仕事相手に自分の提案をわかりやすく伝える力やプレゼンテーションの場で相手に納得してもらい、新たな企画を通していくことは、新規プロジェクトや内外で仕事を効率よく進めていく事を成し遂げていくうえで不可欠なスキルです。
自分の望む提案が通せるようになって、一流のメンバーで効率よく進められるほど成果もトップレベルに変わります。一方で、この企画で結果が出ることを伝えられない人は、いくら素晴らしい企画であっても相手に理解してもらえず、思い通りに仕事を進めることができなくなります。
そこで、社内や商談相手、コンペ、セミナーでの商品販売などプレゼンテーションで相手を魅了でき、自分の提案を次々と通し、成約率を高めるためのコツや方法をご紹介します。
【目次】
1.プレゼンテーション前にやるべき準備と手順
1−1 プレゼンテーションの目的を明確にする
1−2 最終ゴールと今回のゴールを設定する
1−3 「誰に、何を伝えるか」を明確にする
2.プレゼンテーションの全体構成と資料作成のコツ
2−1 プレゼンテーション|序論
2−2 プレゼンテーション|本論
2−3 プレゼンテーション|結論
3.相手の心を掴むプレゼンテーションのコツとテクニック
プレゼンのコツ1|声の緩急、リズム感、メリハリ
プレゼンのコツ2|効果的なトークにする強調テクニック
プレゼンのコツ3|イメージトレーニング
プレゼンのコツ4|リハーサル
プレゼンのコツ5|見た目、第一印象を良くする
プレゼンのコツ6|一文は短く簡潔にする
プレゼンのコツ7|比喩表現を使う
4.失敗する人のプレゼンテーションと注意点
プレゼン失敗例1|相手を巻き込んでいないプレゼンテーション
プレゼン失敗例2|相手が理解できない難解なプレゼンテーション
プレゼン失敗例3|プレゼン内容が理解不十分なプレゼンター
プレゼン失敗例4|無意識にやる悪い癖やしぐさ
1.プレゼンテーション前にやるべき準備と手順
1−1 プレゼンテーションの目的を明確にする
プレゼンテーションの目的は、単に自社の商品を説明するためではありません。自分が望む結果にするために相手の意思決定を導き出すことです。
具体的には「そもそも、なぜ、そのプレゼンテーションを行うのか?」について、下記の項目を明確化することです。
1−2 最終ゴールと今回のゴールを設定する
「何が」「どうなる」ことをゴールとするかについて、最終ゴールと今回のプレゼンテーションのゴールを決めます。これを頭で考えるだけでなく、身体に感じられるほど強く明確にすることです。
最終ゴールを達成するプロセスにおいて、一発でクリアできるものもあれば、いくつものステップを踏んでようやくゴール達成できるものもあります。
その場合、最終ゴールに到達するまでの大なり小なりプレゼンの回数分、毎回のゴールを設定します。
1−3 「誰に、何を伝えるか」を明確にする
1−3−1 プレゼン相手へのアプローチ法を考える
各段階のゴールを決めたら、伝える相手にどうアプローチするかを考えます。
例えば、商品やサービスの素晴らしさを伝えることでこれしかないと思ってもらう、相手の悩みをいかにこの商品が解決してくれて、実際に使った場合に起こり得るbefore−afterを疑似体験してもらう、経費削減や価格など費用対効果のメリットを打ち出すなど、どんな切り口で相手の意思決定を導けるかを洗い出します。
そのためには、伝える相手や意思決定者を真意を理解し、徹底的に相手をリサーチをすることです。
1−3−2 プレゼン相手や意思決定者のリサーチする
相手を知るためには、相手の人数、性別、年齢、職業、役職、知識や経験のレベル、環境、関心事、好きな事、嫌いな事、そして決定権を持つ人が誰かについて、生の情報を集め、相手の感情を理解することです。
1−3−3 プレゼン相手が明確でない場合
