「上司に企画書を作成してほしいと言われたけど、どうやって作成したらいいんだろう?」
「最近企画が採用されないな~どうしたらいいんだろう?」
今回は、このようなお悩みをお持ちの方に向けた、採用される企画書の書き方に関する記事です。
本記事を通じて、採用される企画書の書き方が理解できますので、ぜひ最後までお読みください。
企画書とは?
企画書とはそもそも何なのでしょうか?企画書の目的と提案書との違いという観点から説明します。
企画書の目的
企画書とは、達成したい新しいアイディアや企画をステークホルダー(利害関係者)にプレゼンするための資料です。
企画書の目的は、そのプレゼン資料を用いて、取引先や社内の関係者にプロジェクトに関して説明し、承認を得ることでプロジェクトを進めることです。
あなたが作成した企画書が採用されるか否かは、企画書の出来にかかっているといっても過言ではありません。
企画書と提案書の違い
企画書とよく似た資料に提案書があります。
違いは一言でいうと、「具体化の度合」です。
提案書は、「こんなことをしてみてはどうでしょう?」という言わば提案ベース。
例えば、「コロナ禍で出張費を削減するための方針として、オンラインミーティングツールを導入しましょう!」というのが提案。
企画書とは、この提案に対して大枠の承認を得たあと、
- いつまでに
- どのように
- 予算はいくらで
といった情報を含むことで、より”具体的”に詳細まで落とし込まれている資料を指します。
【記入例あり】企画書のテンプレート
企画書のテンプレートを紹介します。
構成や記載すべき各項目に関しては、次章で説明します。
企画書作成時の参考情報として、また作成時のひな型として使用して下さい。
【記入例あり】企画書テンプレート・Wordファイル

企画書の構成と記載すべき項目
企画を採用してもらうために重要なことは
- 適切な構成
- 必要な項目
を漏れなく記載することです。
それぞれ詳しく解説します。
企画書の構成
企画書の構成上、最も大事なポイントは、「読み手の目線で書くこと」です。
企画を採用する側の立場で、どんな企画書であれば採用するか考えてみましょう。
具体的には、下記のような構成です。
①あるべき姿
:企画書の目的は何か?どのようなことを達成すれば良いのか?具体的に記載しましょう。
②現状
:企画のテーマに関する現在の組織の状態を記載。まずは企画の背景を押さえることが重要です。
③あるべき姿と現状のギャップ
:ここがポイント。あるべき姿と現状にどれだけ相違点があるのか?組織に何が足りていないのか?
可能な限り、数値で示しましょう。
④ギャップを生み出している問題点
:ギャップが何故生じているのか?ブレーンストーミングで問題点を洗い出し、それらをグルーピングして整理した上で、問題点を列挙します。
注釈:ブレーンストーミングとは、複数人で自由にアイデアを出す手法のこと
⑤課題
:④で洗い出した問題点の中で、解決すべき問題を課題として捉えます。
問題点がネガティブな表現で「~が不足している」、「~が減少した」という表現になるのに対して、課題はポジティブな表現、例えば「~を確立する」、「~を達成する」となります。
具体的には、問題点が「毎年の花見企画参加する人数が減少している」というものであれば、課題は「花見企画に参加する人数を増加させる必要がある」となります。
⑥目標と手段
:⑤の課題を達成するための具体的な数値目標とその方法です。①のあるべき姿と適切に紐づいていることを確認して下さい。
記載すべき項目
前述の構成で企画書を作成する上で、記載すべき項目を紹介します。
①企画のテーマ
:この企画はそもそも何なのか?簡潔かつ明確に記載しましょう。「商品Aの後継機種である商品Cの展示会の具体案」などです。
②前提事項
:企画を遂行する上で、前提となる条件や成約事項あれば、明記すること。
予算やスケジュールなどの条件も含みます。
③目的
:テーマに沿った具体的な目的を記載しましょう。例えば、「商品Bの売り上げを前年比20%アップさせる(期限:2022.3月末決算日)」というように記載します。
④企画の具体的内容
:具体的な数値を用いて記載しましょう。5W1Hの情報や根拠を記載することで企画に説得力を持たせることが重要です。また、誰が何を実施するか、関係者の役割や、各アクションプランを明確にしましょう。
注釈:5W1Hとは、「なにを、いつ、どこで、なぜ、だれが、どのように」をまとめたもの
⑤参考資料
:企画を裏付ける参考資料があれば、説得力もアップします。参考文献のURLがあれば記載するようにしましょう。
採用される企画書の書き方のポイント
せっかく作成した企画書。「絶対採用されたい!」と思われるでしょう。
ここでは、採用される企画のポイントを順番に紹介します。
魅力的なタイトルを付ける
企画書のプレゼンを受ける人が最初に目を通すのは、どこでしょうか?
