4つの技術で会得する話し方のコツ-言葉を伝える16のポイント

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あなたは、話す力を磨きたいと思いませんか?

人と人とのかかわり方が多様化したこの時代にあっても、「話す」「聞く」という行為がもっとも重要なコミュニケーション手段であることに変わりはありません。

話す力は、「自分の心を伝える」「相手の心を動かす」ために発揮されるもの。
言いたいことがうまく伝わらないという悩みは、話す力を磨くことで解消されます。

話す力が高まれば、プレゼンや自己紹介、顧客に対する説明や上司への報告などに自信がもてるようになりますから、ビジネスに差がつきますよね。
プライベートでも、円滑なコミュニケーションを維持することで、ストレスフリーな生活が送れるようになるはずです。

ここでは、単に「上手く話す力」だけでなく、「言葉選び」「聞き方」「接し方」という4つの技術を高める話し方のコツを紹介します。
話し方のプロといえばアナウンサー。
日本を代表するアナウンサーの言葉を参考にしながら、自分の心をうまく伝える方法を紐解きます。

目次

1. 話し方の技術
① 明るく元気に姿勢を正して
② 高低、緩急、強弱、間を意識する
③ 話し方のクセを直す
④ 話の最後をあいまいにしない

2. 言葉選びの技術
⑤ 相手を心づかう言葉選び
⑥ ポジティブな言葉選び
⑦ 気持ちが表れる助詞
⑧ ボキャブラリーを増やす

3. 聞き方の技術
⑨ 相手7割、自分3割が基本
⑩ 相手の話は最後まで聞く
⑪ 適度な「あいづち」や「うなずき」
⑫ 相手の心を読み取る気配り

4. 接し方の技術
⑬ 挨拶の基本をマスターする
⑭ 敬語の基本をマスターする
⑮ 緊張をほぐす柔軟な受け答え
⑯ 笑顔で相手を安心させる

まとめ

 

1. 話し方の技術

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話し方の技術は、「よい声」と「よい話し方」を身につけることで高められます。

「よい声」とは、きれいな声という意味ではなく、相手の心に心地よく響き、ストレスを感じさせない声。
「よい話し方」とは、自分の声を活かして心を伝え、相手に好感を与える話し方です。

この2つを身につけるために、4つのポイントをおさえましょう。

① 明るく元気に姿勢を正して

テレビ朝日の人気番組「ワイド!スクランブル」の新聞記事紹介コーナー「夕刊キャッチUP」を16年間担当し、現在はフリーアナウンサーとしてだけでなく、講師や俳優としても活躍される佐々木正洋さんは、言葉を伝える技術の「基本中の基本」として、まずこれが大事だといっています。

「暗く元気ではないしゃべり」を聞きたいと思う人はいませんよね。

明るく元気といっても、ただ大きな声で話せばいいというものではなく、大事なのは「通る声」を出すこと。
相手が聞き取りにくい声で話しても、言葉は伝わりません。

通る声を出せるようになるためには、いろいろな訓練方法があるのですが、その基本は「正しい姿勢」にあるということなのです。

② 高低、緩急、強弱、間を意識する

話し方の基本であるナレーションは、この4つの要素で成り立っているといわれます。

「高低」とは、声の音程の高さと抑揚。
「緩急」とは、話すスピードやリズム。
「強弱」とは、声のボリュームの大きさ。
「間」は、言葉を発するタイミング。

音楽のメロディと同じように、話し方も音の高低や大小、スピードや間に聞きやすい変化があると、人をひきつけることができます。

高い声は明るさや元気のよさを印象づけ、スピードが速ければテキパキとした印象、ゆっくりとすれば安心感を与え、大きな声は力強さ、小さな声はやさしさを感じさせます。
そして、強調したい言葉の前か後ろに適度な間を入れると効果的です。

③ 話し方のクセを直す

自分では気づいていない口癖や言葉のクセを直すことも、話し方の大事な技術です。

言葉の頭に「あのー」「えー」が頻繁についたり、語尾を「〇〇ではありませんか?」「こう思いません?」というように上げたりするクセは、相手に不快感を与えます。

自分の中のトレンドのように、気に入った言葉を多用しすぎるのも不快感を与える要素。
よくあるのは、「基本的に」「そもそも」といった言葉で話しはじめるクセや、「とても」「かなり」「本当に」を多用してしまうクセです。

