顧客に商品やサービスを無事納品。ほっとする瞬間です。
ですが取引はここで終わりではありません。
顧客にお金を支払ってもらう必要があります。そんなとき、必要なのが「請求書」です。
しかしながら
- 「請求書の書き方がわからない。。」
- 「請求書を作成するときの注意点って何?」
- 「請求書のテンプレートがあればな~」
などと、お悩みになる方も多いでしょう。
請求書は、顧客と取引する上で、締めとなる重要なフェーズです。
顧客に価格や納期などの情報を正確に伝えることで、信頼を落とさないようにしたいものです。
本記事では、
- 請求書を書く目的
- 請求書テンプレート紹介
- 請求書に記載すべき項目
- 請求書作成時、送付時の注意点
を順番に説明します。
記載例ありのテンプレートも紹介しますので、ビジネスパーソン必見の内容です。
請求書の書き方にお悩みのご担当者様、ビジネスマナーを含めたマネジメントを担っている管理者様はぜひ最後までご覧ください。
請求書を書く目的
請求書の一番の目的は、顧客に納品した商品・サービスの対価となる支払い価格や支払い条件を、顧客に明示することです。
顧客とのやりとりにおいて、最初は口頭やメールにて、請求している方もいらっしゃるのではないでしょうか。それだけで支払いが完了するケースもあるでしょう。
しかし、ビジネスにおいて、書面での請求書の発行は必要不可欠です。書面での請求書がないと、後々顧客との認識相違により思わぬトラブルが発生する可能性があります。
本記事の内容およびテンプレートを参照し、請求書を正しく発行することで、取引の最終フェーズである金銭の受け渡しを速やかに完了させましょう。
請求書と領収書との違い
請求書と領収書の違い、みなさん分かりますか?以下の違いがあります。
- 請求書:顧客に納品した商品・サービスの対価となる支払い価格や支払い条件を顧客に明示する書類。
- 領収書:請求書にそって顧客が代金を支払った際に、受取人であるあなたが、発行する書類。支払いを証明するための証拠書類となる。
【記入例あり】請求書のテンプレート
請求書のテンプレートを紹介します。
テンプレートに記載の各項目に関しては、次章で説明します。
請求書作成時の参考情報として、また作成時のひな型として使用して下さい。
【記入例あり】請求書テンプレート・Excelファイル

請求書に記載すべき項目
請求書に記載すべき項目は下記の通りです。
まずは、必須項目から紹介しましょう。
国税庁が指定する、請求書に記載すべき必須項目は5つあります。
出典:国税庁(No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた)
- 請求書作成者の氏名または名称
- 取引年月日
- 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
- 税率ごとに区分して合計した税込対価の額
- 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
上記を踏まえ、本記事で記載すべき項目9選を紹介します。
詳細をそれぞれ解説します。
タイトル
「請求書」と記載。風変わりなタイトル、凝ったタイトルをつける必要はありません。”シンプル イズ ベスト”です。
請求書番号、請求年月日(発行年月日)
請求年月日に関しては、納品日以降であれば問題ありませんが、発行した日を記載するのか、顧客側の請求締め日を記載するかはさまざま。
顧客側と調整して記載するのが通例となっていますので、事前にしっかりと確認しましょう。
請求書番号に関しては必須ではありませんが、付けておくと顧客と請求書について会話する際、認識共有できるので非常に便利です。また、社内で管理する上でも役に立ちます。
付け方として、社内共通の通し番号や、「請求年月日+任意の数字」などがよいでしょう。
宛先:請求書を受け取る企業の住所、会社名、部署名、担当者名
担当者名が、法人名や部署名、事業所などの名称の場合、「様」ではなく、「御中」と表記することに注意。
また、会社名は「株式会社」「有限会社」と記載し、(株)、(有)のように略さないことが基本です。
請求書作成側の情報(会社名、担当部署、担当者名、e-mailアドレス、印鑑)
国税庁が指定する請求書作成の担当者名だけでなく、上記の情報を漏れなく記載しましょう。
書類の信頼性に繋がります。印鑑に関して、会社名には社印を、作成担当者名の右横に作成者の印鑑を押印するようにします。
支払期限
明確な日付を記載しましょう。特別な取り決めがない場合は、請求日の翌月末が通例となっています。事前に顧客と調整し、契約書や納品書などに明記することも多いです。
請求明細
納品した商品名やサービス名、単価、数量、金額を記載しましょう。
※単価は税抜き金額を記載するのが一般的です。
請求金額・合計金額
合計金額を税込で記載しましょう。各商品・サービスの明細の合計と一致することを確認しましょう。Excelのマクロ機能などの自動計算ツールを使用すると便利です。
振込先
振込先口座(金融機関)の情報を記載します。
具体的には銀行名、支店名、預金種別、口座番号、口座名義(カタカナ)といった情報です。
備考
請求書の条件や補足説明など特筆すべき事柄について、記載するようにしましょう。
例えば、下記のような内容になります。
- お振込手数料はご負担願います。
- 〇月△日迄に振込いただければ、振込手数料は無料といたします。
特記事項として顧客の注意を引きたいとき、他社と差別化したいときなどに有効に使いましょう。
請求書の記載前・作成時・送付時の注意点を5つ紹介
請求書を準備する際の注意点を記載前・作成時・送付時に関して、段階的に5つ紹介します。
- 請求書を記載する前に確認する注意点
- 請求書のファイルの注意点
- 請求書に印鑑は必要か?印鑑の注意点
- 請求書発行のタイミングの注意点
- 請求書の送付時の注意点
請求書を記載前に確認する注意点
請求書を準備する前に、下記のことを確認しましょう。
- 振込手数料は請求金額に含まれるか
- 支払期限の確認(明確な日時で指定)
- 消費税の扱い(軽減税率の適用可否も含む)
- 請求書に記載する顧客の会社名(前株?後ろ株?)
