ストレスフルから脱する4つの方法‐自分を楽にして生きるコツ

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ストレスをうまく解消できないという悩みは、とても多いですよね。
それだけ、ストレスというものが厄介な存在だということです。

ここでは、「ストレスフルな毎日から脱する方法」を解説します。
ストレスフルの意味は、「ストレスが強い状態」。

「ストレス」の語源となっている英語の“stress”は、精神的、物理的な圧力や重圧という意味があり、日本語でも、重圧や心労が類語としてあげられます。

精神的重圧や心労が強い状態とは、どのようにして起こるものなのか。
ストレスフルな状態が続くと、どのような影響が出るのか。
精神的重圧や心労から逃れるためには、どうすればよいのか。

この3点について、最新の脳科学や医学を参考にしながら、わかりやすく解説します。

目次

1. ストレスはマイナス感情に対する防御反応
1-1. ストレスが生まれるしくみ
1-2. ストレスを解消することはできない
1-3. よいストレスと悪いストレスがある

2. ストレスが老化や病気をもたらすしくみ
2-1. 脳機能を低下させる
2-2. ストレスホルモンを増やす
2-3. 活性酸素を増やす

3. ストレスフルな毎日から脱する4つの方法
3-1. 自分にプラス刺激を与える
3-2. 軽い運動を習慣化する
3-3. 抗酸化食品を摂取する
3-4. 完璧主義や楽観主義に気づく

まとめ

1. ストレスはマイナス感情に対する防御反応

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「ストレスフルな職場」などという言葉は、聞いただけで重苦しい気分になりますよね。

気分が重くなり、疲労の原因となり、いろいろな病気まで引き起こす「ストレス」とは、どのようなものなのでしょうか。

ストレスフルから脱するためには、まず、そのストレスの正体を知る必要があります。

1-1. ストレスが生まれるしくみ

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ストレスは、「辛い」「つまらない」「怖い」「悲しい」「痛い」といったマイナスの感情が生まれたときに、脳が身体を守ろうとする防御反応です。

「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」という五感で受けた刺激は、電気信号として脳に伝わり、扁桃体という部位で「快か不快」か、「好きか嫌いか」という判別が行われて感情が生まれます。
ここで「不快」な刺激と判断されてマイナスの感情が生まれると、交感神経が優位に。

心拍、呼吸、血圧、消化吸収といった生命維持に欠かせない身体機能を調節している自律神経は、活動モードをつくり出す交感神経と、リラックスモードをつくり出す副交感神経が常に6:4程度の割合で働いています。

心拍や呼吸を早めて血圧を上昇させ、消化吸収機能を低下させてエネルギーを脳や筋肉に集中させる「活動モード」は、通常は昼間に仕事をしたり運動をしたりするときに必要なものですが、原始時代の名残では、身のまわりに迫った危険を察知して防御態勢をとるという「戦闘モード」でもあるのです。

ですから、ストレス反応によって筋肉は収縮し、いろいろな部位でホルモンのバランスが変わって心身が緊張状態になります。

1-2. ストレスを解消することはできない

ストレス反応の原因になっている、五感で受ける刺激は、自分の意思とは関係なく降り注ぐものです。
意識的にストレスの少ない環境や状況を選ぶことはできても、ストレスのない生活はありえません。

「ストレス解消」という言葉がよく使われますよね。
でも実際には、ストレスを消したりなくしたりすることはできないのです。

忘れてしまえば楽になることができるだろうと、ストレスを忘れようとすれば、原因になっているマイナスの感情や刺激を思い出すことになるので、余計にストレスを溜めることに。
意識すればするほど、ストレスから抜け出せなくなってしまいます。

ここがストレスの厄介なところ。
いかにストレスの少なさそうな環境を選ぶか、いかに意識せずにストレスを忘れられるようにするかということが、ストレスとうまく付きあって生きるカギとなります。

1-3. よいストレスと悪いストレスがある

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老化、精神障害、ホルモン異常と、諸悪の根源のように思われているストレスですが、心身にとって「よいストレス」というものもあります。