こうしたクセは、自分ではなかなか気づけませんから、友人に聞いてみるか、自分が話しているところをスマートフォンなどに録音して確認するといいでしょう。

④ 話の最後をあいまいにしない

短い会話でも最後までしっかり話すことが、相手の心まで言葉を届けるコツです。

「〇〇だと思うのですが……」「〇〇かもしれませんねえ」というように、話の最後をあいまいにしてしまうと、自分の心を伝えることができません。
「です」「ます」としっかり締めくくるか、断定したくないとしても、「〇〇だと思います」「〇〇ではないでしょうか」と語尾を引き締めましょう。

語尾が引き締まることで、具体性が高まって話全体の印象がよくなり、好感を与えることにもなります。
語尾を伸ばさない、語尾の音を下げて終えるということも、印象をよくする話し方のポイントです。

 

2. 言葉選びの技術

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話す力を高めるためには、自分が言いたいことを状況に応じて変換する能力が求められます。
これが「言葉選びの技術」。

相手に「楽しい」「また話したい」と思ってもらえる言葉選びとは?
共感を得られる言葉選びとは?
わかりやすい言葉とはどのようなものか?

そうした言葉選びのコツを紹介しましょう。

⑤ 相手を心づかう言葉選び  

言葉選びの基本は、相手の立場を理解して、やわらかい表現を選ぶこと。
自分が言いたいことを押し付けるだけでは、相手に不快感を与えてしまいます。

言葉の受け取り方は人それぞれ違います。
コミュニケーションの効果は、言葉の受け手が決定するもの。
同じことを伝えるのでも、どういう言葉を選ぶかでコミュニケーションの成果が変わるということですね。

よくある言葉選びのミスに、「問いかけ」と「念押し」があります。
何かを説明した後に、「わかりましたか?」と聞くのは念押しですから、相手に不快感を与えてしまいがちですが、「わかりますよね?」とやさしく問いかければ、相手の気持ちに寄り添った印象になります。

⑥ ポジティブな言葉選び

ポジティブな言葉は、相手の心に届きやすく、安心感を与えます。
「ポジティブな言葉」とは、肯定的、好意的、建設的、現実的といった印象の強い言葉。

「あなたのせいで」 → 「あなたのおかげで」
「あなたでいい」 → 「あなたがいい」
「変わっていますね」 → 「個性的ですね」

こうした変換を行うことによって、相手に対して肯定的、好意的であることが伝わります。

立場の違いが、ポジティブな言葉選びを邪魔していることは少なくありません。
上の立場にある人間は、つい「上から目線」になりがちです。
目線を相手に合わせることが、相手を思いやるポジティブな言葉選びのコツです。

⑦ 気持ちが表れる助詞

「が」「の」「を」「に」「へ」「から」といった助詞の選び方で、日本語は印象をまったく変えてしまう言語です。

「ここで、あなたに会いました」
「ここで、あなたと会いました」
この2つの言い方には、偶然に会った可能性が高いか、意識的に会った可能性が高いかという違いがあります。

「水が飲みたい」
「水を飲みたい」
「が」を使った場合は、いろいろある飲み物の中でも「水」が飲みたいという気持ちが表れますよね。

助詞の使い方をあいまいにしてしまうと、気持ちが正しく伝わらなくなってしまうので、正しく選びましょう。

⑧ ボキャブラリーを増やす

日本語は、細かいニュアンスや微妙な感情を伝えることができる言語です。
ただし、ボキャブラリーがなければ、そうした繊細な言葉選びはできません。

これは、日頃から豊かな表現に触れることで磨かれる技術です。
もっとも効果的なのは読書に間違いありませんが、自分で意識的に磨くことも可能です。

ボキャブラリーを増やす訓練としておすすめするのは、何かを表現するときに、あえて制限を設けて言葉選びをすること。

野に咲く花を見ながら、「きれい」という言葉を使わずにその美しさを表現してみる。
美味しい料理を食べたとき、3分以内にできる限り多くのパターンで表現してみる。
日頃から、こうしたトレーニングをして、ボキャブラリーを増やしましょう。

 

