集中力を高めるライフハック10選-フォーカスを持続するために

ビジネス

仕事の効率をアップするために集中力は欠かせません。
人間が集中力の欠如に悩んでいたという記録は、古代ギリシャの時代から残っているといいます。

好きな事や楽しい事には集中できるのに、仕事となると集中が続かないのはなぜなのか?
好きな事に発揮できる集中力を仕事に使えないものだろうか?

そうした悩みに応えるため、集中力を高めるための思考トレーニングや、効率的なタスク管理の方法といったテクニックがいろいろなところで紹介されてきました。
しかし、そうしたテクニックを学んでも「集中できたのは最初だけで、すぐに続かなくなってしまった」という人が多いのです。

米国のビジネスシーンでは、1970年代から「focus(フォーカス)」という概念が用いられてきました。                                                                                                           
英語の“concentrate”と同じく「集中力」と訳されますが、この“focus”という概念はアテンションコントロール(注意持続力)やセルフコントロール(自律)の能力、モチベーション管理能力、ストレスケア能力などいくつものスキルが組み合された能力とされ、日本語の「集中力」で表されるような単一の能力ではありません。

ここでは、フォーカスを向上させるテクニックとして認められた事柄の中から、疲労とストレスのリセットを主な目的とする10のライフハック(仕事術)を解説します。
フォーカスという概念からアプローチするテクニックによって、持続性のある集中力向上をねらうものです。

集中力を高めるライフハック10選

Attractive,Afro,American,Businessman,In,Classic,Suit,Is,Touching,His

一時的に負荷を落とすタスクブレイク

ストレスケアに休憩がもっとも重要であることは誰もが知るところですよね。
「飽きたら休む」「疲れたと感じたら休む」というのは、ストレスケアの基本です。

持続可能なフォーカスを構成するスキルのひとつに、「正しく休む」というスキルがあります。
疲労した脳や肉体をリセットするという目的以外に、集中しようとする強い思いをいったん緩めて空回りしている思考をリセットする、集中できない自分を責めるマイナス思考をリセットするといった効果があります。

最初の4項目は、「正しく休む」テクニックを紹介しましょう。
ひとつ目は、「タスクブレイク」と呼ばれるメソッド。
仕事をしていて手を休めたら、スマホのゲームやネット閲覧などに熱中してしまい、仕事を続ける気が失せてしまったという経験はありませんか?

重要で手がかかる仕事の合間に、簡単な作業をこなすのが「タスクブレイク」。
たとえば表計算ソフトで作業をしていたら、30分に1回はメールやスケジュールのチェック、ニュースのチェックなどをタスクブレイクとして数分間行い、また表の作成に戻るのです。

エンジンでいえば、定期的に回転数を落とすことで機能と持続力を維持するテクニック。
完全に作業から離れるわけではないので、モチベーションを保つことができます。

40秒のマイクロブレイクでストレスリセット

Concentration.,Afro,Girl,Holding,Fingers,On,Temples,,Thinking,Hard,,Trying

「マイクロブレイク」とは本来、数十秒から数分間の短い休憩を細かくとる休息法です。

人間の筋肉は15分間動かさないと固まって、脳への血流が阻害されはじめます。
ですから15分に1回は身体を動かす必要があり、疲労感の原因となる脳内の活性酸素を溜めないためにも、30分間に5分の休憩が望ましいとされています。

しかし、そう習慣づけていたとしても、いつでもその通りに仕事ができるわけではありませんよね。
どうしても5分間の休憩がとれないというときには、このマイクロブレイクを実践してください。

「飽きる」という感情は、疲労感の第一段階として脳が発するサインです。
飽きてきたり、のびがしたくなったりしたら、窓の前に行って外の景色を眺める、トイレに行く、飲み物を取りに行くというように、席を立って歩きましょう。

席を立てない状況であったら、パソコンやスマホでリラックスできる画像を見るだけでも、フォーカスの低下を防ぐことができます。

1分間瞑想でマインドフルネス

Yogi,Black,Woman,Practicing,Yoga,Lesson,,Breathing,,Meditating,,Doing,Ardha

米国の大企業から流行した「マインドフルネス」は、「今、ここにいる自分」に意識を集中させる瞑想メソッド。
マインドフルネスのルーツは仏教の禅にあり、本格的な瞑想は訓練を要するものですが、フォーカスを目的とするテクニックでは、完全に「無の境地」を目指す必要はありません。