プレゼン相手や意思決定者が明確でない場合、想像で相手をプロファイルしていきます。決定権者を誰かを想像して、その決定ポイントを洗い出します。
その材料として、会社のホームページやメルマガ、取扱い商品、力を入れている商品、事業規模、沿革、会社のビジョン、ミッション、社風、生き方、働き方など調べて想像をより鮮明にしていきます。
1−3−4 実現するとどんな素晴らしい事が起きるのかを考える
相手がこのプレゼンを聞くことで、商品やサービスを受けることで手に入れられる未来がどんなに素晴らしいものかをイメージさせてあげられるようにビジョンを考えます。
そして、そのビジョンがプレゼン相手だけでなく、プレゼンする本人のビジョンでもあること、想いがあることもわかってもらえるように考えます。
要は、頭ではなく心で「私は本気であなたのことを良くしたい」という想いを感じ取ってもらうことが大切です。
この自分と相手の共有ビジョンがあって、一緒に未来を創る仲間のような存在になることです。
このように相手の行動に立って考えたときに、今までとは情報発信の仕方も180度変わります。それを念頭においた上でようやくプレゼン資料を作成していきます。
その結果、相手が本当は何を求めているかをリアルに想像できるほどキレのある資料に変わります。
以上、プレゼンテーションで資料を作成する前に準備しておくことです。この事前の準備によって、商品の成約率や伝える内容の深さを左右することになります。
2.プレゼンテーションの全体構成と資料作成のコツ
プレゼンの目的、ゴール、プレゼン相手や意思決定者を分析できたら、いよいよプレゼンテーションの全体構成を作ります。
プレゼンテーションの中心となる本題部分は序論、本論、結論の3要素で構成します。
2−1 プレゼンテーション|序論
プレゼンテーションは最初の4分で全体の印象が決まると言われます。プレゼン内容を作るときに本論や結論に意識が入ってしまいがちですが、序論の段階でプレゼン相手をひきつけることにも注意を払います。
特に、複数の企業が参加するコンペなどでは、プレゼン相手や担当者は数多くのプレゼンテーションを一度に聞かなければなりません。
このような場合、特に最初の4分で興味をもってもらい、相手の記憶に残らないと提案を通すことができませんので、最初の序論から相手の心を掴んでおきます。
2−1−1 プレゼンテーション|あいさつ
まずは、プレゼン相手に対して、タイトルを交えながらあいさつをします。
2−1−2 プレゼンテーション|タイトル
タイトルの付け方のポイントは、相手がこうなれるというベネフィットを入れることです。
魅力を高めるタイトルのコツ(テクニック)
その他、魅力を高めるタイトルの作り方として、プレゼン状況や提案内容によりますが下記があります。
・数字
数字を入れることで相手が得られるベネフィットが具体化できます。
・簡単さ
「こんな私でもできる」と思ってもらえて、それができたらこんなに変わると思ってもらえるとより提案内容に魅力が増します。
・新しい感
「もう、知ってるよ」の状態になるとつまらなくなります。人は新しい情報が好きということです。期待感やワクワク感を出すことで魅力が増します。
2−1−3 プレゼンテーション|目的、理由、必要性
タイトルの後は、相手は「なぜ、今この提案をしてくるの?」という感覚があります。そこで必要なのが、目的、理由、必要性です。
「なぜ、このタイミングで他でもないこの提案を聞かなければならないのか?」
を伝えます。相手を他人事から自分事にする。このプレゼンを聞かないと損だという思いをもたせることが大切です。
2−1−4 プレゼンテーション|自己紹介
プレゼンの相手を興味づけしたら、自己紹介に入ります。自己紹介は「〇〇会社の〇〇です」というだけではありません。
自己紹介のポイント
・なぜ、他でもない自分がこの提案をするのか?
