昨今、営業活動は大きく変わってきています。なぜなら営業社員が利用するツールが大きく変わってきたからです。
そのためこれまでは「足で稼ぐ」と考えられていた営業手法でしたが、「ツールを使いこなす」という営業手法へと変わってきています。
それでも営業の業務量が減ったわけではありません。これまでの業務量をツールを利用して効率化を図ろうというのが昨今の新しい考え方です。
営業活動が効率化されれば、自社にとっては売上増加やコスト削減など大きなメリットになります。
本記事では企業が営業効率化を図った方が良い理由から、実際に営業効率化が期待できるツールまでをご紹介します。
ぜひ本記事を参考に営業効率化ツールを導入させ、自社の成長に繋げてみてください。
営業効率化を図る理由
現在の企業が営業効率化を図った方が良い理由は下記の通りです。
①売上を上げる
②顧客満足度を上げる
③営業社員の負担を減らす
営業効率化を図る理由①:売上を上げる
企業にとっては売上を上げることは、企業を存続させることに繋がります。営業は自社の利益を残すための生命線の役割を担っていると言ってよいでしょう。
企業が売上を上げていくためには「購買数を増やす」「売上単価を上げる」「新規顧客を増やす」などが挙げられます。
これらを行うためには顧客を分析して効率的に営業を行うことが必要になります。なぜなら分析を行わずに手当たり次第に営業を行なっても、成功する確率は低くなってしまうからです。
顧客の分析を行えれば、どの顧客にどの商品やサービスが適しているのかを把握することができ、売上アップを期待できるでしょう。
また、新規顧客を増やすことはどの企業にとっても大きな課題ですが、人手不足やツールを利用しないばかりに営業の勘に頼ってしまい、なかなか成果に繋がらない企業も多く存在します。
ただしツールによってマーケティングを効率化できれば、ピンポイントで商品やサービスを顧客に訴求できるため売上を上げること繋がります。
そのため売上を上げるためには営業効率化を図ることが必要になります。
営業効率化を図る理由②:顧客満足度を上げる
顧客満足度を上げることも重要な理由です。なぜなら営業効率化ができれば、営業社員の顧客に応対する質が上がるからです。
顧客満足度を上げるためには、顧客のニーズを満たすことに加えてプラスαの提案を行うのが良いとされています。
従来であれば顧客のニーズを満たすために手一杯だったとしても、ツールなどを利用して効率化を図れば、顧客への提案へ割く時間がこれまで以上に確保されるため、質の高い提案を行えるでしょう。
また顧客状況の把握をツールによって行うことができれば、適切なタイミングで適切なフォローを入れることが可能です。顧客に対して営業が余裕を持って対応することは自社の信頼感の向上にも繋がります。
そのため営業効率化を図れば、顧客満足度を上げることにも繋がります。
営業効率化を図る理由③:営業社員の負担を減らす
営業社員のタスクは多岐に渡ります。
顧客への提案に始まり、日々のメールや電話での連絡、顧客への訪問、アポイントの日程調整、商談のための資料準備や社内での調整、契約書の作成、商品の手配、アフターサービスなどです。
こうしたタスクを効率的に行うことができれば、多くの営業社員の負担を減らすことができます。
負担を減らすことができれば、営業社員の自社への満足度も必然的に上がってくるため、モチベーションも高く仕事を行なってもらうことができ、離職率の低下にも繋がります。
自社に長く在籍してツールを使いこなす社員が増えれば、営業ノウハウは多く積み上げられ、積み上げられたノウハウは次世代へと引き継ぎやすくなっていきます。こうした積み上げができれば、長期的な自社の成長を見込めるのも嬉しい点です。
また営業社員の負担を減らすことで、バックオフィスで業務をしている社員との業務差なども少なくすることができるでしょう。
営業社員のタスクへの負担を減らすことは、営業効率化に直結しているため、売上の増加などよりも早く効果が期待できます。
営業効率化ツール 5選
それでは具体的に営業効率化に繋がるツールを5つご紹介します。
①Salesforce Sales Cloud
②GeAIne
③Sansan
④Slack
⑤Whereby
Salesforce Sales Cloud(株式会社セールスフォース・ドットコム)

『Salesforce Sales Cloud』はCRM(顧客管理ツール)で世界No.1のシェアを誇るツールです。導入企業数は世界15万社以上でNECやFUJIFILM、アフラックなどでも導入されています。