マインドフルネスには、「理入」と「行入」という2つの心理的アプローチが必要とされます。
「理入」とは、自分の考え方のクセを振り返り、目の前にある事実をありのままに見つめて雑念を捨てるアプローチ、「行入」は座って瞑想する、呼吸を整える、歩く感覚に集中することなどによって、「今、この瞬間」に集中するアプローチで、思考と行動という両面を意識して実践することが求められます。

マインドフルネスを日常生活に取り入れる方法は、いろいろと提案されていますが、もっとも簡単に体験できるのが「1分間瞑想」と呼ばれるメソッド。
デスクの前でも休憩室のイスでもかまいませんが、最初は人を気にせずに済む環境が望ましいでしょう。
目を閉じて静かに呼吸を整え、意識を自分の呼吸に集中させて雑念を捨てます。
正確に1分間である必要はありませんから、気持ちが落ち着いたらゆっくり目を開けて仕事に戻りましょう。

週末はアクティブレスト

Woman,Feet,In,Warm,Socks,On,Car,Dashboard.,Drinking,Take

フォーカス能力を維持するための休憩は、マイクロブレイクにはじまり、5分休憩、昼の休憩、夜の休息、週末の休息、半年に1回の大型休息というようにいくつかの段階で考える必要があります。

週末の休息は、1日か2日間かで時間の使い方が変わってくるでしょうが、「週末は疲れていて、ほとんど寝て過ごす」なんていう人もいますよね。
実は、こんな過ごし方では疲労やストレスをリセットすることができません。

最新の脳科学では、疲労感の原因は筋肉疲労ではなくて、心拍や呼吸など生命維持に欠かせない身体機能を管理している脳の自律神経中枢に、活性酸素が溜まることだと考えられています。

ただ身体を休めるだけでは、この状態を効果的にリセットすることはできず、血流を改善して新陳代謝を高め、活性酸素を除去しなければリフレッシュできないのです。
そこで実践したいのが、「アクティブレスト」というリフレッシュ法。

活性酸素を大量に発生させてしまう激しい運動はいけませんが、リラックスしながら血流を改善するストレッチや、息が切れない程度の軽い有酸素運動を行うことによって、週末に心身をリフレッシュするわけです。

やり過ぎないことが大事。
自然の中へ行ってリフレッシュするにしても、1日の休みだったら夕方からは家でゆっくりする、2日間の休みだったら2日目の夕方までには帰宅してゆっくり過ごすようにします。

儀式の反復でルーティンパワー

Focused,Young,African,American,Businesswoman,Or,Student,Looking,At,Laptop

原始から動物が生き残る手段のひとつとして頼ってきたのが、「反復する現象」だといわれます。
一定のリズムが見つけにくい自然の中で、季節や環境がもたらす周期に気づいた者だけが進化を遂げてきたのです。

現代の人間にも「反復」に反応する本能が残っていて、善にも悪にも利用されてきました。誰もが、反復されることに対して、重要なことだという意識をもってしまうのです。
テレビCMやフェイクニュースによる大衆心理のコントロールは、知られるところですね。

この「反復」をルーティンに取り込んで儀式化することで、フォーカス能力を高めることができます。
スポーツ選手には、この儀式を効果的に使ってルーティンパワーを発揮している人が多いですよね。
ラグビーワールドカップで活躍した五郎丸選手のポーズなども、ルーティンパワーを目的としたものでした。

フォーカス能力を持続化するためには、「この動作をしたら大事な作業に取り組むという思い」と「決めた儀式は何度も繰り返す」ことが重要です。
儀式自体は、手をたたく、簡単なストレッチをする、「さあ、始めるぞ」と声に出す、これからやることを書きだす……などなど、何でもかまいません。

小さな不快で心の筋トレ

Little,Hungry,Toddler,Boy,Sitting,At,Oven,Looking,Inside,Through

ルーティンの儀式として効果的とされるものに、「小さな不快」があります。
これは、心に軽い負荷をかけるようなことで、小さな忍耐をともなうもの。
どのくらいの負荷がよいかというと、80~90%くらいの確率で耐えられるガマンだといいます。

