仕事に求められる洞察力とは?-5つのステップで問題を解決する

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仕事で問題が発生したときに、解決する能力を高めたいとは思いませんか?

問題をいかに解決できるかということが、仕事を成功させる条件だといえます。

そこで必要とされるのが、洞察力。
洞察力とは、「物事の本質を見抜く力」「未来を見通す力」という意味で使われる言葉です。

仕事をしていればいろいろな問題が発生するのは想定内ですから、普通は解決策を用意しておいて、問題を処理しながら前に進むものです。
ところが、想定外の大きな問題が起こったり、仕事へのプレッシャーやストレスが過剰になったりすると、解決策が見えなくなってしまいます。

こういうときにどう対処できるかが、ビジネスの手腕。
あなたの存在価値が問われるシーンです。

ここでは、仕事に求められる洞察力を5つのステップで解説します。
問題解決能力を高める手段として、ワンステップずつ取り組んでください。


目次

STEP 1. 問題点を知る
1-1. 多角的な視点で問題を発見する
1-2. 相手が求めているものを知る
1-3. 事実を見抜く

STEP 2. 現状を把握する
2-1. 自己分析をする
2-2. 相手の事情を把握する
2-3. 全体の中での位置づけを知る

STEP 3. 未来を見通す
3-1. 全体の流れを見通す
3-2. リスクを見通す
3-3. 3手先を考える

STEP 4. 捨てるものを見抜く
4-1. 本当の目標を見抜く
4-2. 信頼で見えなくなっているものを見抜く
4-3. ほかの方法を考える

STEP 5. 自分を変える
5-1. プラス要素だけを意識する
5-2. 大きな目標と小さな目標をもつ
5-3. 視点切り替えスイッチをもち続ける

まとめ

STEP 1. 問題点を知る

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問題が発生したら、まず、何が起こっているのか、何が障害なのか、どういう不利益があるのか、といったことを知る必要があります。

また、どうしてそうなったのかという原因を発見しなければ、同じことを繰り返してしまう可能性が高くなります。

1-1. 多角的な視点で問題を発見する

「虫の目、鳥の目、魚の目」という言葉があります。

近づいていろいろな角度から物事を見る虫の目、遠くから俯瞰して物事を全体的に把握する「鳥の目」、潮の流れをみるように物事の流れを読む「魚の目」、それらを併せもち、多角的な視点で物事を考えなければいけないという意味です。

問題が起こってストレスが溜まっているときや、オーバーワークで余裕がなくなっているときは、視野がせまくなりがち。
ひとつだけの視点で物事を考えてしまい、問題の本質が見えなくなっていることが多いのです。

でけるだけ多くの視点をもって、問題の本質を見極めましょう。

1-2. 相手が求めているものを知る

仕事が暗礁に乗り上げているようなときに、もっとも意識しなければいけないのは、顧客が満足しているかどうかということです。
多くの場合は、顧客が満足していないところに問題は発生します。

自分に、自分の部署に、自分の会社に、求められているものは何かという原点に返ってみましょう。
仕事が楽しくなったり、気分が高揚したりするほど、「何を求められているか?」より「何をしたいか?」を優先させてしまうことがあるものです。

自分に求められているものをはっきりと知りたければ、上司であろうが他社の担当者であろうが、一刻も早く、直接聞いて明確にすべき。
見えなかった問題点が見えてきます。

1-3. 事実を見抜く

問題に気づけないのは、事実が見えていないことが原因です。
何気なく信用してしまっていることが、思い込みであったり、誰かの主観だけから出ている情報であったりすることは、仕事をしているとよくあります。

事実を見抜くためには、情報の裏付けをとる習慣をもつことが大事。
人から聞いた情報、書類に書かれている情報、新聞に書かれている情報、テレビで放映された情報など、間接的な情報はすべて、信用できる資料や専門家の判断といった裏付けをとる必要があります。

インターネット上にある情報は、信用できるものとそうでないものの判断をして、有効に使わなくてはいけません。
公的な機関から発表されている、数値で示された定量的情報以外は、よく考えて参考にしましょう。

 

STEP 2. 現状を把握する

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問題点が見えたら、次に現状を把握します。
「今」を知って「未来」を読むのが「洞察」。
過去の問題点がわかったら、現在の状況を確認して、未来を見通すのです。

自分の現状と相手の現状をしっかりと把握して、最良の解決策を練りましょう。

2-1. 自己分析をする

自分の「強み」や「弱み」を知ることは、現状把握の大事な要素です。
しかし、ここで必要なのは自己評価ではなくて、外部からどう評価されているかということ。
外部からの評価は、なかなか自分自身ではわかりません。