仕事やスポーツではよくあることなので、思い返してみてください。
壁を乗り越えたときに、達成感や充実感を感じることがありますよね。

苦労した仕事のプロジェクトが実を結んだとき、スポーツで目標の記録を達成できたときなどに生まれる充実感は、それまでのストレスがあったからこそ報われた喜びです。

このようなストレスは、幸福感や生きがいにつながるものですから、人生においてはあった方がよいストレスなのです。
会社を定年になった後も、多くの高齢者が仕事を続けたいと考えているのは、経済的な理由ばかりでなく、生きがいを失いたくないという理由があるのです。

しかし近年、こうした達成感や充実感を強く求めるがために、ストレスを感じなくなってしまうことの危険性も指摘されています。
実際には心も体も疲れているのに、達成感や充実感という報酬を得たくて、疲労感を押し殺してしまう状態。
これが、過労死やストレス性障害の原因になっていることも見逃せません。

 

2. ストレスが老化や病気をもたらすしくみ

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ストレスフルな生活が続くと、心身両面で、いろいろな悪影響が表面化してきます。

よく知られているものでは、うつ病、不眠症、自律神経失調症などがありますね。
これらは、精神面での症状が顕著になる疾患ですが、自律神経は様々な身体機能の調節をしていますから、身体面でも重大な疾患を引き起こす要因になります。

五感で受けた刺激が原因となって、自分を守ろうとする反応であるストレスが、なぜそのような病気をもたらしてしまうのか、そのしくみを簡単に解説しましょう。

2-1. 脳機能を低下させる

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脳がストレス反応を起こすと、脳全体に1000億個以上あるとされる神経細胞から、ドーパミンやノルアドレナリンという神経伝達物質が放出されます。

神経細胞は「ニューロン」、神経細胞と神経細胞の間のすき間は「シナプス」と呼ばれ、シナプスでは、60種以上も発見されている神経伝達物質が働くことによって、情報がニューロンを伝わっていきます。

中でも脳機能に重要な三大神経伝達物質と呼ばれるのは、「ドーパミン」「ノルアドレナリン」「セロトニン」の3つ。
ドーパミンは、快楽、食欲、性欲、生きる意欲、探求心などを司る物質で、活性が低下するとうつ状態になったり、食事がとれなくなったりします。
過剰になると、依存症の原因に。

ノルアドレナリンは交感神経の情報伝達物質であり、集中力、やる気の意欲、思考力などを司り、不足すると意欲低下型のうつ状態になったり眠気をもよおしたりし、過剰になると心拍や呼吸を早めて、緊張や「あがり」の状態を生み出します。

ドーパミンやノルアドレナリンの暴走を抑えているのが、副交感神経を活性化して精神に安定をもたらすセロトニン。
セロトニンの分泌を増やすことが、自律神経のバランスと整えるカギとなります。

神経伝達物質のバランスが崩れると、脳機能が低下して、精神や身体機能に問題が起こるのです。

2-2. ストレスホルモンを増やす

脳のストレス反応によって放出されるホルモンの総称が「ストレスホルモン」。
その代表的なものが、腎臓の上にある副腎という部位の副腎皮質から放出される「コルチゾール」です。

糖質を摂取して血糖値が上がると、膵臓からインスリンというホルモンが血液中に放出されて血糖を下げるのですが、下がりすぎた血糖を上げようと働くのがコルチゾール。
低血糖は手足の震えにはじまり、最悪は死に至るコワイ状態ですから、それを防ぐのです。

コルチゾールには、肝臓で糖を合成する、脂肪の分解を促す、炎症を抑える、免疫力を維持するといった働きがありますから、生きるためには必須のホルモンです。
しかし、過剰な状態が続くと、うつ病、不眠症、生活習慣病といったストレス性疾患の原因となり、脳の海馬を委縮させることや、抗炎症力の低下が起こることがわかっています。

