企画力を高める15のステップ 発想~プレゼンに至る達人の極意

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企画力を高められる極意のようなものがあったら知りたいですよね?

企画に携わる人間であれば、誰もがコンペで勝てる企画を立てられるようになりたいと思っているでしょう。
本を読んだり、セミナーに参加したりして、企画力のスキルアップを図っている人も少なくありません。

企画力とは「企画する力」という意味ですが、「優れたアイデアを生み出す発想力+α」と言い換えることもできます。
ただのアイデアではなく「優れたアイデア」とはどのようなものなのか?
どうすれば優れたアイデアを発想できるのか?
そして「+α」の部分、アイデアをどうやって企画としてまとめ、発表すればいいのか?

ここでは、国民的番組を手掛けた人気放送作家の鶴間政行さんはじめ、企画の達人たちが教える極意を15のステップで紹介します。


目次

1. 気づいて知るポイント
① ぶれない視点をもつ
② ささいなことを覚えておく
③ 「なぜ好きなのか?」を追求する
④ こだわりと利益を意識する
⑤ 発想の中の盲点をさがす

2. 発想転換のポイント
⑥ 重要なのは笑顔より夢中にさせること
⑦ 直感を大事にする
⑧ 批判をヒントにする
⑨ 他人の知識とコラボする
⑩ 時代を読んでヒネリを加える

3. プレゼンテーションのポイント
⑪ 軸になる「看板」を設定する
⑫ 「わかりそうでわからないもの」をセットする
⑬ 相手を巻き込んで完成させる
⑭ 普通を恐れない
⑮ 緊張もプラスになる

まとめ

1. 気づいて知るポイント

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企画力の原点となるのが、「気づく」ということ。
多くの人が無意識のうちにスルーしてしまう、日常の物事に隠れているヒントに気づくことです。

気づいて知った知識が記憶となり、複数の記憶が結びつくことで新しい発想が生まれるのです。
100人のうち98人の人が気づかないようなポイントに着目できる、残りの2人になることが、企画力を高める極意。
その具体策をいくつか紹介しましょう。

① ぶれない視点をもつ

時代の変化を予測することは、企画力の大きな要素ですが、そのためには「ぶれない視点」を常にもち続けることが大事です。

現代は情報過多であると同時に、変化を予測しづらい時代だといわれます。
大きな事件や災害などによって、世の中のルールや人々の指向がいとも簡単に変わってしまうようなところがあり、ヒット企画の立案は、容易ではありません。

時代を追いかけて自分の立ち位置が変わっていくと、立脚点を見失ってしまいます。
こういう時代だからこそ、時流に乗るのではなく、立脚点を維持して時代を俯瞰する姿勢が求められるのです。

時代のニーズを的確にとらえるために、流行やハプニングに揺らぐことのない視点を大事にしましょう。
ぶれない視点のベースにあるのは、好きと感じたり面白いと感じたりする素直な感性。
だから、多くのものを見て、多くの人に会って、多くの場所へ行って、見て感じて知ることが大事なのです。

② ささいなことを覚えておく

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アイデアは、複数の記憶の結びつきによって生まれるもの。

萩本欽一さんが出演した多くの番組をはじめ、近年では「笑っていいとも!」「ごきげんよう」「王様のブランチ」「SMAP×SMAP」といった大ヒット番組の放送作家を担当し、数々の企画を成功させてきた鶴間政行さんは、普段から情報をインプットして記憶として使えるようにしておくことが重要と言っています。

日頃から企画を意識して生活をしている人は、テレビでニュースを見ていて、いつか少しでも役立ちそうなことがあったら書きとめておきます。

記憶には、数秒から長くても数日間で忘れてしまう短期記憶と、時間が経っても忘れない長期記憶があり、長期記憶を増やすことがアイデアの幅を広げることにつながるのです。
短期記憶を長期記憶へとかえるためにもっともよい方法は、情報を何度も引き出して使うこと。

