ノンバーバルコミュニケーションを磨く10の知恵-しぐさと心理

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コミュニケーション力を高めたいと思っている人はとても多いですよね。
みなさん、いろいろな努力をされていることと思います。

「聞き上手」になる。
言葉づかいに気をつける。
相手を気づかう心配り。
場の空気を読む。

そうしたコミュニケーション力を高める技術のひとつとして注目されているのが、「ノンバーバルコミュニケーション」です。

「ノンバーバル」とは、「非言語」という意味。
ノンバーバルコミュニケーションとは、非言語によるコミュニケーションを表す言葉です。
しぐさや表情で気持ちを伝える「ジェスチャー」というゲームは、ノンバーバルコミュニケーションを楽しむものとして知られます。

ビジネス、医療、教育といった多くの場でノンバーバルコミュニケーションが注目されている理由は、言語によって伝わる発信はわずか3%に過ぎず、非言語によるコミュニケーションが97%を占めているといわれるから。

ここでは、ノンバーバルコミュニケーションを磨いてコミュニケーション力を高めるために、10項目の知恵を紹介します。
前半は実践に必要な知識、後半は具体的な利用例をあげて、実践に役立つしぐさのバリエーションを解説します。


目次

ノンバーバルコミュニケーションを磨く10の知恵
1. コミュニケーションとは共有すること
2. バーバルとノンバーバルの違い
3. 「ステイタス」を理解する
4. 身体を意識的にコントロールする
5. 頭と胸を安定させるコツ
6. ステイタスが表れる簡単なポーズ
7. ステイタスを上げるしぐさ
8. テイタスを下げるしぐさ
9. ステイタスを大きく変えるしぐさ
10. ナチュラルステイタスを高める方法
まとめ

ノンバーバルコミュニケーションを磨く10の知恵

1. コミュニケーションとは共有すること

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英語の「コミュニケーション(communication)」には、「なにかを共有する」「ひとつにする」といった意味があります。

コミュニケーションとは、ひとりで成立するものではなく、2人以上の「伝える側」と「受け取る側」という双方向の関係によって成り立つもの。
人間は各々が異なる立場や環境にありますから、伝える側が伝えたいことを受け取る側に伝えるためには意思共有の状態をつくる必要があるのです。

この、自分と他者との間になんらかの意思を共有する状態をつくる過程が、「コミュニケーション」と呼ばれるのです。

2. バーバルとノンバーバルの違い

コミュニケーションの形態には、「言語的コミュニケーション(バーバルコミュニケーション)」と「非言語的コミュニケーション(ノンバーバルコミュニケーション)」の2つがあります。

言語的コミュニケーションは、話したり書いたりする言葉によって意思の共有を図るもの。
国が変わるなどして言語が変われば通じなくなるというデメリットはありますが、共通言語によって意味が共有されている言葉を使えば確実に意思を伝えることができます。
単語だけでなく、文法やテンポなどによって意思を共有できるケースもあります。

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非言語的コミュニケーションは、笑顔や泣くといった表情、身振り手振りのしぐさなどが当てはまります。
笑顔や涙を見せることは、置かれている状況やそこに至る流れによって意味をもつことになり、伝える側と受け取る側になんらかの意味が共有されていれば、意思の共有ができてコミュニケーションが成立します。

非言語的コミュニケーションにおいても、意味が共有されていなければコミュニケーションは成立しませんし、民族性や地域による意味のズレがあるとコミュニケーションはうまくとれません。

また、非言語的コミュニケーションには、はっきりとした意味を共有するものとは別に、感情・感覚として共有されるケースもあります。
例えば笑顔によって、その場の状況を受け入れるというような意味を認識するだけでなく、「楽しさ」「うれしさ」「喜び」といった感情や感覚を共有することもできるわけです。

人や物、場所などの名称、時間の経過、値段や数値といった事実を伝えるときにはバーバルコミュニケーションが適しており、感情や感覚を伝えたいときにはノンバーバルで表現したほうが人間は信用するといわれます。
それだけにノンバーバルコミュニケーションには、伝える側には感情表現の豊かさが問われ、受け取る側には相手の感情を読み取る能力が求められるのです。

3. 「ステイタス」を理解する

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コミュニケーションの要素には、バーバルかノンバーバルかにかかわらず、力関係やその場における優劣の関係が存在します。

こうした優劣の関係を決める要素は、演劇用語で「ステイタス」と呼ばれます。
人に命令をする、自信をもった言動をするといった行為はステイタスが高く、謝ったり相手に同調したりする行為はステイタスが低いといえるのです。

その人間のその場におけるステイタスは、外見や職業、言葉づかいやしぐさなどいろいろな要素が絡み合って決まります。
良好なコミュニケーションを成立させるためには、自分のステイタスを理解してその場に合った言動をとることが必要。
しかも、そこにはノンバーバルな表情やしぐさが大きな意味をもつのです。

