栄養学から簡単に説明しましょう。

1-1. 栄養素の3つの働き

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栄養素は、「エネルギーをつくる」「体内で必要な物質を合成する」「体の調節機能を整える」という3つの働きをもっています。
このために体内で行われる分解や合成など化学変化の総称が「代謝」。
栄養素は、お互いに影響し合いながら、分解や合成といった化学変化を起こしているのです。

栄養素の柱となるのが、「糖質」「脂質」「タンパク質」の三大栄養素。
三大栄養素が代謝するためには「酵素」というタンパク質が必要とされ、酵素の働きに必要とされるのが、微量栄養素のビタミンやミネラルです。

「糖質」「脂質」「タンパク質」は、すべてエネルギーのもととなる栄養素ですが、それぞれに役割や特徴をもっています。

1-2. 糖質の代謝

糖質はメインのエネルギー源と考えられがちですが、実は非常用のエネルギー源。
糖質を摂取すると、主に小腸で吸収されてブドウ糖となり、肝臓に運ばれてグリコーゲンという糖に合成されて貯蔵され、筋肉でもグリコーゲンとして貯蔵されます。

肝臓のグリコーゲンは、多くが血液中にブドウ糖として放出され、貯蔵されたグリコーゲンは血糖(血液中のブドウ糖の量)の調節に使われます。
筋肉に貯蔵されたグリコーゲンは、瞬発的に筋肉を動かすときや、酸素を使わずにエネルギーをつくらなければいけないときにしか使われません。

肝臓に貯蔵されているエネルギー量は約500キロカロリー、全身の筋肉に貯蔵されるエネルギー量は約2000キロカロリーで、脂質の貯蔵エネルギー約13万5000キロカロリーと比べると、とても少ないことがわかりますね。
貯蔵されなかった余りの糖質は、脂肪細胞の中に中性脂肪として貯蔵されます。
糖質がすぐに使えるエネルギー源として貯蔵される量は少ないので、過剰になると大量に脂肪をつくり出すのです。

糖質はとても燃えやすく運動に適したエネルギー源なのですが、貯蔵できる量が少ないので短時間しかもちません。
だから、ここ一番というときのために貯蔵されています。
また、糖質のエネルギー代謝には酸素が使われないので活性酸素は発生しませんが、乳酸が発生するという特徴があります。

近年、脳にもグリコーゲンが貯蔵されていて、その貯蔵がうまくいかないときに「疲労」を感じることがわかりました。

1-3. 脂質の代謝

脂質は、通常時の主なエルギー源となります。
体にとってもっとも重要なエネルギー源であるため、小腸で吸収されると、肝臓を経由しないで全身の細胞に運ばれ、余ったものが脂肪細胞に中性脂肪として貯蔵されます。

脂肪はメインエネルギー源で、貯蔵体制もしっかりできていますが、なかなか火がつかず、燃え出すまでに時間がかかるのが特徴。

ウォーキングやジョギングをする場合、15分以上続けなければ効果がないといわれる理由はここにあります。
運動を開始すると、急にエネルギーが必要となるので筋肉に貯蔵されているグリコーゲンが使われ、脂肪燃焼に必要な酸素が全身に行きわたって十分な体制ができるまでに15分程度かかるということです。

ここからが有酸素運動。
中性脂肪には大量のエネルギー源が貯蔵されており、しかも、脂質は1グラムあたり9キロカロリーのエネルギーを産み出します。
糖質やタンパク質は1グラムあたり4キロカロリーですから、倍以上のパワーをもっている高効率物質なのです。

それだけにカロリーオーバーには注意を要しますが、メインエネルギー源であり、細胞膜を合成するという重要な役割もあるので、脂質は良質なものをしっかり摂取しなければいけません。

1-4. タンパク質の代謝

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タンパク質は、摂取するとアミノ酸に分解されて全身に運ばれ、体中のすべての要素を構成する10万種類ものタンパク質に再合成されます。
糖質や脂質がエネルギー源として大きな役割をもつのに対し、タンパク質は体を構成する材料になるという大きな役割があるのです。