コルチゾール過剰で発症する「クッシング症候群」は、手や足が細いのに胴体や顔が太る肥満、高血圧や糖尿病、骨粗しょう症といった症状が現れます。

2-3. 活性酸素を増やす

ストレス反応によってノルアドレナリンが放出されると、血管が収縮するので血流が悪化し、この状態を元に戻すときには大量の活性酸素が発生します。
この活性酸素が、老化や重大な病気の原因をつくります。

酸素が体内で使われると必ず発生する活性酸素は、強力な酸化作用をもっており、有害な細菌やウィルスなどを殺す免疫力を発揮するので、生きるためには欠かせません。

ところが、過剰になると正常な細胞まで酸化させてしまいます。
細胞のDNAを傷つけることが、がんの大きな要因といわれていますし、悪玉コレステロール(LDL)を酸化させることが動脈硬化や心不全の原因になっています。

それだけでなく、目の神経やタンパク質を酸化させると緑内障や白内障を引き起こし、肌の細胞や組織を酸化させることがシミやシワ、たるみの原因となり、脳内で活性酸素が過剰になるとアルツハイマー型認知症の原因になるなど、ストレスと活性酸素が、老化とすべての病気の原因になっているのではないかと思われるほどです。

しかも活性酸素は、運動をして酸素を使ったり、紫外線を浴びたりするだけでも簡単に大量発生してしまいます。
その大きな原因のひとつが、ストレス反応による血流悪化にあるのです。

 

3. ストレスフルな毎日から脱する4つの方法

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ストレスのしくみは、だいたいわかりましたよね。
この項では、ストレスフルから脱するための、具体的な4つの方法を紹介します。

ストレスが発生するしくみや、心身に与える影響を踏まえ、自分の現状とオーバーラップさせて、できることからはじめましょう。

大事なポイントは、ストレスから逃げようとムリをしないこと。
ストレスから逃げるのではなく、現実を受け入れて、うまくつき合っていけばいいのです。

3-1. 自分にプラス刺激を与える

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五感で受けた刺激が電気信号となって脳に伝わり、扁桃体で「不快」な感情が生まれると、ストレス反応が起こります。

五感で受けた刺激が扁桃体で「快」と判断されれば、ストレスの要因にならないばかりか、ストレスを忘れさせてしまうパワーになります。
「快」と判断される刺激とは、「心地よい」「うれしい」「楽しい」「美味しい」「面白い」といったプラスの感情を生む刺激。

何がプラス刺激になるかということは人によって違いますが、キーポイントは「没頭すること」にあります。
ほかのことを考えなくなるくらい、心地よい、うれしい、楽しい、美味しい、面白いと感じることをすればいいのです。

マイナスの感情を生む刺激は自分の意思と関係なく降り注ぐのに対し、プラスの感情を生む刺激は意識して積極的に増やせるという違いがあります。

決して難しいことではありません。
好きなことや楽しいことに没頭したり、美味しいものを食べたりすればいいのですから。
自分に、没頭するくらいのプラス刺激を与えられる手段がいくつあるか。
これが、ストレスフルから脱する秘訣です。

3-2. 軽い運動を習慣化する

身体を動かすことは、血流をよくしてストレスフルな状態を解消する簡単な手段。
デスクワークで溜まったストレスは、1時間に1回立って少し歩くだけで、すいぶんと軽減されるはずです。

何か作業していて「飽きる」のは、脳疲労の初期段階であるというサイン。
このままこの状態を続けていると、脳疲労でストレス反応を起こしますよという知らせなのです。
だから、飽きたら休憩をとって脳の神経細胞を休ませてやりましょう。

そして同時に、歩いたりストレッチをしたりして、血流を改善することが大事です。
身体はじっとしているよりも軽く動かした方が、疲れがとれるのです。

ストレスケアばかりでなくダイエットでも、最近は軽めの有酸素運動が注目されています。
ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動は、やりすぎてしまうと体内で活性酸素が大量発生するので、息が切れない程度に抑えて、毎日続けることが有効とされています。

