20分でわかるKGI・KPI・KFS・KDIの関係-KPIマネジメントの用語と概要

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ビジネスシーンで使われる用語は、似ているものが多くて覚えるのが大変ですよね?

とくにマネジメントやマーケティングのシーンでよく出てくるのが、「KGI」や「KPI」「PDCA」といったアルファベットの用語です。
これらの用語は、企業や組織が目標達成のために運用する「KPIマネジメント」で使われるものです。

KGIが、“Key Goal Indicator”の頭文字をとった略語であるように、マネジメントで使われるこれらのアルファベットは、ほとんどが略語や造語です。
ひとつひとつの用語にはそれぞれ元になる言葉があるので、もちろんそれを覚えることにも意味はありますが、大事なことはそれらの関係性を理解することです。

ひとつひとつの言葉は難解に見えても、KPIマネジメントの設定から運用という流れの中で覚えれば、決して難しい用語ではないことがわかります。

ここでは、KPIマネジメントで使われる代表的な用語の意味と、「最高の結果を出す目標達成の技術」といわれるKPIマネジメントの概要を解説しましょう。

目次

1. KPIマネジメントの用語解説
1-1. KGI
1-2. KFS / CSF
1-3. KPI
1-4. KPIツリー
1-5. KDI
1-6. PDCA
1-7. PDDS
1-8. 混同しやすい略語

2. KPIマネジメントの概要
2-1. KGIの設定
2-2. 現状とのギャップ確認
2-3. 目標達成プロセスの検討
2-4. KFSの絞り込み
2-5. KPIの設定
2-6. 事前の確認事項
2-7. 運用とデータ収集
2-8. 振り返りと改善

まとめ

1. KPIマネジメントの用語解説

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前半は、KGIをはじめとする、「KPIマネジメント」で使われる主な用語をわかりやすく解説します。

KPIマネジメントは、企業や組織が目標を達成する手段として運用するものです。
今まで曖昧であった用語の意味を明確にして、KPIマネジメントの基礎を理解しましょう。

1-1. KGI

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KGIは、“Key Goal Indicator”の略で、日本語では「重要目標達成指標」や「目標達成指標」などと訳されます。

“Indicator”は指標と訳されますが、「状態を表示するもの」という意味で使われ、わかりやすくいうと「数値」です。
ですから“Key Goal Indicator”は、「最終的な目標となる数値」という意味になるのです。

KGIは、企業や組織が四半期や年次の目標、3~5年といった中期目標、さらに長い期間の長期目標などとして設定する数値です。
経営レベルであれば営業利益や利益率などが設定されることが多く、さらに事業レベル、部門レベルなどでも設定されることもあります。

KGIの設定にあたっては、その組織が「どうなりたいのか」という目的が明確になっている必要があり、それを実現するために、期限を設けて「何をどのくらい」という数値目標を設定します。

1-2. KFS / CSF

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KFSは、“Key Factor For Success”の略で、「重要成功要因」と訳され、CSF“Critical Success Factor”も同じ意味で使用されます。

KGIという最終的な目標を達成するためには、いろいろな方策が考えられるはずです。
方策や手段は、プロセス(経過)という言葉が使われます。

営業利益や利益率の目標を達成するためには、売上を増やすか、費用を削減するためのいろいろなプロセスが考えららますが、そうしたプロセスの中から、もっとも重要で価値のあるひとつの方策に絞り込んだものが、KFS(CSF)です。

KFSは、KGIという最終目標を達成するためのカギになるプロセスということです。

1-3. KPI

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KPIは、“Key Performance Indicator”の略で、「重要業績達成指標」や「主要業績評価指標」などと訳され、直訳すれば、パフォーマンスアップのカギとなる目標数値ということになります。

ある売上高が経営レベルのKGIに設定された場合、KFS(CSF)は、営業部門であれば顧客に対する営業機会を増やすことや、営業する商品を増やすこと、人員や拠点の削減といったプロセスの中から検討を重ねて、「顧客に対して一度に提案するアイテムを1点から複数にする」という方策が絞り込まれたとします。

複数のアイテムを提案すると、ひとつのアイテムを提案したときよりも受注率が3割アップすることが、過去のデータ分析から予測できたからです。
このKFS(CSF)を具体的な数値目標に置き換えたものがKPIです。

