メンタル面を強くしたいと思っている人は多いですよね?
仕事で失敗をしたり、プライベートな人間関係でつまずいたりして精神的につらい状況に追い込まれることは、誰にでも起こります。
前向きにならなければいけないとは思っていても、精神力が落ちていると、マイナス思考からなかなか脱出することができないものです。
そんな状態から立ち直って、一歩を踏み出すためのヒントを集めてみました。
「精神力」という言葉からは、武道の修行やスポーツにおける厳しい鍛錬といった、自分を鍛え上げる世界を想像する人も多いかと思いますが、「メンタルを維持する力」という言葉にいい換えると、ぐっと身近なものに感じられるのではないでしょうか。
どんな状況にあっても、メンタルを維持して前進することができる強さ。
理想的にいえば「精神力を高める」とはそういうことになるのでしょうが、そんなに完璧で強い人間などいません。
誰でも、不安を抱いたり、弱気になったりすることは必ずあるのです。
ここで問う「精神力」とは、そういうマイナスの状態から、いかに早く次の一歩を踏み出すかというテクニックにほかなりません。
窮地から立ち直るためのヒント集として、役立ててください。
目次
① 過去の結果にとらわれないコツ
② 強い相手との勝負は自分を高める
③ つまらないプライドは邪魔になるだけ
④ どんな状況でも目的を見失わない
⑤ 失敗の原因をはっきりさせる
⑥ マイナスの感情は笑顔で払拭する
⑦ 自己肯定感を高めるコツ
⑧ 失敗を引きずらない考え方
⑨ 失敗したときこそ自分を変えるチャンス
⑩ プレッシャーは自分がつくるもの
⑪ 緊張はDNAがもっている生理反応
⑫ ルーティンの行動が安定を生む
⑬ 不安は成長するチャンス
⑭ プラスの妄想で思い込みを書き換える
⑮ スランプのときこそルーティンを変えない
⑯ 適度なストレスが達成感を生む
⑰ 挫折しやすい人はゴールを小刻みにする
⑱ パニックに陥ったら深呼吸
⑲ 行動する意味とメリットを明確に!
⑳ つらいときは自分の限界を高めているとき
㉑ 弱音は吐かずに書き出してみる
㉒ モチベーションを保てる目標をもつ
㉓ ないものを嘆かず、あるものを活かす
㉔ 完璧よりも確実な前進が大事
㉕ ネガティブとポジティブは考え方ひとつ
㉖ 楽しいと思えることを全力でやる幸せ
㉗ 他人の言動に左右されないプラス思考
■ 精神力を高める27のヒント
① 過去の結果にとらわれないコツ
過去の結果にとらわれるのは、自分の分析ができていないからです。
嫌なことは忘れてしまえばいいのですが、忘れられないからとらわれるわけです。
忘れられないのであれば、嫌な記憶にフタをしようとせずに、嫌な原因、自分を苦しめている原因をしっかりと分析して見つけましょう。
自分だけで考えるよりも、人の意見を聞くと客観的な視点に立つことができます。
② 強い相手との勝負は自分を高める
企画のコンペなどでは、圧倒的に不利な状況で参加することもあります。
こういう戦いで劣等感をもつ必要はありません。
同じステージで勝負をするのですから、本気で勝つつもりで準備しましょう。
強い相手との勝負は学ぶことが多いはず。
勝利の可能性はゼロではないのですから、相手を冷静に分析して、勝つための策をじっくり練るのです。
人生で、勝ち続ける人も、負け続ける人もいないのです。
③ つまらないプライドは邪魔になるだけ
逆に圧倒的に有利な状況で臨むコンペは、傲慢さが心にスキをつくるものです。
相手は格下だと思って油断すると、負けるはずのない相手に勝利をもっていかれます。
傲慢さを生むのは、過去の成功から生まれる余計なプライドや、カッコよく勝ちたいという気持ち。
これからはじまるコンペで勝つためには、何の役にも立たないものです。
大事なことは、「今の勝負」に集中することです。
④ どんな状況でも目的を見失わない
失敗やミスが続くと、自信をなくすものです。
そういうときは、自己肯定感が低くなって、目的や目標が見えなくなりがちです。