タンパク質がエネルギー源として使われるのは、体内のエネルギー源が不足したときと、小腸の粘膜において。
糖質や脂質の吸収が行われる小腸で、糖質や脂質をエネルギー源にすると吸収がうまくいかなくなるので、タンパク質から分解されたアミノ酸のグルタミンがエネルギーとして使われるのです。

運動せずに食事制限だけでダイエットを行うと、脂肪よりも筋肉のタンパク質がエネルギー源に使われて、筋肉が細くなっていきます。
タンパク質は骨、筋肉、内臓、皮膚、髪、爪など全身の組織に加えて、ホルモンや酵素、脳の神経伝達物質などの材料でもありますから、摂取量が不足すれば重大な問題を引き起こします。

ですから正しいダイエットは、タンパク質を維持しながら、いかに中性脂肪を減らすかということを考えなければいけません。

1-5. 糖質の摂取は必須ではない

三大栄養素のエネルギー代謝を簡単に解説してきましたが、これでわかることは、人体のメインエネルギー源は脂質であり、糖質とタンパク質は非常用のエネルギー源であること。
そして、タンパク質には体を構成するというメインの役割があるということです。

人体のエネルギー代謝で、もうひとつ重要なポイントがあります。
それは、体内の貯蔵量が少ない糖質を使い果たしてしまったときに、アミノ酸や乳酸などからブドウ糖を合成する「糖新生」というシステム。

さらに糖新生でも間に合わなくなると、中性脂肪が肝臓で分解されて「ケトン体」という物質がつくられ、このケトン体が脳や筋肉のエネルギーになることがわかっています。

こうしたシステムがあるおかげで、お米やパンや麺類を食べなくても、そのほかの栄養素をしっかり摂取していれば糖質不足になることはないのです。
それでなくても、現代の食生活で糖質を排除するのは難しい状況ですから、意識して主食の低糖質化を実践する必要があるわけです。

現在の栄養学では、人体にとって糖質の摂取は必須ではないということが、もはや定説。
しかも、糖質過剰の多大な弊害が次々と解明されています。

後半は、高タンパク低糖質の食生活がもたらす効果を解説しますが、裏を返せば糖質過剰の弊害が見えてくるはずです。

 

2. 高タンパク低糖質が心と体にイイ7つの理由

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体を構成するタンパク質を十分に摂り、糖質を抑える食生活は、体の健康を維持するためだけでなく、心にもよい影響をもたらすことがわかっています。

心の健康には、脳の活性化と自律神経のいいバランスが欠かせません。
そうした要因に、高タンパク低糖質の食生活が大きく関与しているのです。

高タンパク低糖質が心と体の健康にもたらす効果を7項目にまとめました。

2-1. 新陳代謝を高めて老化を予防する

「新陳代謝」は、単に「代謝」と同じ意味で使われることもありますが、ここでは体内の古い細胞が新しい細胞につくりかえられることを指します。

三大栄養素の代謝で説明したように、新しい細胞をつくるためにはタンパク質が欠かせません。

細胞の原料であるタンパク質を十分に摂り、その代謝を助けるビタミンやミネラルをバランスよく摂取することが、新陳代謝を高め、老化を防ぎます。

皮膚の弾力やハリを保っていることで知られるコラーゲンは、タンパク質の繊維。
コラーゲンを食べてもアミノ酸に分解されるのでそのままの形で残ることはありませんが、バランスよく十分なアミノ酸が存在することで、コラーゲンは合成されやすくなります。

コラーゲンが重要なファクターとして存在するのは、皮膚だけではなく全身にわたります。
中でも骨は、コラーゲンとカルシウムが1:1で成り立っています。
ですから、タンパク質の不足は全身の老化を進めてしまうのです。

2-2. 中性脂肪を減らす

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余った脂質も糖質も中性脂肪になりますが、摂取量が圧倒的に多く貯槽量が少ない糖質は、中性脂肪を増やす主な要因です。