そう、タイトルです。
タイトルが魅力的でないと、聞き手・読み手を惹きつけることはできません。
思わず目をとめてしまうようなキャッチフレーズにしましょう。
- 「売り上げ100%アップ間違いなしの~」
- 「40代限定の~」
- 「朝専用~」
など。あえて対象を限定したり、具体的な数字や固有名詞を含めるのも一案です。
短く・簡潔に書く
長い文章や句読点が少ない文章が読み難いことはご理解いただけるかと思います。
特に企画書のプレゼンは、限られた時間で、読み手の心をバシッと掴むことが重要。
そのためには、可能な限り短い文章で断定的な表現を用いるのが効果的です。
5W1Hを明確にする
次のポイントを頭において、企画書を作成しましょう。
- Who(誰)・・・企画書の読み手は誰か?聞き手・読み手を常に意識することが重要
- Where(どこで)・・・どこで企画書を発表するか?企画発表のシチュエーションを意識
- When(いつ)・・・いつ企画を実施する?企画を提案する際の時期を意識。時流に乗ることが重要
- What(なにを)・・・企画書の内容。なんといっても最重要は企画書の質です!
- Why(なぜ)・・・「なぜ企画を実施するのか?現状とあるべき姿のギャップを解決するためということを明確に示す
- How(どのように)・・・どのように企画を発表するか?対面会議?リモート会議?それともメールで資料配布?
タイトルと構成から作成する
いきなり本文から作成してはいけません。理由は途中で全体像が不明瞭になる可能性があるからです。まずは、タイトルと企画書の構成を作成し、全体像を明確にしてください。
骨組みができていれば、その企画書に肉付けするのは比較的カンタンです。企画書の軸がブレることもありません。
共感を得る文章を書く
企画書で重要なことは、なんといっても読み手が納得・共感する文章を書くことです。
提案する商品やプロジェクトがどんなに良くても、聞き手・読み手が納得・共感しなければ、企画は採用されません。
具体的な数値データでの根拠、具体事例に加え、読み手の価値観に沿う企画書を作成することを心がけましょう。
また人は「論理で納得して、感情で動くもの」です。共感を得る文章の決め手はズバリ、読み手の感情を突き動せるかということ。
例えば、読み手が海外進出を検討しているのであれば、海外進出をサポートするような内容を盛り込むこと。
また海外進出に関して読み手が不安を感じているのであれば、その不安を取り除くようなアドバイスを記載すること。
さらには、海外進出したいという気持ちに寄り添い、背中を押して前に進む力となるような文章。
そんな気持ちを企画書に反映できれば、きっと読み手の共感を得ることは間違いないでしょう。
論理的な文章を書く
文章が論理的であることも重要です。一文ごとに意味の繋がりを考えてみてください。
全体としては、なんとなく意味が通るが、一文ごとに丁寧に読み返すと、論理が破綻している箇所はないでしょうか?
「なぜなぜ分析」で掘り下げてみてください。掘り下げた結果を論理的に繋げることができれば、相手から納得・共感を得られる可能性が高まります。
注釈:なぜなぜ分析とは「なぜ?」を繰り返すことで、発生している問題の根本原因を探る手法のこと
なぜなぜ分析は、文章作成にも適用することができます。論理的な文章というのは、この「なぜなぜ」が論理的に繋がっているので、読み手が「?」と思うことがなく、スッと理解できるのです。結果として納得感・共感を得られる企画書となり、採用されることに繋がります。
企画を実施するメリットを明確に読み手に伝える
採用される企画書を作るためには、企画を実施するメリットを明確に読み手に伝えることが重要です。
なぜなら、読み手はその企画書を採用することでどんな未来が待っているか明確に知りたいからです。
例えば、読み手の会社が化粧品メーカーであると仮定します。その会社に「新興メーカーが多く参加する展示会に出展する」という企画を考えたとしましょう。
その場合、具体的に次のような内容を記載します。
企画「新興メーカーが多く参加する展示会に出展する」のメリットは3点。
- 潜在顧客と直接会話することで、生のニーズを掴むことができる
- 自社ブランドの認知拡大や、ブランドの宣伝につながる
- 新興メーカーの動向を把握することで、新たな事業戦略を検討できる
このように記載することで、読み手に企画を実施するメリットが明確に伝わります。
まとめ
今回は
- 企画書とは何か
- 企画書テンプレート紹介
- 企画書の構成と記載すべき項目
- 採用される企画書の書き方のポイント
を順番に説明しました。
採用される企画書を作成することは、企画書とは何か、を確実に理解し、テンプレートを利用して記載することが大切です。
企画書の構成や記載項目にも目を配り、まずは企画書を作成・完成させることから始めてみてください。
「企画書って自信ないんだよな・・」とお思いのあなた。誰もが最初は不安な気持ちをもっているので、心配し過ぎる必要はありません。
まずは作成しなければ何も始まりません。作成後、レビューやヒアリングを受け、推敲を重ね、企画をブラッシュアップしましょう!
- 記載する項目に漏れがないか
- 内容に間違いがないか
- 読み手のニーズが反映されているか
という視点で、本記事で紹介したテンプレートも参考に、企画書を作成してみてください。
「少しでも良い商品(サービス)を提案したい」という熱い思いが適切に企画書に反映されていれば、あなたの企画書はきっと採用されるでしょう!
本記事を通じて、あなたが企画書の目的・役割を正しく理解し、作成した企画書が採用されれば幸いです。今回もお読みいただき、ありがとうございました。