常日頃からささいなことをインプットする習慣をつくると、新たな情報をインプットするたびに関連する記憶を呼び起こすので、長期記憶を増やすことができます。

今はスマホやパソコンで検索すれば多くの情報を知ることができますが、機械に頼っているだけでは長期記憶を増やすことができません。
そこで得た情報を考えたり、書いたりして使うことによって、引き出しに収納され、いつでも使える記憶へと変わるのです。

③ 「なぜ好きなのか?」を追求する

「気づくクセ」をつくるために、自分が好きなことや楽しいことの理由を掘り下げてみましょう。
これは、物事の本質に近づく「洞察力」を高めるトレーニングです。

なんとなく最近好きになった女優がいたとしましょう。
「なぜ、自分はあの女優が好きなのだろう?」と考えてみるのです。
「顔がかわいい」「声が好きだ」「演技にリアリティがある」といったポイントが浮かびます。

次に、「なぜ顔がかわいいと感じるのだろう?」と、ひとつのポイントを掘り下げていきます。
「目がやさしいから」「顔のパーツのバランスがいいと感じるから」「卵型の輪郭がキュートに感じるから」というように、またいくつかのポイントが浮かび上がるでしょう。
次は、「なぜこの目をやさしいと感じるのだろう?」と、どんどん掘り下げていくのです。

最後の答えを見つけることが目的ではありません。
今まで気づいていなかった「自分の内面」を垣間見ることができたら、どこかで戻って違うポイントを掘り下げていきましょう。

④ こだわりと利益を意識する

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「これだけは譲れない」という自分の確固としたこだわりと、そのこだわりがもたらす利益のバランスを常に意識して発想する習慣をつくりましょう。

自分の好きなことや得意なことを企画の中心に置くのは、企画力を高めるよい方法です。
「好きこそものの上手なれ」といわれるように、自分がこだわっていることは深い知識をもっているからです。

しかし、「やりたいこと」「実現したいこと」を形にするのが企画の根本ではあっても、最終的な目的は何かといえば、それは利益につながることです。
英語でいえば、「プランニング」に欠かせない「マネージメント」ということになります。

利益のためには、ある部分のこだわりを妥協しなければいけないときもあるでしょう。
そこで必要とされるのが、適応力やアレンジ能力なのです。
こだわりがなければ面白い企画などできませんが、求められている要素に気づいてアレンジできることも、企画力の大きなポイントです。

⑤ 発想の中の盲点をさがす

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普通であること、当たり前のこと、常識とされることというのは、着目しようという発想が起こらないものですが、そういう盲点に、企画力アップのヒントがあります。

大ヒット企画には、「知らなかったから盲点に気がつくことができた」という例が多々あります。

放送作家の鶴間政行さんは、かつて萩本欽一さんの番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」を企画して大ヒットさせました。

当時は、「普通」はカネにならない、というのがテレビ業界の常識でした。
しかし、前述でもご紹介した放送作家として仕事をはじめたばかりであった鶴間さんは、そんな業界の常識を知らなかったので、「普通の子」という言葉を使ったのです。
萩本欽一さんは、この盲点をつく発想を斬新だとして採用し、大ヒットして人気番組となったのです。

無意識にやっていることや常識とされていることの中には、企画のヒントがたくさんあって、それは盲点になっていることが多いもの。
盲点に気づくためには、業界の常識など無視したほうがよいこともあるのです。

 

2. 発想転換のポイント

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発想の盲点に気づいて、アイデアが浮かび、やりたいことが見えてきたら、断片的なアイデアを「企画」という形に組み上げます。

企画は、まずゴールを設定しなければリアリティをもちません。
先の項で説明した「こだわりと利益のバランス」を考慮して、目的となる具体的な数値を設定し、そこに向けていろいろな要素を組み上げていくのです。

この項では、企画を組み上げるときの極意をいくつか紹介しましょう。

⑥ 重要なのは笑顔より夢中にさせること

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業界の常識が発想の妨げになることは解説しました。
消費者や視聴者の声から成る「世の中の常識」もまた、企画を組み上げるときの邪魔になることが多いもの。