Salesforce Sales Cloudに顧客情報を登録すると、セールスアナリティクスとAIによって顧客の状況や訪問のタイミングや商談の成功率などを可視化ができます。そのため営業社員がどの顧客を優先的に訪問すればいいのかなどの施策を考える手間が省けます。
また直感的な操作が可能なので、どのような社員でも使いやすいのに加えてスマホなどでもアプリが提供されているので、外出先から確認することも可能です
Salesforce Sales Cloudの特長
・国内外においてトップシェアのCRM/SFA。15万社の導入実績とノウハウを保有
・年3回のバージョンアップで常に進化を続けている
・導入以後も定着化支援担当者が生産性向上に伴走(KPI設定・分析・検証・改善提案)
Salesforce Sales Cloud導入時の注意点
多機能な反面、一画面上に多くの情報があり管理画面が見にくい。操作自体に慣れが必要のため、PC操作に不慣れな組織・担当者には向かない
無料トライアルの有無
30日間無料トライアル有
Salesforce Sales Cloudの料金プラン
Salesforce Sales Cloudの料金プランは利用できる機能をプランで決め、ユーザーごとの従量課金制になっています。
プラン | 費用(月額) |
Salesforce Essentials | 3,000円/ユーザー |
Lightning Professional | 9,000円/ユーザー |
Lightning Enterprise | 18,000円/ユーザー |
Lightning Unlimited | 36,000円/ユーザー |
Salesforce Sales Cloudの口コミ
・「Sales Cloudを使って部署間で情報を共有し、お客様や案件をスムーズに引き渡せるようになったことで、各部署が販売機会を逃さず、お客様に最適なサービスを提案できるようになりました。月2 回の営業会議の資料も、以前はExcelで作成していましたが、ダッシュボードを見れば済むので不要になり、全社で年間約1,350 時間も削減できました。また従来、数字の確認に終始していた会議での報告は簡潔になり、浮いた時間を市場の分析や戦略の立案といった有益な議論に費やせるようになりました。」
参考:株式会社福徳不動産
・「Sales CloudやPardotを導入してお客様とのコミュニケーションをほぼ自動化できたことで、以前は3時間かかっていたメールチェックの時間を1時間に短縮することができました。お客様に対するリマインドの回数もぐんと減りましたし、私たちだけではなく、お客様にとってもストレスフリーな関係を構築できたのではないかと思います。Salesforceのサービス導入後約1年間で、新規リード獲得数4302件、商談数2倍、商談日数は平均14日かかっていたところを10日に短縮しました。」
参考:タイガーモブ株式会社
→Salesforce Sales Cloudの公式サイトはこちら
GeAIne(エッジテクノロジー株式会社)

『GeAIne』はAI技術を利用して、顧客のリストから受注確度の高い顧客の抽出や自社製品に興味を持ってもらうための営業文書の自動作成などを行います。
顧客とのアポイントを獲得するための労力をGeAIneが補ってくれるため、新規顧客の獲得や営業リストの活用に適しています。アポイント獲得に特化した営業効率化ツールです。
GeAIneの特長
・問い合わせフォーム・企業メールに自動でアプローチが可能
・営業文章のA/Bテストや、レポート機能による検証が可能
・GeAIne導入後はカスタマーサクセスチームがアポ取得をサポート
GeAIne導入時の注意点
自動送信ができなかった場合でも「問合わせフォーム/メールアドレス」を発見した場合には送信済件数に含まれる(課金対象になる)
無料トライアルの有無
有り(お問い合わせフォームより確認)
GeAIneの料金プラン
※GeAIneの料金プランの詳細はHPへ問い合わせが必要です。
プラン名 | 費用(月額) | 問い合わせ自動入力 機能上限数 |
ビジネス | 40,000円〜/月額 | 2,000社〜/月 |
GeAIneの口コミ
「2019年1月から導入させていただいているのですが、四半期単位で結果をみると、問合せベース120%で進捗しています。先日もフォームマーケティングで獲得した問合せから、弊社の主力商品の受注が決まり、改めてフォームマーケティング経由からの問合せの質の高さを感じています。」
参考:株式会社キャリアデザインセンター