請求書の作成ファイルの注意点
請求書を作成する時、どのファイルに記載するのがよいでしょう?
ワード?PDF?テキストファイル?
こたえは、エクセルです。
理由は、計算に強いからです。
数式を使用することで、計算ミスを防いでくれますので「さあ、はじめて請求書を作成しよう!」という方で、他に思い入れのあるツールが無い人はエクセルを使用しましょう。
もう1つポイント。
請求書を正式に顧客に送付する際はPDFファイルに変換しましょう。
理由は、下記の2つ。
- 請求書の改ざん防ぐため
- 文字化けを防ぐため
(エクセル、ワードは有償でバージョンがさまざま。顧客側のパソコン環境によっては文字化けします。)
請求書作成ツールを2つ紹介します。前述のテンプレートと合わせてご活用ください。
請求書に印鑑は必要か?印鑑の注意点
印鑑は必須ではありません。
なぜなら、国税庁が推奨している記載すべき項目に印鑑はないためです。
国税庁が推奨している項目は以下のサイトをご確認ください。
出典:国税庁(No.6625 請求書等の記載事項や発行のしかた)
しかし、正式な書類であることの証明や権威付けとして、印鑑は非常に便利です。
電子印鑑でも構いませんので、押印することをおすすめします。
請求書発行のタイミングの注意点
請求書を発行するタイミングは取引契約の形態によって異なります。
取引の形態が1回きりの場合
請求書を発行するタイミングは、基本的には、その商品やサービスの納品した後になります。納品書と一緒に請求書を送付する場合もありますが、基本的に納品より前になることはありませんので、ご注意ください。
取引の形態が継続的である場合
毎週契約のものは、毎週。
毎月契約のものは、毎月。
請求書は基本的には、その都度発行します。
締め日や支払日に関しては顧客と相談して、
- 毎週水曜日
- 毎月20日
のように決めてください。
請求書の送付時の注意点
完成した請求書を送付するとき、どのように送付すべきでしょうか?
下記のポイントを意識してみてください。
顧客の希望に沿った形で送付する
これまでは、郵送が主流でしたが、オンライン社会となった今、顧客側が郵送を受け付けていない場合も増えてきています。
理由としては
- 郵送だと検索ができないから
- 管理コストが増えるから
といったことが挙げられます。
初回取引時に請求書の送付方法を確認し、顧客の希望の方法を選択しましょう。
送付状をつける
ビジネスマナーとして、請求書には送付状をつけましょう。
送付状に関して詳しく知りたい方は「送付状の書き方は?テンプレートを用いて解説【記入例あり】」にて解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ
今回は、
- 請求書を書く目的
- 請求書テンプレート紹介
- 請求書に記載すべき項目
- 請求書作成時、送付時の注意点
といった流れで説明しました。
間違いのない請求書を作成することは、ビジネスマナーとして必要不可欠です。
その理由は、顧客との金銭授受の正正式な書類であるからです。
「テンプレートなんかなくても、間違わないから大丈夫でしょ!」という考えから、請求書を手を抜いて作成するのではなく、
- 誤字脱字が無いか
- 記載する項目に漏れがないか
- 内容間違いがないか
という視点で、本記事で紹介したテンプレートも参考に、請求書を作成してみて下さい。
請求書は取引の最後の砦。テンプレートを使用した間違いのない請求書を作成することができれば、顧客とのやりとりもスムーズに進みます。
下記の3つのポイントを意識し、丁寧に請求書を作成してみてはいかがでしょうか。きっと顧客からも信頼され、次への商談と進む可能性も高まるでしょう。
- 読む人の気持ちになって請求書を作成すること
- 請求書を送付する際に、別記事でも紹介した”送付状”を付けること
- 状況によっては直接顧客に会って、心を込めて請求書の内容を説明すること
送付状の書き方については「送付状の書き方は?テンプレートを用いて解説【記入例あり】」にて詳しく解説しています。
本記事を通じて、あなたが請求書の目的・役割を正しく理解し、業務に有効に活用いただければ幸いです。
今回もお読みいただき、ありがとうございました。