言葉をもたないサルの社会にステイタスがあることでわかるように、コミュニケーションの要素としてステイタスはとても感覚的なもの。
例えば、客として入ったコンビニエンスストアーで、上から目線で接客する店員がいたら気分を害しますよね。
これは自分のステイタスを理解していない店員が、その場にそぐわない言動をとったからです。

ノンバーバルコミュニケーションを磨くためには、ステイタスという観点で相手との関係を考えることが重要です。

4. 身体を意識的にコントロールする

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しぐさや表情を通じて「意味」や「感情」を伝えるノンバーバルコミュニケーションでは、自分の身体をコントロールする能力が問われます。
信用度が高いとされる「ノンバーバル」での失敗を「バーバル」で挽回するのは難しいことからも、普段から身体を意識的にコントロールする習慣を身につけたいものです。

コミュニケーションツールである身体は、「頭(顔を含む)」「胸」「腕」「お腹」「腰」「足」という6つのパーツに分けて意識するようにしましょう。

① 頭
頭部には目や口といったコミュニケーションと深くかかわる部位があり、司令塔である脳も存在するので、小さな動きやわずかな表情の変化でも相手に与える印象が大きく変わります。 

② 胸
胸には心臓があって心や生命力を象徴するので、モチベーションの高さや意識の向いている方向を表現します。

③ 腕
腕は言葉を強調したり、ポーズの意味を強調させるパーツ。
とても目につく部位ですから、キレイに動かせばスマートな印象を与え、力んで動きが硬くなれば緊張している印象を与えます。

④ お腹
腹部は「意識を表す胸」と「本能を表す腰」の間にあり、欲望の強さを表します。
その人の人間的な強さを象徴する部位で、デパートの接客係がお腹の前で手を組むのは、個性を消すためのポーズだといわれます。

⑤ 腰
エネルギーの源とされる腰は、性的な表現や本能的な動き、自信や強さを表現します。
腰の安定した動きは、相手に落ち着いた印象を与えます。

⑥ 足
足のポジションや向きはコミュニケーションに深くかかわっており、つま先の開く角度はコミュニケーションをとろうとしている範囲を示し、内側に向いていれば自信がなく閉鎖的な印象を与えます。

5. 頭と胸を安定させるコツ

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6つのパーツの中でも上半身である頭と胸は、ノンバーバルコミュニケーションにおいてとても大きな存在。
頭と胸を安定させるだけでも、コミュニケーション力を高めることができます。

正面から見て頭、首、胴体が垂直であることが基本ですが、安定させて見せるコツは、肩甲骨を背中の中央に寄せながら下にさげ、背中を広く感じながら肩を自然に開いて頭を胴体からできるだけ離すように首を伸ばす姿勢。

緊張していたり興奮していたりするきには、こうして「首は長く、背中を広く」をイメージすることで、相手に落ち着いた印象を与えると同時に自身もリラックスすることもできます。

この状態から少しアゴを引けば「イエスのポジション」で、「あなたの話をきいていますよ」という印象を与えます。
アゴを引きすぎると、にらむような視線になってしまうので注意しましょう。

顔を少し横に向けて相手に視線を向けるのは「ノーのポジション」で、相手を否定するような印象を与え、その状態からアゴを上げればステイタスが高くなり、相手にプレッシャーを与えます。

そのほか、基本姿勢から頭を少し横に傾けてやさしく問いかけるとウェルカムな印象、胸を張ればエネルギッシュでポジティブな印象を与えますが、いずれもやり過ぎには注意しなければいけません。

6. ステイタスが表れる簡単なポーズ

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簡単にステイタスを印象づけるポーズを3分野6パターン紹介しましょう。

① 精神的に強い印象を与えるポーズ
ステイタスを上げたいときは胸は張って「首は長く、背中は広く」を意識します。
プレゼンなどでは腕を大きく広げるのも効果的。
下半身はヒザを伸ばして足を適度に開き、つま先を外側に広げます。

② 精神的に弱い印象を与えるポーズ
ステイタスを低くして空気のような存在に近づくのは、全身の力を抜いて頭を垂れ、背骨も少し曲げて視線を斜め下に落とすようなポーズ。
自分の腕で身体をさわったり、身体を隠そうとするしぐさも自信のなさをアピールすることができますが、これもやり過ぎないことがポイント。

③ 戦略的に強い印象を与えるポーズ
あえて自分の手の内を明かさずにステイタスを上げたい場合には、斜めに構えたり、顔や身体のラインを隠してミステリアスな印象を与えます。

④ 戦略的に弱い印象を与えるポーズ
ヒジや指を伸ばしきるポーズは間抜けで能天気な印象与え、著しくステイタスを下げることになります。
ビジネスシーンではあまり使うことがないでしょうね。

⑤ 肉体的に強い印象を与えるポーズ
動物的なステイタスを上げて肉体的に強い印象を与えるのは、腕力の強さをアピールするような少々暴力的なポーズ。
腕を組んだり、頭を上に傾けると態度が大きい印象を与えます。