やはり身近な人に、あなたの評価を聞くのが、確かな方法です。
上司や同僚、友人や家族に、あらためてあなたの「強み」と「弱み」を聞いてみるのです。

さらに、「SWOT」などのワークフローを使って自己分析をしてみると、戦略的な視点から今の自分を知ることができるはずです。

2-2. 相手の事情を把握する

仕事が思い通りに進まないということは、顧客やクライアントに何かそうできない理由があるわけです。
こうした「相手の事情」を把握しなければ、解決策は生まれません。

いくら素晴らしいプランで、正しい根拠があっても、相手に受け入れられなければ意味のないこと。
相手の事情をくみ取る視点をもって、伝え方や修正案を工夫しましょう。

相手の求めるものがわかっていたとしても、事情を思いやる気持ちを忘れてしまい、自分の事情ばかりを相手に押し付けていることがあります。

「この場では言えないことなのではないか?」「何か特別な理由があるのではないか?」と相手の事情を洞察して、問題解決の糸口が見つかることはよくあるのです。

2-3. 全体の中での位置づけを知る

自分の現状を把握する上で重要なのが、大きな視点で俯瞰する「鳥の目」です。
限定された狭い範囲における評価ではなくて、より大きな「全体」の中における評価に目を向けましょう。

部署の中で最良とされた企画は、社内全体だとどうなのか、同業他社と比較したらどうなのか、といったマクロ視点で見直してみるのです。

時間軸で考える視点も大切。
今、最高だと考えているこの企画は、1年前だとどうだったのか、1年後にはどう評価が変わっているのかといった読みから現情を把握します。

「井の中の蛙」は、自分で外の世界に気づけないことが問題なのです。
意識して外界を見通す視点をもつようにしましょう。

 

STEP 3. 未来を見通す

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現状を把握したら、先を見通して最良の問題解決法を策定します。
この洞察が外れていると、問題解決に至らないばかりか、さらに状況を悪くしてしまうことになります。

ますます視野を広げて、多くの情報から有益なものを絞り込みましょう。

3-1. 全体の流れを見通す

大きな視点で全体を把握する「鳥の目」で「今」を理解したら、流れを読む「魚の目」で先を読みます。

流れがわかっていないと、的外れなプランニングをしてしまいます。
世の中の流れは、環境に配慮した電気自動車へと向かっているのに、高出力のガソリンエンジンにこだわり続けても、明るい未来は来ないでしょう。

目の前にある現実としっかり向き合うことは、もちろん大事なことですが、「今」だけを見ていたのでは、見えないものがたくさんあります。

過去があって「今」があり、未来へとつながるという、「時間」を意識する「魚の目」をもちましょう。

3-2. リスクを見通す

「対岸の火事」という言葉があります。
他人事だと思っていたら、災いがいつの間には自分の身に降りかかることがあるという意味。

現時点では影響がなさそうに思えることでも、未来に大きな影響を及ぼす可能性がある要素は計算に入れておかなければいけません。

「リスクヘッジ」といってもいいでしょう。
人の気持ちや世間の目は、時間の流れとともに変化するものです。
時代の流れや環境の変化をとらえて、今、問題となっていることがどう変わるかという洞察をし、解決策を見通しましょう。

3-3. 3手先を考える

今後、相手がどう出るかという読みも大切。

将棋でいわれる「3手先を読む」というのは、「自分がこう指したら、相手がこう指してくる。そこで自分はこう指す」ということを考えて、次の1手を決めるという意味。
少し上達すれば誰もができる、将棋の基本ともいわれる戦術です。

2手先では、相手の反応だけで終わっています。
相手の反応に応じて対処することを前提とした、次の1手が大事だということです。

先を読みすぎてもいけません。
5手先になってしまうとパターンは無限にありますから、問題点がぼやけてしまい、現実的ではなくなってしまうのです。

あくまでも大事なのは3手先。
この視点をもって問題解決にあたれば、見えなかった未来が見えてくることでしょう。

 

STEP 4. 捨てるものを見抜く

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何かを選択するということは、何かを捨てることです。
変わるということは、今まであったものを捨てるということ。
新しいものを手に入れるためには、何かを捨てなければいけません。

解決策を絞り込むために必要なのが、「捨てるものを見抜く」洞察です。
何を捨てて何を選択するか決めるのは、意外と難しいものです。
思い込みやこだわりが強いばかりに、優柔不断になってしまうケースは少なくありません。
捨てるものを見抜くコツをいくつか紹介しましょう。

4-1. 本当の目標を見抜く

捨てるものを見抜くときには、とくに「虫の目」が必要とされます。
よく見える近くから、いろいろな角度で物事を見る目です。

今、本当に必要なものは何か?
それを知るためには、「仕事をしている目的は何か?」という立脚点を確認する必要があるでしょう。

さらに、「自分にとっての幸福とは何か?」という生きる原点まで視点を変える必要があるかもしれません。

視点は多いほどいいのですから、考えつくあらゆる方向から問題点を見てみましょう。
見えなかったものがいろいろと見えてきて、ひとつの目的を絞り込む指針になるはずです。