以前は、30分以上やらなければ脂肪が燃え出さないのでダメだといわれていましたが、今は10~15分間程度の軽い有酸素運動が見直されているのです。

3-3. 抗酸化食品を摂取する

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活性酸素の害を取り除くことも、ストレスフルから脱するためには大事な要素。

活性酸素の害を除去する抗酸化成分を多く含む「抗酸化食品」を積極的に摂りましょう。
代表的な抗酸化成分は、大きく3つに分類されています。

① ビタミン系

レバー類、ウナギ、バター、チーズ、卵、緑黄色野菜などに多く含まれる「β-カロテン」を摂取すると、体内でビタミンAに変換されます。

イチゴ、レモン、キウイ、ジャガイモ、ブロッコリーなどに多く含まれるビタミンCは、ビタミンEと一緒に摂取することで抗酸化作用が高まります。

ビタミンEは植物油やナッツ類に多く含まれます。
ビタミンCは水溶性ビタミンですが、AとEは脂溶性ビタミンですから尿で排出されないため、サプリによる過剰摂取には注意してください。

② カロテノイド系

カロテノイドとは、自然界の動植物に存在する黄色、オレンジ色、赤色の色素。
ニンジンのオレンジ色である「β-カロテン」はカロテノイドでもあり、ほかには卵黄や緑黄色野菜の黄色である「ルテイン」、トマトの赤である「リコピン」、サーモンやカニの殻の赤である「アスタキサンチン」などが代表的なカロテノイドです。

③ ポリフェノール系

ポリフェノールは、植物が自分の身を酸化から守るために作り出す抗酸化物質で、渋みや苦みの成分になっているものが多いという特徴があります。

ブルーベリー、ブドウ、赤シソなどに多い「アントシアニン」、タマネギやリンゴの黄色である「ケルセチン」、蕎麦に多く含まれる「ルチン」、緑茶の渋み成分である「カテキン」、大豆に多く含まれる「イソフラボン」、ゴマに多い「セサミン」、コーヒーに多い「クロロゲン酸」などが代表的な成分です。

3-4. 完璧主義や悲観主義に気づく

ストレスを溜めやすい人に多いのは、完璧主義や悲観主義に気づいていないケース。
客観的になって、自分を見直してみるとわかるはずです。

「こうでなければならない」「こうあるべき」という気もちが強い完璧主義は、幼児期に親や学校の先生から褒められたいという気もちが強かった人に多いといわれています。
自分を追い込んで逃げ道をなくしてしまうので、柔軟性や適応力に欠け、ストレスを多く溜めてしまいがち。

こういう傾向のある人は、まず自分のことを少し許してあげましょう。
「こうなればいい」「こうできたらよくなるかもしれない」というように、前向きに緩く物事を考えるようにして、道を1本に絞らないようにすれば、少しは楽に生きることができるようになります。

悲観主義と楽観主義にかんしては、ワインが半分注がれたグラスを見て、「もう半分しかない」と考えるか「まだ半分もある」と受け取るかという例えがありますよね。
物事の受け取り方ひとつ、考え方ひとつで、いらぬストレスを抱えないようにできて、ずいぶんと楽に生きることができるはずです。

完璧主義も楽観主義も、自分からマイナスの要素を増やしてしまっているようなもの。
考え方ひとつで、自分をプラスの方向に向けることができるのです。

 

まとめ

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「ストレスフル」の反対語というと、「ストレスフリー」という言葉が近いといえるでしょう。

ここで解説してきた知識と実践方法を自分なりに噛み砕いて、ストレスフリーな生き方を目指してください。

一部で、「ストレスフルネス」という言葉を使う人がいますが、これは「ストレスフル」と「マインドフルネス」が混ざってしまい、間違った使い方をしているだけです。
瞑想によって、今この瞬間に集中することで、ストレス軽減や集中力アップを図るマインドフルネスについては、特集したサイトをご覧ください。

 

【参考資料】
・『365通りのストレス対処法』 アダム・ゴードン編、山崎氷見子 訳  オークラ出版 2019年
・『こころのセルフケア ストレスから自分を守る20の習慣』 中村延江・近本洋介 著  金子書房 2019年

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