「新規営業先に1日100件程度しかアプローチできていませんでしたが、本サービスを導入することにより、1日あたり、さらに100件多くのアプローチができるようになりました。」
参考:株式会社経営継承支援
Sansan(Sansan株式会社)

『Sansan』は名刺管理サービスとしてシェアNo.1を誇るソフトです。シェア率は80%を超えており、導入企業は6,000社以上を誇ります。
多くの企業で多くの人と名刺交換を行う営業はきちんと名刺を管理しないと、名刺がかさんでしまい「どこの誰か?」が瞬時に分からなくなってしまいます。
Sansanを利用して名刺をデータ化することで、業務で利用するスマホに一括で管理ができるようになり、訪問時や提案時に簡単に確認することができます。また名刺を社内で共有することができるのも大きな特徴です。
名刺の管理が非常に管理になるので、営業効率化に繋がります。
Sansanの特長
・クラウド電話帳として社内・社外の連絡先を一元管理
・独自のAI技術による情報の統合と名寄せ。さらに帝国データバンクの情報を付与することで、マーケティングに最適なデータへと進化させる
・コンプライアンス強化。取引先が反社会的勢力との関わりがないか、網羅的に検知することが可能
Sansan導入時の注意点
・あくまで名刺管理ツールとしての要素が強く、CRMやSFAとしての活用には向かない。(外部サービスとの連携は可能)
・取引先が大手企業で常に最新の人事情報を把握したい場合は効果を発揮するが、中小企業には特に必要性を感じられない可能性がある
無料トライアルの有無
有り(期間等は申込時確認)
Sansanの料金プラン
Sansanの料金は提出する「見積り依頼書」に準じて最適なプランを提供される形になります。
プラン | 初期費用 | ライセンス費用(月額) | Sansanスキャナー |
Lite | 要見積もり | 要見積もり | 月額10,000円/台 |
Standard | 要見積もり | 要見積もり | 月額10,000円/台 |
DX | 要見積もり | 要見積もり | 月額10,000円/台 |
Sansanの口コミ
「Sansanを導入したことで「いつ、誰が、どの方に会って、どんなことをしたのか」が分かるようになりました。Salesforceで管理している情報とSansanの情報を連携し、「先日、弊社の営業がこのようなお話をさせていただいたと思いますが」と話を切り出せるようになり、「会社内で情報連携ができているんですね」と仰っていただけるようになりました。」
参考:ウイングアーク1st株式会社
「もともと顧客データベースは持っていましたが、新しく追加されるお客様の数が伸び悩んでおり、会社の規模にしては少ない増加数だと感じていました。原因は、やはり手入力でデータ化していたためと思いますが、Sansanを導入してからはその数が3倍くらいになりました。」
参考:株式会社神戸デジタル・ラボ
Slack(Slack Technologies)

Slackは日本でユーザー数50万人以上を誇るコミュニケーションツールです。これまでメールでやりとりしていたコミュニケーションや資料のやり取りをチャット上で手軽に行えることで業務の効率化が図れます。
プロジェクトごとにチャットルームを簡単に作成することができ、プロジェクトに関わるメンバーを登録すれば「いつ・誰が・どんなやりとりをしたのか」の情報共有が簡単に行えます。
そのため情報共有で会議を行う必要がなく、チャット上で共有を行えるので効率化に繋がります。
Slackの特長
・日常的なルーティン業務などを自動化する、ワークフロービルダー機能
・音声通話、ビデオ通話機能を実装。slack一つでコミュニケーションを円滑にする
・プロジェクトやトピックごとにチャンネル作成が可能。参加メンバー内の業務進捗が可視化され、マネジメントが容易になる
Slack導入時の注意点
・UIが見づらいという声が多い。
・組織規模、利用人数によっては月額費が高額になる可能性がある。単にコミュニケーションツールとして利用するのではなく、費用対効果に見合った運用を検討する必要がある。
・投稿した内容が既読か、未読かがわからない
Slackの料金プラン
Slackの料金は無料で利用できるフリープランから、シングルサインオンでログインが可能なプラスまでの3つのプランがあります。
プラン | 費用 |
フリー | 無料 |
スタンダード | 850円/月額 |
プラス | 1,600円/月額 |
EnterpriseGrid | 要問合せ |
Slackの口コミ