「人間は楽しければ笑顔になる」ことは、世の中の常識ですね。
笑顔が健康によいことも、周囲の人たちに幸福感を与えることも事実です。
しかし、無意識のうちに誰もがやっているこうした定義づけは、1回疑ってみる姿勢が大事。

人間は、本当に楽しいと感じているときは夢中になって、笑顔すら忘れてしまうのです。
「没頭している」という状態です。
ですから、企画を組み上げるときには、多くの人を笑顔にさせることではなく、時間が経つのも忘れてしまうくらい夢中にさせるようなものを目指すべきです。

消費者や視聴者の声をリサーチすることは必要ですが、必要以上に意識することはありません。
重要なのは、漠然とした不満や欲求を解消する具体策を編み出すこと。
世の中の常識に惑わされていたのでは、人を夢中にさせる企画は立てられません。

⑦ 直感を大事にする

最初に思いついたアイデアが一番よかったという話は、よくあります。
漫画家の手塚治虫さんも、「ある時から一度アイデアが浮かんだら、もう考えなくなった。時間のムダだから」という言葉を残しています。

企画を練っていると、人の意見を耳にしたり、新たな事実がわかったりして調整しながら、だんだんつまらないものになってしまうことがあります。
そんなときは、最初のアイデアに戻ってみると、「こっちの方がよかった」と思えることが多々あるのです。

最初に浮かんだアイデアが最高だと思ったら、それを熱意で通すこともときには必要。
直感で8割がたできてしまうような企画は、意外と多いのです。

⑧ 批判をヒントにする

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批判やネガティブな意見こそ、企画のヒントとなります。

過去に自分で立案した企画が、ネットで酷評されたとしましょう。
怒りを感じて、自分を正当化する書き込みをしたり、憂さを晴らしてストレスを解消しようとするかもしれませんね。

しかし、大ヒット企画ほど賛否両論があって、批判にさらされるもの。
企画力の高い人は、批判の声も自分の中の怒りも悔しさも、すべて新企画の肥やしにしてしまいます。

企画を組み上げている最中でも、批判的な意見や反対意見をもらうことがあります。
こういうときこそ、飛躍のチャンス。
すべて自分にとってプラスの材料にしてしまいましょう。

⑨ 他人の知識とコラボする

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企画は、中心となるプランナーがいて、何人かのチームで組み上げることもあります。
多くの場合、仕事においてはまったく違う生い立ちで歳も違う人間が、それぞれのポジションから集まって、ひとつのものをつくり上げます。

前出の放送作家、鶴間さんは、番組の企画でディレクターと司会者との三位一体ががっちりハマったときに大ヒット企画ができるといっています。

ひとつのものをつくるチームとなっても、気の合う相手と合わない相手があるでしょうし、意見が合わない相手もいるでしょう。

しかし、企画のクオリティを上げようと思ったら、意識しながらこうしたコラボレーションをハメていく作業が必要なのです。
最初は見えなくても、お互いに探っているうちに見えてくるものもあります。
そうして組みあがった企画は、絶対にひとりではつくれない幅と奥行きをもっているはずです。

⑩ 時代を読んでヒネリを加える

企画を時代にマッチさせるようにするアレンジは、企画力に不可欠な要素です。
企画は、未来を予測して立てるものですから、時代の流れを読まなくてはいけません。

時代を読んで、スパイスのように加えるのが「ヒネリ」です。
ヒネリを加えるのは、すべてのビジネスに求められる「差別化」と「個性化」を企画に与える作業です。

この先、何が衰退していくのか。
そして次に何が来るのか。

これを探りながら、「ありそうでなかったもの」や「こんなことできるんだ! と感動を与えられるもの」を意識して、アレンジを加えていくのです。

 

3. プレゼンテーションのポイント

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コンペで勝てる企画を立てるためには、プレゼンのしかたも重要なステップとなります。
プレゼンを意識した企画の極意をいくつかあげてみましょう。

