エンジェル投資とは?始める前に知りたい特徴・リターン・リスクを解説

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上場していない企業や起業家に投資して株式を入手し大きなリターンを狙う、エンジェル投資。
出資金をすべて失うリスクを伴うものの、エンジェル投資にしかない多額のリターンや「企業を応援する」という実感を得られることもあり、最近話題になっている投資方法です。

この記事では、エンジェル投資の始め方やメリット・初心者が事前に押さえるべきリスクなど、基本的な概要を分かりやすく解説していきます。

エンジェル投資とは?

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エンジェル投資とは、起業したてで資金を得ることが難しいベンチャー企業などに出資して、対価として株式を入手する投資方法のこと。

・アイデアはあるけどお金がない!
・お金さえあれば起業できる!
・起業して社会に貢献したい!

といった「お金さえあれば…」と困っている起業家の前に現れ、利息なしで出資して運営を後押しする個人投資家を天使(エンジェル)と呼んでいたことから、エンジェル投資という方法が定着しました。

これまでは、いち個人である起業家や新興企業に出資できるほどの余剰資金を持つ一部の投資家だけが実践できる方法でした。
しかし最近では、起業家と投資家をつなぐマッチングサービスの登場で知り合う機会が増えたり、クラウドファウンディングによってまとまったお金を持たないサラリーマンでもエンジェル投資によって企業を応援できたりと、インターネットやSNSの発達とともにハードルもどんどん下がってきています。

日本ではまだまだ馴染みのないエンジェル投資ですが、個人投資家に税を優遇する「エンジェル税制」が創設されるなど、国からのバックアップも整いつつあります。

エンジェル投資のメリット4選

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エンジェル投資家になるメリットは、次の4つです。

①高いリターンを狙えること
②投資先の企業を密にサポートできること
③少額から投資できること
④税制上の優遇措置を受けられること

「上場前の企業に出資できること」がエンジェル投資の一番の特徴であり、一般的な株式投資と投資の手法は同じでも、得られるメリットは別物と言えるほど異なります。

ここからはエンジェル投資の4つのメリットについて、それぞれ詳しく解説していきます。

メリット①高額のリターンを狙える

上場前のベンチャー企業に投資できるということは、その企業が将来的に大きな利益を得られれば、投資家にもそれだけの利益が還元されるということ。

今では世界的に知られているGoogleやFacebook、日本では楽天やDMMなどの大企業も、元々は小規模でした。
将来的に莫大な利益を上げる可能性のあるベンチャー企業に上場前に投資し株を取得できれば、売却や新規株式上場(IPO)によって数百倍もの利益を生む可能性もあります。

メリット②投資先の企業を密にサポートできる

エンジェル投資の2つ目のメリットは、投資先の企業を密にサポートし、事業の発展や成長を見届けられること。
「起業するアイデアはないけどベンチャー企業の発展に貢献してみたい!」という方は、エンジェル投資によって経営資金を提供する形で企業を応援することができます。

また、ベンチャー企業の株主になれれば、会社の経営方針に携わり経営方針をサポートすることも可能です。
上場企業より個人投資家の影響力が大きくなるエンジェル投資は、これから発展しそうな企業の経営に関わる楽しさを感じることができます。

上場するほど企業を成長させるには、相当のサポート量やスキル・時運なども求められますが、配当によるリターン以外にビジネススキルや人脈を得られることも、エンジェル投資ならではの魅力です。

メリット③少額から投資できる

現代のエンジェル投資は、少額から始められることもメリットの1つです。

欧米を中心に発展してきたこれまでのエンジェル投資は、投資可能な金額を数百万?数千万円ほど保有していたり、事業を成功させられる経営スキルや人脈を持つビジネスマンのみが実践でき、投資を成功させてきました。
しかし冒頭でもお伝えした通り、インターネットの発達した現代では、マッチングサイトやクラウドファウンディングによってエンジェル投資家と起業家が手軽につながれる環境が整っているため、まとまった資金も起業スキルも持たない一般的な会社員でもエンジェル投資を始めることができます。

エンジェル投資を始めるための金銭的なハードルが低くなったことで、「少額の投資で大きなリターンを狙う」という投資の醍醐味を味わうことも可能となっています。

メリット④税制上の優遇措置を受けられる

日本でエンジェル投資を行う場合、「エンジェル税制」によって税の優遇措置を受けることができます。
エンジェル税制には、「優遇措置A」と「優遇措置B」の2種類があります。

