「信頼関係は自分自身の心の反映だ。たとえ、自分が損をしたとしても、人を信じていく。その中でしか、信頼関係は生まれない。信頼とは、外に求めるのではなく、自らの心の内にもとめるべきものなのだ。」
この言葉は京セラ、第二電電(のちのKDDI)の創業者の稲盛和夫さんの言葉です。
信頼関係を築くことができれば、仕事や生活が今よりも上手く行く可能性がグッと高まりますが、そのためにはあなたが信頼されやすい人になる必要があるということです。
今回はあなたが信頼されやすい人になり、良好な人間関係を作るための信頼関係の築き方の秘訣をお伝えします。
【目次】
2.信頼関係を築くための12のコツ
信頼関係のコツ1 無理をしない
信頼関係のコツ2 コミュニケーションがとりやすい環境を整える
信頼関係のコツ3 自分のことを相手に伝える
信頼関係のコツ4 相手に興味を持つことが大切
信頼関係のコツ5 一貫性のある行動を意識する
信頼関係のコツ6 信念を持つ
信頼関係のコツ7 目の前のことにがむしゃらに取り組む
信頼関係のコツ8 小さな成功体験を積み重ねる
信頼関係のコツ9 他人をうらやましがる
信頼関係のコツ10 「できないこと」より「できること」に焦点を当てる
信頼関係のコツ11 三日坊主を繰り返す
信頼関係のコツ12 先人の力を使う
3.上手く信頼関係を築けない時の対策
3-1 一度壊れてしまった信頼関係
3-2 初対面の人と信頼関係を築く方法
3-3 コミュニケーションを取るのに躊躇してしまう場合
1.信頼関係を築けているかのチェック項目
信頼関係をうまく築ける人とそうでない人の差は「行動」にあります。信頼される人は信頼されやすい行動を自然にとっています。今のあなたは信頼されやすい行動をどれくらいとっているでしょうか?
チェック項目を用意したのでいくつあてはまるかチェックしてみてください。
- 人によって意見を変えない
- できないことに「ノー」と言う
- 感謝の気持ちを素直に言う
- ウソをつかない
- 積極的に人と話すようにしている
- 悪口を言わない
- 約束を守る
- 手柄を横取りしない
- 自分のためではなく、他人のために生きている。またはそう周りから思われている。
- その場限りの言い逃れをしない
- 行動や発言に一貫性がある
- 一度決めたことは徹底して行う(意味もなく途中でやめない)
- 周りに何を言われても、最終的には自分の判断・決断で動く
- 上手く行かなかったとしても、人のせいにしない
- 人の顔色を気にしない
- 大きな声でハキハキとしゃべる
- 「○○だから」「○○なのに」「でも…」という言葉を使わないようにしている
- いつでも本気で取り組むようにしている
- 自分のことを積極的に他人に伝えようとしている
- 自分自身に自信を持っている
- 相手の行動や考え方をもっと知りたいと思う
あなたはいくつの選択肢にYESと言えましたか?
YESの数とあなたの信頼関係の築きやすさは以下のとおりです。
YESが8個以下の人
あなたは信頼関係を築きにくい状態です。今まで良好な関係を築けていた人ともちょっとした出来事が原因で一気に信頼関係が崩れてしまうことがあるかもしれません。
この記事を読み、信頼されやすい行動をとるための秘訣を学んで実践しましょう。
YESの数が9~18の人
あなたはある程度の信頼関係を築くことができます。しかし、もっと上手に信頼関係を築くことができたら、今よりも良好な人間関係を築くことができます。まだまだ改善するべきポイントがあるので、学んでいきましょう。
YESの数が18以上の人
あなたは信頼関係を築きやすい人です。しかし、もっと信頼関係を楽に築きたいとか、壊れた信頼関係を修復したいと思っているかもしれません。そういう場合はあなたが思っているよりも信頼されやすい行動をとれていない可能性が高いです。
この記事を読み、本当に自分が信頼されやすい行動がとれているかをチェックしましょう。
いかがでしょうか?当たり前の行動のように思われている行動がチェックリストとして並んでいましたが、思っているよりもできていないことに気付かれたかもしれません。
あなたが信頼関係を築きやすくしたいと思うのなら、NOと答えたチェック項目がYESになるように努力してみましょう。チェック項目がそのまま信頼されやすい行動を示しています。
2.信頼関係を築くための12のコツ
信頼関係を築きやすくするための12のコツを紹介します。一度にすべてやることは難しいので、できるものから実践してみましょう。
信頼関係のコツ1 無理をしない
信頼関係を築くために無理をするのはやめましょう。
あなたが無理をしないと信頼関係が築けないと思うなら、その人と関わるのをやめるというのが一番いい選択肢かもしれないからです。
なぜなら、信頼関係は双方が相手のことを信頼していることで成り立つ関係です。相手を思う気持ちに差がありすぎると、信頼関係(のようなもの)を作り上げても、常にあなたに負担がかかり続けるからです。
今はそれでもいいと思うかもしれませんが、いつか無理をしているあなたが関係を終わらせたいと思う日が来る可能性が高いです。
あなたにとってメリットにならないので、最初の段階で見極めた方が賢明です。
