勝てる企画書の構成と見せ方-説得力をもたせる20のポイント

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勝てる企画書作成のスキルを身につけたいと思いませんか?

「指示されたことを確実に実行できる人間」と「新しいビジネスプランを立ち上げられる人間」。企業にとっては、どちらも必要なタイプです。

しかし、「誰かの指示で仕事をする人間」は、正社員である必要がありません。仕事量に応じて補充と削減ができる非正規雇用のほうが、企業にとっては都合がいいのです。

これからのビジネスパーソンは、企画力を磨かなければ生き残ることができません。自ら作成した企画書で勝ち残っていかなければいけないのです。

ここでは勝てる企画書作成のポイントを、書く前にチェックする「構成の10ポイント」と書くときに意識する「見せ方の10ポイント」
に分けて解説します。

  1. 企画書構成の10ポイント
    1. 企画書構成のポイント1 提案先は誰なのか?
    2. 企画書構成のポイント2 得をするのは誰なのか?
    3. 企画書構成のポイント3 その人が欲しがっているものはなにか?
    4. 企画書構成のポイント4 どんな得をするか?
    5. 企画書構成のポイント5 一番のウリは?
    6. 企画書構成のポイント6 あなたの思いは?
    7. 企画書構成のポイント7 ポイント123と456はリンクしているか?
    8. 企画書構成のポイント8 違和感に対する返答は?
    9. 企画書構成のポイント9 相手がつぶやく喜びの言葉は?
    10. 企画書構成のポイント10 ダメ押しポイントは?
  2. 企画書構成で意識したい見せ方の10ポイント
    1. 企画書構成の見せ方1 レイアウトは「Zの法則」で
    2. 企画書構成の見せ方2 疑問をもたせる仕掛け
    3. 企画書構成の見せ方3 見せるところを絞り込む
    4. 企画書構成の見せ方4 体験をイメージさせる
    5. 企画書構成の見せ方5 フォントは3種に絞る
    6. 企画書構成の見せ方6 強調表現はシンプルに
    7. 企画書構成の見せ方7 認知心理学のセオリーを守る
      1. ●写真のキャプションは、本文の2倍読まれる
      2. ●行間を空け気味にすると拾い読みしやすい
      3. ●ビジュアルデータは左にあったほうが自然に感じる
    8. 企画書構成の見せ方8 イラストは効果的に入れる
    9. 企画書構成の見せ方9 図形の意味を知る
    10. 企画書構成の見せ方10 最後まで読みやすさにこだわる
  3. まとめ

企画書構成の10ポイント

企画書の目的は、ビジネスプランを提案して実現することにあります。

そのためには、まず提案先に企画の内容を理解してもらい、採用されること。そしてそれをもとに、提案先に行動を起こしてもらわなければいけません。

ですから企画書には、相手がすぐに行動を起こせるくらい具体的な要素が、漏れなく埋め込まれている必要があります。
その具体性が、説得力を高めるのです。

提案内容を明確にして説得力をもたせるために、企画書を書く前にやっておかなければいけない10のチェックポイントを解説しましょう。

企画書構成のポイント1 提案先は誰なのか?

female誰に向けて作る企画なのかを明確にします。

企画を提案する相手は、社内であれば上司や社長、社外であれば業務担当者や決済者となる現場担当の上司など様々です。立場によって思惑も違えば、勤務形態も違いますし、提案に際して割いてもらえる時間も違うでしょう。

相手によって、企画の内容や企画書の形態、強調するところや注釈を加えるところなどは異なって当然です。

まず最初に、提案先となる人物の情報をしっかり把握しましょう。

企画書構成のポイント2 得をするのは誰なのか?

imageその企画によって誰が得をするのか、明確にします。

企画書を渡したりプレゼンをしたりする相手と、その企画で利益が生まれる人は、同じとは限りません。

「ベネフィット (benefit)」という言葉があります。これは、商品やサービスのメリットによってもたらされる利益や体験のことです。たとえば、新たなダイエットのプログラムによって「痩せられる」ことが「メリット(merit)」、そのプラグラムを実行した人が「自信がもてるようになる」というがベネフィットです。

提案を受ける本人には直接のベネフィットはなくとも、第三者にベネフィットを欲しがらせることが、その人の利益になる場合もあります。

ほかの企業の顧客向けサービスをサポートする企業形態は「B to B to C(Business to Business to Person)」と呼ばれますが、こういった業態の企業が提案先となる場合には、注意しなければなりません。