【優遇措置A】
設立後3年未満のベンチャー企業に投資した場合、その年の総所得金額から「投資額-2,000円」が控除される。

【優遇措置B】
設立後10年未満のベンチャー企業に投資した場合、その年の他の株式譲渡益から投資金の全額が控除される。

ベンチャー企業に投資した時点で優遇措置A・Bのどちらかを選択することで、所得税に対する節税効果が見込めます。

エンジェル投資のデメリット2選

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エンジェル投資とは、事業が軌道に乗り上場に至った企業ではなく、経営が安定していない未上場企業に出資する投資方法です。
つまり、リターンを得られず投資に失敗するリスクも高いということ。

エンジェル投資のデメリットは、主に次の2つです。

①リターンを得られない可能性が高い
②投資の成功には出資以外のサポートが欠かせない

株式投資ですら出資金を回収できず損をするリスクがありますが、エンジェル投資は「上場した」という信用がない分、損失のリスクが非常に高い投資方法と言えます。

エンジェル投資の2つのデメリット(リスク)についても、詳しく見ていきましょう。

デメリット①リターンを得られない可能性が高い

先ほどもお伝えした通り、エンジェル投資とは未上場の企業がこれから発展する可能性に賭けて、経営を応援したりサポートする意味合いの強い投資方法です。

「ベンチャー企業の80?90%は上場できず事業に失敗する」と言われています。
ベンチャー企業を応援することが目的であれば投資する価値はありますが、10?20%の確率に賭けてリターンを狙うことは、現実的ではありません。
特に経営スキルも人脈もない個人が、成長の見込めるプロジェクトを見極めて適切な金額とサポートを提供し、ベンチャー企業を上場に導くことは「非常に難しい」と言わざるを得ません。

それゆえに、名だたるエンジェル投資家は自分で起業して成功したビジネスマンや、ビシネス成功の時流を的確に読める一流の投資家が多いのです。
投資の経験も起業スキルもない人がエンジェル投資を始める場合は、金銭的なリターンを一番の目的にしないことが重要です。

 

デメリット②投資の成功には出資以外のサポートが欠かせない

「ベンチャー企業をサポートできる」というメリットは、裏を返すと「投資の成功のために密なサポートが必要になる場合もある」というデメリットにもなり得ます。

もしエンジェル投資によって大きなリターンを得ようとする場合は、資金だけでなく、経営を安定させるための情報や人脈の提供など多くのサポートが求められます。
エンジェル投資を行うということは、「その会社の運命共同体になる」ことと同義です。
経営が安定していないベンチャー企業へのサポート自体を楽しむことができなければ、エンジェル投資を成功させることは困難です。

エンジェル投資は儲かるのか?

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「エンジェル投資は儲かるのか?儲からないのか?」
このようにお金を稼ぐことを目的とする場合、エンジェル投資はリスクの高い投資方法と言えます。

前の章でもお伝えしてきましたが、エンジェル投資がハイリスク・ハイリターンと言われる一番理由は、未上場企業に出資するという点です。

もしエンジェル投資を行って上場前に株を取得でき、ベンチャー企業が上場したり他の企業に買収されると、その時点で大きなリターンが期待できます。
エンジェル投資によって経営が好調になり、上場や買収に成功した場合、株価が数百倍に昇ることもあります。
仮に100万円分の株式を保有し、株価が100倍に上昇した場合、持ち株は1億円の価値を持ちます。
これこそまさに、エンジェル投資がハイリターンと言われる所以です。

 

エンジェル投資がハイリスクと言われる理由

一方、これからエンジェル投資を始める場合は、ハイリスクの部分にも目を向けなければいけません。
株式投資で見るエンジェル投資のリスクは、未上場株式のため株を好きな時に売却できないこと。
上場株式であれば、損切りをすることで金銭的な損失を最小限に抑えることができます。
しかしエンジェル投資の場合、持ち株を好きなタイミングで売却できないため、次のようなリスクが伴います。

・投資金がずっと拘束される
・その企業が上場するまで投資額が増える
・損切りできないため企業の倒産を見届けるしかできず出資金がすべて溶ける

エンジェル投資をお金を儲けるために始めるのであれば、通常の株式投資以上に企業を見る目を養い、経営を間接的にサポートする努力も必要です。
元本割れどころか出資金がすべて無くなる可能性を考慮して、それでも「ベンチャー企業を応援したい!」という志がなければ、お金を稼ぐ目的でエンジェル投資に挑むことは避けたほうが無難でしょう。