「Slack 上で目標を見える化し、取得状況を共有。さらに絵文字リアクションで褒め合うようにしたところ、メンバーのやる気と競争心に火をつけ、半年で資格取得者人数の目標を達成することができました。」
参考:関西でも Slack!地元企業のカルチャー変革事例をご紹介
「社員数が増えると、経営層と現場のメンバーに距離が生じやすくなりがちです。その距離を生まないために、経営陣は、社員の活動を「見ているよ」というメッセージを意図的に伝えるためにも、絵文字を使っています。」
参考:組織が拡大しても、社内の「情報格差」を生まない!メルカリの、組織カルチャーを支える Slack 活用
Whereby(Whereby)

『Whereby』は無料でも利用ができるWeb会議ツールです。最大4人までの同時接続が可能で顧客とのやり取りや遠隔地での社内会議で活用ができます。
ユーザー登録やアプリのインストールは必要なく、主催者が発行するURLで会議が開くことができるという手軽さが人気です。画面には資料を表示させることも可能なので、客先に出向かなくても提案を行うことが可能です。
新型コロナウイルスの影響などで、営業手法の変革が求められている昨今、Wherebyを利用して顧客と接点ができるのに加え、営業社員の移動などのコストがかからない効率化に繋がります。
Wherebyの特長
・一度発行されたURLは繰り返し活用できるので、都度URLを発行する手間が不要
・無料版でも4人まで同時に接続が可能(5人以上は有料版)
・アプリ、ソフトウェアのインストール必要なし、ブラウザ上の操作のみで接続が可能
Whereby導入時の注意点
接続中にフリーズが生じるなど、接続が不安定になることがある
Wherebyの料金プラン
Wherebyは無料でも利用ができますが、より機能が追加された有料プランもあります。
プラン | 費用 | 参加人数 | 録音 |
Free | 0円 | 4人 | ✕ |
Pro | 9.99$(約1,042円) /月額 | 12人 | ◯ |
Business | 59.99$(約6,259円) /月額 | 50人 | ◯ |
Wherebyの口コミ
「非常にシンプルにweb会議に参加できるため、ゲスト側のITリテラシーがわからないまたは低い場合には一番使いやすいweb会議ツールだと思います」
参考:Wherebyのレビュー(口コミ・評判)
「回線速度が遅い場合でも、音声が途切れずに聞こえるので、ビデオチャットでありがちなフリーズして会話が止まるということがめったにありません。」
参考:Wherebyのレビュー(口コミ・評判)
営業効率化ツールを導入するステップ
営業効率化ツールを導入するには下記の4ステップで進めていきます。
①自社の課題の明確化
②自社の目標を決定
③目標に準じたツールを選定する
④自社にツールを導入
自社の課題の明確化
まずは自社の課題を明確にします。ただ「営業活動を効率化したい」のではなく、自社の課題は何でどう解決したいのかを明確化します。
たとえば顧客に適切なアプローチができていないであれば、適切にアプローチするための課題は何か?を考えるといいでしょう。
自社の課題に適切に向き合うことが大事になります。
自社の目標を決定
課題を明確にしたら自社の目標を決定します。ツールを導入することで「売上〇〇%アップ、新規顧客〇〇件獲得」などです。
ツールを導入したことでの短期的な目標と長期的な目標を決めておくと良いでしょう。
目標に準じたツールを選定する
目標を決定したら、目標を達成するために適したツールを選定しましょう。導入コストや運用コスト、導入後に社内でどのように展開していくかなど総合的に考えたうえで選定してくといいでしょう。
自社にツールを導入
選定したツールを導入して自社内で展開していきます。
ツールを導入しただけでは目標を達成することはできません。どのように運用されているのか、運用方法は適切か、効果は出ているかなどの検証を続けていきます。
トライアンドエラーを繰り返して自社内のノウハウを増やして、目標達成に向けて運用していきましょう。

まとめ|営業効率化ツールを使えば売上増加やコスト削減が可能
営業効率化を行うことは自社にとっても、社員にとっても大きなメリットになります。今後、営業ツールを活用していくことは一般的になっていくでしょう。
現在でも多くの企業が営業効率化を図るためにツールを導入して活用をしています。ツールを利用している企業と利用していない企業では、今後の営業活動には大きな差が出てくるでしょう。
ぜひ本記事を参考にツールを活用しての営業効率化を図ってみてください。