上司に「日報をしっかり書いて!」と指摘され、困ってしまった経験はありませんか?私自身も思いつきでその日の事柄を書いた日報を提出し、上司に書き直しを指示された苦い経験があります。
上司への日々の業務報告や、出張時の作業報告、または部下の作業を日報ベースで管理するなど、会社で仕事をする上で、日報作成を避けて通ることはできません。
特にコロナ禍の中、リモートワークや時差出勤を導入した会社も多くなり、また打ち合わせも出張の機会が減り、Zoom等のツールを利用しリモートで実施する機会が増えたかと思いますが、そういった環境下では、日報による業務報告はますます重要になります。
そこで今回は、手短に書けて、効果のある日報にするにはどのようにすれば良いのか、書き方のポイントやテンプレートを紹介いたします。
日報とは?
そもそも、日報とはどういったものでしょうか?日報とはその”日”の業務の内容をまとめた
”報” 告書のことです。
日報によって、日々の業務の記録をつけると共に、上司への報告、自分自身の業務管理へと活用することができます。
日報を書く目的
次に、日報を書く目的について整理しましょう。主な目的は下記の2つです。
- 上司や同僚に自分の業務内容を正確に伝え、業務を円滑にするため
- 自分自身の業務内容を客観的に把握し、これまでの知識や明日からのタスクを整理するため
詳しく見ていきましょう。
上司や同僚に自分の業務内容を正確に伝え、業務を円滑にするため
先程書いたとおり、日報は日々の業務内容を分かりやすく、簡潔にまとめたもので、主に上司や同僚への報告のための資料として使用されます。
上司や同僚に自分が行った作業内容を報告することで、アドバイスを得ることができ、業務を効率よく、かつ円滑に進めることが目的ですので、読み手が自分自身の作業を理解しやすくように記載することが重要です。
自分自身の業務内容を客観的に把握し、これまでの知識や明日からのタスクを整理するため
日報を書くもう1つの目的は、自分自身の業務内容を客観的に把握することで、現状のプロジェクトの状態を正確に理解するとともに、明日以降どのタスクをどの順番で進めていくか、判断することができます。
スケジュール管理をする上で、業務日報は無くてはならないものなのです。
日報の書き方
次に業務日報を書く際どのようにすれば良いか?次の2つの視点から解説します。
日報を書くコツと注意点
まずは、日報を記載する際のコツと注意点です。皆様、これまでの内容を踏まえ、日報の重要性は理解していただけたかとは思いますが、
「そうはいっても、日々の業務が忙しく、とても丁寧に日報を書く時間は無いよ~」
「日報を書く時間があったら、少しでも業務に取組みたい!」
と、感じておられる方もいらっしゃるでしょう。
しかしながら、このことは下記2点を意識するだけで、大きく変ってくるでしょう。
1.定型フォーマットを準備することで、より短時間で日報を書く。(テンプレートはのちほど、サンプルを提示いたします。)
2.5W1Hを意識し、よりポイントを絞った業務報告をする。
上記2つを意識することで、日報の内容や記載にかかる労力・時間が見違えるように削減されますので、ぜひ本日から意識してみてください。
上司に評価される日報の書き方
次に、仕事をする上で重要な、”上司に評価される日報” という観点で考察しましょう。
プロジェクト形式の業務においては、日報を書き、上司や同僚に報告することで、これまでの進捗を確認したり、今後のスケジュール管理に利用することも多いです。
その際、ポイントが不明瞭、またはズレていると、読み手(上司)が正確にプロジェクトの状況を把握することができません。
その結果、関係者の認識がずれ、プロジェクトの品質やスケジュール、さらにはコスト・利益にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
それでは、プロジェクトに好影響を及ぼす、上司に評価される日報の書き方のポイントとはどのようなものなのでしょうか。皆様も薄々は理解されているかと存じますが、下記2点のポイントを押さえたものがそれにあたるといえるでしょう。
- 数字で表現しており、進捗度合を理解しやすい。
