チーム内の情報共有や業務進捗を確認できる「グループウェア」。
テレワーク時代の必須ツールとして導入する企業が急増しています。
しかし中には、
- グループウェアを新たに導入したいがどれを選べばいいかわからない
- そもそもグループウェアでどんなことまでできるかわからない
という方も多いはずです。
そこで本記事では、仕事をかしこく・たのしくするビジネスメディアを運営する「Smarf」が、グループウェアについて詳しく解説していきます。
具体的には、
- グループウェアの機能
- グループウェアのメリット・デメリット
- グループウェア導入時のポイント
の順番で解説していきます。
この記事を読んでいただくことで、自社に合うグループウェアを見つけられる可能性が高まるのでぜひ最後までご覧ください。
グループウェアごとの機能・費用比較を知りたい方は「グループウェア比較10選!価格・機能からツール毎の特長を徹底解説」の記事も併せてご覧ください。
グループウェアとは?メリット・デメリットを解説
グループウェアとは、
- 企業・チーム内での情報共有の円滑化
- 従業員同士のコミュニケーション活性化
を目的としたITツールです。
特に現在のようなテレワーク時代においては、働く場所が人によって異なるため、情報が行き届かないことや伝達の遅れが生じがちです。
そのような社内コミュニケーションの課題解決にグループウェアは特に有効です。
社内のあらゆる情報をグループウェアに集約することで伝達漏れを防ぎ、さらにグループウェアを基点にさまざまな情報発信が可能です。
本項ではさらに具体的に、
- グループウェアの主な機能
- グループウェアのメリット
- グループウェアのデメリット(注意点)
について解説します。
グループウェアの主な機能を紹介
ここではグループウェアの主な機能を紹介します。
各サービスによって保有する機能数や種類が異なるため、ここで紹介するのはあくまで一部の代表的な機能です。
各社サービスの機能詳細は公式ページをご覧ください。
機能 | 内容 |
---|---|
チャット・メッセージ | メールソフトよりも立ち上げが早く、会話のようなコミュニケーションが可能 |
社内SNS・掲示板 | 社内全員への伝達や、任意のグループを作成することで関係者だけにお知らせの配信が可能 |
ファイル管理 | 文書やデータの保管や共有が可能 |
ワークフロー | 勤怠、経費・交通費精算、稟議書などの申請・決裁が可能 |
グループウェアのメリット5つ
グループウェアを活用することで、テレワーク等で働く場所が離れていても、お互いの業務進捗を確認しながら仕事を進めることが可能です。
もし仮にグループウェアが無ければ、都度電話やメールで状況確認をしなければなりません。
しかしグループウェアはメールと異なり、短文メッセージでコミュニケーション可能です。
ちょっとした確認や連絡が必要なときは、電話・メールに比べてはるかに効率的に連絡を取ることができます。
続いては、グループウェアを使って得られる具体的なメリットを5つ紹介します。
メールよりもスピーディにやり取りが可能
グループウェアにはダイレクトメッセージ機能やチャット機能が備わっているため、メッセージ送信先を選択するだけでかんたんにメッセージ送信が可能です。
また、メールに比べてかしこまらずにカジュアルにメッセージを送り合うことが可能です。
例えば
- 「承知しました」
- 「よろしくお願いします」
などのメッセージをわざわざ送らなくても、スタンプだけで反応を示すことも可能です。(企業文化による)
外出先やリモートワーク時でもアクセス可能
クラウド形式のグループウェアの場合はインターネット環境さえあれば、自宅やサテライトオフィスなど場所を問わずアクセス可能です。
さらにスマホやタブレットにも対応しているので、移動中のスキマ時間でも業務進捗の確認が可能です。
Webミーティングをシームレスに開催可能
グループウェアの中にはWebミーティング機能が備わっているツールや、他社のWebミーティングツールと機能連携が出来るものがあります。
わざわざWebミーティングツールを立ち上げなくとも、シームレスにWebミーティングの開催が可能です。
勤怠、経費精算、各種申請などひとつで対応可能
グループウェアのワークフロー機能を活用すれば、
- 勤怠入力・有給申請
- 経費・交通費精算
- 稟議書などの各種申請
といった業務に必要な各種申請をグループウェアひとつで行うことが可能です。
閲覧権限を自由に設定可能
グループウェアは閲覧権限を自由に設定可能です。
例えば、
- マネージャー以上が閲覧できるグループ
- プロジェクト関係者だけが閲覧できるグループ
などの設定が可能です。
もちろん、メンバーの追加・変更もかんたんにできるので、人事異動や退職があった場合でも即反映が可能です。
グループウェアのデメリット4つ
社内コミュニケーションに役立つグループウェアですが、注意すべき点もあります。
ここではグループウェアの注意点(デメリット)を4つ解説します。
- 情報量が多くなり重要な情報がどれかわからなくなる可能性がある
- 情報確認に追われ本業に支障をきたす可能性がある
- 費用対効果が見えにくい
- 情報漏えいのリスクがある
それぞれ詳細を解説します。
情報量が多くなり重要な情報がどれかわからなくなる可能性がある
グループウェアのタイムライン上には様々な情報が投稿されていきます。
そのため、重要な情報が中に埋もれてしまい、「伝えたはずなのに相手に正しく伝わっていない。」といったことが起きる可能性があります。
情報を確実に相手に伝えたい場合は、
- メンション機能の活用やお知らせをリマインドする
- 情報を確認したらスタンプを押してもらう
などの工夫をする必要があります。
情報確認に追われ本業に支障をきたす可能性がある
グループウェアでは日々のさまざまな情報が蓄積されていきます。
人によっては複数のグループに参加するため、気づけば未読件数が100件以上溜まっていたということもあります。