「夜9時以降は何も食べない」「週2日はアルコールを飲まない」といったガマンもあれば、「いつも利き手でやっていることを反対の手でやる」というような課題もあります。
何が「小さな不快」にちょうどよい難易度かということは個人差がありますから、自分に合ったガマンや課題を設定しましょう。

カウンセリングなどで用いられる「先延ばし」というテクニックも、「小さな不快」を儀式化するもの。
子供に、「遊びたくなったらあと5分だけ頑張りましょう」という習慣づけをするようなことです。

「ウォーキングをしていて疲れてきたら、あと5分だけ歩く」「本を読んでいてやめたくなったらあと5ページだけ読む」「スマホの情報を見たくなったら、あと5分だけ作業を続ける」というように「5を課すルール」を設けることを推奨しています。

「誘惑に耐えた」「先延ばしできた」という小さな成功体験を積みかさねることで、モチベーションが向上し、フォーカス能力をアップさせることができるのです。

週1回の散歩でもスイッチ強化

Olomouc,,Czech,Republic,,March,28,,2020:,Face,Mask,Coronavirus,Risk

ストレスケアや脳機能の活性化に、運動が効果的であることはご存じですよね。
身体を動かすと筋肉の血流が改善されることもありますが、不快な感情や余計な思考を忘れることができるという効果も見逃せません。

フォーカス力アップを狙う運動のポイントは、「今、手足を動かしている」「今、歩いている」という身体の動きに意識を集めること。
マインドフルネスを取り入れる運動です。

ゲーム性をもつスポーツは意識を集めやすいので、週1回のスポーツを楽しむことができればベストですが、まずは歩くことからはじめてもOK。
身体を鍛えるためのウォーキングなどと考えなくても、週1回の散歩で効果があります。

歩くときに、手足の動きや呼吸に意識を集めて続けると、いつもとは違った感覚が生まれます。
散歩を終えたときに気持ちがスッキリしていることに気づくようになったら、身体を動かすことで心の切り替えができたということ。
心の切り替えスイッチをもてたということです。

このスイッチをもてると、仕事に対するフォーカス力が向上すること間違いありません。

アロマオイルで脳にダイレクトアタック

Aromatherapy:,A,Girl,With,Beautiful,Skin,Holds,A,Bottle,Of

リラクゼーションアイテムの代表的なものにアロマオイルがあります。
アロマは、フォーカス力向上にも大きな効果が認められています。

人間が「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」という五感で受けた刺激は、電気信号として神経細胞を伝わり、脳へと届きます。
このとき、視覚情報は後頭葉、味覚情報や触覚情報は前頭葉、聴覚情報は側頭葉と、それぞれ大脳皮質の違う部位で認識されるようになっています。

大脳皮質の内側にある大脳辺縁系の「海馬」という部位では、それらの情報を「好きか嫌いか」「快か不快か」という判断を行って感情を生み、記憶として一定時間留めるのです。
ここで、嗅覚情報だけは大脳皮質を経ず大脳辺縁系に直接伝わります。

このしくみは、匂いで危険を察知することが生命維持に必要であった原始時代の名残りだといわれていますが、嗅覚から得る情報はほかの感覚で得た情報よりも脳が重視するということ。

だから、アロマを効果的に利用すると、フォーカス力アップも大いに期待できるのです。
ローズマリー、ペパーミント、ユーカリ、オレンジやレモンなどの柑橘系などが、集中力アップに効果的だとされています。

没頭できる音楽と「ゆらぎ」でストレスリセット

Happy,Freelance,Worker,Having,Fun,While,Working,At,Office,Desk

フォーカス力を構成するスキルの中でも、ストレスケア能力は重要なもののひとつ。
セルフストレスケアがうまくできているかどうかで、仕事をする心と身体の状態に大きな差が生まれます。

ストレスケアの中心となるのは、リラックスすることによる副交感神経の活性化と、積極的に「快の刺激」を得ることによる「不快な感情」の忘却。
簡単にいうと、心地よいことや楽しいことをして、集中力の妨げとなっているストレスを忘れることです。

これは生活全般において有効なストレスケアですが、とくに簡単なライフハック(仕事術)としてあげられるものに、イヤホンで好きな音楽を聴くことと、休憩時間に「ゆらぎ」を感じることがあります。