誰にとっての利益が求められているのか、はっきりさせましょう。

企画書構成のポイント3 その人が欲しがっているものはなにか?

image企画を立てるときに必要なのは、「ウォンツ(wants)」の裏にある「ニーズ(needs)」を掘り起こすことです。

ニーズとは、例えば「喉が渇いたから何か飲みたい」という、何かを満たしたいと思う欲求のこと。対してウォンツとは「冷たい水が飲みたい」というような、ニーズを満たせる具体的な欲求のことです。

大ヒット商品などは、多くの人のウォンツを満たしています。しかし、ウォンツのみを追いかけるだけでは、世の中にすでに存在するもののコピーしか生まれません。

ウォンツからニーズをへと発想を深めましょう。

企画書構成のポイント4 どんな得をするか?

maleその企画が実現することによって、「どんな得をするのか」を明確にします。つまり、先ほどのベネフィットを明確にするということです。

先にも書いたように、ベネフィットの対象は、企画を受け取る人であるケース、企画を受け取る本人ではなく、その企画の対象者であるケースがあります。また、この2つが共通するケースもあります。

ベネフィットは、企画におけるもっとも重要な構成要素。このポイントが明確で具体的にでないと、企画内容がしっかり相手に伝わりません。

企画書構成のポイント5 一番のウリは?

femaleもっとも相手の心に響くベネフィットはなにかを明確にします。

通常、ひとつの企画にはいくつものベネフィットがあります。しかし、企画を提案された相手の印象に残るのはせいぜい2つか3つ。

その2つか3つの中にある「一番のウリ」を明確して、企画の主旨をはっきりさせるのです。その1点だけで採用が決まるようなベネフィットがあれば、勝てる企画書に大きく近づきます。

企画書構成のポイント6 あなたの思いは?

maleその企画にかける思いや熱意を盛り込みます。

プレゼンで思いや熱意を伝えられなければ、勝てる可能性は低いでしょう。しかし、何らかの理由により、プレゼンでうまく言葉にできないこともあれば、プレゼンの機会そのものがないケースもあります。

つまり、その思いや熱意を企画書に盛り込むのが、確実な方法なのです。思いの部分は主観的な言葉や文章で構成されますが、独りよがりな意見や言いわけは逆効果です。

「この商品が実現することで、夢をもつことができた子どもたちの笑顔が見たいのです」

主観的とはいえ、このように、あくまでも相手主体、顧客主体になっていなければいけません。

企画書構成のポイント7 ポイント123と456はリンクしているか?

ポイント123と456が、違和感なく需要と供給の関係になっているか確認します。ここまで解説してきた中で、ポイント123は対象とそのニーズ、ポイント456はそれに呼応するベネフィットというくくりになります。

ポイント1 提案先は誰なのか?
ポイント2 得をするのは誰なのか?
ポイント3 その人が欲しがっているものはなにか?
ポイント4 どんな得をするか?
ポイント5 一番のウリは?
ポイント6 あなたの思いは?

違和感やズレが感じられたときには、もう一度最初からチェックし直しましょう。

企画書構成のポイント8 違和感に対する返答は?

male違和感をチャンスにしてしまう策を立てます。

ここからの3つのポイントは、より説得力を増すための補強策です。前項で、違和感があったらチェックして直せと書きましたが、逆に違和感を戦略的に使ってしまう手もあります。違和感がある部分や疑問点は相手が質問してきますから、相手を十分に納得させられる答えを用意しておくのです。

ここで相手が納得できない返答であれがば、あなたの信用はガタ落ちになります。しかし、十分に納得させることができれば、その企画に対する評価はグッと上がるでしょう。

攻められるポイントを用意しておき、完璧な防御策で返すという高度なテクニックです。

企画書構成のポイント9 相手がつぶやく喜びの言葉は?

image企画が実現したときに恩恵を受ける人間の、感情を盛り込みます。

「新部署ができて仕事がしやすくなったな…」
「売り上げが増えて財政が楽になったな…」
「おいしい珈琲が会社で飲めるのは嬉しい…」

こうした具体的な成功のイメージを見せることにより、提案先に企画採用のスイッチを押したくさせるのです。

企画書構成のポイント10 ダメ押しポイントは?