プレゼン相手が最初に感じるのは「なんで、あなたがこの提案を語るの??」「そもそも、その資格はあるの?」ということを納得してもらわなければなりません。その場合、自分がプレゼンする理由を自身や会社の経歴、実績、エピソードなどを交えて根拠を示すことです。
・想いや人間性で「なぜおまえが?」をクリアする
人は見た目が9割という言葉もあるように、第一印象でプレゼン相手から好き嫌いを無意識的に感じ取られてしまいます。
そのためには、商品への想い、ビジョン、夢などを伝えて、人柄や人間性を感じ取らい、相手から好感を得ることです。
・エピソード、きっかけ
プレゼン相手へ提案するにいたった経緯や商品完成までの中でエピソードになるものやきっかけになったことを伝えます。
上記のようなことをストーリーで語れると、オリジナルの自己紹介に変わります。その結果、「自分」をプレゼン相手の記憶に残せるようになります。
2−1−5 プレゼンテーション全体の進め方を説明
自己紹介の後は、プレゼンテーション全体の進め方を説明し、具体的な内容に入ります。
2−1−6 プレゼンテーション|序論のポイント
序論から本論へ入るまで「ここまでが序論です」とは言えません。プレゼン相手に対して自然な形でメインテーマに近づけていくことです。そのためには、
<序論のポイント>
・身近な話題
・興味ある話題
・最新情報
・驚くべきデータ
…etc
などのトピックを使って、ちょっとしたインパクトのある話題を序論の中に組み込むことです。
2−2 プレゼンテーション|本論
2−2−1 問題点を明確化する
個人や企業などプレゼン相手が抱えている問題点について、相手に刺さるように明確化します。
(1)潜在的悩みまで炙り出す
そのためには、相手の悩みを潜在的要素まで炙り出すことです。相手が普段気づかない潜在的ニーズまで掘り起こしていくことで悩みの未知領域へ突入し、問題的で期待感を高められ、相手を興味深く惹きつけることができます。
(2)「そんなのわかってるよ」を超えた問題提起へ
ここで単純な問題点を提起したところで、相手もそんな事くらいわかっているよとなってしまうため、引きが弱くなります。それを超える問題提起を出すコツとしては、複数の問題点をあぶり出し、その言葉に自分や相手の気持ちになって批判的ツッコミを入れて、言葉を派生させたり、論理展開してブラッシュアップし続けることです。
(3)リサーチ力、取材力で変わる
上記で相手の問題や悩みの精度を高めるためには、プレゼン相手や意思決定者、周辺状況に対するリサーチ力、取材力が鍵を握ります。質が低いプレゼンや爆発的に売れないセールスに共通するのは、このリサーチ力、取材力の足りなさです。
相手の心の奥底まで読み取れる理解力がつけば、圧倒的にキレキレのプレゼン内容に変化します。
2−2−2 プレゼンテーション|共感
プレゼン相手に今の問題点を炙り出したら、その点に関して、相手に寄り添って共感してあげて、その後に相手からも共感を得ることです。
<共感の例>
・これはあなたの問題ではありません
・私も以前は同じ状況でした…
・相手が勘違いしている成功パターンを交える
悩みを炙り出すとプレゼン相手はその解決法をイメージしますが、そのイメージを覆さなければなりません。
相手がイメージできる解決法を提案したところで何の新鮮味もありませんし、「もう知っているよ」とその瞬間にNOの答えが待ち受けています。
よって、問題点を提起し、その共感の中であらかじめイメージできる解決法を前振りに使い、それ以外の新しい解決法の予感を演出しておきます。
今までの相手が正しいと思ってやってきた方法を直接否定するのではなく、共感していく形です。
(2)自分の体験談を交える
また、自分も同じ間違いをしていたといった自身の体験談も交えると、問題点を深く理解しやすくなり、プレゼン相手からの共感も得ることができます。
多くの営業やセールス手法でも言われますが、共感の心理は、成約率を高める上で重要な要素です。
2−2−3 プレゼンテーション|真の原因を炙り出す
プレゼン相手に問題点をわかってもらえたら、次はその問題の真の原因を伝えます。
ここで注意が必要なのが、問題の原因について相手に「それ、聞いたことあるよ」「そのくらい知ってるよ」とならない相手が気づかない原因を出すことです。
(1)相手が唸る原因を出す方法
まず、問題に対するあらゆる原因や商品の特徴など原因に関わる事を紙に書き出していきます。
通常、結果が出ないプレゼンやセールスでは、ここで出した原因を説明しますが、それはNGです。
高確率で結果を出すためには、さらにブラッシュアップした新たな原因を深掘りしなければなりません。
ですので、書き出した原因をさらに書き換えてみる、別の視点から覗いてみる、対話してみるなど盲点となっていた解決の糸口を強烈な切り口に変えていく事です。