目標とされる売り上げを達成するためには、300件という、現状では難しい営業件数が必要とされたとしても、顧客に複数のアイテムを提案することで営業件数が100件でも受注率が3割アップすることで、最終的な目標売上高が達成されたとしたら、KGIも達成されたことになります。

この、複数のアイテムを提案する「100件」という数値が、KPIなのです。

1-4. KPIツリー

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KPIを活用するマネジメントは、企業トップの経営レベルで設定されたKGIを達成するために、事業レベルや部門レベル、さらには現場活動レベル、最終的には個人レベルKPIへとブレイクダウンされるケースが多くなります。

各レベルで、「なにを」「どこまで」「どうするのか」という目標が設定されるのです。

このブレイクダウンや、逆に現場活動から上がってくるボトムアップを視覚的に表す手段として用いられるツリー構造が、「KPIツリー」と呼ばれる図です。

部門レベルのKPIを設定するためには、現場でオペレーションを行っている個人でなければわからない情報や数値が必要とされることも多く、スムーズなKPIマネジメントの運営には、そうしたボトムアップが欠かせないのです。

1-5. KDI

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KDIは、“Key Do Indicator”の略で、実業家の冨田和成氏が、2016年に出版した著書『鬼速PDCA』の中で使った造語

です。

KFS(CSF)をどれだけ実行できたかという指標を表しています。
KPI達成のための「行動計画」を数値に置き換えたものといえば、わかりやすいでしょう。

KPIマネジメントを運用する中で、KDIの達成度をチェックすることにより行動を変えれば、より目標達成に近づくことができるという考え方から生まれた言葉です。

1-6. PDCA

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PDCAは“Plan(計画) – Do(実行) – Check(確認) – Action(改善)”の略で、様々な業務を改善するために用いられるサイクルの名称です。
4つの行程を繰り返すことによって、継続的に業務を改善していくことができます。

KPIマネジメント運用の根底をなすサイクルで、管理者がPDCAをうまく回せなければ目標達成は望めません。

KPIマネジメントの管理者とは、組織や部門の責任者であるケースが多く、「Plan」「Do」「Check」「Action」それぞれのフェーズで乗り越えなければいけないポイントがあります。

KGIが設定される期間は、4半期、年次、中長期と様々ですが、その計画にそって定期的にCheck(振り返り)し、Action(改善策を実践)して、次のサイクルへとつなぐことが重要です。

KGIを簡単に変更してしまっては組織が混乱しますが、KPIは目標達成へと近づくために修正していけるものなのです。

1-7. PDDS

PDDSは“Plan(計画) – Decide(絞り込む) – Do(実行) – See(振り返り)”の略で、2018年に『最高の結果を出すKPIマネジメント』を出版した、リクルートワークス研究所副所長の中尾隆一郎氏が考案したサイクルです。

「よく考えて」「すばやく絞り込んで」「徹底的に実行して」「きちんと振り返る」という4つのサイクルでマネジメントを回し、振り返って計画へと戻ることに重点を置くという、より実践的なサイクルになっていることが特徴です。

「マネジメントレベルを進化させ続けている企業の共通点は、改善活動にこそある」という考え方がベースになっています。

1-8. 混同しやすい略語

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この項は番外編的なものになりますが、KGIやKPIにかんする情報を集めようとした際に登場しがちな、混同しやすいアルファベットの略語をいくつかあげておきましょう。

KG

2009年にユニバーサルミュージックからデビューしたシンガーソングライター。
2010年にTiaraとデュエットした『いとしすぎて』がヒットし、2013年からは、ワーナーミュージックジャパンに所属。

KGIC

カナダのバンクーバーにある語学学校SSLC“Sprott Shaw Language College”の前学校名。
“King George International College”
一般英語プログラムから大学進学プログラムまであり、日本人の留学生も多い。

KGIS

千葉県北西部で都市ガスと電気を供給している京葉ガスのグループIT企業「ケージー情報システム株式会社の略称。
“Keiyo Gas Information Systems Co.,Ltd. ”