信頼関係のコツ2 コミュニケーションがとりやすい環境を整える
信頼関係を築くにはコミュニケーションを取りやすい環境を作ることが1つのポイントです。信頼関係はすぐにできるものではありませんから、コミュニケーションを気兼ねなく取れることが第一歩になります。
だから、まずはお互いがリラックスしてコミュニケーションが取れる環境作りに専念しましょう。
リラックスしてコミュニケーションが取れる環境とは友達のような関係です。互いに思ったことを気兼ねなく言え、相手を傷つけてしまうような言いにくいことも伝えることができる関係になることを目指しましょう。
この関係を作るためには、相互に相手のことを理解している必要があるので、「自分の考えや好きなことを相手に伝えながら、相手の考えや好きなことを理解しようとする」ということを心がけ、焦らずに関係を作っていくのが近道です。
信頼関係のコツ3 自分のことを相手にさらけだす
あまり親しくない人と何か話そうと考えると難しく感じますが、もし相手の方から気軽にいろんな話をしてくれたら、構えることなく気軽に話すことができると思います。
つまりこれは、あなたの方から積極的に自分をさらけ出すことで、相手があなたに対して感じている警戒心を和らげることができるということを意味しています。
「自分はどういう人か?」「何を考えているのか?」ということを積極的に話すことで、相手はあなたがどういう人か理解することができるので関係が深まります。
「自分を相手にさらけ出す」ことで「私はあなたを信頼していますよ」と無意識に伝える効果もあります。信頼されていることに相手が気付けば、相手もあなたのことを信頼しようとしてくれるようになるきっかけになります。
冒頭の言葉にもあったように信頼関係は自分の心を映し出す鏡のようなものだからです。
信頼関係のコツ4 相手に興味を持つことが大切
人は「自分のことに関心を持ってくれる人」と関係を作りたいと思い、良い関係が信頼関係を築く基礎になります。
相手の話を良く聞きながら、「この話はもっと聞きたい」と思える内容に対して積極的に質問をしてみましょう。自分の話に興味を持ってくれる人に対して、相手は親しみやすさを感じます。
信頼関係のコツ5 一貫性のある行動を意識する
一貫性のある行動をしていると信頼されやすくなります。なぜなら、責任感がある、誠実だ、仕事を任せたいと思われるようになるからです。
具体的には以下のような行動が一貫性のある行動ですから、意識して自分の行動を見直してみましょう。
「周りに何を言われても、最終的には自分の判断・決断で動く」
「一度決めたことは徹底して行う(意味もなく途中でやめない)」
「その場限りの言い逃れをしない」
信頼関係のコツ6 信念を持つ
行動に一貫性を持とうと考えていても、人の気持ちはその時々で変わってしまうものなので、簡単にいくものではありません。しかし、「信念」を持っている人は自然と行動に一貫性がでてきます。
なぜなら、何か問題にぶつかった時、信念に基づいて決断すれば、発言や行動に迷いがなくなるからです。さらに、自分で決めたことに対して覚悟や責任を取ることもできます。
「普段の自分の行動や考え方の軸はなんだろうか?」と自問自答してみましょう。信念に近いものが見えてきやすくなります。
そうやって焦らず時間をかけて自分を見つめていくことで、本当の信念を見つけることができます。
信頼関係のコツ7 目の前のことにがむしゃらに取り組む
多くの人は「こうなりたい」という明確な目標や意思を持っていません。自分の進むべき道がないから、その場しのぎの行動をしてしまい、一貫性のない行動をとってしまいます。
まずは目の前のことにがむしゃらに取り組んでみましょう。自分の限界に挑戦して、目標を立ててみましょう。何も大がかりな目標を立てる必要はありません。
本当にちょっとしたもので構いません。例えば、いつも1時間かかっている仕事を50分で終わらせるといったものでも一生懸命取り組めるものならOKです。
信頼関係のコツ8 小さな成功体験を積み重ねる
目の前のことにがむしゃらに取り組んで小さな成功体験を獲得したら、次はその体験を何度も得られるようにしてください。
自分の限界を出せば達成できるかもしれないという目標を日常のあらゆることに対して目標を掲げて挑戦することで、何度も成功体験が得られます。
小さな目標を立てる。がむしゃらに頑張る。成功をする。
この3つを何度も繰り返すことが重要です。
信頼関係のコツ9 他人をうらやましがる
人は無意識に他人と自分を比べてしまいます。そして、「なぜ、あの人ばかり上手くいくんだろう」とか、「それに比べて自分はダメだ…」などとうらやんで、落ち込んでしまいます。
そうやって聞くと、いけないことのようですが、実は目標を立てるチャンスです。
なぜなら、あなたがうらやましいと思う人は、あなたがなりたい姿を達成しているからです。うらやましいと思ったら、なぜそう思ったのかを考えてみましょう。
その答えはあなたが欲しいと思っているけど、今のあなたにはないものです。あなたはうらやましいと思う人に近づくという目標を立てることで、努力していくことができるようになります。