例)試験ケース30件中、10件完了してます。 - ゴールまでのみちすじが数字で示されていて把握しやすい。
例)A社向けのプレゼンテーション資料に関して60%完成。〇月△日迄残り8日なので、1日5ページ進めることで、予定通り完成できます。 - 課題や解決策が明確に記載しており、次へのアクションプランがはっきりしている。
業務を実施する際に発生した問題点や、顧客から指摘されたことが具体的かつ明確に記載されていると、上司としては、現状や課題を把握し易く好ましいです。さらには、それを通じて学んだことや理解したこと、また、気付きや改善点などを所感を交えて記載しましょう。
ポイントは、”発信することで会社(上司)がプラスになることを、自分の考えとして、はっきり明確に記載すること” です。
日報のテンプレート
それでは、お待ちかねの日報のテンプレートを紹介します。
前述したとおり、日報をテンプレートに沿って記載することは、関係者(上司・同僚)にポイントを明確にして(5W1H1)、正確に伝えることができるという観点で非常に重要です。
また、あなた自身にとっても、より短時間で一定レベルの内容の日報を記載できるので、まさに無くてはならないものになります。
それでは、下記に会社員の皆様がよく使用するであろう「日々の業務報告の日報テンプレート」を紹介します。
本記事をお読みいただいた後、ぜひ下記テンプレートを参考に、ご自分で日報を記載いただければ幸いです。
日々の業務報告の日報テンプレート例文
1.作業内容:新製品Aが15000件完成したと4/12(月)に製造部より連絡があり。
昨日4/13(火)の製造部・品質管理部 合同会議により完成した製品の20%にあたる3000件を第3品質管理課にて4/14(水)~4/16(金)の3日間で抜き取り検査することに決定した。
本日は初日ということで、ノルマ1000件の検査を目標に作業した。
2.結果:700件の検査が完了。ノルマに対して300件の未達となった。
3.課題:ノルマ未達の理由は下記2点であると考察。
(1)作業初日ということで、作業に慣れていない面があり、午前中の作業効率は著しく低かった。
午後からは作業ペースが上がったものの、トータルとしてノルマを達成することができなかった。
(2)第3品質管理課5名のうち、1名が体調不良で休暇となったため、検査のマンパワーが不足した。
4.アクションプラン:
残り2日で2300件の検査が必要な状況。また、本日PMに休暇中の中村より連絡があり、体調不良が継続しているため、明日・明後日も休暇を取得する旨、連絡あり。以上の状況を踏まえ、下記2点対応し、ノルマを達成するよう計画する。
(1)2時間の残業により、遅れを挽回する。 ※2時間×作業員4名×2日 =16時間の増加作業時間確保
(2)明日4/15(木)は第2品質管理課より2名の臨時作業員を要請。第3品質管理課4名と合わせて、合計6名で検査業務にあたる。
※4/15(木)の作業結果により、4/16の他課からの作業要請や残業有無を検討するものとする。
以上
【記入例あり】日々の業務報告の日報テンプレート・Wordファイル

まとめ
みなさま、いかがでしたでしょうか?
今回は、
・日報とは?
・日報を書く目的
・日報の書き方
・日報のテンプレート
といった流れで説明いたしました。日報を書き、それを上司や同僚に適切に報告することで業務を円滑に進めることができます。
また、自身の業務内容を客観的に把握することができ、残タスクや今後のアクションプランを整理することができます。
日報に具体的かつ客観的な数値を記載すること、および課題や今後のスケジュール感を明確に記載することで、上司や同僚からの評価もアップします。
また、あなた自身にとっても業務に取り組む上で、数値目標や仕事の全体像を意識して働くようになり、モチベーションの向上につながるでしょう。
本記事を通じて、皆様が日報を目的に沿って適切に、またテンプレートを使用して効率よく作成することで、業務を円滑に進めることができるようになることを願っております。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。