(2)例
弊社の「時空力による願望実現の講座(講師:佐藤由美子)」では別の部分に原因を置いています。多くの人は成功法則で未来に対する手法を用います。しかし、未来に対し働きかけても人が変わりません。
では、原因はどこにあるのか。実は「過去」にある。過去に願望を実現するスイッチがある。この過去にしかないスイッチを押せていないのが大いなる原因として、相手が始めて聞くような新鮮味のある原因を提案しています。
2−2−4 原因が取り除いた後の結果、イメージ、期待感
今まで問題を解決できなかった原因がわかりましたので、その後はもし、その原因を取り除けたらどうなるのかをイメージさせます。そして、期待感を高ぶらせます。
(1)劇的なbefore−after
実際にその原因が取れたら、どんな事が起こり得るのか、その実例を紹介します。
例えば、上記例の原因に「過去」にスイッチを押していないとありましたが、もし、過去にスイッチを押したらどうなるか、もしくは実際に押した人はどうなったのかを紹介します。
【劇的before−after例】
(before)長い間恋人がいないキャリアウーマンのKさん
⇒(after)たった5日で本気の恋人とお付き合いできた
(before)どうしても無駄遣いがやめられなかった男性
⇒(after)10日後から貯金額を増やせるようになった
(before)1ヶ月に1個、2個しか売れなかったデパートの販売員
⇒(after)3日後から1日1個コンスタントに売れ始めた
など、実際に起きたbefore−afterを数値化させることで説得力が増します。
(2)自分事のベネフィットを出す
上記は実体験に対して、今度は実際にプレゼン相手が自分事として、他でもないこの大いなる原因を取り除くことでどんな事が起き得るのかをイメージさせることです。
このことが未来への希望が溢れ、共感してもらいながら、期待感を持って次の行動を喚起できるようになります。
ベネフィットを出すコツは、商品自体のウリではなく、プレゼン相手がこれから提案する商品を使ってどうなっているのかを想像を働かせることで期待感を演出できます。
2−2−5 プレゼンテーション|解決策
これまでに力説した要素をいかに解決するか、その具体的手法を提案します。
ここで重要なのは、期待感を裏切らないことです。つまり、ありきたりの解決法を提示しないこと。ありきたりの提案では、せっかくここまでの期待感が冷めてしまいます。
問題点、原因、共感と同じく、解決法も何度もブラッシュアップさせて洗練された言葉や切り口にしておくことです。
(1)一言で刺さる解決策
解決策を提案する際は、最初に結論を言うことです。つまり、全体を一言で表せる、刺さる解決策を提案します。
その後、具体的な内容説明に入っていきます。
(2)商品説明
・疑似体感型で説明
実際に商品やサービスを疑似体験している感覚で説明すると、相手にわかりやすく伝えることができます。
その際にも、体験している中で「意図」「特徴」「他と違う長所」などなぜこのタイミングこの部分を体感するのが良いのか、体感することのメリットなどを伝えます。
・緊急性、限定性、特典など
人は今すぐ行動するのが苦手です。100%即決するレベルのプレゼンができれば問題ありませんが、さらに成約率をスピーディーに高めるためには緊急性と限定性、今このタイミングで申込の場合のお得感など必要になります。
・価格は最後、価値提供の後にする
商品やサービスの価格を最初に提示する人がいますが、NGです。価値提供をして本来の価値をわかっていただいて、商品に対する相手の相場観を創り出してからその期待を上回る価格の提案をすることが鉄則です。
2−2−5 実践した後の未来イメージを見せる
商品やサービスの説明後は、その商品やサービスを実際に使った後にどんな未来に変わっているのかをイメージさせることです。
「〇日後、〇カ月後、〇年後にはこうなっているのかぁ~」
という色々な妄想をさせて、夢や希望を現実化してもらうのです。
また、上記とも重複しますが、実際の体験談の声など相手の問題解決を疑似解決し、疑似的妄想を膨らませられる体験談を盛り込んでいく事です。
実際の体験談がない場合は、起こり得ることを妄想させることです。
2−2−6 スタートから結果までの流れ
ここまでで後はどうやって取り組んでいけばいいのかということになりますので、これからのスタートから結果を出すゴールまでの流れを見える化していきます。
特に、全体俯瞰できるようなチャートや図で一発でイメージができるほどわかりやすくなります。
2−2−7 不安を取り除く
ほとんど説明が終わった所でも、誰にでも不安はつきものです。デパートで買い物する時でも不安をかき消すような質問を定員さんにする人はたくさんいます。