企画書に盛り込むべき最後の構成要素である「ダメ押し」を設定します。決定に踏み切れない相手の背中を押してあげるのです。具体的には次のような内容です。

・成功した事例をわかりやすく提示する。
・顧客の「喜びの声」を提示する。
・企画実施に最適なタイムリミットを設定する。
・値引きや追加サービスで、「特別感」や「お得感」を出す。

プレゼンでは好感触だったのに採用が決まらない、決定までに時間がかかっている……といった場合、最後にもう一押しがあれば、すぐに採用される可能性があるのです。

企画書構成で意識したい見せ方の10ポイント

ここからは、ひと目で「言いたいことがわかる」企画書、ひと目で「読みたくなる」企画書にするためのポイントを解説します。

多くの場合、提出先は何本もの企画書を抱えていて、ひとつひとつの企画書を最後まで読んで判断していません。そのため、まずタイトルや表紙を見て第一印象が決まり、目次や見出しの項目に目をとおして内容を想像し、そこでだいたいの良し悪しを判断してしまうのです。

ですから大前提として、「読む気にさせるタイトル」、「ページをめくりたくなる表紙」がなければ、提案は先に進みません。

企画書構成の見せ方1 レイアウトは「Zの法則」で

imageレイアウトは、読み手の視線の流れを意識しましょう。

横書きの文書では、読み手の視線が「上から下」「左から右」に流れます。回転しながら表現されるようなものでは「時計回り」が基本です。これは用紙が縦位置でも横位置でもかわりません。

これが「Zの法則」と呼ばれるものです。

時間の流れや仕事の手順などを示すときも、「上から下」または「左から右」へと並べます。まず、最初に見るのは左上。ですからそこには通常、タイトルを配置するのです。

企画書構成の見せ方2 疑問をもたせる仕掛け

企画書の表現は「わかりやすい」ことが基本にありますが、ときには「謎」を埋め込むと効果的です。タイトルや見出しに「疑問」をもたせる言葉を埋め込むことによって、読み手に「もっと知りたい」という気持ちを起こさせるのです。

・「ええ、そんな訳ないでしょ?」と反発しながら理由を知りたくなる
・「○○の法則」「○○効果」など、耳慣れない言葉が読み手の好奇心をそそる

こうした人間が違和感や不協和を感じたときに解決しようとする心理状態を「認知的不協和」と呼びます。この心理状態を利用して相手を引き込むのです。

企画書構成の見せ方3 見せるところを絞り込む

female企画書で伝えなければいけないのは、明解な「コンセプト」と具体的な「イメージ」です。それ以外の要素は、あえて企画書で見せなくてもいいのです。

相手に時間を割いてもらい、短時間でビジネスプランを理解してもらうためには、企画書でみせる要素を絞り込まなくてはいけません。大量の情報を揃えても、それをすべて盛り込むスペースもなければ、読んでもらえる時間もないのです。

必要な詳細情報や、引用データなどは予備資料として別紙にします。わかりやすいポイントに凝縮して、相手が「もっと知りたい」と思ったら、すかさず別紙の詳細情報を見せましょう。

企画書構成の見せ方4 体験をイメージさせる

male「体験する企画書」を目指しましょう。その企画が実現したらどんな体験ができるか、はっきり伝わることが企画書に必要であることはすでに述べました。

文章で示すだけでなく、体験を演出するあらゆる手段を考えるのです。写真やイラストなどのビジュアルデータで視覚に訴えることは基本です。

商品企画であれば、サンプルを手にとってもらう、模型を作って実際に触ってもらうといった、触覚に訴える方法も取り入れます。読むだけでなく、体験できる企画書は記憶に残ります。

企画書構成の見せ方5 フォントは3種に絞る

image企画書に使用するフォントは3種類までに絞りましょう。一般的なビジネス文書作成では、見出しにゴシック体、本文に明朝体というスタイルが多くなっています。

しかし、フォントによって言葉のイメージががらりと変わるのも事実。そこで、タイトルやクローズアップしたい語句に印象的なフォントを使用するのもひとつの手です。

たとえば、和食に関する企画なら、古風なイメージの「教科書体」や「楷書体」。流行を先取りする企画であれば、若々しいイメージの「ポップ体」などです。見慣れないフォントは注意を引きますが、多用されると読みにくいものです。決して本文では使いすぎないようにしましょう。