3. 聞き方の技術

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上手く話せる人は、相手の話を上手く聞くこともできる人です。
「聞き上手」こそ、会話の基本といわれますよね。
「聞き上手」は、モテる人の条件だともいわれます。

しかし、会話はキャッチボールのようなものですから、ただ相手の話を聞いているだけではコミュニケーションが成り立ちません。
相手の話を聞いて考え、言葉を発したら、また相手の話を聞いて考えるという繰り返しが必要なのです。

その基本となるのが、まず相手の話をじっくり聞くこと。
上手く話すための、聞き方のコツを紹介します。

⑨ 相手7割、自分3割が基本

佐々木正洋さんは、相手の話を聞く割合が7割で、自分が話すのは3割程度という意識が、良好なコミュニケーションのコツだといっています。

相手に集中して言葉を選ぼうとすれば、相手の話をよく聞こうと思いますから、必然的にそういうバランスになってきますよね。
お互いにこのバランスを意識することが、会話を盛り上げる秘訣。

この、相手が7割、自分が3割という「聞き上手」の意識をもつだけでもコミュニケーションは深まっていきますが、相手に対する気づかいや心配りが添えられると、あなたのコミュニケーション能力はさらに高まっていくはずです。

⑩ 相手の話は最後まで聞く

聞き上手が絶対にしないこと。
それは、相手の話をさえぎることです。

結論から話して、わかりやすく解説を述べる人もいれば、話をだんだんと深めていき、最後に核心へと迫る人もいます。
いろいろなタイプがあるのですから、誰の話も最後まで聞くことが大事なのです。

よく知っている相手でも、途中で話をさえぎられれば不快感をもち、ストレスを感じてしまいます。
話し方の上手い人は、最後まで相手の話に耳を傾けると同時に、自分の思い込みや自分だけのモノサシで相手の話を解釈することはしません。

相手の言葉や思いを、すべてそのまま受け取ることが、聞き上手の基本です。

⑪ 適度な「あいづち」や「うなずき」

話を聞いている最中に「あいづち」や「うなずき」を適度に入れることで、相手は「自分の話に集中してくれている」という感覚をもちます。

相手が自信の強いタイプや話し方の早いタイプであったなら、できるだけあいづちは控えて軽くうなずく程度、逆に自信があまりなさそうなタイプや、ゆっくり話すタイプであったら、感想や質問を盛り込んで長めのあいづちを打つのがいいでしょう。

気をつけなければいけないのは、あくまでも「適度に」ということ。
あまりに連発すると嫌味になりますし、気持ちが入っていない「はあ」「なるほど」などを繰り返す人は不快感を与えます。

⑫ 相手の心を読み取る気配り

佐々木さんに限らず、話し方のプロが口をそろえて会話の重要ポイントだと言っているのが、相手に対する「気配り」です。

佐々木さんは、2002年に著した本『ちょっとしたコツで誰でも「上手な話し方」が身につく―テレビ朝日アナウンサーの企業秘密公開! (実業之日本社)』で、聞き上手になるとともに、相手を知ることが重要だと書いています。

相手の話を聞きながら、相手の心の変化に気を配ることができるかどうか。
これが、相手の警戒心を解いて、共感をもってもらえるカギとなるのです。

言葉の奥にある感情を感じ取ることも大事。
明るく元気に話している人が、本当は辛くて、その辛さをまぎらわすためにわざと明るくふるまっていることだってあります。

単純に言葉だけを聞き取るのではなくて、なぜそういう言葉を選んだのか、なぜそんな態度になっているのかといった気配りで、相手を理解しましょう。

 

4. 接し方の技術

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コミュニケーションには、話し方のコツ、言葉選びのコツ、聞き方のコツなどとともに、その相手とどう接するかという「気持ちのもち方」も大事な要素になります。