KGI証券

台湾の多国籍企業Koos Groupの証券部門で、台湾以外に香港、韓国、タイでも事業を展開している証券会社。

KP

東京都恵比寿に本社をもつ子供服の企画・販売会社「株式会社ニットプランナー」の略称。
またはブランド名。
“Knit Planner”

KPIA

関西をベースに様々な医薬品関連企業が加盟する大阪医薬品協会が、2018年1月に名称変更した「関西医薬品協会」の略称。
“Kansai Pharmaceutical Industries Association”

KFC

街中でもよく見かけるこの3文字を知らない人はいないでしょう。
ご存知、ケンタッキー・フライド・チキンの略です。
“Kentucky Fried Chicken”

 

2. KPIマネジメントの概要

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ここからは、PDCAサイクルにのっとったKPIマネジメントの運用を簡単に解説します。

マーケティングやマネジメントの用語は、単体で覚えるのではなくて、プランや運用といった実践的な流れの中で覚えればムリなく知識にすることができます。

前半の用語解説だけで安心せずに、PDCAというサイクルを覚え、KPIマネジメントの基礎を頭に入れてしまいましょう。

2-1. KGIの設定

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最終的な目標となるKGIが明確になっていなければ、どこに向かって進めばよいのか決まりません。

企業や組織が、四半期、年次、中長期などの目標とするKGIは、関係者全員が簡単に理解できる単純な数値目標にするべきです。

多くの場合は、経営レベルで決定された営業利益や利益率ということになりますが、「何をどれだけ」という数値がはっきりと示されている必要があります。
これが曖昧であったり、関係者間でズレが生じたりすると、ゴールが明確にならないので目標達成は難しくなります。

その企業や組織が「どうなりたいのか」という目的がまずあります。
その目的を遂行する上で、ある期間の目標である「何をどれだけ」という要素を決めるということです。

2-2. 現状とのギャップ確認

最終的な数値目標であるKGIが決定したら、設定した期末まで現状のままでいくとどうなるかという予測数値を算出します。

ここでギャップがなければ、新たなアクションを起こす必要はないということになりますが、通常は組織的な向上を目指してKGIを設定するのですから、ギャップがないということはKGIの設定を誤っている可能性があります。

売上高、営業利益、利益率といったKGIに対して、ギャップが算出されたら、どうすればそのギャップを埋められるのかということを考えるのです。

経営レベルのKGIを達成するために、ギャップとして算出された数値を事業部や各部門に振り分けて、各部門ごとのKGIが設定されるケースもあります。

2-3. 目標達成プロセスの検討

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KGIを達成するために、各部門ごとに目標達成の手段(プロセス)を検討します。

一般的に、現状よりも利益を上げるためには、売上を増やして費用を減らすことが求められます。

営業部門を例にあげると、売上を増やす具体的な方法としては、「単価の高い商品の扱いを増やす」「顧客に対する営業件数を増やす」「値引き率を再検討して売上を増やす」といったプロセスが考えられるでしょう。

また、費用を減らす方法としては、「営業人員や拠点を削減する」「経費を削減する」「売れ筋商品を分析して売上増と費用削減につなげる」といったプロセスが考えられるかも知れません。

現場活動の声も幅広く取り入れて、様々な角度から考えられるプロセスを検討します。

2-4. KFSの絞り込み

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たくさん考えられるプロセスから、もっとも重要な要因であるKFS(CSF)を絞り込みます。

KFS(CSF)は、現場でコントロールできる必要があり、現場の努力で向上させることができなければいけません。
ひとつに絞り込むのは、関係者全員がひとつの目標を意識することによって推進力が高まるからです。

先の例で見ると、営業人員を増員したり削減したりすることは現場で決定できることではありませんし、値引き率も現場で簡単に変えられるものではない場合が多いでしょう。
そういう要因は外してしまいます。

経費の削減も現場の努力である程度はできるかも知れませんが、それだけでは目標達成には及ばないでしょう。

現状の体制のまま実行可能で、もっとも効果的な方法とは何か?
売れ筋商品を分析して営業アイテムの中心とするというプロセスであったら、営業部門内のマーケティングと現場の提案スタイルの変化で実現できるかも知れません。

2-5. KPIの設定

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KFS(CSF)が絞り込めたら、そのプロセスをどのくらいの数値目標にするか検討します。
この数値目標がKPIになります。