自分は何のためにこの仕事をしているのかという、最終的な目標を見失わないようにしましょう。
失敗やミスは、その目標を達成するための過程であることがわかれば、また立ち向かうことができます。
⑤ 失敗の原因をはっきりさせる
失敗やミスの原因をはっきりさせないと、失敗しても平気な感情を育ててしまいます。
失敗やミスは誰にでもあるものですから、マイナス思考に陥る必要はないのです。
しかし、同じ失敗を繰り返してはいけません。
原因が明確になれば、すぐに改善することはできなくても、同じ失敗を繰り返すことはなくなり、それが自信につながっていきます。
⑥ マイナスの感情は笑顔で払拭する
怒りや落ち込みといったマイナスの感情は、メンタルに大きな影響を与えて、ストレスになります。
早く忘れたいと思っても、ついつい引きずってしまうもの。
そこで、気持ちの切り替えに効果的なのが、笑顔をつくることです。
笑顔がメンタルヘルスにとてもいい影響を与えることは、脳科学や心理学の分野で実証されていますが、つくり笑顔でも、この効果は変わらないのです。
⑦ 自己肯定感を高めるコツ
自分を肯定することは自信につながります。
しかし、失敗をしたときは、自分のことを否定してしまいがち。
自己肯定感が低くなって凹んでいるときに効果的なのは、友人に自分のいいところを10個くらいあげて、ほめてもらうことです。
客観的に言葉にしてもらうことで、自分の存在価値を見直すことができます。
⑧ 失敗を引きずらない考え方
失敗やミスは、やってしまった瞬間から過去の出来事です。
すんでしまったことですから、タイムマシンでもなければ結果を変えることはできません。
取り返せないことにメンタルを引きずられるのは、時間のムダ。
過去に何があったとしても、「大事なのは、今、これから」と考えて、目の前のことに集中しましょう。
⑨ 失敗したときこそ自分を変えるチャンス
失敗したときや負けたときに、どう受け止めるかは、精神力が問われるところです。
失敗も負けもつらいことですが、自分を慰めているだけでは何も変わりません。
成功したときや勝ったときには、自分を変えようとは考えませんから、勇気を養うことはできません。
しかし、失敗したときや負けたときは、それができるチャンスなのです。
⑩ プレッシャーは自分がつくるもの
プレッシャーは、自分の中にある思考や価値観から生まれるものです。
自分を縛っている思考や価値観に気づくことができれば、克服することができます。
そのためには、日記や、自己表現のアートなどで、自分と向かい合う時間をもちましょう。
過去のトラウマが影響しているのであれば、勇気をもって原因を探り、脱却するのです。
⑪ 緊張はDNAがもっている生理反応
企画のプレゼンなどでは、緊張が邪魔をして自分の能力を発揮できないことがあります。
緊張はメンタルが原因ではありません。
人類が進化を遂げる中で、肉食獣などから逃れる防御反応としてDNAに刻まれた生理現象の名残なのです。
ですから、脳に「これは生命の危機にかかわることではないよ」と教えてあげれば緊張の反応は治まります。
⑫ ルーティンの行動が安定を生む
スポーツ選手が、競技の前に必ず行う行為があります。
野球のバッターが、2回素振りをしてからバッターボックスに入るという例や、ある女性ゴルファーがショットの前に必ず笑顔をつくることなどです。
こうしたルーティンの行動は、「こうすれば大丈夫」と自分にいい聞かせ、自己肯定感を高める手段なのです。
これは、スポーツだけではなく、何かに挑むときやプレッシャーを克服するときに、とても有効なので、日頃から自分なりのルーティンを習慣化しておきましょう。
⑬ 不安は成長するチャンス
不安は、願望の裏返しです。
叶えられないかもしれない願望があるために、不安になるわけです。
不安や焦りを感じるときは漠然と立ち向かおうとせずに、その根源にある願望を書き出してみましょう。
不安や焦りの感情は、自分の弱みを知って、成長するチャンスなのです。
⑭ プラスの妄想で思い込みを書き換える