挨拶や敬語の基本とともに、相手のストレスにならない接し方を身につけましょう。

⑬ 挨拶の基本をマスターする

コミュニケーションを順序立てて考えると、最初にくるのが「挨拶」です。
覚えやすいように、挨拶の基本を「あ・い・さ・つ」の4文字で解説しましょう。

「あ」 → 「明るく、相手にとどくように」
相手が挨拶を返してくれるように声をかけること。

「い」 → 「いつでも、どこでも、生き生きと」
いつでもどこにいても変わらない自分づくりが大切。
生き生きと声をかけてこそ、相手も生き生きと言葉を返してくれる。

「さ」 → 「先に爽やかに」
コミュニケーションにおいても、「先んずれば、人を制す」は核心を突く言葉。
爽やかに先手を打つのがポイント。

「つ」 → 「続けて、粘り強く」
たとえ相手から返事がなかったとしても、粘り強く続けることが相手への歩み寄り。

⑭ 敬語の基本をマスターする

敬語には、相手との距離を保つ役割があります。
適切な敬語を使えれば、相手を安心させて、あなたに対する信頼度を高めることができます。

敬語は大きく分けて、3つに分類されます。
・相手の好意を高める表現である「尊敬語」
・自分の行為を低めて相手を高める表現である「謙譲語」
・丁寧にする表現である「丁寧語」

2007年からは、謙譲語から「丁重語」が、丁寧語から「美化語」が分類され、正確には5つに分かれていますので、それぞれの違いを理解しておきましょう。

もっとも多い敬語の間違いは、尊敬語と謙譲語の使い分け。
「先ほど申されたことですが……」 → 「先ほどおっしゃったことですが……」
「いただいてください」 → 「召し上がってください」
相手の行為に対しては、謙譲語を使わないことを覚えておきましょう。

⑮ 緊張をほぐす柔軟な受け答え

クッション言葉を使うことで、相手の緊張をほぐすことができます。
「お手数ですが」「恐れ入りますが」「差支えなければ」「もし、よろしければ」といったクッション言葉を柔軟に使い分けられれば、角を立てずに会話を進めることができるでしょう。

また、結論を先に話すことによって、相手に余計なストレスをかけずにすみます。
モヤモヤしたまま、最後まで話を聞かせるのと、最初に安心感を与えてから話を進めるのとでは、相手の心にかかる負担がまったく違います。

⑯ 笑顔で相手を安心させる

相手をもっとも安心させるのは、あなたの笑顔。
笑顔と、相手を気づかった言葉が組み合さると、人間的な温かみが生まれます。

笑顔の効能はいろいろな分野で証明されていますが、脳科学では顔の表情筋という筋肉が笑顔になっていることを脳が感知すると、セロトニンという脳内物質が分泌されて幸福感が高まるということがわかっています。

笑顔は自分を幸福にするもっとも簡単な手段であると同時に、相手にも伝染するものなのです。

話し方のコツとして気をつけなければいけないのは、自分が笑顔だと思っていても、相手には笑顔に見えていない場合があることです。
鏡を見て笑顔の練習をしましょう。
それだけでも、幸福感が生まれてくるはずですよ。

 

まとめ

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話し方のプロであるアナウンサーの方々は、普段の生活でも「丁寧にゆっくり話すこと」と、「正しいイントネーションで話すこと」に気をつけているといいます。
これは、相手に正しく言葉を伝える基本だといえますね。

そして、「年齢に関係なく声と話し方は変えられる」ことを実践してきた人たちでもあります。

声の出し方や話し方のコツは、なかなか教えてもらえる場がありませんから、アナウンサーの方々からもらえるアドバイスは貴重ですね。

 

 

こちらの記事で紹介した元テレビ朝日アナウンサー佐々木正洋さんのアドバイスをもっと詳しくお聞きになりたいという方は、フォレスタのアプリコンテンツもぜひチェックしてみてください。

アプリコンテンツでは、「アナウンサーの共通点」や「コミュニケーション力の高め方」などを動画でご覧いただけます。

フォレスタアプリ>心理・コミュニケーション>話し方のコツ

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【参考資料】
・『はじめの1分で信頼を勝ち取る声と話し方』 テレビ朝日アスク 著  学研プラス 2018年
・『言葉の温度 話し方のプロが大切にしているたった1つのこと』 馬場典子 著  あさ出版 2018年
・『ちょっと言いかえるだけ! 気のきいた「話し方」ができる本』 櫻井弘 著  三笠書房 2018年
・『ちょっとしたコツで誰でも「上手な話し方」が身につく―テレビ朝日アナウンサーの企業秘密公開!』 佐々木正洋 著  実業之日本社 2002年

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