⑪ 軸になる「看板」を設定する

「プレゼンはナカミよりツカミ」といわれます。
第一印象のインパクトが、その企画の採用を大きく左右するということです。

ツカミといっても、インパクトだけでは意味がありません。
大事なのは、目玉となる要素や、看板ともいうべきプランです。
商品であればロングセラーが前提となるでしょう。
まず、これがクライアントの気を引かなければ、企画が採用される可能性は低くなります。

そうした意味で、企画のネーミングや企画書の構成を考えることは重要。
ガチっとした軸になるプランが第一印象として入ってくること。
これが、プレゼンを成功させるひとつの条件です。

⑫ 「わかりそうでわからないもの」をセットする

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わかりそうでわからないものは、人をひきつけます。
通常は「わかりやすさ」を重視するのがプレゼンの基本とされますが、わからないことを魅力的に見せる手法もあります。

まったく新しい革新的な企画を発案し、今までに例がないので、「〇〇のように」と説明できないようなケースでは、まず「面白そう」と思わせることが大事。

まったくわからないものは、理解のしようがありませんから受け入れられることもないでしょうが、わかる部分とわからない部分が混在しているものは、好奇心を刺激します。

相手との信頼関係がなければなかなかできない手法ですけど、わざと謎を解明せずに面白そうだと思わせ、可能性を主張する手法もあるのです。

⑬ 相手を巻き込んで完成させる  

完璧すぎる企画は、敬遠される傾向があります。
自己PRの強すぎる人間が敬遠されるのと同じです。

企画の達人がよく使う手法に、プレゼンを受ける側の人に企画立案の仕上げに参加してもらうというものがあります。

いい加減な企画だと思われてはいけませんから、大枠はしっかりとわかりやすく組み上げておき、詰めの部分にわざと遊びをもたせておくのです。

そしてプレゼンをしながら、相手から「ここはこうしたらもっとよくなるのでは?」という意見を引き出すのです。

共犯関係となるような感覚で自分の味方になってもらい、相手が「自分も考えた企画」だと思ってくれたら、企画実現の可能性はとても高いものになるでしょう。

⑭ 普通を恐れない

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企画は画期的なアイデアや斬新な発想を形にするのですから、新しい物事を発案することになります。
差別化や個性化がカギですから、人と同じことはしたくないと考えるのが原点でしょう。

しかし、考えに考えて突きつめていったら、オーソドックスなパターンに行き着くこともあります。
世の中で「普通」とされるパターンや物事です。
こういうケースでは、「行き着いた」ということが重要なのですから、その経緯を分析してしっかり主張すべきです。

仕方なく出てきた「普通」と、しっかりプランニングした「普通」は、まったく意味が違うのです。

⑮ 緊張もプラスになる

プレゼンで緊張してしまうという人は多いですよね。
現場では、なんとかして、緊張が相手に伝わらないよう慣れたフリをしようとするもの。

でも、緊張していたって、少し声が震えたっていいのです。
ムリに何とかしようと思わず、真剣な自分をさらけ出してしまいましょう。
緊張しているからこそ相手に伝わるものがあるのです。

いけないのは、緊張している自分に嫌悪感を覚えて萎縮すること。
どんなに場数を踏んできた人でも、緊張はするもの。
でも、企画の達人は緊張感すら武器にしてしまうのです。

 

まとめ

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現代は、未来の予測が難しい時代であると同時に、発想ひとつで大成功することもできる時代です。

とくにネット空間は、様々な表現方法を用いて企画を発信できる場となっています。
企画力が高ければ、新しいビジネスを立ち上げることも可能なのです。

日常の中から気づいて生まれた発想、その発想を転換して企画に組み上げ、相手に伝えるところまでが企画力。
ここで紹介した15のステップをアレンジして、この時代に自分がすべきことを形にしてください。

企画力を鍛える方法についてもっと知りたい方は、こちらでも登場されている鶴間政行さんのお話が参考になるかもしれません。

鶴間さんが講師としてお話されているフォレスタのコンテンツをぜひチェックしてみてくださいね。

フォレスタアプリ>ビジネス>企画力

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ヒットメーカーが教える アイデア脳の作り方

 

【参考資料】
・『賢人の企画術』 夏野剛 ほか監修 幻冬舎 2012年

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