4-2. 信頼で見えなくなっているものを見抜く

仕事における他人や他社との関係に、「信用」は欠かせません。
信用を失うということは、仕事ができなくなることを意味します。
だから、信頼を得るために誰もが努力するのです。

しかし、信頼が大事なものを見えなくしてしまうこともあります。
信頼しているから大丈夫だと考えて、チェック機能を排除してしまうと、正しい選択ができないことがあるのです。

いくら信用のある人間でも、スランプに陥ることもあれば、魔が差すということもあるのですから、チェック機能を維持することは、相手のためでもあります。

「物事を疑う視点」というとイメージが悪いかもしれませんが、お互いにチェック機能を維持することが、お互いを守ることになるのです。

4-3. ほかの方法を考える

問題解決策を絞り込むことができたら、最後に、もっといいほかの方法はないか、もう一度考えてみましょう。

多くの視点から取捨選択された方法は、最良の策であるはず。
しかし、人間は無意識のうちにこだわるものがあったり、潜在的な思い込みで視野を狭めてしまうときがあります。

解決へと向かう道は、本来、無数にあるのです。
洞察して、その中から状況に応じた最良の道筋を選ぶのだということを忘れないようにしましょう。
ですから、プラン決定の最後にはもう一度、多角的に道を考えてみる時間をもつのです。

 

STEP 5. 自分を変える

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問題が発生した原因を自分に求めるということは、自分のどこかを変えなければいけないということです。

「自分を変える」という行為は、難しいこととされます。
しかしここでは、「問題を知り」「現状を把握して」「未来を見通し」「捨てることで絞り込む」という4つのステップの上に成り立っているのですから、いわば洞察の仕上げ。

ここまできたら、何も躊躇することなく実行するのみです。
そこにも、よりよく実践するためのちょっとしたコツがあります。

5-1. プラス要素だけを意識する

もう、やることは決まっているのですから、いかに自分をよい状態に置くかということを考えましょう。

たとえば、明日の会議で問題の解決を図るとします。
会議のはじまる午前10時までは、あと12時間。
この12時間をどう過ごしても、会議ははじまります。
あれこれ悩み、睡眠不足でストレスを溜めても、はたまた週末をどう楽しむかあれこれプランニングしてゆっくり眠っても、明日の朝はやって来るのです。

同じ時間を過ごすのであれば、いらぬストレスなど抱えないようにして、楽しいことだけを考え、心地よい状況に自分を置いたほうが、心にも身体にもプラスです。
少しでも自分がプラスの状態で会議にのぞめば、自他ともに問題解決の印象がよくなるはずです。

5-2. 大きな目標と小さな目標をもつ

ここまで来たら、すでに目標が定まっているので、その目標に向かえばいいのですが、目標を達成するコツは問題解決にも利用できます。

そのコツとは、マラソンなどでもよくいわれる、「小刻みなゴール設定」。
人間は大きな目標だけだと、挫折したり妥協したりする可能性が高まります。
また一方で、小さな目標だけでは、スケールの小さな人間になってしまいます。
大きな目標設定と、小さな目標設定を組み合わせて、目標達成の効率を上げるのです。

問題の解決は、一気に畳み込んでしまったほうがよい場合と、刻みながら進行させた方がよい場合がありますから、大局的に判断しましょう。

5-3. 視点切り替えスイッチをもち続ける

洞察力に求められるのは、近くからよく見る視点、離れて俯瞰する視点、流れを読む視点、といった多角的な視点。
人間は、多くの視点をもって物事を判断し、選択することができるのです。

しかし、頭の中で切り替えの指令を出さないと視点は変わりません。
これは、洞察力にとっても、とても重要なことです。
今、何かを考えている視点は、意識して変えなければ同じ視点で物事を考え続けるということです。

問題解決能力の高い人は、多くの視点を瞬時に切り替えて洞察します。
この切り替えスイッチを意識してもち続けることが大事。
視点を変えることで、瞬時にして変わる自分が楽しめるようになったら、洞察の達人といえるでしょう。

 

まとめ

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最後に、洞察力に含めておきたい要素をひとつ。
それは「利他の視点」です。

「自分の部署が問題解決できればいい」「自社の問題が解決すればいい」といった、「自分がよければいい」という利己の視点ではなく、周りの人、ほかの部署の人たち、ほかの会社にも幸せになって欲しいという視点です。

他者の利益を大事にして洞察できれば、仕事をより成功へと導くことができるはず。
自分がやっている仕事に対するモチベーションが確立できて、問題解決能力も高まること間違いありません。

 

【参考資料】
・『複雑な仕事をシンプルに解決するための「洞察力」の磨き方』 鳥原隆志 著  WAVE出版 2017年
・『洞察力 弱者が強者に勝つ70の極意』 宮本慎也 著  ダイヤモンド社 2017年

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