営業部門で、「売れ筋商品を分析して営業アイテムの中心とする」というKFS(CSF)が決定されたのなら、KGIと現状のギャップを埋めるためにしなければいけない、「何をどのくらい」という数値を設定するのです。

「マーケティングで選出された売れ筋商品の業界シェアを、現状の30%から70%まで上げる」という具体策が決められたら、この「70%」がKPIということになります。

KPIは、関係者のコンセンサスがとれている必要があります。
部門の責任者がOKでも、現場担当者がムリだと感じていたら再検討しなければいけないでしょう。
努力すれば実現する数値でなければ、設定する意味がないのです。

最終目標となるKGIが年次目標であったら、KPIも年次目標の数値となります。
KPIが達成されたら、KGIも達成されなければいけません。

2-6. 事前の確認事項

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PDCAの「Plan」フェーズの仕上げとして、「Check」のタイミングと「Action」の段取りを決めておく必要があります。

四半期や年次のKGIであったら、管理者は毎月、進捗状況を確認して必要であれば改善策という「Action」を起こし、次のPDCAサイクルへとつなげていくのです。

たとえば、選出した商品の業界シェアの上げ率が40%以下であれば黄信号、30%以下であったら赤信号と決めておき、赤信号になったらKPIの数値を再検討する、マーケティングを見直して商品のラインナップを再検討する、などのActionをとって具体的な改善策を決める、といった段取りです。

毎月の進捗状況は、関係者全員に伝わるように、公表する場もしっかり決めておきます。

2-7. 運用とデータ収集

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いよいよ「Do」=運用を開始する際には、KPIマネジメントの運用がはじまることを社内報やトップの宣言などで関係者全員に伝えます。
その際には、前項で決めた確認事項も全員に伝わるようにします。

PDCAのマネジメントは、「Plan」がサイクルの9割を占めるといわれるくらいですから、しっかりとKPIやチェック体制が設定されていたら、「Do – Check – Action」の3つはスムーズに進行し、たとえ問題が生じても効果的な手を打って次のサイクルにつなげることができます。

運用でもっとも重要なことは、各現場から上がるデータが管理者に集まる体制をきちんとつくっておくことです。
毎月のCheckは、こうして集まったデータを分析して行うのですから、正確なデータがスムーズに上がってくるシステムが、定常業務に組み込まれていなければいけません。

2-8. 振り返りと改善

PDCAサイクルで運用するKPIマネジメントは、振り返りと改善で次のサイクルにつなげて回していくことが、目標達成のカギとなります。

毎月のCheckで公表される進捗状況は、「このままの状態を維持すれば目標が達成できる」という青信号なのか、「さらに努力をしなければ目標達成できない可能性がある」という黄信号なのか、「このままでは目標達成できないので改善の必要あり」という赤信号なのか、関係者全員が知る必要があります。

エクセルのファイルを公表するにしても、青黄赤の3色を効果的に使って、日々の現場で活動する人員にも進捗状況が一目でわかるようにしておけば、次なる改善策の実行がスムーズになります。

 

まとめ

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いかがでしょうか?
ここまで読まれて、冒頭であげたような用語に対する不安は消えましたよね。

後半の実践編では、アルファベットの略語がたくさん登場する、よくあるスタイルのビジネス文献と同じように進めてきましたが、もうわからない用語はなくなったことと思います。

マーケティングやマネジメントの書籍には、わざわざ難解な略語をたくさん使って、それを覚えることで、読者に知識を植え付けようとするものが多いのです。
いきなり、そうした文書に出くわすと、わからない言葉だらけでアタフタしてしまうもの。

略語や専門用語を知るには、まず、わかりやすく書かれた書籍を見つけることが近道です。

KPIマネジメントについて、もっと詳しく学びたい方は、こちらもぜひご覧ください → 数字でビジネスを最大化し続けるリクルートでKPI講師を務めた現場のプロが実践してきたノウハウを公開!『最高の結果を出すKPIマネジメント』

 

【参考資料】
・『最高の結果を出すKPIマネジメント』 中尾隆一郎 フォレスト出版 2018年
・『KPIで必ず成果を出す目標達成の技術』 大工舎宏、井田智絵 日本能率協会マネジメントセンター 2015年

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