プレッシャーは、過去の出来事がつくり出す思い込みによって生まれるもの。
自分の思い込みによって、脳にマイナスイメージをつくってしまっているのです。
マイナスのイメージは影響力が強いので、「自分はピンチに弱い」と思っていると、その通りの結果を生んでしまいます。
ですから、「自分にはできる実力がある」「自分はピンチに強い」とプラスの妄想をすることによって、マイナスの思い込みを書き換えるのです。
根拠など考える必要はなく、いかに深く妄想するかがポイントです。
⑮ スランプのときこそルーティンを変えない
ミスが続くようなときは、自分を改めようとして、思考や行動を変えようとします。
しかし、ルーティンの行動を変えてはいけません。
一時的なスランプは、ルーティンを変えずに客観的な視点をもつことで、出口が見えてくるものです。
何もかも一度に変えてしまうと、スランプの原因となっている自分のウィークポイントが見えなくなってしまいます。
⑯ 適度なストレスが達成感を生む
ストレスは悪いイメージばかりもたれていますが、メンタルにいいストレスもあります。
適度なストレスは、精神力を高めて成長するために必要なものなのです。
精神力を高めるストレスとして最適なのが、「ちょうどいい目標」を設定すること。
それは、「頑張らなければできないけど、必ず実現できる目標」です。
常にちょっと上にある目標を設定して、達成感を積み重ねることがメンタルの強化につながります。
⑰ 挫折しやすい人はゴールを小刻みにする
頑張ればできそうな目標を設定しても挫折してしまうという人は、目標のハードルを下げる必要があります。
その際に効果的なのは、小刻みな目標をいくつも設定することです。
長距離走でよく例えられる、「まずはあそこまで」「次はあそこまで」というようにゴールを次々にクリアしていく方法です。
必ず達成できる小さな目標をいくつも設定して、達成感を積み重ねていくのです。
⑱ パニックに陥ったら深呼吸
プレッシャーや緊張が強度になると、パニック状態に陥ることもあります。
「頭が真っ白になる」という状態です。
こういうときは、まずゆっくりと深呼吸を3回してから、過去の成功した思い出や楽しい思い出を強くイメージします。
イメージは強いほうに引っ張られる性質があるので、パニックの原因となっていたマイナスのイメージはカバーされて打ち消されます。
⑲ 行動する意味とメリットを明確に!
なぜ自分はこうするのか、こうすることによってどういうメリットがあるのかという、行動する意味を明確にすると、メンタルは飛躍的に強化されます。
人間は、具体的な意味を感じるほど、納得して行動することができます。
また、メリットが明確になることによって、脳の報酬系といわれる回路が活性化してメンタル強化につながるのです。
⑳ つらいときは自分の限界を高めているとき
ひとつの困難を乗り越えると、次からはそこまでは大丈夫だという自信ができます。
「つらいからこそ、そこを乗り越えたら強くなれる」
この思考回路を定着させましょう。
つらいときこそ、頑張れば自分の限界を高めることができるチャンスなのです。
逆にメンタル強化の邪魔になるのが、「つらいからやめる」という思考回路。
この思考回路が定着してしまうと、メンタルに問題をかかえることになります。
㉑ 弱音は吐かずに書き出してみる
人間であれば、弱音や不平不満を心に抱くことは、誰にでもあることです。
マイナスの感情は、自分の中に封じ込めずに吐き出したほうが、メンタルにはいいのです。
しかし、弱音や不満などのマイナスの感情を言葉にして口に出すと、自分がその言葉に引っ張られてしまったり、周囲にマイナスのエネルギーをまき散らしたりして、悪影響が多いもの。
そこで、口にするのではなく、じっくりと考えて弱音や不満の原因を紙に書き出すのです。
漠然としていたモヤモヤやマイナスの感情が具体的になることで、解決の糸口が見えてきます。
㉒ モチベーションを保てる目標をもつ
モチベーションが上がらない、目標に立ち向かう気になれないというのは、目標のハードルが高すぎるか、達成感を感じられていないことが原因です。