そのような不安は全て取り除いてあげることです。よく見受けられるのがFAQです。FAQじゃなくても「こんな時どうする」と不安を解決させる事をまとめた資料でも何でもいいので意思決定できない理由を全て潰します。
2−2−8 最初のアクションを提示する
成約率を落とす人の共通点として、最初のアクションを当たり前に捉えてしまって、明記にしていないことです。
最初のアクションは明記しないと最初の一歩目が歩めません。高すぎる階段だと一歩が踏みづらくなります。一歩目を確実に登れるように設置してあげましょう。
<最初のアクション例>
・まずは無料の個別相談にお申し込みください
・本日までに〇色の申込用紙に記載して受付へご持参ください
・〇月〇日までにこの番号にお電話ください。
etc
2−3 プレゼンテーション|結論
最後に話しのまとめに入ります。これまでの序論、本論で展開してきたプレゼン内容を相手の心にいかに印象深く残していくかになります。
結論では、もともとのテーマに戻って、プレゼンテーション全体をフィードバックすることが大切です。
それともう一つ、一歩踏み出せない背中を押してあげることです。
2−3−1 プレゼンテーション|まとめ
「本日は〇〇についてみなさまにご説明させていただきましたが、ご理解いただけましたでしょうか?」というような言葉を添えて、このプレゼンテーションで何の話しをしながら、一方で話しをしている間に相手にはこの商品やサービスを使ったら変われるという妄想を膨らましてあげながらまとめに入ります。
2−3−2 夢やビジョンを語る
まとめの後、最後に夢やビジョン、想いを語ります。
プレゼン相手に対して、社会に対して、
「こうなってほしい」
という想いを語ることです。相手と共に豊かな未来につながっていける一体感を包まれながら終わりを迎えます。
3.相手の心を掴むプレゼンテーションのコツとテクニック
プレゼンのコツ1|声の緩急、リズム感、メリハリ
プレゼンでは強調すべきところには力を入れて、重要でない所はさらっと流して、メリハリをつけることが大切です。
強調部分とそうでない部分は得意な部分とそうでない部分という切り分けではありません。聴衆に合わせて、声の緩急やリズム感を出しながら、話の構成に強弱をつけることです。
プレゼンのコツ2|効果的なトークにする強調テクニック
プレゼン相手に効果的に伝えるトークの基本は、強調や抑揚をつけることです。
基本テクニックとしては、
・大きな声で話すことでインパクトを出す
・ゆっくり話す
・伝える形を変えて繰り返す
・強調の前に間を取る
・魂を乗せて話す
プレゼンテーションの中のキーメッセージは全体にちりばめて繰り返していくことで印象や記憶に残していくことです。
また、強調して話す前に間を取ることが相手を惹きつけます。間を空けることで相手がプレゼンターに目を向けて、目を向けた後に大事なポイントを伝えることができます。
特に、大事な部分は魂を乗せて話すと言葉以外からもにじみ出すことができます。
プレゼンのコツ3|イメージトレーニング
プレゼン資料を見なければ次の展開がわからない状態をなくすために、プレゼンテーションの全体像、プランニングした本題の流れをすべて頭に叩き込みます。
始まりから終わりまですべてプレゼンターの頭の中で自由自在に操作できないといけません。
・イメージトレーニングのコツ
イメージトレーニングのコツは、自分が話しているシーンよりも、自分が話す内容を想像することです。プレゼン相手に聞きやすい話ができるようになります。
プレゼンのコツ4|リハーサル
聴衆の場など大事なプレゼンテーションでは、リハーサルをやっておくことです。リハーサルは他人の目が必要ですので、誰かに見てもらうことです。
リハーサルでは、実際の資料や機材など本番同様に行ったり、プレゼン相手に近い人を選ぶことでより精度が高まり、多くの気づきや改善点が得られます。
声の張りやボリューム、リズム感、速度なども合わせて確認します。
プレゼンのコツ5|見た目、第一印象を良くする
プレゼンターが登場した瞬間、見た目で第一印象が決まってしまいます。
「見た目」では、顔、髪型、体型、年齢から雰囲気、表情、服装、歩き方、立ち振る舞いなどに意識的にも無意識的にも判断しています。
メラビアンの法則によれば、見た目と話し方で印象の9割以上が決まってしまうと言われます。
2−5−1 メラビアンの法則
米心理学者アルバート・メラビアンが提唱した法則。人の行動に影響を与えるのは「見た目などの視覚情報が55%」「声、話し方などの聴覚情報が38%」「話の内容などの言語情報が7%」と言われている。
ビジネスのプレゼンなど見た目も好印象が必要な人は下記ポイントをチェックしておきましょう。
2−5−2 好感を持たれるお辞儀のしかた
背すじを伸ばしてしっかりお辞儀をします。