いかにして中性脂肪を減らすかということは、多くの現代人が抱える問題。
脂質のもつカロリーが糖質の2倍以上もあるので、以前は低脂質で中性脂肪が落とせると考えられていました。

ところが、油断ちのダイエットをしても一向に痩せない。
それどころか、体調を崩してしまうことが多かったのです。

なぜ痩せないかといえば、中性脂肪が増える主な原因は糖質にあったから。
制限しなければいけないのは、脂身がついたサーロインステーキや豚ロース肉でなくて、米、砂糖、小麦、でんぷんの類だったのです。

2-3. 血糖値を安定させる

血糖値とは、血液中のブドウ糖の量を示す値。
三大栄養素で食後の血糖値を上げるのは、糖質だけです。

食事をして血糖が増えると、膵臓がインスリンを分泌して血糖値を下げようとします。
糖質過剰で血糖値の急上昇を繰り返していると、膵臓が正常にインスリンを分泌できなくなったりインスリンが効かなくなったりして、糖尿病を発症します。
低血糖症は、血糖の調節がうまくできなくなった状態。

血液中のブドウ糖量が安定すると、脳が安定して働き、精神状態も安定します。

2-4. 乳酸を増やさない

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脂質のエネルギー代謝は乳酸を産まないのに対し、糖質のエネルギー代謝は乳酸を産みます。

かつて乳酸は筋肉の疲労物質とされましたが、それは間違いで、肝臓に送られてエネルギー源になる物質だということがわかりました。
むしろ、脂質の代謝で発生する活性酸素が疲労の主な原因だったのです。

問題は大量に発生した乳酸の処理に追われること。
糖質過剰で多くの乳酸ができると、肝臓をフル回転させる処理が続くので、肝臓の負担が大きくなって解毒作用などの機能が低下し、体に悪影響をおよぼすのです。

2-5. 筋肉を維持する

筋肉細胞も、もちろんタンパク質が分解されたアミノ酸が材料。
ですから、筋肉を増強したいボディビルダーなどは、プロテインを飲用します。
タンパク質の英語である「プロテイン」は、ギリシャ語で「一番大切なもの」を意味します。

老化の大きな要素としてあげられるのが、筋肉の減少。
筋肉の維持に必要なのは、材料となるタンパク質をしっかり摂取して、筋肉を使うこと。
そして、過剰に乳酸を発生させないことです。

これは、高タンパク低糖質の食生活と、適度な運動がもたらす効果です。

2-6. 自律神経を安定させる

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人間は運動をしていない安静時でも、エネルギーを消費しています。
これは、基礎代謝と呼ばれるもので、心拍、呼吸、血圧、体温維持など、生命維持に必要な活動で使われるエネルギーです。

この基礎代謝のエネルギーとなっているのは脂質。
そして、そうした機能を調節しているのが自律神経です。

自律神経は活動モードをつくる交感神経と、リラックスモードをつくる副交感神経が、常に6対4程度の割合で働き、どちらかが優位になることでいろいろな機能を調節しています。

神経細胞の新陳代謝にも、タンパク質の摂取が重要。
その上、血糖調整の機能低下は、自律神経を乱す要因となります。
ですから、精神の安定にも大きく関与する自律神経の安定には、高タンパク低糖質の食生活が有効なのです。

2-7. 脳と体を疲れにくくする

脳の神経伝達物質には、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどがあり、バランスをとりながら、喜怒哀楽の感情や、意欲、集中力などを生んでいます。

これらの神経伝達物質はアミノ酸から合成されるものであり、アミノ酸自体が神経伝達物質になっているものもあります。
ですから、脳の活性化にはタンパク質の摂取が欠かせません。

また、糖質がストレスに対抗するホルモンを分泌する副腎の疲労を招くことがわかり、副腎疲労が自律神経の乱れを招く大きな要因になっていると考えられています。
高タンパク低糖質の食生活が脳と体を疲れにくくする理由は、ここにあります。