通勤中や休憩時間にスマホで動画を観るという人は多いでしょうが、聴覚情報だけに意識を集める音楽は気持ちの切り替えに効果的。
必ずしもスローテンポの曲がリラックスできるとは限らず、趣味趣向によってはアップテンポのメタルサウンドが落ち着くという人もいます。

何曲か聞く中で徐々にテンポやボルテージをダウンすると、効果が高いといわれます。
ストレスリセット用のオリジナルアルバムをつくっておくといいですね。

「ゆらぎ」とは、自然の中にある不規則な繰り返し。
風の音や波の音、小川のせせらぎや小鳥たちのさえずりといった聴覚情報、木漏れ日や寄せては引く波、水面にできる波紋などの視覚情報が代表的なものです。

昼休みは緑や小川、噴水などがある公園でボーっと過ごす時間をつくりましょう。
フォーカス力アップで重要なのは、「ゆらぎ」で心を緩めて、スイッチが入ったときに緊張感がもてる状態にすることです。

脳機能を活性化する飲み物と食べ物

Food,Table,Healthy,Delicious,Organic,Meal,Concept

集中力を高めるライフハックとして、飲み物や食べ物の内容を考えることはとても重要。
人間の身体は飲んだり食べたりしたものからつくられ、維持されているのです。

飲み物のポイントとなる成分は「カフェイン」と「テアニン」。
体内に入ると15分くらいで覚醒効果が現れるカフェインの効果的な使い方は、昼休みにプチ昼寝をする前に飲む、仕事を再開する15分前に飲むといった使い方です。

朝はコーヒーで目を覚ますという人も多いことでしょうが、起床して90分間は避けるのが健康的。
通常、人間の身体は朝の6時頃からコルチゾールという覚醒ホルモンが分泌されるようになっており、起床してから90分後に減りはじめます。
起床してすぐにカフェインを摂取すると、コルチゾールの作用と合わさって刺激が強くなり過ぎるのです。

緑茶などに含まれるテアニンは、アミノ酸の一種で、リラックス効果が認められている成分。
近年の研究で、カフェインとテアニンを同時に摂取すると4%ほど集中力がアップしたという報告があります。

「集中力を高める食事」や「頭がよくなる食事」といったものは、いろいろなところで紹介されていますよね。
これらの食事でもっとも重視されているのは、体内の活性酸素を除去する抗酸化成分です。
ここでは、脳機能を活性化させる食生活として注目された「地中海食」で取り上げられている、10種の食品カテゴリーを紹介しておきましょう。

これらの食品に含まれる栄養素の多くはサプリメントでも摂取できますが、組み合わされて効果を発揮するものが多いので、やはり食品から摂るのがベストです。

・ 全粒穀物(玄米、オートミール、キヌアなど)
・ 葉物野菜(ほうれん草、ケール、レタスなど)
・ ナッツ類(クルミ、アーモンド、マカデミアナッツなど)
・ 豆類(大豆、レンズ豆、ひよこ豆など)
・ ベリー類(ブルーベリー、ビルベリー、ラズベリーなど)
・ とり肉(ニワトリ、鴨、ダックなど)
・ その他の野菜(玉ねぎ、ブロッコリー、ニンジンなど)
・ 魚介類(サーモン、鯖、マス、イワシなど)
・ ワイン(主に赤ワイン)
・ 油類(エキストラバージンオリーブオイル)

まとめ

Cozy,Woman,In,Knitted,Winter,Warm,Socks,And,In,Pajamas

仕事の集中力が異常に高い人というのは、たしかに存在します。
高い集中力を発揮する要因の50%は生まれつきの性格によるものだといわれますが、残りの50%はスキルアップによって身に着くものだということです。

集中力の高さは才能だけで決まるものではないということですね。
ここでは、「フォーカスを持続するためにライフハック」という、欧米的なビジネスシーンの側面から集中力を高める方法を紹介しました。

どれも、さして難しいことではありませんが、習慣化することが効果を発揮するカギとなることを忘れないようにしましょう。

【参考資料】
・『ヤバイ集中力 1日ブッ通しでアタマが冴えわたる神ライフハック45』 鈴木祐 著  SBクリエイティブ 2019年
・『会社では教えてもらえない 集中力がある人のストレス管理のキホン』 川野泰周 著  すばる舎 2019年

タイトルとURLをコピーしました