プレゼンテーションを始めるときのお辞儀と終わるときのお辞儀には差をつけます。始めるときのお辞儀は少し浅めで顏を見えるようにアピール、終わるときは深いお辞儀で御礼と感謝の気持ちを伝えます。
2−5−3 アイコンタクトの取り方
プレゼンテーションの最初の挨拶の時には、意識的に一番後ろの列の人とアイコンタクトをとるようにします。そうすると、顎が上がり、全体を見渡している印象を与え、堂々として見えます。
プレゼンテーションの最初から前列の人だけを見るのは後列の人達が疎外感を覚えますのでNGです。
2−5−4 視線の動かし方
聴衆の中でプレゼンテーションを行う場合、Sの字、Zの字の形で会場全体を見回します。そして、ワンセンテンス・ワンパーソンを意識することです。
ワンセンテンスが終わったら次の人に視線を送ります。全員に視線を送るのは難しいのでバランスよく、何人かの人に語りかけていく感覚です。
2−5−5 効果的なハンドアクション
ハンドアクションが上手なプレゼンターは人を惹きつけます。簡単なハンドアクションは下記のとおりです。
(1)数字
数字が出たら指でアクションします。例えば、「重要なポイントが3点あります」と言いながら、指を3本出します。
(2)手のひらを見せる
ホワイトボードや資料を指したり、強調して説明したいときには、手のひらを見せるようにします。自分の手のひらを見せることは手の内を見せるという意味合いがあります。心を開いている印象を与えます。
ただし、過剰なアクションは印象を悪くします。
2−5−6 立ち方、立ち位置
聴衆はプレゼンターの立ち姿を見ています。プレゼンテーションではかかとをつけて立ち、基本的に足を閉じておきます。
立ち位置は、自分を頂点にして会場全体が三角形になるようにすると、相手も見やすく、聞きやすくなります。
プレゼンのコツ6|一文は短く簡潔にする
よく一言に長々と話しながら、だらだら伝える人がいます。これでは何が言いたいのか相手もわかりません。一文は短く区切るように意識しておくことです。
プレゼンのコツ7|比喩表現を使う
説得力を高めるために具体例を使いますが、具体例の他には比喩表現を使うことです。比喩表現は、相手に身近でわかりやすく表現ができます。
2−7−1 比喩表現の例
テレビやCMなどの例では、イナバ物置のCM「100人乗っても大丈夫」のフレーズです。この一言で瞬時に頑丈さを伝えています。その他にも広さの目安で「東京ドーム何個分」といった言い方で伝えたりする例があります。
2−7−2 ベネフィットで効果倍増
特に、プレゼン相手に難しい専門性やシステムの商品を説明する場合に比喩表現は用意しましょう。アップルのipodは「ポケットに1000曲入る」などと表現しています。
「100人乗っても大丈夫」や「ポケットに1000曲」というような、ベネフィットも同時に伝えられると効果倍増です。
4.失敗する人のプレゼンテーションと注意点
プレゼン失敗例1|相手を巻き込んでいないプレゼンテーション
プレゼンテーションはコミュニケーションです。プレゼンターの一方通行になっては成り立ちません。
自分が用意した資料にばかり目がいき、聴衆を置き去りにしてしまいがちです。聴衆の反応を見る癖、観察力をつけることです。
プレゼン失敗例2|相手が理解できない難解なプレゼンテーション
相手が理解できるプレゼンが大前提です。共感していれば、聴衆の反応や空気でわかりますのでそれを感じ取ることです。
特に、プレゼンターが商品に対する知識が豊富で専門的な事まで精通している場合は、逆にマーケティング分析や詳細情報の盛り込みすぎでわかりづらくなり、聴衆とプレゼンターとの頭の中に乖離が生じてしまいますので注意が必要です。
相手の事を理解し、寄り添ってわかりやすいプレゼンに言葉を変えていく事です。
プレゼン失敗例3|プレゼン内容が理解不十分なプレゼンター
自らの理解が不十分なプレゼンターがいます。この欠点は筋が通らない内容になったり、話しが飛んでしまったりすることです。
相手は「結局、何が言いたい?」「それで?」という気持ちになります。自分が伝えたい事を明確にして、ポイントを見るだけで自分の言葉で伝えられるように落とし込んでおくことです。
プレゼン失敗例4|無意識にやる悪い癖やしぐさ
自分でも無意識でやっている癖がたくさんあります。特にプレゼンテーション中に悪い印象を与える癖は止めなければいけません。
<悪い癖>
・ペンをカチカチ鳴らす
・ペン回し
・資料を雑に扱う
・髪、顔、身体の部位に触れる
・演台に寄り掛かる
・演題に肘をついて話す
・言葉の癖(え~、あの~)
これらの癖は自分のプレゼンテーションを撮影して確認すると見つかります。
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