信頼関係のコツ10 「できないこと」より「できること」に焦点を当てる
他人をうらやんだり、日々のことに一生懸命になったりすると、自分の欠点に気付きやすくなります。「なぜ、自分はこんなこともできないのだろう…」とマイナスの気持ちが浮かびやすくなります。しかし、これではいけません。
これからは「自分ができている部分」に焦点を当てて考えるようにしてください。例えば、今のあなたが目標の40%を達成しているなら、「残り60%もがんばらないといけない」と考えるのではなく、「40%も達成している」と考えるようにしてください。
その上で「さらに目標に近づくためにはどうすればよいか」と考えることで次立てるべき目標が見えてきます。
信頼関係のコツ11 三日坊主を繰り返す
「目標を立てて頑張るぞ」と意気込んで頑張ったとしても、初めからうまくいかないかもしれません。
すると、「私なんてどうしようもないやつだ!」と自分を責めてしまうことになるでしょう。三日坊主になってしまうかもしれません。
しかし、三日坊主でも問題ありません。むしろ、その後が重要です。三日坊主になってしまったら、自分の心ともう一度向き合ってみましょう。
あなたが目標を達成できないことに対して焦燥感や自責の念を感じたら、あなたの気持ちが本物であった証拠です。
自分の気持ちが本物なら大丈夫です。三日坊主になってしまっても、また再開すればOKです。三日坊主でも繰り返していれば、それは三日坊主ではなくなります。
一度あきらめても、再開して何度でも挑戦するうちに、いずれできるようになります。
信頼関係のコツ12 先人の力を使う
自分の信念を作るために、もう一つ参考にしていただきたいのが「年長者の意見に耳を傾ける」ということです。
あなたよりも長い間生きている人の意見を聞くことで、自分の考え方を磨くことができます。また、年長者の方が信頼関係を築きたい時に何をしたのかということを聞けば、アドバイスをもらうことができるかもしれません。
3.上手く信頼関係を築けない時の対策
信念をしっかりと持って信頼される行動をしていても、必ずしも信頼関係が築けるというわけではありません。相手との関係が元々良くない場合は信頼関係を築くことができないからです。どうすればよいかをお伝えします。
3-1 一度壊れてしまった信頼関係
あなたの何かしらの行動がきっかけで一度築かれていた信頼関係が壊れてしまった場合、信頼関係を取り戻すことはとても難しいです。
そのため、もう一度信頼関係を取り戻そうとあなたが本気で考えるなら、時間がかかることを覚悟してください。
決して「今までの関係を考えたら、あんな事(信頼関係が壊れるきっかけとなった事)なんて些細なことだよね」と軽く考えてはいけません。相手にとっては重大なことだったから、関係が壊れてしまったわけですから。
まずあなたがすることは関係が壊れるきっかけとなったことに対して、きちんと謝罪をすることです。
相手はあなたと関わろうとすらしないかもしれませんが、あなたが関係を取り戻したいと思っているなら、友人のようにコミュニケーションが取れるようになるまで、真摯に対応してください。その上で2章の信頼される行動を心がけるようにしてください。
3-2 初対面の人と信頼関係を築く方法
初対面の人と信頼関係を築きたいと思ったら、あなたに関心を持ってもらうことから始めましょう。しかし、ただ待っているだけでは関心を持ってもらうことは難しいので、ちょっとしたテクニックを使います。
まず、信頼関係を築きたい人を見つけたら、積極的に笑顔で話しかけてみてください。初めは「話しても大丈夫そうな人」と思われることが重要です。初対面の人に持っている警戒心をなくしてもらい、普通の会話ができる状態まで持っていきましょう。
次に、相手の話を良く聞きながら、相手の良いところを見つけて褒めていきましょう。明らかなおせじでなければ、誰でも褒められればうれしいと感じます。
あなたに好意的な感情を持ってくれやすくなるので、次は相手の方からあなたに歩み寄ってくれやすくなるでしょう。
このように関係を深めていけば、信頼関係が築きやすい状態になります。あとはあなたが信念を持ってブレない行動を心がけていれば、信頼関係は築けていくでしょう。
3-3 コミュニケーションを取るのに躊躇してしまう場合
信頼関係を築くためにはコミュニケーションを取ることが大事ですが、誰でも気軽に話せるわけでありません。相手に話しかけるのに躊躇する場面もあるでしょう。
そういう時はあなたに自信がない可能性があります。もしあなたが「こんな私があの人に近づいていいのだろうか?」と思っていたら、近づくのに躊躇するはずです。
積極的に相手に近づくためには自分自身に対して自信を持つ必要があります。「自分には信頼関係を築く資格がある」と自分自身を認めましょう。この思いが強くなれば、相手に話しかけるのに躊躇してしまう場面は減っていきます。
まとめ 焦らずに自分が信頼される人になる
信頼関係を作るというと相手との関係に目が行きがちですが、自分が信頼される人になっているかが一番重要なポイントです。
信頼関係はすぐにできるものではありませんから、焦らずに地道な行動を繰り返すことが結果的には近道になることを頭にいれておきましょう。