目標のハードルを下げて、ムリなく達成できることを重視しましょう。
目標を定めたら、そこまでの道のりを逆算して、実行可能な計画を立てるのです。
まずは、それで達成感を得られるようにすると、もう少しだけ高いハードルを越える計画が見えてきます。
㉓ ないものを嘆かず、あるものを活かす
世の中には、すべてに恵まれた人はいません。
また、能力や環境には個人差があることも現実です。
「親が金持ちだったら、こんなに苦労しなくてすんだのに」
「もう少し背が高ければ違う人生を歩んでいたのに」
そんなふうに嘆いた経験をもつ人もいるでしょう。
しかし、現実をいくら嘆いてみたところで、今の自分が変わることはありません。
身体的なハンデを抱えていながら、大きな功績を残した人たちは何人もいます。
自分がもっているものに早く気づいて、それを活かすことがプラス思考の生き方です。
㉔ 完璧よりも確実な前進が大事
完璧を求めるあまり、自分を追い詰めてしまうケースがよくあります。
「しなければならない」「すべきだ」という考え方は、思考回路を狭くして自分の可能性をつぶしてしまいます。
メンタルを維持する上で大切なのは、確実に前進を続けることです。
一歩ずつでも前進していると、プラス思考を続けることができます。
ですから、人生で大事なことは「完璧」よりも「前進」だということを常に忘れないようにしましょう。
㉕ ネガティブとポジティブは考え方ひとつ
「コップの水理論」というものがあります。
コップに水が半分入っている状態を見て、「半分しか入っていない」とネガティブな感情をもつか、「まだ半分入る」というポジティブな感情をもつか、という話です。
同じことを見たり経験したりしても、その捉え方によって、ネガティブにもなればポジティブにもなるということです。
そして、何事もネガティブに捉える人には、強いメンタルは宿りません。
ですから、精神力を高めるためにはプラス思考が大事なのです。
㉖ 楽しいと思えることを全力でやる幸せ
人間にとって幸せとは何か?
成功するとは、どういうことか?
この答えは、様々な幸福論で語られてきました。
発明王トーマス・エジソンは、「私はおカネになろうがなるまいがおかまいなしに、いつも自分が楽しいと思うことをやっている」という言葉を残しています。
人生の幸福や成功をひとつの尺度で測ることはできませんが、自分が心の底から楽しいと思えることに没頭できる人生は、成功だといえるのではないでしょうか。
没頭できることがあるというだけで、間違いなく幸福なはずです。
㉗ 他人の言動に左右されないプラス思考
人生における成功とは何を意味するか、何が幸福な人生かということは、人それぞれ違います。
ですから、他人の言葉に惑わされて一喜一憂したり、傷ついたりするのは、つまらないことです。
他人から何をいわれても、自分にとって都合よく解釈ができる人間は、余計なストレスを抱えずにメンタルを維持することができます。
マイナスの感情で「批判」と受け取るか、プラスの感情で自分を知る「好機」だと受け取るかは、考え方ひとつ。
自分の周りの現実をすべて受け入れて、何でも自分にとってプラスに解釈する思考回路をもってみませんか?
まとめ
精神力のもち方には、国民性で違いがあります。
日本人は古来から争いや突出することを嫌い、個人よりもチームの結果を重視するという傾向があります。
精神力の高め方も、人の輪の中で役割をまっとうすることによって実現しようとする傾向があるのです。
組織の中で生きていこうとすれば、そうしたメンタリティも大切ではありますが、自分の可能性を狭めてしまっては後悔することになります。
日本的なメンタリティにハマりすぎることなく、自由でアクティブな生き方をすることが、世界で通用する精神力を身につける秘訣です。
【参考資料】
・『自分を操るメンタル強化法』 浮世満理子 実業之日本社 2016年
・『エジソン「白熱」のビジネスメンタル』 桑原晃弥 三笠書房 2017年
コメントをどうぞ