3. 高タンパク低糖質食のコツ

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高タンパク低糖質の食生活は、レシピや食材を工夫することで、ゆるくはじめることも可能です。
大事なのは続けることですから、まずできることからはじめるべき。
最後に、実践にあたってのちょっとしたコツを紹介します。

3-1. タンパク質をバランスよく摂る

体内で10万種類ともいわれるタンパク質に再合成されるアミノ酸は、わずか20種類。
体内で合成できない9種の「必須アミノ酸」と、合成できる11種の「非必須アミノ酸」に分類されます。

必須アミノ酸のひとつであるメチオニンは、植物性タンパク質にはほとんど含まれない成分ですから、動物タンパク質は必須。
肉類、魚類、大豆製品などをバランスよく摂るようにしましょう。

3-2. 良質な脂質を摂る

メインのエネルギー源として、細胞膜の材料として、脂質の摂取は必須です。
脂質も動物性と植物性があり、バランスよく摂りたいもの。

積極的に摂りたいのは、不飽和脂肪酸(常温で液体のもの)のオメガ-3系と呼ばれる脂肪酸。

動物性では、青背の魚に多く含まれるDHAやEPA、植物性では亜麻仁油、シソ油、グレープシードオイルなどに多く含まれるα-リノレン酸が、脳機能の活性化やアレルギーの抑制に有効な良質の脂質です。

3-3. おかずを主食にする

日本には、米を主食とする食文化が根づいていたので、どうしても米、パン、麺類などを食べすぎる傾向があります。

大事なのは、肉類、魚類、野菜類などをおかずにして主食をモリモリという食べ方を改めること。
おかずを主食にするという考え方からはじめて、炭水化物を減らしていきましょう。
最初に食物繊維を摂ると糖質の吸収を抑えられますから、野菜類から食べて次に肉類や魚類などを食べ、ある程度お腹が膨れてから炭水化物を摂るようにするのがコツです。

3-4. 単品メニューはやめて定食に

外食するときは、丼物、麺類、飯類などの単品メニューをやめて、小皿やサラダがつく定食にしましょう。

もっともいけないのは、「ラーメンライス」に代表される「ダブル糖質メニュー」。
パン類では、焼きそばパン、フルーツサンドなども、ダブル糖質メニューです。

3-5. おやつに甘いお菓子を食べない

糖質には依存性があります。
米を主食とする日本人は、糖質の中毒を起こしているという学者もいます。
ですから、お米をなかなか減らせないと同時に、おやつなどの甘いものを減らすのも難しいという人もいるでしょう。

甘いものは、空腹状態で食べると血糖値を急上昇させますから、どうしても食べたいときには、食事の最後に少し食べるように変えていきましょう。
おやつは、チーズやナッツ類などでタンパク質を補給してください。

 

まとめ

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栄養素は本来、食事で摂取するのが体にとって自然な方法であり、食事で摂り切れないものを補助するのが、サプリメントの役割。
ですが、最近、注目を集めているアミノ酸のサプリメントは、高タンパクの実践には有効です。

ビタミンやミネラルも互いに影響し合って働くものが多いのでバランスよく摂ることが大事ですが、とくにアミノ酸は、わずか20種で10万種類ものタンパク質に再合成されるのですから、バランスよく摂ることが重要なのです。

アミノ酸が心と体にもたらす効能に注目し、心のためのアミノ酸サプリを開発したのが、心理カウンセラーとして栄養ボディ療法を提唱されている橋本翔太先生です。

高タンパクが心と体にイイとはいえ、アミノ酸も過剰摂取すれば害をおよぼすものもありますから、サプリを使用するときは摂取量を守りましょう。

 

【参考資料】
・『「疲れ」がとれないのは糖質が原因だった』 溝口徹 著  青春出版社 2014年
・『“糖質ちょいオフ”で今すぐできる! 中性脂肪を自力でみるみる下げるコツ』 栗原毅 著  河出書房新社 2018年
・『イラスト図解 1番わかりやすい 糖質と血糖値の教科書』 麻生れいみ 著  G.B. 2017年
・『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』 中村丁次 監修  朝日新聞出版 2017年

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