そのリスクを背負ってでも挑戦してみたい場合でも、まずは少額から始めるのが賢明です。

エンジェル投資家になる方法

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ここまでの解説で、「エンジェル投資は一流の投資家や起業家として成功した人が行うもの」というイメージを持たれたかもしれません。
事実、豊富な余剰資金や経営スキルを持つ人が成功しやすい投資方法ではありますが、いち個人でもエンジェル投資家としてデビューし、投資として成立させる(利益を生み出す)方法はいくつか存在します。

個人投資家がエンジェル投資を始める主な方法は、次の2つです。

①起業家と投資家のマッチングサービスを利用する
②株式投資型クラウドファウンディングを利用する

それぞれのやり方・特徴・注意点について、詳しく解説していきます。

起業家と投資家のマッチングサービスを利用する

インターネットが発達する以前、エンジェル投資家になるためには起業家や経営者と直接知り合い、投資の話を持ちかける方法が一般的でした。
今でもこの方法は有効ですが、そもそも人脈がなければ野心ある起業家と直接会う機会を作ることは難しいでしょう。

しかし、エンジェル投資の知名度も上がりwebサイトやSNSも一般化した現代では、起業家と投資家をつなぐマッチングサービスを利用することで、エンジェル投資未経験者でも起業家とつながることができます。

経営者のプロフィールやプロジェクト内容・出資金額・リターンなどを手軽に見て、出資したい人や企業に投資できます。

マッチングサービスの注意点

マッチングサービスの注意点は、投資の目利きを自分で行う必要があること。

・事業内容は健全か?
・この資本金で運営を続けられるか?
・リターンの見込みはあるか?
・詐欺ではないか?

こうした投資すべき価値を、自分で見極める必要があります。
上場企業であれば株価の変動など他人の動きを参考にできますが、マッチングサービスを介してエンジェル投資を始める場合は、相応の自己判断力が求められます。

事業内容に曖昧な点があったり、株式や配当金に関する取り決めがなかったり、リターンを得られることを過剰に宣伝している起業家には注意が必要です。
非常にハイリスクな投資方法だからこそ、少しでも疑問点があれば事前に解消し、解消できなければ出資しないくらいの心づもりで挑みましょう。

株式投資型クラウドファンディングを利用する

近年、個人や団体から寄付金を募る「クラウドファウンディング」が注目されています。
この不特定多数から出資金を募る形式を利用した「株式投資型クラウドファウンディング」を活用することで、少額でエンジェル投資を始めることができます。

通常のクラウドファウンディングでは、出資の見返りとして特定のサービスを受けられたり、その企業の商品(物)を受け取ることができます。
これに対して株式投資型クラウドファウンディングは、出資の見返りとして株式を取得できるため、エンジェル投資の利益発生ポイントである上場や買収のタイミングで大きな利益を上げることができます。

クラウドファウンディングによるエンジェル投資の特徴は、

・少額から始められること
・寄付金額から投資価値やニーズを把握できること

この2点です。
どちらもマッチングサービスにない特徴であり、エンジェル投資特有のリスクを減らすことにつながります。

株式投資型クラウドファウンディングの注意点

株式投資型クラウドファウンディングの注意点は、起業家との密な連絡や連携が難しいこと。
クラウドファウンディングでつながった起業家とのやり取りはサイトやアプリのみ認められており、個別の連絡先の交換等は禁止されています。

また、不特定多数の人が手軽に出資できるクラウドファウンディングでは投資家1人あたりの力が弱まるため、エンジェル投資のメリットである「経営のサポート」「高額配当のチャンス」などのリターンや魅力も減ってしまいます。

クラウドファウンディングによる投資は、一般的なエンジェル投資のように個人でサポートするというより、あくまで不特定多数の1人として気になるベンチャー企業を応援する形態になります。

まとめ

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エンジェル投資は、一般的に知られる上場株式への投資と異なり、上場前の経営が不安定な企業に出資するハイリスクな投資方法です。
その一方で、投資した企業や上場や買収に成功すれば、莫大なリターンを期待できます。

投資の鉄則は、損をしないこと。
この鉄則に則れば初心者が始めるにはかなり難易度の高い投資方法と言えます。
「エンジェル投資を始めたい!」「でも損はできるだけ避けたい…」という方は、まずは比較的リスクの少ない株式投資型クラウドファウンディングに挑戦し、手応えを掴んでみましょう。

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