ゴシック体と明朝体の2書体を基本として使い、ちょっとしたアクセントをつけたいときには、もう1書体を印象的に使う。これが読みやすく伝わりやすい企画書の原則です。

企画書構成の見せ方6 強調表現はシンプルに

image文字の強調は、設定した大中小の3サイズと、太字、アンダーライン、色などの修飾で最低限に抑えましょう。

「勝てる企画書」は、強調部分を拾い読みするだけで企画の内容がわかるもの。何を伝えたいのかということをわかりやすくして、読み手が考える余計な手間を省いてあげるのです。

とはいえ、斜体、平体、長体、網掛けなど、ワープロ機時代から使われてきた修飾は、古くさいイメージを与えてしまうことがあるので注意してください。数を絞ったシンプルな強調こそが、大きな効果をもたらします。

企画書構成の見せ方7 認知心理学のセオリーを守る

認知心理学を活かしたレイアウトを心がけましょう。認知心理学とは、人間が物事をどう認知するのかを体系的に考える学問です。企画書にもあてはまる法則がいくつかあります。

●写真のキャプションは、本文の2倍読まれる

強烈なアイキャッチである写真の下に位置するキャプションはとても目立つので、うまく活用しましょう。

●行間を空け気味にすると拾い読みしやすい

企画を隅々まで熟読する人はあまりいません。ポイントと感じる部分を「拾い読み」するのが普通ですから、アンダーラインと行間をうまく組み合わせて拾い読みをしやすくし、そこに伝えたいことを集約するのです。

●ビジュアルデータは左にあったほうが自然に感じる

すっきりした印象で読みやすくするために、ビジュアルデータは左側、文章は右側への配置を原則としましょう。

企画書構成の見せ方8 イラストは効果的に入れる

maleイラストは意味のあるところだけに入れて、効果的に使いましょう。強いアイキャッチになるイラストは、読み手の目を引きます。とくに顔のイラストは印象に残る特性があります。

しかし、限られた紙面でイラストを使うのですから、使いどころを限定しなくてはいけません。以下の2点だけに絞ります。

・企画のイメージを具体的に伝えるものであること
・挿入することによって、文章が読みやすくなるものであること

企画書構成の見せ方9 図形の意味を知る

それぞれの図形がもつ意味を理解して、効果的に使いましょう。JIS規格(日本工業規格)やISO(国際標準化機構)では、図形についての細かい設定があります。

一般的な企画書でそこまで厳密に考える必要はありませんが、図形の中に言葉を入れてつくることが多い「論理図解」を使う際には、基本的なことを押さえておくと説得力が高まります。

・長方形・・・処理・作業、組織・部署、具体性の高い概念
・楕円・・・抽象性の高い概念、実体のない群
・ひし形・・・判断
・円柱・・・データベース
・箱矢印・・・処理・作業 + 方向
・線矢印・・・手順の前後関係、移動・流通、作業の始点と終点
・三角矢印・・・単純な作業の前後関係

企画書構成の見せ方10 最後まで読みやすさにこだわる

female最後まで、パッと見た目で把握できる情報量を増やすよう努力しましょう。

最後に、ここで上げてきた9つのポイントを再確認して修正を加えます。さらに、必ずプリントして読みやすさをチェックしましょう。

つぶれて見えなくなっている文字はありませんか?
文章は適切に改行を入れていますか?

紙面の端から端まで続く文章は読みにくいもの。紙面の中で、人間の視点は15度以上動きにくいと言われています。

まとめ

最後にもうひとつ、勝てる企画書に不可欠の要素を紹介します。

読み手を思いやる気持ちが表れていない企画書は勝てません。

企画書を読んでもらう相手は、あなたの企画書を読まなければいけない必然性などありません。もし、提案先の会社名や個人名に表記ミスがあれば、思いやりのなさを感じ取り、ボツになる可能性もあります。

これまで解説してきた企画書の「読みやすさ」「伝わりやすさ」は、読み手に対する思いやりを表すものなのです。そのためには、提出先の会社だけでなく、企画書の読み手となる人間についての情報収集を欠かさないようにしましょう。

ここで紹介した方法を実践すれば、思いやりに満ち、かつ実現性に優れた企画書が完成するはずです。

【参考資料】
『企画書・提案書の書き方がかんたんにわかる本』(藤村正宏・日本能率協会マネジメントセンター・2009年)
『最新企画書の作り方と見せ方がよ~くわかる本』(藤木俊明・秀和システム・2011年)
『企画立案の教科書』(斎藤誠・阪急コミュニケーションズ・2013年)

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