⑥ 肉体的に弱い印象を与えるポーズ
臆病で弱々しい印象でステイタスを下げるのは、首やわき腹を隠したり、つま先が内向きになったりして、肉体的なダメージを恐れているようなポーズ。
写真などで自分にこういう傾向が見えたら直さなければいけませんね。

7. ステイタスを上げるしぐさ

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商談や儀式、式典への出席などでは、高いステイタスを意識して相手からの信頼を得るテクニックが使えます。

ノンバーバルでステイタスを高めるしぐさには次のようなものがあります。

① ゆっくり重厚な動きをする
② 大きく場所を使って自分のペースでふるまう
③ ムダな動きをしない
④ リアクションをワンテンポ遅らせる

服装も重要で、高価な商品を扱うのであれば高いステイタスの服装、謝罪にはフォーマル過ぎないグレーのスーツがよいとされ、とくに女性は足を隠す服装もステイタスを高める傾向があります。

8. テイタスを下げるしぐさ

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誰かをサポートする立場であるとか、「気が利く人」をアピールしたいときには、ステイタスを下げてコミュニケーションを円滑にするテクニックが使えます。

ノンバーバルでステイタスを低くするしぐさには次のようなものがあります。

① 素早く軽い動きをする
② 小さい空間を意識してふるまう
③ 常に相手への興味を示す
④ リアクションを早くして、すぐ行動に移す

仕事では、上司やクライアントとの飲食の場、営業や接客などで低いステイタスが役立つ場合があります。
また、ステイタスの低い人ほど部署や社内の現状を把握しているというケースも少なくありませんから、あえてステイタスを下げてみることも、ときには必要かもしれませんね。

国や企業によってステイタスの在り方はずいぶんと変わりますから、その場に適切なステイタスを選んで行動することが重要です。

9. ステイタスを大きく変えるしぐさ

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ステイタスに大きな変化を与えてドラマチックな演出が成功すると、人を楽しませたり驚かせたりすることができます。
自己アピールや恋愛にも役立つテクニックですから、ぜひ身につけてください。

ステイタスを変化させるアクションは、バーバルとノンバーバルの両面でインパクトを与えると効果的です。

① 声の大きさとともに表情も大きく変える
② 場違いな服装や話題をもちだす
③ 暗い表情で明るい話を伝える
④ その場にいる誰かをイジる

お笑い関連ではこうした演出がよく使われますよね。
ステイタスの高い威圧的な人間が、次の瞬間には面目丸つぶれになるような落差を面白おかしく見せるようなもの、客をイジることでステイタスを上下させて親近感や面白さを印象づけるものなどがあります。

数年前に魅力的なキャラクターとして言葉が生まれた「ツンデレ」は、みんなの前ではツンツンしていてステイタスが高いのに、2人きりになるとステイタスがいきなり下がってデレーッと甘えるタイプ。
まさに、ステイタスを逆転させることで人の気持ちをひきつけるテクニックですね。
それを意識的に行うのではなくて、性格的なものであるから魅力的とされたのです。

10. ナチュラルステイタスを高める方法

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ステイタスは、その場の状況に応じて適切なポジションをとることが、コミュニケーションには大切だということをここまで示してきました。

しかし、人は誰でも「居心地のいいステイタス」というものをもっています。
いわばデフォルト状態におけるステイタスで、これは個人によって違うもの。
その人のデフォルトのステイタスは、「ナチュラルステイタス」と呼ばれます。

日々生きていく中で自分のナチュラルステイタスを高めていくことができれば、人間として成長につながりますよね。
ところが、どんなにステイタスを高めたつもりでいても、コミュニケーションにおいてそれを決めるのは相手です。
しかも場にそぐわないステイタスで接すれば、良好なコミュニケーションをとることができません。

ですから、ナチュラルステイタスは自分の個性ととらえて、意識して高めようとしない方がいいのです。
そこで重要なのが、ノンバーバルコミュニケーション。
ノンバーバルコミュニケーションを磨くことができれば、ナチュラルステイタスは無意識のうちに少しずつ高まっていくものなのです。

まとめ

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ノンバーバルコミュニケーションは、コミュニケーション力を高めるために欠かせない要素だということがおわかりいただけましたでしょうか。
意思を伝達する作業の90%以上を占めるのですから、しっかりと身につけたいものですよね。

人は見た目の印象や他人の評価で判断してはいけないといわれますが、コミュニケーション力を高めるためには見た目を磨くことも、また大事なのです。
自分がどう見えているかということを意識することから、コミュニケーションの在り方を考え直してみませんか?

【参考資料】
・『コミュニケーション実践入門』 中山芳一 著  かもがわ出版 2015年
・『伝わり方が劇的に変わる! しぐさの技術』 荒木シゲル 著  同文舘出版 2017年

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