そのため、情報確認に追われてしまい、本来自分がやるべき業務に着手できていないということも起きがちです。
例えば「承知しました。」程度の返信であればスタンプにするなど、運用ルールを決めることで必要以上にメッセージが増えないように工夫する必要があります。
費用対効果が見えにくい
グループウェアには月額利用料が掛かります。しかしながら、どれくらい売上や利益に繋がるかが計りにくいため導入に迷われる方も多いはずです。
そのような場合は、導入したことで削減される時間コストを計算するとよいでしょう。
例えば、
- 平均残業時間を3時間短縮するために、メールソフト利用時間を50%削減する。そのために、業務連絡はグループウェアのチャットに切り替える
といったように、具体的な数値目標を立てることで、費用対効果の検証がしやすくなります。
情報漏えいのリスクがある
グループウェアでは社外秘の情報を含むやり取りが増えるため、情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
情報漏えいのリスクは、外部リスクと内部リスクがあります。
- 外部リスク:セキュリティの脆弱性を狙ったサイバー攻撃などが該当します。
こちらについては、グループウェアのベンダーに確認するとよいでしょう。
- 内部リスク:従業員からの情報漏えいです。
例えば、
- パスワードを他者に漏らしてしまった
- 退職者がアクセスできるようになっていた
などが該当します。
特にクラウド型のグループウェアの場合、スマホやタブレット端末からパスワードでログインが可能です。
対策としては、
- 社内での運用ルールを整備する
- アクセス権限を設定する
- 監査ログ機能でユーザーの行動を管理する
などが必要です。
グループウェア導入時のポイント
グループウェアには数多くのサービスがあります。機能が豊富でサービスごとに特長も異なるため、「どれが自社に合うかわからない」と悩まれる方も多いはずです。
本項では、グループウェア導入時のポイントを解説します。
クラウド版かオンプレミス版をどちらにするか決める
グループウェアにはクラウド版またはオンプレミス版の2種類があります。
それぞれの特長を表で比較しました。
導入形態 | クラウド版 | オンプレミス版 |
---|---|---|
特徴 | インターネット上にあるクラウドサーバーにアクセスする | 自社サーバー上にシステムを構築する |
メリット | ・インターネット環境があれば、どこでもアクセス可能・サーバー、システム構築不要で即利用開始できる・初期費用が安い | ・自社サーバー内に構築するため、高いセキュリティを担保できる・自社仕様にカスタマイズが可能 |
デメリット | ・外部からの不正アクセスやサイバー攻撃を受ける可能性がある・カスタマイズ性が低い | ・初期費用が高く、導入までに時間も掛かる・社外からのアクセスができない(社内利用のみ) |
セキュリティ体制が整っているか確認する
グループウェアは個人情報や企業の機密情報を多く扱うため、日々の取り扱いには注意が必要です。
特にクラウド版を利用する場合は、仕組み上外部からの攻撃を受けやすくなります。そのため、システムのセキュリティ対策や万が一の場合の対応について必ず確認しましょう。
もし不安の場合は、WAFなど外部のセキュリティサービスの利用を検討することもおすすめです。
WAFについて詳しく知りたい方は「WAFとは?セキュリティ対策上のメリットを具体事例から解説!」の記事もご覧ください。
比較表を作成し自社に必要な機能を整理する
グループウェアは様々な機能があります。
しかしながら、豊富な機能すべてを使いこなせず「宝の持ち腐れ」状態になったという話もよく耳にします。
まずは検討するグループウェアで機能の比較一覧表を作成し、その中で優先順位をつけることで検討しやすくなります。
例えば、
- 必ず使う機能
- あれば使う機能
- なくても良い機能
- 月額想定費用
といったように整理することで、候補を絞りやすくなります。
トライアルを試し使いやすさを確認する
ある程度候補が絞られたら、トライアルを申し込み、実際の使用感などを試してみましょう。
トライアルを行う際にはなるべく複数部署の複数名で行い、IT操作が苦手な方にも試してもらいましょう。
グループウェアは導入することが目的ではなく、将来的に長く運用していくことが大切です。そのため、誰にとっても使いやすいツールということがひとつのポイントになります。
現在利用中のサービスと機能連携ができるか確認する
現在利用中のITサービスとの機能連携が可能かどうかも確認しましょう。
例えば、
- Googleと連携することでグループウェアのタスクとGoogleカレンダーを同期する
- Zoomと連携することでチャット画面からすばやくZoomミーティングに接続できる
- 経費管理システムと連携することでデータを自動で取り込み可能
といったことが可能です。
まとめ|グループウェアを使えば社内コミュニケーション活性化が実現可能
この記事では、テレワーク時代に役立つ「グループウェア」について、メリット・デメリット・導入時のポイントを解説してきました。
グループウェアを活用することで、
- 社内の情報共有、コミュニケーションが効率化する
- テレワークや外出中でもどこにいてもアクセスできる
- 他のツールと連携することで業務が効率化する
といったメリットがあります。
ビジネスのあらゆる業務がオンラインで出来るようになり、グループウェアを中心したITツールを利用する機会は今後益々増えるはずです。
クラウド型のグループウェアであれば、月額制で利用期間を選択できるので、もし自社に合わないと感じた時は、他のサービスの乗り換えも可能です。
ぜひご紹介した内容を参考していただき、最適なグループウェアを導入して頂けたら幸いです。
グループウェアごとの機能・費用比較を知りたい方は「グループウェア比較10選!価格・機能からツール毎の特長を徹底解説」の記事も併せてご覧ください。